[本編] 春川 樹生 編
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【ユリス】
「……クソッ!馬鹿にしやがって、俺があいつを好きだって?」
思い出すだけで、全てをぶち壊したくなる。
あいつの、どうでもよさそうな口調が、俺の心をいつまでもかき乱す。
クロノが調査していた春川とかいう奴の夢をいじくって。
あいつをおびき寄せる所までは上手くいったのに。
【ユリス】
「人間なんかに肩入れしやがって」
【ユリス】
「……ふざけんなよ。俺のことは無視するくせに!」
【ユリス】
「そんなに人間といちゃつきたいなら、そうなるようにしてやるよ」
【ユリス】
「くっ………あはははははは!」
ああそうだ、いい事を思いついた。
あいつが俺の事を避けるなら……
とっておきの悪夢をプレゼントしてやる。
リビドーを手に入れるまで、ほとんど毎日見ていた生汰の悪夢と一緒に…
決して消えない罪悪感を、一生引きずって行くことになるんだろうと思っていた。
それを手放してはいけないんだって思い込んで怯えてた。
―――でも、今はクロノがいてくれる。
オレみたいなつまらない人間を思って親身になってくれる。
いつだって本音で向き合って助けてくれる。
オレの仄暗いトラウマを抉り出して、そして……オレを、許してくれる。
【春川 樹生】
(クロノがオレを認めてくれた時…確かに心が軽くなったんだ)
―――オレはあの時、トラウマを克服したのかもしれない。
もう、都合の良い夢に頼らなくても……、いいのかもしれない。
【春川 樹生】
(……最後に、リビドーをもう一度だけ使ってみよう)
【春川 樹生】
(夢の中に生汰が出て来なかったら……オレの願望から、自己満足な罪滅ぼしが消えたら…)
【春川 樹生】
(その時は、ちゃんと現実と向きあおう)
ふと、クロノの事が思い浮かんだ。
【春川 樹生】
(クロノは、生汰の身代わりか?)
【春川 樹生】
(自分を慰めてくれるだけの存在か?)
自問自答する―――けど、はっきり違うと言える。
クロノは、新しい価値観をくれた。
だから……これで最後にしよう。
オレはリビドーを装着する。
頭に軽やかにフィットするそれが、やけに白々しく感じられた。
死神界に戻った俺はリビドー事件の全容と、人間界で起こった事を資料にまとめた。
重要な報告なので、長に直接提出しに行く。
【クロノ】
「リビドーによる死亡事件の報告書を提出しに来ました」
【長】
「クロノか、ご苦労」
長が部屋の空気と同じように厳かな声を発する。
―――部屋の雰囲気って、部屋の主に似るのかな。
【長】
「では早速報告を頼む」
【クロノ】
「……長くなりますよ?」
言外に、面倒くさいから書類を見てくれというニュアンスを含んだつもりだったが、
【長】
「構わない」
全然通じていないようで、がっかりした。
仕方ないな、と一つため息をついて、俺は判明している事実を話すことにする。
【クロノ】
「それじゃ、簡単に説明します」
【長】
「むっ……」
長の眉がしかめられるが、気が付かないフリで話を進める。
【クロノ】
「自分の好きな夢を見られる脳波装置リビドーと、その追加データであるLIPを広めたのは、」
【クロノ】
「―――ユリス」
【クロノ】
「リビドーを使用して死亡した人間の名簿と、ユリスが狩った 魂が一致していますし、
物証はありませんが、ユリス本人から犯行を認める発言もありました」
【長】
「その件についてはアンクから報告を受けている。由々しき事態だな」
【クロノ】
「そうですね……」
【クロノ】
「さらにユリスは俺の調査対象から意識を奪い、夢の中に幽閉するという暴挙に出ました」
【クロノ】
「調査に対する妨害。自分の罪が明るみに出るのを防ぎたかったんでしょう」
―――他にも思い当たる理由があるけど……ここで言うことでもない。
【クロノ】
「他にも追加プラグイン使用者のみが使用できる
サイトparaisoを運営し情報を集めたりもしています」
