[本編] 国重 昴正 編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
――――――…………
先に外に出た俺は物陰でこっそりと人間の姿に戻り、昂正を待つ。
【国重 昂正】
「というわけで、明日もう一回ここにくるぞ」
【国重 昂正】
「かー……飲み代もバカになんねえな。あそこの酒、地味に結構高ぇんだよ」
領収書をポケットに突っ込んで、くしゃっと髪をかき混ぜながらぼやく昂正に並んで歩き出す。
【クロノ】
「あんなに素っ気なく出てきて良かったの?」
【国重 昂正】
「お前、今まで俺の仕事の何を見てきたんだよ。俺のケツばっか見てたわけじゃねえだろ?」
【クロノ】
「うーん……改めて見ても、良い形してるよね」
【国重 昂正】
「ったく、開き直りかよ…。ちゃんと俺がしてる仕事も見とけよ」
【国重 昂正】
「…しょーがねえ奴だな」
昂正はジャケットの襟を正しながら、満更でもない風に口角を上げる。
【国重 昂正】
「あそこでしつこく食い下がったら、余計な不安を与えちまうってもんだ」
【国重 昂正】
「自分で判断できる範囲の情報を与えたら、果報は寝て待てってな」
【国重 昂正】
「心配しなくても大丈夫だ。あの人は明日、絶対ここに来る」
【クロノ】
「随分あんたのこと、熱い目で見てたみたいだからね」
【国重 昂正】
「お? 妬いてんのか?」
【クロノ】
「さあ、どうだろうな」
昂正はからかい気味に俺を見て、そしてビルの陰を視線で示す。
その意味を察してついていくと、雑踏から離れた瞬間、首裏に手を回される。
【クロノ】
「酒臭い」
【国重 昂正】
「好きだろ? こういうの」
【クロノ】
「いや、誤解だから」
【クロノ】
「ていうか、飲んだのって一杯だけでしょ。なんでそんなに酔ってるの」
【国重 昂正】
「ん~…?最近あんまり飲んでなかったからなぁ」
ほんのり紅潮している頬や、いつもよりトロンとしている目は確かにぐっと来るものはある。
顔を傾けて唇を近付けるのと同時に、昂正も俺の首裏に回した手を引き寄せて。
いつもより長くて深い口づけを交わした。
………………
【クロノ】
「ところで、知り合いのカウンセラー、いきなり明日連れてくるなんて言って大丈夫?」
【国重 昂正】
「ああ。それがあいつ、フットワークだけは軽いんだよな」
【国重 昂正】
「それになんてったって顔がいい。あいつを見て、コロッと行かねえ野郎はいない」
【クロノ】
「顔、関係ある?」
【国重 昂正】
「当然」
【クロノ】
「…ついでに、昂正もそいつの顔は好みなわけだ」
【国重 昂正】
「はっ、バカ言え。体だって大好きだ」
【クロノ】
「は!?」
【ママ】
「あらいらっしゃい。本当に今日も来てくれたのね」
【ママ】
「……やだ、そっちの彼が、昨日言ってたお医者さん?」
【国重 昂正】
「ああ、どうだ、なかなかいい男だろ」
【ママ】
「本当。キレイな顔してるわぁ…これでお医者さんなの? やだもう最高じゃない」
―――翌日。
俺は、今度は姿を消さずに、昨日のバーを訪れている。
そして、カウンセラーとして紹介されたところだった。
【クロノ】
(……まさか、こう来るとは)
昨日はカウンター席だったが、3人目が来ることを予定して奥のボックス席へ向かう。
ママからきらびやかな名刺を受け取った後、俺は昂正の太腿をつねる。
しかし恋人が褒められて相当上機嫌なのか、
逆にいやらしい手つきで手の甲を撫で返された。
【国重 昂正】
「相変わらずスベスベだなぁ。お前、内腿とか最高だよな手触りが」
【クロノ】
「カウンセラーなんて適当に探せばいるだろうに、なんで俺なんだよ」
【国重 昂正】
