[本編] 国重 昴正 編
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つま先が触れると、触れたところから、白い壁は溶けていき。
招き入れられるように、何の抵抗もなく、入ることができた。
【クロノ】
(あんなに分厚い壁だったのに…、呆気無い)
この悪夢はユリスが組んだプログラムだから、ユリスの意思でどうとでもなるんだろうけど。
自分が苦戦したものが、こうもあっさり解決すると、なんかモヤモヤする。
しかも……
【クロノ】
(よりによってユリスが解決するとか……)
振り返ると、ユリスの後ろには変わらず白い繭がある。
ユリスはこっちを見つめていて、繭を傷つけたりするような素振りはないから。
今のところは安心して良いだろうと思う。
化物の腹の辺りに、人の顔が浮かんでいる。
……それはやはり、夏透の顔だった。
【クロノ】
(やっぱり…。これは、夏透が悪夢化したものか)
思い出すのは、以前これを傷つけようとして、国重に止められたこと。
……もし今、こいつに酷いことをされそうになっても。
俺はもう、こいつに手出しできない。
【クロノ】
(でも、仕方ないか…)
元々、酷いことをされるリスクを込みで出した条件だし。
国重の命がかかってるんだ。
抵抗する必要はなかったと、思い直して近寄っていく。
外したベルトはその辺に投げ捨てて、俺は化け物を見上げた。
【ユリス】
「よし、じゃあ始めるか」
【ユリス】
「せっかくだから、オッサンには特等席で見てもらわなきゃな」
ユリスが指をパチンと鳴らすと、後ろにあった繭が消えた。
――次の瞬間、触手の一つに抱えられていた。――徐々に、繭の糸が解けていく。
【クロノ】
「何を…」
【ユリス】
「だって、顔まですっぽり覆ってたら見えねえじゃん?」
【ユリス】
「お前が鳴いてるとこ、オッサンだって見たいだろうし」
上半身だけを解放された国重は、ぐったりとして目をつむっている。
両腕は繭の中に取り込まれたままで、まだ体の自由はきかなそうだ。
だけど、胸が上下しているのを見て。
生きているのだと、安心できた。
【化物】
「……君、昂正ト一緒ニいた、人だよね?」
夏透の声が混じった、小さな声に顔を上げると。
夏透の顔が、静かな眼差しで俺を見つめていた。
【クロノ】
(覚えてるような口調だな…)
ここは、国重の願望が反映された世界。ユリスのプログラムで弄られた世界。
だけど、以前にも感じたことがある――。
初めて夢に入った時、震えている夏透に、人格があると思ったのだ。
【クロノ】
「……ユリス、質問があるんだけど」
【クロノ】
「夢の登場人物って、人格はある?」
【ユリス】
「は? 無いに決まってるじゃん」
【ユリス】
「いくら俺だって、妄想に人格与えるなんて出来ないよ」
ユリスの言う通りだろうと思う――、けれど。
じゃあ何故、夏透は今、こんな顔をしているんだろう。
【ユリス】
「あらら、何? 考え込んじゃってー。ふふふ、俺知ってるぜ」
【ユリス】
「クロノが、この夢に引きずられて、どんな悪夢を見てたか」
【ユリス】
「偽物とお前が、本当に無関係で良かったねー。じゃなきゃ、お前がその男女にあんなこと……」
【クロノ】
「無駄なおしゃべりはいい。さっさと始めて」
【ユリス】
「あれ? 特等席にいるオッサン、目が覚めちゃうかもしれないのに」
【ユリス】
「そんな冷静なままでいいわけ? ん?」
【クロノ】
「別にいい」
黙って耐えてればいいだけの話だ。
それに、国重だって。
あの朝、俺に恥ずかしいところを見せたって言ってたから。
俺も同じ目に遭えば、それで引き分けになる気がする。
【ユリス】
「……あっそ。おい、そこの化物! その死神を好きにしていいぞ!」
触手が、嬉しそうにバタバタと動いて。
俺の四肢に絡みつき、持ち上げられる。
衣服の隙間から、次々と侵入してくる。
粘液をまとった触手が体を這いまわる感触に耐えていると……
――また、夏透と目が合った。
触手は俺の反応を楽しんでいるように震え、そのうち二本が、服越しの太腿に絡みついてきた。
【クロノ】
「……っ」
脚が、左右に広げられていく。
嫌がらせのように緩慢な動きに苛立ちを覚え、夏透を睨みつけようと視線を動かすと。
