[本編] 国重 昴正 編
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【国重 昂正】
「いいんです。契約書にも、この旨は書いてありますから」
【国重 昂正】
「契約に従ったまでということで一つ、この場はお納め下さい」
それでも申し訳なさそうな依頼人に苦笑し、国重が静かに切り出した。
【国重 昂正】
「後悔には、とても強い拘束力があります。だから彼女は、昔を夢に見たのでしょう」
【依頼人】
「はい……。……彼女が後悔を抱いて、傷付いていると、知っていたのに……」
【依頼人】
「もっと支えてやることができたら、こうはならなかった………!」
依頼人の目から、涙が溢れ出した。恋人のログを見つけた時のように。
何か声をかけるべきかと迷っていると、国重に手で制された。
【国重 昂正】
「今は、後悔ばかりを感じられる事でしょう」
【国重 昂正】
「ですが…、ご自分を責めないでください」
【国重 昂正】
「彼女が書いていますよ。後悔から助けてくれたのは、貴方だったと」
【国重 昂正】
「ふとした事で、昔を思い出すのが人間ですから――、彼女が後悔に再び捕われたとしても」
【国重 昂正】
「貴方が、彼女を救った事実は消えません」
【国重 昂正】
「そんな貴方ですから、いつかきっと誰かに出会うでしょう――。それを、ご自分に許してあげて下さい」
【国重 昂正】
「その方を、大切にしてあげて下さい――。同じ後悔を、繰り返さないように」
依頼人は、堪え切れなかった涙を拭って……
【依頼人】
「はい……」
小さく、だけどしっかり頷いた。
……
………――
依頼人を見送ってから、国重は伸びをした。
【クロノ】
「あの人、笑って帰れて良かったな」
【国重 昂正】
「ああ。彼女への思いを、すぐに振り切ることはできないだろうけど」
【国重 昂正】
「きっと、次こそは幸せになれるさ」
【クロノ】
「……ねえ」
【クロノ】
「あんたも、そうだといいね」
【国重 昂正】
「俺の話は今してねえだろ…。ほら、戻るぞ。腹減ったな、出前でも取るか」
【クロノ】
「またそうやって、かわす」
また国重は、俺の言葉を真剣に取り合わない。
【国重 昂正】
「……おい、死神」
出前のメニューを見ながら、国重が言った。
【国重 昂正】
「俺はもうニ度と、リビドーを使わねぇぞ」
……それは、この件が終わったから。仕事という理由がなくなったから。
だけではないと、赤く染まった、国重の耳を見れば解る。
【クロノ】
「……そっか。うん……、それがいいよ」
きっと、俺は今――、微笑んでいるだろう。
【???】
「なんだよ、その顔……。なんで! そんな人間風情に! そんなツラしてんだよ!!」
「いいんです。契約書にも、この旨は書いてありますから」
【国重 昂正】
「契約に従ったまでということで一つ、この場はお納め下さい」
それでも申し訳なさそうな依頼人に苦笑し、国重が静かに切り出した。
【国重 昂正】
「後悔には、とても強い拘束力があります。だから彼女は、昔を夢に見たのでしょう」
【依頼人】
「はい……。……彼女が後悔を抱いて、傷付いていると、知っていたのに……」
【依頼人】
「もっと支えてやることができたら、こうはならなかった………!」
依頼人の目から、涙が溢れ出した。恋人のログを見つけた時のように。
何か声をかけるべきかと迷っていると、国重に手で制された。
【国重 昂正】
「今は、後悔ばかりを感じられる事でしょう」
【国重 昂正】
「ですが…、ご自分を責めないでください」
【国重 昂正】
「彼女が書いていますよ。後悔から助けてくれたのは、貴方だったと」
【国重 昂正】
「ふとした事で、昔を思い出すのが人間ですから――、彼女が後悔に再び捕われたとしても」
【国重 昂正】
「貴方が、彼女を救った事実は消えません」
【国重 昂正】
「そんな貴方ですから、いつかきっと誰かに出会うでしょう――。それを、ご自分に許してあげて下さい」
【国重 昂正】
「その方を、大切にしてあげて下さい――。同じ後悔を、繰り返さないように」
依頼人は、堪え切れなかった涙を拭って……
【依頼人】
「はい……」
小さく、だけどしっかり頷いた。
……
………――
依頼人を見送ってから、国重は伸びをした。
【クロノ】
「あの人、笑って帰れて良かったな」
【国重 昂正】
「ああ。彼女への思いを、すぐに振り切ることはできないだろうけど」
【国重 昂正】
「きっと、次こそは幸せになれるさ」
【クロノ】
「……ねえ」
【クロノ】
「あんたも、そうだといいね」
【国重 昂正】
「俺の話は今してねえだろ…。ほら、戻るぞ。腹減ったな、出前でも取るか」
【クロノ】
「またそうやって、かわす」
また国重は、俺の言葉を真剣に取り合わない。
【国重 昂正】
「……おい、死神」
出前のメニューを見ながら、国重が言った。
【国重 昂正】
「俺はもうニ度と、リビドーを使わねぇぞ」
……それは、この件が終わったから。仕事という理由がなくなったから。
だけではないと、赤く染まった、国重の耳を見れば解る。
【クロノ】
「……そっか。うん……、それがいいよ」
きっと、俺は今――、微笑んでいるだろう。
【???】
「なんだよ、その顔……。なんで! そんな人間風情に! そんなツラしてんだよ!!」
