[本編] 国重 昴正 編
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触手が動く内側からの刺激と、俺のモノに絡みつく外側からの刺激で、俺のはもう限界まで張りつめていた。
【化物】
「栓をシチャッてるから出せナイケど、出シたい? 昂正」
そう問われても、俺の口には触手が入り、舐めるように舌を刺激されているので、答えようにも答えられない。
【化物】
「昂正のを飲ムの、大好キダッたんダ。覚えテる?」
【国重 昂正】
(大好き『だった』…って、過去形だな)
……みっともねぇなぁ……。
いい歳したオッサンが、こんな姿で、いいようにされてるなんて。
抵抗もできずに、黙ってされるがままになってるなんて。
【国重 昂正】
(あいつのこと、何度もクソガキって呼んだけど)
【国重 昂正】
(俺がこんなんじゃ、顔が立たないよなあ)
人のことガキ呼ばわりしておいてって、きっとあいつなら言う――、笑い飛ばしてくれる。
同情も憐憫も……、軽蔑もなく。
また『眼福』なんて言って、笑って茶化してくれるだろう。
【化物】
「―――イ、痛っ…、ナ、なに!?」
俺の舌に絡むように蠢いていた触手に、思いっきり噛み付いた。
歯が全部折れてもいい。仕返しだと、全身を地面に打ち付けられてもいい。
もし今も、どこかであいつが見てるなら。
目を見て、俺は大丈夫だと言えるように。
心配するなと言えるように、気持ちだけはしっかりと持っていたい。
【化物】
「……ったー…、可愛ゲのなイコトスるね、昂正」
化物は傷ついた触手を引っ込めて、忌々しそうに俺を見た。
俺を見ているその顔は、やはり夏透のものだった。
だけど、それだけ。
こいつは、俺が愛した夏透じゃない――。
綺麗な物や、可愛い物が好きで――、薔薇に詳しくて、メールには絵文字をつけて。
家事をして、一人で俺を待っていて――、俺に「淋しい」と文句一つ言えないまま、消えてしまった夏透じゃない。
――化け物になったこいつに、刃を向けようとした死神を、怒鳴ったことがあったけど。
今考えれば、俺も浅はかなことをしたものだ。
【国重 昂正】
(ここは、夢だ)
俺の望む通りになるなんていう、偽りの世界。
こんなところに、本当の夏透はいない。
本当の夏透は、きっと今も、大切な誰かと一緒に過ごしているのだろう。
そいつの為に、洗濯をして、掃除をして、メシを作って。
そいつを愛して、そいつに愛されて、あの綺麗な笑顔をそいつに向けているんだろう。
そう思っても、俺の心に嫉妬も、絶望も、もう湧かない。
―――今、俺の心を占めているのは、あのクソガキの方だ。
後悔にがんじがらめになっていた俺を、助けてくれたのはあいつだ。
……あいつに会いたい。
あの体に触れて、温めてやりたい。
いつもの減らず口を叩く唇を、そっと俺の口で塞いでやりたい。
「あんた」と呼ぶあの声に、「昂正」と刻み付けたい。
いつも余裕を残すあの面を、快楽で歪ませてやりたい。
ああ、俺の死神。
今、無性にお前に会いたいぜ。
―――あいつに会いたい。
止めどなく与えられている刺激を忘れそうなくらい、その思いは膨らんでいる。
【国重 昂正】
(あいつ…。名前、なんて言うんだろう)
聞いておけば良かった。
こんな時に名前を呼べないんじゃ、サマにならないのに。
【化物】
「昂正、次ハ後ロ、柔ラカクシテアゲルネ」
虚ろな目で、自分の下半身を見る。
完全に勃ち上がってはいるが、触手が入っているのでまだ達してはいない。
【国重 昂正】
(……挿れられてる触手抜かれたら、出ちまいそうだな…。でも、イきたくねぇなぁ)
こんな化け物相手に出してしまうような奴だと、思われたくない――、あいつに。
【国重 昂正】
「クク…」
いや、違うな。
どうせなら俺も見たかったって、皮肉交じりに言われたいんだ。
【化物】
「……マダ、笑ウ余裕ナンテあルンダ? ソンなノ吹キ飛ブクライ、気持チヨクシテアゲルネ」
【国重 昂正】
「……っ、っ!」
【化物】
「声、出サナイ気? ……イイヨ、根比ベシヨウか」
後ろに回っていた触手が、中に侵入しようとしている感触があって身震いする。
同時に、前を擦る動きも乱暴になってきた。
視界がチカチカするほどの快感に襲われるが、それでも俺は悲鳴を堪える。
俺の中には、あいつが助けに来るという確信があった。
俺がピンチの時には来てくれる。
ヒーローと言うには、身勝手で愛想のない、死神が。
【化物】
「気持ちイイヨネ、昂正。誤魔化せルト思ッテル? ネエ」
【国重 昂正】
「…っ、っぐ、う…」
【化物】
「我慢シナイデ、声出シテ? ソシタラ、俺ノヲ挿レテアゲルカラ」
【国重 昂正】
「……、…ん、グ」
快感の波に流されまいと、俺は必死で唇を噛み締めた。
拳を握り、掌に爪を立て、引っかき、痛みで自我を保っている。
もうすぐきっと、死神が来る。
それまでは……、負けるわけにはいかないんだ。
【化物】
「……強情ダネ。ソレナラ、コウシテアゲル」
【国重 昂正】
「……?」
ふわふわとした白い糸が触手から垂らされる。
それが、ふんわりと俺の体を包んでいき、乳白色の繭のようになる。
【化物】
「ホラ、昂正の大好キな、柔ラかイ繭だよ」
【化物】
「コレニ入ッテイレば何もかも忘レラレルよ。過去ヲヤリ直すのも、今ノ男ヲ抱クノも自由だ」
視界が徐々に乳白色に覆われていく。
その色を見ていると、何故か脳裏に、黄色い薔薇を持って微笑む――夏透の姿が過った。
――そうだ。これは、俺の願望そのもの。
俺を責める物のない、優しい繭の中で、ずっと過ごしたいと思っていた――あいつと。
―――あいつって、誰だ?