眠ったままの国重の繭が、全て解かれているのが見えた。
そして触手は、俺の体よりも、裸の国重の方に集まっていた。
【クロノ】
「お前、国重には何もしないって言っただろ…!?」
【ユリス】
「解放するとは言ったけど、何もしないとは言ってないぜ」
【クロノ】
「……! このっ…」
【ユリス】
「あ、よそ見しちゃダメダメ」
ユリスが人差し指を左右に振った刹那。
腹の方からズボンに入ってきた触手が、俺の体の中心に、直に絡みついてきた。
【クロノ】
「―――、っ、ぅ」
【ユリス】
「よし、そのまま黙らせといて。で、そっちのオッサンの方は」
【ユリス】
「お前の大好物だったよな? ばっくり食っちゃってもいいし、犯して殺してもいい」
【クロノ】
「国重……ッ!!」
俺の叫びも届かずに、意識を失ったままの国重は仰向けにされて。
とうとう、奥の窄まりに触手をねじ込まれそうになる。
俺は当然、触手の戒めから逃げようともがいたけど。
既に全身に絡みついているそれは、容易に離れなかった。
【クロノ】
「くそっ、やめろ、ユリス…!!」
【ユリス】
「あはははは! 二人して、果てまくってイかれちまえ!!」
ユリスの凶悪な笑い声が、黄色の空にこだました……。
触手によって開かれている、国重の両脚。
その奥に入っていこうとする触手を、俺は睨みつけていた。
国重を助けられない自分を呪いながら。
【化物】
「フフ……、入ル…、モウ少シデ入ル……」
機械で合成したような歪な声だった。
触手の先端が、赤くなったソコに触れて、頭を少し飲み込ませた時。
国重のつま先が揺れた。
そして―――。
【国重 昂正】
「いっ……てえな!! 変なとこ触ってんじゃねえぞ!!」
触手が絡んだままの四肢で、恐らく犯人を拘束する技であろう動きをし、入ろうとしていた触手を脚で払いのけた。
【クロノ】
「……さすが、仕事人間の元刑事……」
豪快な行動に思わず……
感動すら覚えて、俺はぼんやりとその姿を見上げていた。
だけど気を抜いた瞬間、服の中のものが動き始めて。
俺のモノの先端を、執拗に擦り上げてくる。
思わず出そうになった声は、唇を噛んで耐えたけど。
【クロノ】
(くそ、この音……)
招き入れられるように、何の抵抗もなく、入ることができた。
【クロノ】
(あんなに分厚い壁だったのに…、呆気無い)
この悪夢はユリスが組んだプログラムだから、ユリスの意思でどうとでもなるんだろうけど。
自分が苦戦したものが、こうもあっさり解決すると、なんかモヤモヤする。
しかも……
【クロノ】
(よりによってユリスが解決するとか……)
振り返ると、ユリスの後ろには変わらず白い繭がある。
ユリスはこっちを見つめていて、繭を傷つけたりするような素振りはないから。
今のところは安心して良いだろうと思う。
化物の腹の辺りに、人の顔が浮かんでいる。
……それはやはり、夏透の顔だった。
【クロノ】
(やっぱり…。これは、夏透が悪夢化したものか)
思い出すのは、以前これを傷つけようとして、国重に止められたこと。
……もし今、こいつに酷いことをされそうになっても。
俺はもう、こいつに手出しできない。
【クロノ】
(でも、仕方ないか…)
元々、酷いことをされるリスクを込みで出した条件だし。
国重の命がかかってるんだ。
抵抗する必要はなかったと、思い直して近寄っていく。
外したベルトはその辺に投げ捨てて、俺は化け物を見上げた。
【ユリス】
「よし、じゃあ始めるか」
【ユリス】
「せっかくだから、オッサンには特等席で見てもらわなきゃな」
ユリスが指をパチンと鳴らすと、後ろにあった繭が消えた。
――次の瞬間、触手の一つに抱えられていた。――徐々に、繭の糸が解けていく。
【クロノ】
「何を…」
【ユリス】
「だって、顔まですっぽり覆ってたら見えねえじゃん?」
【ユリス】
「お前が鳴いてるとこ、オッサンだって見たいだろうし」
上半身だけを解放された国重は、ぐったりとして目をつむっている。
両腕は繭の中に取り込まれたままで、まだ体の自由はきかなそうだ。
だけど、胸が上下しているのを見て。
生きているのだと、安心できた。
【化物】
「……君、昂正ト一緒ニいた、人だよね?」
