[本編] 国重 昴正 編
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なんで声が怒気を孕んでいるのか意味がわからず、首を傾げる。
だけど、そう言われのは、満更でもない。
それに、本来タチ専門で、される方にはあまり興味がなかった俺でも。
国重との昨日の行為は、なかなか悪くなかったと思える。
【クロノ】
「……わかった」
【国重 昂正】
「よし。ならメシだ。さっさと食って最終調査に出かけるぞ」
【クロノ】
「あ、俺も一緒に作る」
【国重 昂正】
「そうか。なら、目玉焼きでも焼いてくれ」
国重は、目尻に皺を作って笑い、俺の手を取って布団から起こしてくれた。
昨日の行為の最中の表情と言い、もしかして夏透ともこういうことをしてたのだろうかと思い。
少し複雑な気分を抱えたまま、台所へ向かった。
簡単な朝食を済ませた後、ユリスのこともあるし、万全の体勢を整えようと、
じいに渡されていた『探偵7つ道具』などの準備をしていたら、国重が現れ、俺の手元を覗きこんだ。
【国重 昂正】
「そろそろ出られそうか?」
【クロノ】
「ああ。充分過ぎるくらい、色んなものを持ってみた。ほらこれ、『携帯に便利な紐製縄梯子』」
【国重 昂正】
「……つっこみたいところは色々あるが、とりあえずお前、飛べるんだろ?」
【クロノ】
「あ」
国重が大笑いしたので、少し拗ねたような気分になる。
すると、国重が不意に口元を押さえて俯いた。
【クロノ】
「どうしたの。どこか具合でも悪い? ……何か顔も赤くない?」
【国重 昂正】
「いや…、この間のことを、少し思い出してだな」
【クロノ】
「この間って……」
【クロノ】
「どれのこと? 心当たりが多すぎてわからない」
【国重 昂正】
「夢の中で……、お、お前に向かって、脚を……広げさせられた時のことをだな」
【クロノ】
「なんで突然そんなこと思い出したの?」
【国重 昂正】
「俺にもわからんが……、一度思い出すと頭から離れねぇ……!」
【クロノ】
「思い出して、恥ずかしくなっちゃったわけか」
国重は口元を手で覆ったままで肯定も否定もせず、表情すら見せようとはしないでいる。
だから俺は笑い飛ばしてやった。
事実、どうせ夢の中の事だから、俺は気にしてなかったし。
【クロノ】
「あんた体鍛えてるから、眼福って感じだったけど」
【国重 昂正】
「のんきに笑いやがって……。いつか、お前にも同じことしてやるからな」
【クロノ】
「大股開き? いいよ。あんたにならされても」
【国重 昂正】
「……」
国重と俺は暫し見つめ合い―――どちらからともなく吹き出した。
そして、快晴の空の下に繰り出した。
一度、探偵事務所に寄って、聞き込みをする場所などの打ち合わせをして。
いざ調査開始という時に、道の向こうから俺達を見ている男に気付いた。
国重が素早く俺の手を引き、俺を庇うように自分の背中側に回す。
いかにも怪しそうな、ボロボロの服を着た青年は、ゆっくりと近づいてきて。
俺達の前で止まった。
【???】
「あんた、国重?」
【国重 昂正】
「…そうだが。あんたは?」
【???】
「国重を見つけました!!」
【???】
「国重はリビドーのことを嗅ぎ回っています! 邪魔です!」
【クロノ】
(あー…、こいつヤバいな)
青年は宙を見たと思ったら、急に思いつめたようなギラギラした瞳になって、国重を睨みつけたりを繰り返す。
人間相手にどこまでやるかを決めかねていると、突然、青年が国重に向かってナイフを振り回し始めた。
【???】
「余計なことすんなああああ! リビドーが! お前のせいでなくなったら!」
【???】
「どうしてくれるんだよおおおおお!! うわあああああああ!!!」
青年は滅茶苦茶に腕を振り回す。
止めに入ろうとしたが間に合わず、ナイフが国重に向かって振り下ろされる。
警察時代に習った護身術のお陰なのか、上手くかわせたようだったけど。
体には届かなかったようだが袖が破け、刃がかすったことがわかる。
【国重 昂正】
「……っ、クソッ」
【クロノ】
「国重!」
俺は死神の力を使って、青年の背後に回り、地面に倒して押さえつける。
国重は警察に通報し、駆けつけた警察に青年は確保され連行されていった。
