[本編] 国重 昴正 編
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苦笑気味に一人ごちて、リビドーをセットする。
夢の中の夏透に慰めてもらおうという、単純な考えだった。
眠りに落ちる瞬間、ふと考えた。
何故俺は、寿命を縮めてまで夏透の夢を見たいんだろう。
夏透に殺されたいと、本気で思ってるからだろうか。
―――本当にそうか?
―――リビドーの使用が寿命を縮めると確信したのは、死神と出会ってからじゃないのか?
……夢の中にもし、死神がいれば。
この疑問にも、答えてくれるんだろうか。
目を開けると、いつもと同じように緑の庭園が広がっていた。
――夏透が好きそうな、天国の様に美しい場所で、夏透と穏やかな時間を過ごしたい。
そう願っていたからか、俺の夢はいつも、夏透好みの緑の世界が舞台だった。
随分乙女チックな思考だなと、最初の頃は苦笑したけど。
今ではこの世界が、この空気が、全てが心地よい。
東屋のベンチに向かうと、何故か夏透の姿がなかった。驚いて辺りを見回す。
【国重 昂正】
(今までは……、俺が来るより先に、夏透がココに座っていた筈だが…)
【???】
「やっと来た。待ってた」
隠れてたのかとホッとして振り返ると―――、
死神がベンチに座っていた。
【国重 昂正】
「な…、なんでお前がココにいる?」
【クロノ】
「なんでって、俺、今までだってここに来てたじゃない」
【国重 昂正】
「いや、そうなんだが…。いつもは、ココには、夏透が座ってた筈なんだが」
【クロノ】
「ああ、夏透か。どこかに行っちゃったんじゃない?」
【国重 昂正】
「……すまん、ちょっと探してくる」
歩き出そうとした時に手を引かれ、あたたかい感触に包まれた――。俺は、死神の胸の中に収まっていた。
そのまま引き寄せられ、ベンチに座らせられる。
【国重 昂正】
「おい、冗談はやめろ。お前はココにいていいから―――」
【クロノ】
「何言ってんの。探しに行くまでもなく、あんたが望めば夏透だって出てくるだろ」
【国重 昂正】
「望めば…って、何言ってるんだ、お前」
【クロノ】
「はは、夢の中だって意識、無くなり始めてるんだ。可哀想に」
【国重 昂正】
「……っ」
突然、死神の手が俺の中心へと伸びてきた。
突き放そうとしたが、俺を抱き寄せる死神の力は強く、びくともしない。
【国重 昂正】
「離せ、おい…っ、悪ふざけはやめろ、クソガキ!」
【クロノ】
「ふざけてなんかいない。ずっとあんたとこうしたかった」
【国重 昂正】
「―――は?」
目の前にいる死神は、俺の服に手をかけたまま微笑んでいる。
あいつと同じくらいキレイな顔で。
【クロノ】
「大丈夫。俺があんたに優しくしてあげる」
【クロノ】
「だから淋しくなんかない。俺がずっと一生、あんたと一緒にいてあげる」
【クロノ】
「死ぬまでこうやって優しくしてあげる……。いや、死んでも離さない」
【国重 昂正】
「……」
細く長い指が、優しい手つきで俺の服を脱がせていく。
慈しみのようなキスをしながら、丁寧に体に触れていく。
【国重 昂正】
(おかしい……。あいつが、いきなりこんなことするわけが――)
【国重 昂正】
(…そうか。これは俺の夢…、俺が望んだことが実現する世界だ)
【国重 昂正】
(じゃあ俺は今、死神に会いたいと思っているのか)
【国重 昂正】
(会って、こんなことをされたいと……、思ってるのか)
死神は、俺の下腹部に顔を埋めて、もう勃ち上がっているソレを舐めようとしているところだった。
半ば呆然としながら、俺は死神の赤い舌先を食い入るように見つめていた。
その景色は、俺が望んだ、安らぎのある世界ではなかったけれど。
こうしていることが、何故かとても幸せに思える。
何だか、何もかもどうでも良くなり、そのまま流れに身を任せ――
【クロノ】
「国重!」
誰かが俺の名を呼ぶのを、微睡みの中で聞いていた。
【クロノ】
「国重! おい、聞こえてるか!?」
【クロノ】
「ほら。俺が一生懸命頑張ったから、あんたのコレ、こんなになったよ…?」
【国重 昂正】
「そうか。…じゃあ後は俺に任せておけ。よくしてやるからな…」
【クロノ】
「ちょっと…あっ、そこは駄目だって……」
【クロノ】
「違うよ、俺があんたにしてあげるの。あんたはそこで寝てていいんだよ」
【国重 昂正】
「恥ずかしがるなよ、いつもの不遜さはどうした」
【クロノ】
「だって、あんたの事を好きだって自覚したら、急に恥ずかしくなっちゃって」
【国重 昂正】
「…可愛い奴だな、こんなオッサンでいいのかよ」
【クロノ】
「オッサン『が』いいの。ふふ」
【国重 昂正】
「……変な奴だな。でも…いいぜ。来い」
膜の向こうの二人は、今にも交わり始めそうだ。
国重と一緒にいるのは、いつもの夏透じゃなく、俺の姿をした偽物だけど……。
これは……
国重が、夏透じゃなくて、俺を望んでるってことか?