夏透の声が混じった、小さな声に顔を上げると。
夏透の顔が、静かな眼差しで俺を見つめていた。
【クロノ】
(覚えてるような口調だな…)
ここは、国重の願望が反映された世界。ユリスのプログラムで弄られた世界。
だけど、以前にも感じたことがある――。
初めて夢に入った時、震えている夏透に、人格があると思ったのだ。
【クロノ】
「……ユリス、質問があるんだけど」
【クロノ】
「夢の登場人物って、人格はある?」
【ユリス】
「は? 無いに決まってるじゃん」
【ユリス】
「いくら俺だって、妄想に人格与えるなんて出来ないよ」
ユリスの言う通りだろうと思う――、けれど。
じゃあ何故、夏透は今、こんな顔をしているんだろう。
【ユリス】
「あらら、何? 考え込んじゃってー。ふふふ、俺知ってるぜ」
【ユリス】
「クロノが、この夢に引きずられて、どんな悪夢を見てたか」
【ユリス】
「偽物とお前が、本当に無関係で良かったねー。じゃなきゃ、お前がその男女にあんなこと……」
【クロノ】
「無駄なおしゃべりはいい。さっさと始めて」
【ユリス】
「あれ? 特等席にいるオッサン、目が覚めちゃうかもしれないのに」
【ユリス】
「そんな冷静なままでいいわけ? ん?」
【クロノ】
「別にいい」
黙って耐えてればいいだけの話だ。
それに、国重だって。
あの朝、俺に恥ずかしいところを見せたって言ってたから。
俺も同じ目に遭えば、それで引き分けになる気がする。
【ユリス】
「……あっそ。おい、そこの化物! その死神を好きにしていいぞ!」
触手が、嬉しそうにバタバタと動いて。
俺の四肢に絡みつき、持ち上げられる。
衣服の隙間から、次々と侵入してくる。
粘液をまとった触手が体を這いまわる感触に耐えていると……
――また、夏透と目が合った。
触手は俺の反応を楽しんでいるように震え、そのうち二本が、服越しの太腿に絡みついてきた。
【クロノ】
「……っ」
脚が、左右に広げられていく。
嫌がらせのように緩慢な動きに苛立ちを覚え、夏透を睨みつけようと視線を動かすと。
眠ったままの国重の繭が、全て解かれているのが見えた。
そして触手は、俺の体よりも、裸の国重の方に集まっていた。
【クロノ】
「お前、国重には何もしないって言っただろ…!?」
【ユリス】
「解放するとは言ったけど、何もしないとは言ってないぜ」
【クロノ】
「……! このっ…」
【ユリス】
「あ、よそ見しちゃダメダメ」
ユリスが人差し指を左右に振った刹那。
腹の方からズボンに入ってきた触手が、俺の体の中心に、直に絡みついてきた。
【クロノ】
「―――、っ、ぅ」
【ユリス】
「よし、そのまま黙らせといて。で、そっちのオッサンの方は」
【ユリス】
「お前の大好物だったよな? ばっくり食っちゃってもいいし、犯して殺してもいい」
【クロノ】
「国重……ッ!!」
俺の叫びも届かずに、意識を失ったままの国重は仰向けにされて。
とうとう、奥の窄まりに触手をねじ込まれそうになる。
俺は当然、触手の戒めから逃げようともがいたけど。
既に全身に絡みついているそれは、容易に離れなかった。
【クロノ】
「くそっ、やめろ、ユリス…!!」
【ユリス】
「あはははは! 二人して、果てまくってイかれちまえ!!」
ユリスの凶悪な笑い声が、黄色の空にこだました……。
触手によって開かれている、国重の両脚。
その奥に入っていこうとする触手を、俺は睨みつけていた。
国重を助けられない自分を呪いながら。
【化物】
「フフ……、入ル…、モウ少シデ入ル……」
機械で合成したような歪な声だった。
触手の先端が、赤くなったソコに触れて、頭を少し飲み込ませた時。
国重のつま先が揺れた。
そして―――。
【国重 昂正】
「いっ……てえな!! 変なとこ触ってんじゃねえぞ!!」
触手が絡んだままの四肢で、恐らく犯人を拘束する技であろう動きをし、入ろうとしていた触手を脚で払いのけた。
【クロノ】
「……さすが、仕事人間の元刑事……」
豪快な行動に思わず……
感動すら覚えて、俺はぼんやりとその姿を見上げていた。
だけど気を抜いた瞬間、服の中のものが動き始めて。
俺のモノの先端を、執拗に擦り上げてくる。
思わず出そうになった声は、唇を噛んで耐えたけど。
【クロノ】
(くそ、この音……)
