◆仄暗い嫉妬◆
分厚い膜の向こうで、
俺の偽物が、嬉しそうに樹生の身体を抱いている
―くそっ
あれが樹生の願望が生みだした姿だとしても
この俺以外の奴が樹生に触れているという状況に、気が狂いそうになる
なあ、ただ寝ているだけなんだろ?
起きてくれよ
お前、言ってたろ?
もう過去に嘆かないって
弟のためにも、前を向いて歩いていくって…
……こんなところで立ち止まるなよ
樹生は『お兄ちゃん』だろ?
…決して壊せない幕の向こうへ手を伸ばしながら
俺は慟哭する
この涙が枯れたとき
俺の心は、
今まで以上に凍てつき
何も感じなくなるのだろう