【クロノ】
「……それにしたって、なんで俺?」
どういう心変わりだ。何があった。
突然の出来事に、動揺と衝撃はあったけど。
同時に、少し嬉しい気持ちにもなった。俺が必要とされてるんだという気持ちに。
【クロノ】
「いい兆候だな。まあ、とりあえず助けるか」
自分と同じ外見をした偽物と誰かが交わってる所なんて、流石にちょっと見たくない。
目の前に張り巡らされている白い膜は、今日はそれほど分厚くない。
さっそく鎌で切り裂こうとした時。
【???】
「クロノ」
後ろから誰かに呼ばれて、振り返る。
そこには―――。
【クロノ】
「……お前」
目の前にいる少年は笑った。昔と変わらない姿のまま、あどけない表情で。
ふと視線を走らせると、景色の隅に綻びがあるのを見つけた。
【クロノ】
(今度は、この景色自体が、悪夢化してるのか?)
【???】
「いつ連れてってくれる?」
【クロノ】
(これは……俺の昔の……)
金木犀の香りのする、病院と、そこにいたあの少年。
【クロノ】
(俺の昔の記憶が蘇ってる…。なんで、今…)
【クロノ】
(国重の夢に影響されて…?でも、なんで…)
【???】
「俺を見てよ、クロノ。だって俺の体はもう治らないんだよ?」
【クロノ】
「……やめろ」
【???】
「どうやったってもう、元気にはなれないんだ。だからもう連れて行って」
夢の中の夏透に慰めてもらおうという、単純な考えだった。
眠りに落ちる瞬間、ふと考えた。
何故俺は、寿命を縮めてまで夏透の夢を見たいんだろう。
夏透に殺されたいと、本気で思ってるからだろうか。
―――本当にそうか?
―――リビドーの使用が寿命を縮めると確信したのは、死神と出会ってからじゃないのか?
……夢の中にもし、死神がいれば。
この疑問にも、答えてくれるんだろうか。
目を開けると、いつもと同じように緑の庭園が広がっていた。
――夏透が好きそうな、天国の様に美しい場所で、夏透と穏やかな時間を過ごしたい。
そう願っていたからか、俺の夢はいつも、夏透好みの緑の世界が舞台だった。
随分乙女チックな思考だなと、最初の頃は苦笑したけど。
今ではこの世界が、この空気が、全てが心地よい。
東屋のベンチに向かうと、何故か夏透の姿がなかった。驚いて辺りを見回す。
【国重 昂正】
(今までは……、俺が来るより先に、夏透がココに座っていた筈だが…)
【???】
「やっと来た。待ってた」
隠れてたのかとホッとして振り返ると―――、
死神がベンチに座っていた。
【国重 昂正】
「な…、なんでお前がココにいる?」
【クロノ】
「なんでって、俺、今までだってここに来てたじゃない」
【国重 昂正】
「いや、そうなんだが…。いつもは、ココには、夏透が座ってた筈なんだが」
【クロノ】
「ああ、夏透か。どこかに行っちゃったんじゃない?」
【国重 昂正】
「……すまん、ちょっと探してくる」
歩き出そうとした時に手を引かれ、あたたかい感触に包まれた――。俺は、死神の胸の中に収まっていた。
そのまま引き寄せられ、ベンチに座らせられる。
【国重 昂正】
「おい、冗談はやめろ。お前はココにいていいから―――」
【クロノ】
「何言ってんの。探しに行くまでもなく、あんたが望めば夏透だって出てくるだろ」
【国重 昂正】
「望めば…って、何言ってるんだ、お前」
【クロノ】
「はは、夢の中だって意識、無くなり始めてるんだ。可哀想に」
【国重 昂正】
「……っ」
突然、死神の手が俺の中心へと伸びてきた。
突き放そうとしたが、俺を抱き寄せる死神の力は強く、びくともしない。
【国重 昂正】
「離せ、おい…っ、悪ふざけはやめろ、クソガキ!」
【クロノ】
「ふざけてなんかいない。ずっとあんたとこうしたかった」
【国重 昂正】