俺達に事情聴取をしに来た警察官が、急ににこやかな笑顔になった。
【警察官】
「国重さんですよね? ご無沙汰しております!」
【クロノ】
「…知り合い?」
【国重 昂正】
「ああ、まだ刑事をやっていた頃の部下だ」
【警察官】
「国重さん、警察に復職して下さい。国重さんみたいに正義感のある人が、署には必要なんです」
【国重 昂正】
「ありがとう。でも、俺はもう部外者だ。……頑張れよ」
相手は残念そうな顔をしたが、事情聴取を終える頃には笑顔を見せて――
敬礼をして、足早に去って行った。
【クロノ】
「…なんで警察をやめたわけ?」
【国重 昂正】
「…組織ってのは、維持するために悪いことをしなきゃいけない場合もある」
【国重 昂正】
「俺はそれが許せなかった。…それに、仕事が忙しすぎて、大事なものまで失っちまったしな」
国重が遠い目をしたので――、それが夏透の事を言っているのだとすぐにわかった。
その後、やはり調査ははかどらず、家に戻ることになった。
【国重 昂正】
「はあ……。本当に証拠が出ねえ。ここまで来ると、本当に犯人はお前のお仲間って事かと思うぜ……」
【クロノ】
「だからそうだって言ってる。まだ諦めてなかったのか」
【国重 昂正】
「報告書に書き辛ぇんだよ…。できることなら人間が犯人の方が助かる…」
落ち込んでいる国重を放って、俺は枕元に視線を投げる。
そこには、無造作にリビドーが置かれていた。
【クロノ】
(オッサンは、今週はリビドーを使う気力もないって言ってたけど)
国重は、うらはらな行動をとる。
よし、リビドーを使えないように、今夜もヤろう。
【クロノ】
(念には念を入れて……。もうちょっと、消耗させておくか)
【国重 昂正】
「じゃあ、そろそろ寝るか。明日のスケジュールは…」
国重は手帳を確認しながら布団に胡坐をかき、俺は国重の隣に座る。
【国重 昂正】
「午前中にもう一度調査…、午後からは…」
【クロノ】
「うん」
【国重 昂正】
「……一つ聞いていいか。なんで俺は押し倒されてるんだ?」
【クロノ】
「今日もしようと思って」
【国重 昂正】
「ふざけるなよ…。オッサンをいじめるんじゃねぇ、体がついていかない」
【クロノ】
「若く見えるから勘違いするかもしれないけど」
だけど、そう言われのは、満更でもない。
それに、本来タチ専門で、される方にはあまり興味がなかった俺でも。
国重との昨日の行為は、なかなか悪くなかったと思える。
【クロノ】
「……わかった」
【国重 昂正】
「よし。ならメシだ。さっさと食って最終調査に出かけるぞ」
【クロノ】
「あ、俺も一緒に作る」
【国重 昂正】
「そうか。なら、目玉焼きでも焼いてくれ」
国重は、目尻に皺を作って笑い、俺の手を取って布団から起こしてくれた。
昨日の行為の最中の表情と言い、もしかして夏透ともこういうことをしてたのだろうかと思い。
少し複雑な気分を抱えたまま、台所へ向かった。
簡単な朝食を済ませた後、ユリスのこともあるし、万全の体勢を整えようと、
じいに渡されていた『探偵7つ道具』などの準備をしていたら、国重が現れ、俺の手元を覗きこんだ。
【国重 昂正】
「そろそろ出られそうか?」
【クロノ】
「ああ。充分過ぎるくらい、色んなものを持ってみた。ほらこれ、『携帯に便利な紐製縄梯子』」
【国重 昂正】
「……つっこみたいところは色々あるが、とりあえずお前、飛べるんだろ?」
【クロノ】
「あ」
国重が大笑いしたので、少し拗ねたような気分になる。
すると、国重が不意に口元を押さえて俯いた。
【クロノ】
「どうしたの。どこか具合でも悪い? ……何か顔も赤くない?」
【国重 昂正】
「いや…、この間のことを、少し思い出してだな」
【クロノ】
「この間って……」
【クロノ】
「どれのこと? 心当たりが多すぎてわからない」
【国重 昂正】
「夢の中で……、お、お前に向かって、脚を……広げさせられた時のことをだな」
【クロノ】
「なんで突然そんなこと思い出したの?」
【国重 昂正】
「俺にもわからんが……、一度思い出すと頭から離れねぇ……!」
【クロノ】
「思い出して、恥ずかしくなっちゃったわけか」
国重は口元を手で覆ったままで肯定も否定もせず、表情すら見せようとはしないでいる。
だから俺は笑い飛ばしてやった。
