[本編] 春川 樹生 編
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【アンク】
「いってらっしゃいませ」
―――荷台に転がされていた春川。
もしこれが誰かの悪意のもとに行われた行為なら、俺はそいつを許さない。
リビドーのスイッチを入れると、果てしない落下感が襲ってきて。
俺は、春川の夢に辿り着いた。
夢の中の春川の部屋で、俺が最初に目にしたもの。
それは―――この場に相応しくない人物。俺以外の、死神の姿だ。
【クロノ】
「……ユリス……お前、なんでここにいるの?」
ユリスはニヤニヤと笑い、待ちくたびれたとでも言うかのように首を回す。
ほんと、夢の中ですらムカつく奴。
【ユリス】
「俺がなんでここにいるのかって?」
【ユリス】
「んな事も分からないのー?そりゃ捜査も難航するって話だわ」
挑発するような言葉に、苛立つ感情を抑えこむ。
相手のペースに乗せられてはいけない。
【クロノ】
「なんでここにいるのかって訊いてるんだけど」
【ユリス】
「まあまあそう怒んなって。短気は損気って言うんだろ? 人間の間じゃ」
【ユリス】
「クロノの代わりに調査してやったんだよ」
【クロノ】
「調査……?相変わらずくだらない冗談しか言えないんだ」
【ユリス】
「お前がなかなかここに来ないからさ、暇だったんだよね」
【ユリス】
「お前の調査対象―――こいつ、くっだらない夢見てんだねえ」
【ユリス】
「こんなしけた場所で、死んじゃった弟とお話して何が楽しいんだか」
【ユリス】
「弟が死んでから頭がおかしくなっちゃったってやつー?」
【ユリス】
「ねークロノ、教えてよ。こいつ何がしたいの?」
馬鹿にしたようにユリスが言う。
……自分の事を傷つけられたように腹が立つ。
こんな気持ちになった事なんて、今までなかったな、と不意に思う。
【クロノ】
「……聞きたいことって、それだけ?」
【クロノ】
「だとしたら、教えてやる義理はない」
【クロノ】
「それに、俺も訊きたいんだけど、お前こそ何がしたいの?」
【クロノ】
「春川を眠らせてリビドーをつけたの、お前だろ」
【ユリス】
「正解」
パチパチと手を打つユリスは本当に楽しそうで―――この夢の中では特に異質だ。
【ユリス】
「大変だったんだけど?まあ死神の力で眠らせたから、それほど手間はかからなかったけど」
【ユリス】
「こいつを眠らせて夢見させてんのは、お前と話す為かな」
【クロノ】
(こいつは、たったそれだけのために、春川の自由を奪った……)
俺はハラワタが煮えくり返るほど、頭に来ていた。
何度もユリスにムカついたことはあるけど……そんなの比じゃないくらいに。
【クロノ】
「それならお前の大好きなお話ってやつをしてやるよ」
【クロノ】
「……リビドーによる一連の死亡事件、その犯人のお話」
【クロノ】
「お前なんだろ?」
そこでユリスから笑みが消えた。顔をしかめて、苛立ったように俺を睨む。
【ユリス】
「証拠は?」
【クロノ】
「ま、そこそこね」
【ユリス】
「うっぜえ……こそこそ嗅ぎまわってたってわけ?」
【クロノ】
「それが俺の仕事だって知らなかった?」
【クロノ】
「悪いけど、お前の事は報告させてもらう。……その態度で確信が持てたしね」
ユリスを睨みつけながら、じいに連絡を取ろうと思ったが、何故かうまくいかない。
その様子を見たユリスの顔に、再び粘着質な笑みが浮かぶ。
【ユリス】
「お前が夢に入った時に、リビドーにロックかけたからさ」
【ユリス】
「ここからは出られないよー?ロック外さない限りはね」
【ユリス】
「クロノのサポート役の人。アンクだったっけ?あいつも夢に介入出来ないんだな、これが」
【クロノ】
「っ……!」
【クロノ】
「お前……なんでこんなことを」