「―――は?」
目の前にいる死神は、俺の服に手をかけたまま微笑んでいる。
あいつと同じくらいキレイな顔で。
【クロノ】
「大丈夫。俺があんたに優しくしてあげる」
【クロノ】
「だから淋しくなんかない。俺がずっと一生、あんたと一緒にいてあげる」
【クロノ】
「死ぬまでこうやって優しくしてあげる……。いや、死んでも離さない」
【国重 昂正】
「……」
細く長い指が、優しい手つきで俺の服を脱がせていく。
慈しみのようなキスをしながら、丁寧に体に触れていく。
【国重 昂正】
(おかしい……。あいつが、いきなりこんなことするわけが――)
【国重 昂正】
(…そうか。これは俺の夢…、俺が望んだことが実現する世界だ)
【国重 昂正】
(じゃあ俺は今、死神に会いたいと思っているのか)
【国重 昂正】
(会って、こんなことをされたいと……、思ってるのか)
死神は、俺の下腹部に顔を埋めて、もう勃ち上がっているソレを舐めようとしているところだった。
半ば呆然としながら、俺は死神の赤い舌先を食い入るように見つめていた。
その景色は、俺が望んだ、安らぎのある世界ではなかったけれど。
こうしていることが、何故かとても幸せに思える。
何だか、何もかもどうでも良くなり、そのまま流れに身を任せ――
【クロノ】
「国重!」
誰かが俺の名を呼ぶのを、微睡みの中で聞いていた。
【クロノ】
「国重! おい、聞こえてるか!?」
【クロノ】
「ほら。俺が一生懸命頑張ったから、あんたのコレ、こんなになったよ…?」
【国重 昂正】
「そうか。…じゃあ後は俺に任せておけ。よくしてやるからな…」
【クロノ】
「ちょっと…あっ、そこは駄目だって……」
【クロノ】
「違うよ、俺があんたにしてあげるの。あんたはそこで寝てていいんだよ」
【国重 昂正】
「恥ずかしがるなよ、いつもの不遜さはどうした」
【クロノ】
「だって、あんたの事を好きだって自覚したら、急に恥ずかしくなっちゃって」
【国重 昂正】
「…可愛い奴だな、こんなオッサンでいいのかよ」
【クロノ】
「オッサン『が』いいの。ふふ」
【国重 昂正】
「……変な奴だな。でも…いいぜ。来い」
膜の向こうの二人は、今にも交わり始めそうだ。
国重と一緒にいるのは、いつもの夏透じゃなく、俺の姿をした偽物だけど……。
これは……
国重が、夏透じゃなくて、俺を望んでるってことか?
【クロノ】
「……それにしたって、なんで俺?」
どういう心変わりだ。何があった。
突然の出来事に、動揺と衝撃はあったけど。
同時に、少し嬉しい気持ちにもなった。俺が必要とされてるんだという気持ちに。
【クロノ】
「いい兆候だな。まあ、とりあえず助けるか」
自分と同じ外見をした偽物と誰かが交わってる所なんて、流石にちょっと見たくない。
目の前に張り巡らされている白い膜は、今日はそれほど分厚くない。
さっそく鎌で切り裂こうとした時。
【???】
「クロノ」
後ろから誰かに呼ばれて、振り返る。
そこには―――。
【クロノ】
「……お前」
目の前にいる少年は笑った。昔と変わらない姿のまま、あどけない表情で。
ふと視線を走らせると、景色の隅に綻びがあるのを見つけた。
【クロノ】
(今度は、この景色自体が、悪夢化してるのか?)
【???】
「いつ連れてってくれる?」
【クロノ】
(これは……俺の昔の……)
金木犀の香りのする、病院と、そこにいたあの少年。
【クロノ】
(俺の昔の記憶が蘇ってる…。なんで、今…)
【クロノ】
(国重の夢に影響されて…?でも、なんで…)
【???】
「俺を見てよ、クロノ。だって俺の体はもう治らないんだよ?」
【クロノ】
「……やめろ」
【???】
「どうやったってもう、元気にはなれないんだ。だからもう連れて行って」