事実、どうせ夢の中の事だから、俺は気にしてなかったし。
【クロノ】
「あんた体鍛えてるから、眼福って感じだったけど」
【国重 昂正】
「のんきに笑いやがって……。いつか、お前にも同じことしてやるからな」
【クロノ】
「大股開き? いいよ。あんたにならされても」
【国重 昂正】
「……」
国重と俺は暫し見つめ合い―――どちらからともなく吹き出した。
そして、快晴の空の下に繰り出した。
一度、探偵事務所に寄って、聞き込みをする場所などの打ち合わせをして。
いざ調査開始という時に、道の向こうから俺達を見ている男に気付いた。
国重が素早く俺の手を引き、俺を庇うように自分の背中側に回す。
いかにも怪しそうな、ボロボロの服を着た青年は、ゆっくりと近づいてきて。
俺達の前で止まった。
【???】
「あんた、国重?」
【国重 昂正】
「…そうだが。あんたは?」
【???】
「国重を見つけました!!」
【???】
「国重はリビドーのことを嗅ぎ回っています! 邪魔です!」
【クロノ】
(あー…、こいつヤバいな)
青年は宙を見たと思ったら、急に思いつめたようなギラギラした瞳になって、国重を睨みつけたりを繰り返す。
人間相手にどこまでやるかを決めかねていると、突然、青年が国重に向かってナイフを振り回し始めた。
【???】
「余計なことすんなああああ! リビドーが! お前のせいでなくなったら!」
【???】
「どうしてくれるんだよおおおおお!! うわあああああああ!!!」
青年は滅茶苦茶に腕を振り回す。
止めに入ろうとしたが間に合わず、ナイフが国重に向かって振り下ろされる。
警察時代に習った護身術のお陰なのか、上手くかわせたようだったけど。
体には届かなかったようだが袖が破け、刃がかすったことがわかる。
【国重 昂正】
「……っ、クソッ」
【クロノ】
「国重!」
俺は死神の力を使って、青年の背後に回り、地面に倒して押さえつける。
国重は警察に通報し、駆けつけた警察に青年は確保され連行されていった。
俺達に事情聴取をしに来た警察官が、急ににこやかな笑顔になった。
【警察官】
「国重さんですよね? ご無沙汰しております!」
【クロノ】
「…知り合い?」
【国重 昂正】
「ああ、まだ刑事をやっていた頃の部下だ」
【警察官】
「国重さん、警察に復職して下さい。国重さんみたいに正義感のある人が、署には必要なんです」
【国重 昂正】
「ありがとう。でも、俺はもう部外者だ。……頑張れよ」
相手は残念そうな顔をしたが、事情聴取を終える頃には笑顔を見せて――
敬礼をして、足早に去って行った。
【クロノ】
「…なんで警察をやめたわけ?」
【国重 昂正】
「…組織ってのは、維持するために悪いことをしなきゃいけない場合もある」
【国重 昂正】
「俺はそれが許せなかった。…それに、仕事が忙しすぎて、大事なものまで失っちまったしな」
国重が遠い目をしたので――、それが夏透の事を言っているのだとすぐにわかった。
その後、やはり調査ははかどらず、家に戻ることになった。
【国重 昂正】
「はあ……。本当に証拠が出ねえ。ここまで来ると、本当に犯人はお前のお仲間って事かと思うぜ……」
【クロノ】
「だからそうだって言ってる。まだ諦めてなかったのか」
【国重 昂正】
「報告書に書き辛ぇんだよ…。できることなら人間が犯人の方が助かる…」
落ち込んでいる国重を放って、俺は枕元に視線を投げる。
そこには、無造作にリビドーが置かれていた。
【クロノ】
(オッサンは、今週はリビドーを使う気力もないって言ってたけど)
国重は、うらはらな行動をとる。
よし、リビドーを使えないように、今夜もヤろう。
【クロノ】
(念には念を入れて……。もうちょっと、消耗させておくか)
【国重 昂正】
「じゃあ、そろそろ寝るか。明日のスケジュールは…」
国重は手帳を確認しながら布団に胡坐をかき、俺は国重の隣に座る。
【国重 昂正】
「午前中にもう一度調査…、午後からは…」
【クロノ】
「うん」
【国重 昂正】
「……一つ聞いていいか。なんで俺は押し倒されてるんだ?」
【クロノ】
「今日もしようと思って」
【国重 昂正】
「ふざけるなよ…。オッサンをいじめるんじゃねぇ、体がついていかない」
【クロノ】
「若く見えるから勘違いするかもしれないけど」