【ユリス】
「だから、お前と話すためだって」
【ユリス】
「それにクロノ、そろそろ自分の立場ってやつを分かった方がいいんじゃない?」
【ユリス】
「お前自身もさ、春川も、俺の手の中なんだって」
春川の名前が出てきた時、ふと気がついた。ユリスの登場に気を取られていたけど。
夢の中にいるはずの春川をまだ一度も見ていない。
【クロノ】
「春川を出せ」
自分でも驚くほど怒りが滲んだ声だった。
ユリスは冷めた目つきで、オレを睨む。
【ユリス】
「……そんなにあいつに会いたいのかよ」
【ユリス】
「なら見せてやる。……幻滅しちゃうかもしれないけど!」
ユリスが腕を上げると、壁に丸い穴が開いた。
その向こうには別の部屋が見え、二人の男性が絡み合っていた。
それは―――春川と、俺。
俺の偽者が、春川とベッドの上に、いた。
向こうからは、こっちが見えていないようだ。
【クロノ】
「春川……!」
服を着ていない二人が、ベッドの上で重なり合っていた。
長いキスをしながら……体を愛撫し合っている。
【春川 樹生】
「クロノ……!ん……もっ、と……!」
吐息の混じった声が聞こえてくる。粘着質な水音が、夢の中に響く。
春川は恍惚とした表情で、行為に没頭していた。
【クロノ】
「……樹生……いいよ。樹生とこうしたかった」
俺にそっくりな誰かが甘く囁く。
【春川 樹生】
「…ずっと、……していた、い……!」
【クロノ】
「ああ……俺も……だ……」
壁の向こうの俺が、春川の締まった体に、ついばむような柔らかい口づけをする。
春川の大きな手が相手の頭を切なく撫で付ける。
【春川 樹生】
「……ぅあ………それっ……」
全身にキスを落とすと、その一つ一つを味わうかのように春川が繊細な反応を示した。
それに応えるようにして、壁の向こうの俺が春川の下腹部に手を伸ばす。
【春川 樹生】
「……んんっ……あ……!」
【クロノ】
「……もう、いいか……?」
【春川 樹生】
「もう、……一回、キス……」
「いってらっしゃいませ」
―――荷台に転がされていた春川。
もしこれが誰かの悪意のもとに行われた行為なら、俺はそいつを許さない。
リビドーのスイッチを入れると、果てしない落下感が襲ってきて。
俺は、春川の夢に辿り着いた。
夢の中の春川の部屋で、俺が最初に目にしたもの。
それは―――この場に相応しくない人物。俺以外の、死神の姿だ。
【クロノ】
「……ユリス……お前、なんでここにいるの?」
ユリスはニヤニヤと笑い、待ちくたびれたとでも言うかのように首を回す。
ほんと、夢の中ですらムカつく奴。
【ユリス】
「俺がなんでここにいるのかって?」
【ユリス】
「んな事も分からないのー?そりゃ捜査も難航するって話だわ」
挑発するような言葉に、苛立つ感情を抑えこむ。
相手のペースに乗せられてはいけない。
【クロノ】
「なんでここにいるのかって訊いてるんだけど」
【ユリス】
「まあまあそう怒んなって。短気は損気って言うんだろ? 人間の間じゃ」
【ユリス】
「クロノの代わりに調査してやったんだよ」
【クロノ】
「調査……?相変わらずくだらない冗談しか言えないんだ」
【ユリス】
「お前がなかなかここに来ないからさ、暇だったんだよね」
【ユリス】
「お前の調査対象―――こいつ、くっだらない夢見てんだねえ」
【ユリス】
「こんなしけた場所で、死んじゃった弟とお話して何が楽しいんだか」
【ユリス】
「弟が死んでから頭がおかしくなっちゃったってやつー?」
【ユリス】
「ねークロノ、教えてよ。こいつ何がしたいの?」
馬鹿にしたようにユリスが言う。
……自分の事を傷つけられたように腹が立つ。
こんな気持ちになった事なんて、今までなかったな、と不意に思う。
【クロノ】
「……聞きたいことって、それだけ?」
【クロノ】
「だとしたら、教えてやる義理はない」