「何言ってんだ。俺はハナからお前を紹介しようと思ってたぞ」
【クロノ】
「そういう問題じゃない。医者のフリなんか絶対無理」
【国重 昂正】
「今日はそこまで具体的な話はしねえから大丈夫だって」
【国重 昂正】
「適当に世間話して、向こうをリラックスさせてやることが目的だ」
【国重 昂正】
「そういうのならお前、大得意だろ。よっこの色男」
言い返そうとした時に頼んだ酒が運ばれてきて、口をつぐむ。
【クロノ】
「そもそも、来るかどうかだってわからないだろ」
【国重 昂正】
「来るさ、絶対にな」
【国重 昂正】
「それに来ないなら来ないで、お前の出番なくなるんだから万々歳じゃねえか」
【クロノ】
「……そうだけど…」
釈然としないものを抱えながら、
ガラにもなく、何をしゃべろうかと密かに緊張していると。
ドアベルが鳴って――――昨日の男が現れた。
【クロノ】
「うわ、本当に来た……」
【国重 昂正】
「嫌そうな顔してんじゃねえ。笑顔でビシッと決めてくれよ先生」
【クロノ】
「……どうなっても知らないからな」
俺の小言は聞かないふりで、昂正は男に向かってヒラリと手をあげた。
【国重 昂正】
「よお、こっちこっち!」
【男】
「あ……、昨日は、どうも」
昂正が向かいのイスを引いてやると、男は会釈しておずおずと腰掛ける。
【国重 昂正】
「いやあ、まさか来てくれるとは思ってなかった」
【男】
「はは……。やっぱり、昨日家帰ってからじっくり考えたんですけど」
【男】
「あなたみたいな人が、嘘を言うとか、俺を騙そうとしてるとか、とてもそんな風には思えなくて……」
【男】
「すみません。本当は少し疑ってたんです……」
【国重 昂正】
「気にすんな」
【国重 昂正】
「いきなりあんなこと言われたら誰だって警戒するさ」
【男】
「それであの……、そちらの方が、昨日言ってた……?」
【国重 昂正】
「ああ、例のカウンセラーな。黒乃先生だ」
先に外に出た俺は物陰でこっそりと人間の姿に戻り、昂正を待つ。
【国重 昂正】
「というわけで、明日もう一回ここにくるぞ」
【国重 昂正】
「かー……飲み代もバカになんねえな。あそこの酒、地味に結構高ぇんだよ」
領収書をポケットに突っ込んで、くしゃっと髪をかき混ぜながらぼやく昂正に並んで歩き出す。
【クロノ】
「あんなに素っ気なく出てきて良かったの?」
【国重 昂正】
「お前、今まで俺の仕事の何を見てきたんだよ。俺のケツばっか見てたわけじゃねえだろ?」
【クロノ】
「うーん……改めて見ても、良い形してるよね」
【国重 昂正】
「ったく、開き直りかよ…。ちゃんと俺がしてる仕事も見とけよ」
【国重 昂正】
「…しょーがねえ奴だな」
昂正はジャケットの襟を正しながら、満更でもない風に口角を上げる。
【国重 昂正】
「あそこでしつこく食い下がったら、余計な不安を与えちまうってもんだ」
【国重 昂正】
「自分で判断できる範囲の情報を与えたら、果報は寝て待てってな」
【国重 昂正】
「心配しなくても大丈夫だ。あの人は明日、絶対ここに来る」
【クロノ】
「随分あんたのこと、熱い目で見てたみたいだからね」
【国重 昂正】
「お? 妬いてんのか?」
【クロノ】
「さあ、どうだろうな」
昂正はからかい気味に俺を見て、そしてビルの陰を視線で示す。
その意味を察してついていくと、雑踏から離れた瞬間、首裏に手を回される。
【クロノ】
「酒臭い」
【国重 昂正】
「好きだろ? こういうの」
【クロノ】
「いや、誤解だから」
【クロノ】
「ていうか、飲んだのって一杯だけでしょ。なんでそんなに酔ってるの」
【国重 昂正】
「ん~…?最近あんまり飲んでなかったからなぁ」