やっぱり、夏透なのか? 解らなくなってくる。
【国重 昂正】
「しに……が……」
プツンと糸が切れたように、俺の意識は途絶えた。
【クロノ】
「……」
俺は、何も出来ずにいた。
国重が化け物に襲われて、あられもない姿にされる時も。
乳白色の繭に取り込まれて、その目を閉じてしまった時も。
俺の行手を阻んでいる、壁のような白い膜。
それは果てが無い程続いていて、途方もない程分厚く、硬い。
何度も鎌で切り付けてみたけれど。
傷一つついていないように見える。
それほど頑丈なのに、向こうの景色だけは見えていた。
だからこそ……。
自分の無力さを痛感する。
【クロノ】
(国重は、耐えていた。戦ってた)
【クロノ】
(今まで、贖罪しか出来なかった夏透に対して、抗っていた。立ち向かおうとしてた)
その意思を引き継いでやれなかったことだけが、悔しい。
意識を残した状態で、あれだけ痛めつけて、闇に取り込む。
―――こんな風に残酷なことをできるのは、もうあいつしかいない。
【クロノ】
「……ユリス」
【クロノ】
「どこかにいるんだろう!! ユリス!!」
【クロノ】
「隠れてるな!! 出てこい!!」
【???】
「うわ、クロノってそんな大きい声出せるんだ」
誘われるように軽やかに降り立ったのは、やはり――ユリスだった。
【ユリス】
「びっくりしたけど、ちょっとかっこいいかもな」
【クロノ】
「……ユリス」
【化物】
「栓をシチャッてるから出せナイケど、出シたい? 昂正」
そう問われても、俺の口には触手が入り、舐めるように舌を刺激されているので、答えようにも答えられない。
【化物】
「昂正のを飲ムの、大好キダッたんダ。覚えテる?」
【国重 昂正】
(大好き『だった』…って、過去形だな)
……みっともねぇなぁ……。
いい歳したオッサンが、こんな姿で、いいようにされてるなんて。
抵抗もできずに、黙ってされるがままになってるなんて。
【国重 昂正】
(あいつのこと、何度もクソガキって呼んだけど)
【国重 昂正】
(俺がこんなんじゃ、顔が立たないよなあ)
人のことガキ呼ばわりしておいてって、きっとあいつなら言う――、笑い飛ばしてくれる。
同情も憐憫も……、軽蔑もなく。
また『眼福』なんて言って、笑って茶化してくれるだろう。
【化物】
「―――イ、痛っ…、ナ、なに!?」
俺の舌に絡むように蠢いていた触手に、思いっきり噛み付いた。
歯が全部折れてもいい。仕返しだと、全身を地面に打ち付けられてもいい。
もし今も、どこかであいつが見てるなら。
目を見て、俺は大丈夫だと言えるように。
心配するなと言えるように、気持ちだけはしっかりと持っていたい。
【化物】
「……ったー…、可愛ゲのなイコトスるね、昂正」
化物は傷ついた触手を引っ込めて、忌々しそうに俺を見た。
俺を見ているその顔は、やはり夏透のものだった。
だけど、それだけ。
こいつは、俺が愛した夏透じゃない――。
綺麗な物や、可愛い物が好きで――、薔薇に詳しくて、メールには絵文字をつけて。
家事をして、一人で俺を待っていて――、俺に「淋しい」と文句一つ言えないまま、消えてしまった夏透じゃない。
――化け物になったこいつに、刃を向けようとした死神を、怒鳴ったことがあったけど。
今考えれば、俺も浅はかなことをしたものだ。
【国重 昂正】
(ここは、夢だ)
俺の望む通りになるなんていう、偽りの世界。
こんなところに、本当の夏透はいない。
本当の夏透は、きっと今も、大切な誰かと一緒に過ごしているのだろう。
そいつの為に、洗濯をして、掃除をして、メシを作って。
そいつを愛して、そいつに愛されて、あの綺麗な笑顔をそいつに向けているんだろう。
そう思っても、俺の心に嫉妬も、絶望も、もう湧かない。
―――今、俺の心を占めているのは、あのクソガキの方だ。
後悔にがんじがらめになっていた俺を、助けてくれたのはあいつだ。
……あいつに会いたい。
あの体に触れて、温めてやりたい。
いつもの減らず口を叩く唇を、そっと俺の口で塞いでやりたい。
「あんた」と呼ぶあの声に、「昂正」と刻み付けたい。