【クロノ】
「それに、俺も訊きたいんだけど、お前こそ何がしたいの?」
【クロノ】
「春川を眠らせてリビドーをつけたの、お前だろ」
【ユリス】
「正解」
パチパチと手を打つユリスは本当に楽しそうで―――この夢の中では特に異質だ。
【ユリス】
「大変だったんだけど?まあ死神の力で眠らせたから、それほど手間はかからなかったけど」
【ユリス】
「こいつを眠らせて夢見させてんのは、お前と話す為かな」
【クロノ】
(こいつは、たったそれだけのために、春川の自由を奪った……)
俺はハラワタが煮えくり返るほど、頭に来ていた。
何度もユリスにムカついたことはあるけど……そんなの比じゃないくらいに。
【クロノ】
「それならお前の大好きなお話ってやつをしてやるよ」
【クロノ】
「……リビドーによる一連の死亡事件、その犯人のお話」
【クロノ】
「お前なんだろ?」
そこでユリスから笑みが消えた。顔をしかめて、苛立ったように俺を睨む。
【ユリス】
「証拠は?」
【クロノ】
「ま、そこそこね」
【ユリス】
「うっぜえ……こそこそ嗅ぎまわってたってわけ?」
【クロノ】
「それが俺の仕事だって知らなかった?」
【クロノ】
「悪いけど、お前の事は報告させてもらう。……その態度で確信が持てたしね」
ユリスを睨みつけながら、じいに連絡を取ろうと思ったが、何故かうまくいかない。
その様子を見たユリスの顔に、再び粘着質な笑みが浮かぶ。
【ユリス】
「お前が夢に入った時に、リビドーにロックかけたからさ」
【ユリス】
「ここからは出られないよー?ロック外さない限りはね」
【ユリス】
「クロノのサポート役の人。アンクだったっけ?あいつも夢に介入出来ないんだな、これが」
【クロノ】
「っ……!」
【クロノ】
「お前……なんでこんなことを」
【ユリス】
「だから、お前と話すためだって」
【ユリス】
「それにクロノ、そろそろ自分の立場ってやつを分かった方がいいんじゃない?」
【ユリス】
「お前自身もさ、春川も、俺の手の中なんだって」
春川の名前が出てきた時、ふと気がついた。ユリスの登場に気を取られていたけど。
夢の中にいるはずの春川をまだ一度も見ていない。
【クロノ】
「春川を出せ」
自分でも驚くほど怒りが滲んだ声だった。
ユリスは冷めた目つきで、オレを睨む。
【ユリス】
「……そんなにあいつに会いたいのかよ」
【ユリス】
「なら見せてやる。……幻滅しちゃうかもしれないけど!」
ユリスが腕を上げると、壁に丸い穴が開いた。
その向こうには別の部屋が見え、二人の男性が絡み合っていた。
それは―――春川と、俺。
俺の偽者が、春川とベッドの上に、いた。
向こうからは、こっちが見えていないようだ。
【クロノ】
「春川……!」
服を着ていない二人が、ベッドの上で重なり合っていた。
長いキスをしながら……体を愛撫し合っている。
【春川 樹生】
「クロノ……!ん……もっ、と……!」
吐息の混じった声が聞こえてくる。粘着質な水音が、夢の中に響く。
春川は恍惚とした表情で、行為に没頭していた。
【クロノ】
「……樹生……いいよ。樹生とこうしたかった」
俺にそっくりな誰かが甘く囁く。
【春川 樹生】
「…ずっと、……していた、い……!」
【クロノ】
「ああ……俺も……だ……」
壁の向こうの俺が、春川の締まった体に、ついばむような柔らかい口づけをする。
春川の大きな手が相手の頭を切なく撫で付ける。
【春川 樹生】
「……ぅあ………それっ……」
全身にキスを落とすと、その一つ一つを味わうかのように春川が繊細な反応を示した。
それに応えるようにして、壁の向こうの俺が春川の下腹部に手を伸ばす。
【春川 樹生】
「……んんっ……あ……!」
【クロノ】
「……もう、いいか……?」
【春川 樹生】
「もう、……一回、キス……」
