[本編] 春川 樹生 編
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◆独りよがり◆
俺は、何も変われていなかった
樹生を大切にしたい気持ちは本物なのに
樹生よりも自分のことばかり考えていて
結局は樹生を傷つけてしまう
樹生に優しくしたくて、不安にさせたくなくて
そうやって自分本位な優しい嘘を重ねていくうちに
真綿で首を絞めるように樹生を苦しませて
(……本当は、俺がそばにいない方が良いのかもしれない)
大切な樹生を苦しめるのが俺であるならば
俺は樹生のために離れなくちゃならない
そう、頭では分かっているのに
樹生が俺のそばにいないことを考えるだけで
胸が張り裂けそうになるくらいに苦しくなる
だからせめて……
俺の我儘で樹生と一緒にいるのだから
今度こそ傷つけないように優しくしたい
(樹生が隣にいれば、それ以外は何だって我慢するから……!)
そう決めた俺に、樹生は我慢しなくていいと言ってくれた
まだまだお互いに未熟だから、一緒に成長していこうって
(……俺は、また独りよがりな考えをしてたのかな)
樹生に我慢をさせて苦しめるのと、俺が我慢して苦しむのは
結局のところ同じことで、俺はやっぱり何も変われていないみたいだった
ねぇ、樹生
俺はこんなにも自分勝手で、樹生を傷つけてばかりで
どうしようもない奴だけど
そんな俺を愛してくれて、信じてくれて
――俺は本当に幸せだよ
(だから、樹生と一緒にもっと幸せになりたいんだ)
俺は想いを伝えるように、樹生を強く抱きしめた