いつも余裕を残すあの面を、快楽で歪ませてやりたい。
ああ、俺の死神。
今、無性にお前に会いたいぜ。
―――あいつに会いたい。
止めどなく与えられている刺激を忘れそうなくらい、その思いは膨らんでいる。
【国重 昂正】
(あいつ…。名前、なんて言うんだろう)
聞いておけば良かった。
こんな時に名前を呼べないんじゃ、サマにならないのに。
【化物】
「昂正、次ハ後ロ、柔ラカクシテアゲルネ」
虚ろな目で、自分の下半身を見る。
完全に勃ち上がってはいるが、触手が入っているのでまだ達してはいない。
【国重 昂正】
(……挿れられてる触手抜かれたら、出ちまいそうだな…。でも、イきたくねぇなぁ)
こんな化け物相手に出してしまうような奴だと、思われたくない――、あいつに。
【国重 昂正】
「クク…」
いや、違うな。
どうせなら俺も見たかったって、皮肉交じりに言われたいんだ。
【化物】
「……マダ、笑ウ余裕ナンテあルンダ? ソンなノ吹キ飛ブクライ、気持チヨクシテアゲルネ」
【国重 昂正】
「……っ、っ!」
【化物】
「声、出サナイ気? ……イイヨ、根比ベシヨウか」
後ろに回っていた触手が、中に侵入しようとしている感触があって身震いする。
同時に、前を擦る動きも乱暴になってきた。
視界がチカチカするほどの快感に襲われるが、それでも俺は悲鳴を堪える。
俺の中には、あいつが助けに来るという確信があった。
俺がピンチの時には来てくれる。
ヒーローと言うには、身勝手で愛想のない、死神が。
【化物】
「気持ちイイヨネ、昂正。誤魔化せルト思ッテル? ネエ」
【国重 昂正】
「…っ、っぐ、う…」
【化物】
「我慢シナイデ、声出シテ? ソシタラ、俺ノヲ挿レテアゲルカラ」
【国重 昂正】
「……、…ん、グ」
快感の波に流されまいと、俺は必死で唇を噛み締めた。
拳を握り、掌に爪を立て、引っかき、痛みで自我を保っている。
もうすぐきっと、死神が来る。
それまでは……、負けるわけにはいかないんだ。
【化物】
「……強情ダネ。ソレナラ、コウシテアゲル」
【国重 昂正】
「……?」
ふわふわとした白い糸が触手から垂らされる。
それが、ふんわりと俺の体を包んでいき、乳白色の繭のようになる。
【化物】
「ホラ、昂正の大好キな、柔ラかイ繭だよ」
【化物】
「コレニ入ッテイレば何もかも忘レラレルよ。過去ヲヤリ直すのも、今ノ男ヲ抱クノも自由だ」
視界が徐々に乳白色に覆われていく。
その色を見ていると、何故か脳裏に、黄色い薔薇を持って微笑む――夏透の姿が過った。
――そうだ。これは、俺の願望そのもの。
俺を責める物のない、優しい繭の中で、ずっと過ごしたいと思っていた――あいつと。
―――あいつって、誰だ?
やっぱり、夏透なのか? 解らなくなってくる。
【国重 昂正】
「しに……が……」
プツンと糸が切れたように、俺の意識は途絶えた。
【クロノ】
「……」
俺は、何も出来ずにいた。
国重が化け物に襲われて、あられもない姿にされる時も。
乳白色の繭に取り込まれて、その目を閉じてしまった時も。
俺の行手を阻んでいる、壁のような白い膜。
それは果てが無い程続いていて、途方もない程分厚く、硬い。
何度も鎌で切り付けてみたけれど。
傷一つついていないように見える。
それほど頑丈なのに、向こうの景色だけは見えていた。
だからこそ……。
自分の無力さを痛感する。
【クロノ】
(国重は、耐えていた。戦ってた)
【クロノ】
(今まで、贖罪しか出来なかった夏透に対して、抗っていた。立ち向かおうとしてた)
その意思を引き継いでやれなかったことだけが、悔しい。
意識を残した状態で、あれだけ痛めつけて、闇に取り込む。
―――こんな風に残酷なことをできるのは、もうあいつしかいない。
【クロノ】
「……ユリス」
【クロノ】
「どこかにいるんだろう!! ユリス!!」
【クロノ】
「隠れてるな!! 出てこい!!」
【???】
「うわ、クロノってそんな大きい声出せるんだ」
誘われるように軽やかに降り立ったのは、やはり――ユリスだった。
【ユリス】
「びっくりしたけど、ちょっとかっこいいかもな」
【クロノ】
「……ユリス」