【クロノ】
「現在は逃亡中。こちらで行方は把握していません。以上です」
【長】
「……よく分かった。事件解決まであと一歩と言ったところか」
【長】
「それで……調査対象の人間については?」
【クロノ】
「まだもう少し、時間をください」
【長】
「……分かった。調査の方も続けてくれ。よろしく頼む」
【クロノ】
「……了解」
じいの真似をして深々と一礼をしてから、長の部屋を出る。
【クロノ】
「引き続き調査を、ね……」
【クロノ】
(もう事件は解決したも同然だけど……)
【クロノ】
(……やっぱり、あいつを捕まえなきゃ、この事件終わらないか)
【クロノ】
「じい……ユリスはあの時から死神界には帰ってないんだよね?」
長の部屋から出た後、自室にじいを呼んで打ち合わせを開始する。
【アンク】
「左様でございます」
【アンク】
「クロノ様が、夢の中に囚われていた春川さんを助けて以来、姿を消しております」
【アンク】
「死神界での捜索はしておりますが、現在足取りはつかめておりません……」
じいが肩を落として説明する。
【アンク】
「あの時、ユリスを不審に思っていながら……」
【アンク】
「みすみす見逃してしまうとは……我ながら不甲斐ない限りでございます……!」
じいが悔しそうに俯いてしまう。
……いつも頑張っている姿を見ているだけに、気の毒になる。
【クロノ】
「……じいのせいじゃない」
【クロノ】
「俺達より、あいつが一枚上手だっただけ」
ユリスの作り出した憧憬夢で中で、あいつを切った時の事を思い出す。
夢の中の姿は、やはりユリスそのものではなく遠隔操作されたプログラムだったようだし。
そう簡単に捕まるようなタマじゃないだろう。
それでも、絶対に諦めない。
一刻も早く見つけ出し、春川にした事の……償いをさせてやらないと気が済まない。
【アンク】
「私めも、今まで以上に気合を入れて臨ませていただきます!」
【アンク】
「しかし……どこに隠れているのでございましょうな…」
【クロノ】
「そうだね…。どこかに隠れているとしたら、じいはどこだと思う?」
【アンク】
「そうですな……やはり人間界でしょうか?」
「……クソッ!馬鹿にしやがって、俺があいつを好きだって?」
思い出すだけで、全てをぶち壊したくなる。
あいつの、どうでもよさそうな口調が、俺の心をいつまでもかき乱す。
クロノが調査していた春川とかいう奴の夢をいじくって。
あいつをおびき寄せる所までは上手くいったのに。
【ユリス】
「人間なんかに肩入れしやがって」
【ユリス】
「……ふざけんなよ。俺のことは無視するくせに!」
【ユリス】
「そんなに人間といちゃつきたいなら、そうなるようにしてやるよ」
【ユリス】
「くっ………あはははははは!」
ああそうだ、いい事を思いついた。
あいつが俺の事を避けるなら……
とっておきの悪夢をプレゼントしてやる。
リビドーを手に入れるまで、ほとんど毎日見ていた生汰の悪夢と一緒に…
決して消えない罪悪感を、一生引きずって行くことになるんだろうと思っていた。
それを手放してはいけないんだって思い込んで怯えてた。
―――でも、今はクロノがいてくれる。
オレみたいなつまらない人間を思って親身になってくれる。
いつだって本音で向き合って助けてくれる。
オレの仄暗いトラウマを抉り出して、そして……オレを、許してくれる。
【春川 樹生】
(クロノがオレを認めてくれた時…確かに心が軽くなったんだ)
―――オレはあの時、トラウマを克服したのかもしれない。
もう、都合の良い夢に頼らなくても……、いいのかもしれない。
【春川 樹生】
(……最後に、リビドーをもう一度だけ使ってみよう)
【春川 樹生】
(夢の中に生汰が出て来なかったら……オレの願望から、自己満足な罪滅ぼしが消えたら…)
【春川 樹生】
(その時は、ちゃんと現実と向きあおう)
ふと、クロノの事が思い浮かんだ。
【春川 樹生】
(クロノは、生汰の身代わりか?)
【春川 樹生】
(自分を慰めてくれるだけの存在か?)