ほんのり紅潮している頬や、いつもよりトロンとしている目は確かにぐっと来るものはある。
顔を傾けて唇を近付けるのと同時に、昂正も俺の首裏に回した手を引き寄せて。
いつもより長くて深い口づけを交わした。
………………
【クロノ】
「ところで、知り合いのカウンセラー、いきなり明日連れてくるなんて言って大丈夫?」
【国重 昂正】
「ああ。それがあいつ、フットワークだけは軽いんだよな」
【国重 昂正】
「それになんてったって顔がいい。あいつを見て、コロッと行かねえ野郎はいない」
【クロノ】
「顔、関係ある?」
【国重 昂正】
「当然」
【クロノ】
「…ついでに、昂正もそいつの顔は好みなわけだ」
【国重 昂正】
「はっ、バカ言え。体だって大好きだ」
【クロノ】
「は!?」
【ママ】
「あらいらっしゃい。本当に今日も来てくれたのね」
【ママ】
「……やだ、そっちの彼が、昨日言ってたお医者さん?」
【国重 昂正】
「ああ、どうだ、なかなかいい男だろ」
【ママ】
「本当。キレイな顔してるわぁ…これでお医者さんなの? やだもう最高じゃない」
―――翌日。
俺は、今度は姿を消さずに、昨日のバーを訪れている。
そして、カウンセラーとして紹介されたところだった。
【クロノ】
(……まさか、こう来るとは)
昨日はカウンター席だったが、3人目が来ることを予定して奥のボックス席へ向かう。
ママからきらびやかな名刺を受け取った後、俺は昂正の太腿をつねる。
しかし恋人が褒められて相当上機嫌なのか、
逆にいやらしい手つきで手の甲を撫で返された。
【国重 昂正】
「相変わらずスベスベだなぁ。お前、内腿とか最高だよな手触りが」
【クロノ】
「カウンセラーなんて適当に探せばいるだろうに、なんで俺なんだよ」
【国重 昂正】
「何言ってんだ。俺はハナからお前を紹介しようと思ってたぞ」
【クロノ】
「そういう問題じゃない。医者のフリなんか絶対無理」
【国重 昂正】
「今日はそこまで具体的な話はしねえから大丈夫だって」
【国重 昂正】
「適当に世間話して、向こうをリラックスさせてやることが目的だ」
【国重 昂正】
「そういうのならお前、大得意だろ。よっこの色男」
言い返そうとした時に頼んだ酒が運ばれてきて、口をつぐむ。
【クロノ】
「そもそも、来るかどうかだってわからないだろ」
【国重 昂正】
「来るさ、絶対にな」
【国重 昂正】
「それに来ないなら来ないで、お前の出番なくなるんだから万々歳じゃねえか」
【クロノ】
「……そうだけど…」
釈然としないものを抱えながら、
ガラにもなく、何をしゃべろうかと密かに緊張していると。
ドアベルが鳴って――――昨日の男が現れた。
【クロノ】
「うわ、本当に来た……」
【国重 昂正】
「嫌そうな顔してんじゃねえ。笑顔でビシッと決めてくれよ先生」
【クロノ】
「……どうなっても知らないからな」
俺の小言は聞かないふりで、昂正は男に向かってヒラリと手をあげた。
【国重 昂正】
「よお、こっちこっち!」
【男】
「あ……、昨日は、どうも」
昂正が向かいのイスを引いてやると、男は会釈しておずおずと腰掛ける。
【国重 昂正】
「いやあ、まさか来てくれるとは思ってなかった」
【男】
「はは……。やっぱり、昨日家帰ってからじっくり考えたんですけど」
【男】
「あなたみたいな人が、嘘を言うとか、俺を騙そうとしてるとか、とてもそんな風には思えなくて……」
【男】
「すみません。本当は少し疑ってたんです……」
【国重 昂正】
「気にすんな」
【国重 昂正】
「いきなりあんなこと言われたら誰だって警戒するさ」
【男】
「それであの……、そちらの方が、昨日言ってた……?」
【国重 昂正】
「ああ、例のカウンセラーな。黒乃先生だ」