自問自答する―――けど、はっきり違うと言える。
クロノは、新しい価値観をくれた。
だから……これで最後にしよう。
オレはリビドーを装着する。
頭に軽やかにフィットするそれが、やけに白々しく感じられた。
死神界に戻った俺はリビドー事件の全容と、人間界で起こった事を資料にまとめた。
重要な報告なので、長に直接提出しに行く。
【クロノ】
「リビドーによる死亡事件の報告書を提出しに来ました」
【長】
「クロノか、ご苦労」
長が部屋の空気と同じように厳かな声を発する。
―――部屋の雰囲気って、部屋の主に似るのかな。
【長】
「では早速報告を頼む」
【クロノ】
「……長くなりますよ?」
言外に、面倒くさいから書類を見てくれというニュアンスを含んだつもりだったが、
【長】
「構わない」
全然通じていないようで、がっかりした。
仕方ないな、と一つため息をついて、俺は判明している事実を話すことにする。
【クロノ】
「それじゃ、簡単に説明します」
【長】
「むっ……」
長の眉がしかめられるが、気が付かないフリで話を進める。
【クロノ】
「自分の好きな夢を見られる脳波装置リビドーと、その追加データであるLIPを広めたのは、」
【クロノ】
「―――ユリス」
【クロノ】
「リビドーを使用して死亡した人間の名簿と、ユリスが狩った 魂が一致していますし、
物証はありませんが、ユリス本人から犯行を認める発言もありました」
【長】
「その件についてはアンクから報告を受けている。由々しき事態だな」
【クロノ】
「そうですね……」
【クロノ】
「さらにユリスは俺の調査対象から意識を奪い、夢の中に幽閉するという暴挙に出ました」
【クロノ】
「調査に対する妨害。自分の罪が明るみに出るのを防ぎたかったんでしょう」
―――他にも思い当たる理由があるけど……ここで言うことでもない。
【クロノ】
「他にも追加プラグイン使用者のみが使用できる
サイトparaisoを運営し情報を集めたりもしています」
【クロノ】
「現在は逃亡中。こちらで行方は把握していません。以上です」
【長】
「……よく分かった。事件解決まであと一歩と言ったところか」
【長】
「それで……調査対象の人間については?」
【クロノ】
「まだもう少し、時間をください」
【長】
「……分かった。調査の方も続けてくれ。よろしく頼む」
【クロノ】
「……了解」
じいの真似をして深々と一礼をしてから、長の部屋を出る。
【クロノ】
「引き続き調査を、ね……」
【クロノ】
(もう事件は解決したも同然だけど……)
【クロノ】
(……やっぱり、あいつを捕まえなきゃ、この事件終わらないか)
【クロノ】
「じい……ユリスはあの時から死神界には帰ってないんだよね?」
長の部屋から出た後、自室にじいを呼んで打ち合わせを開始する。
【アンク】
「左様でございます」
【アンク】
「クロノ様が、夢の中に囚われていた春川さんを助けて以来、姿を消しております」
【アンク】
「死神界での捜索はしておりますが、現在足取りはつかめておりません……」
じいが肩を落として説明する。
【アンク】
「あの時、ユリスを不審に思っていながら……」
【アンク】
「みすみす見逃してしまうとは……我ながら不甲斐ない限りでございます……!」
じいが悔しそうに俯いてしまう。
……いつも頑張っている姿を見ているだけに、気の毒になる。
【クロノ】
「……じいのせいじゃない」
【クロノ】
「俺達より、あいつが一枚上手だっただけ」
ユリスの作り出した憧憬夢で中で、あいつを切った時の事を思い出す。
夢の中の姿は、やはりユリスそのものではなく遠隔操作されたプログラムだったようだし。
そう簡単に捕まるようなタマじゃないだろう。
それでも、絶対に諦めない。
一刻も早く見つけ出し、春川にした事の……償いをさせてやらないと気が済まない。
【アンク】
「私めも、今まで以上に気合を入れて臨ませていただきます!」
【アンク】
「しかし……どこに隠れているのでございましょうな…」
【クロノ】
「そうだね…。どこかに隠れているとしたら、じいはどこだと思う?」
【アンク】
「そうですな……やはり人間界でしょうか?」
