[本編] 国重 昴正 編
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【アンク】
「リビドーに施した、悪夢を撃退する仕組みというのは」
【アンク】
「クロノ様のリビドーを介して、相手の脳へ正常な脳波を送るというものです」
【アンク】
「ささ、リビドーの裏側にあるスイッチを押してみて下さい」
言われた通りリビドーの裏を見ると、今までなかったスイッチがある。
そのスイッチを入れてみる――。しかし、なにも起きない。
【アンク】
「やはり駄目でしたか……」
【クロノ】
「駄目って……。結局、何がどうなってるの?」
【アンク】
「危惧していたのです。これだけでは覚醒に至るほどの刺激にはならないのではないか、と」
【アンク】
「これは、外部からの刺激が必要なようです」
【アンク】
「騙されたと思って、国重さんに口付けをして下さい。何かを流し込むように意識をして」
【クロノ】
「は? キス? なんで」
【アンク】
「詳しくは後日! 私は出歯亀は致しませんので」
説明不十分なまま、じいは姿を消してしまった。
よくわからないが、言われた通り、国重に口付けをしてみる。
するとすぐに、国重の目が見開いて、突き飛ばされた。
【クロノ】
「いっ……たい!」
【国重 昂正】
「す、すまん! あいつじゃなかったから驚いて…! 本当にすまん…!」
【クロノ】
「いや、俺からキスしたんだから、あんたは無実」
【国重 昂正】
「そうだったか―――は!?」
【クロノ】
「だから、俺からキスした」
【国重 昂正】
「……なんで、そんなことを……」
【クロノ】
「無理やりでも起こさなきゃいけなかったから。……それがどうかした?」
【国重 昂正】
「い、いや……」
オッサンは耳を赤くしながら、口元を押さえる。
恋人以外の男にキスされたことが、そんなにショックだったんだろうか。
――意外な反応に可愛くて、ついつい虐めたくなる。
【クロノ】
「それにしても、キス上手いね。アンタが望むなら、このまま慰めてやってもいいって思ったくらい」
からかうつもりでそう言ったのに、国重は難しい顔をして考え込んでしまった。
【国重 昂正】
「……割り切った関係ってやつなら、今の俺には、ちょうどいいのかもしれないな」
ぽつりと呟かれた言葉は、冗談には聞こえなかった。
凄まじいほどの、自嘲の響きがあった。
――そんな、自嘲しなければならないような事だろうか。
夢にしか現れない「夏透」。
その「夏透」が化物となり、自分を責め立てる夢を続けて見た後に。
人肌を求める事の、何が悪いんだろう。
【クロノ】
(人間はそんなに、強くないのに)
喉まで言葉が出かかって、俺は余計な干渉だと思って口を噤んだ。
【国重 昂正】
「悪い、馬鹿な事を言っ……」
前言撤回しようとする言葉を、キスで無理矢理遮る。
暫くの間、驚いたように為すがままだった国重が、やがて力を抜いて舌を絡めてきた。
―国重1章・NORMAL END―
「リビドーに施した、悪夢を撃退する仕組みというのは」
【アンク】
「クロノ様のリビドーを介して、相手の脳へ正常な脳波を送るというものです」
【アンク】
「ささ、リビドーの裏側にあるスイッチを押してみて下さい」
言われた通りリビドーの裏を見ると、今までなかったスイッチがある。
そのスイッチを入れてみる――。しかし、なにも起きない。
【アンク】
「やはり駄目でしたか……」
【クロノ】
「駄目って……。結局、何がどうなってるの?」
【アンク】
「危惧していたのです。これだけでは覚醒に至るほどの刺激にはならないのではないか、と」
【アンク】
「これは、外部からの刺激が必要なようです」
【アンク】
「騙されたと思って、国重さんに口付けをして下さい。何かを流し込むように意識をして」
【クロノ】
「は? キス? なんで」
【アンク】
「詳しくは後日! 私は出歯亀は致しませんので」
説明不十分なまま、じいは姿を消してしまった。
よくわからないが、言われた通り、国重に口付けをしてみる。
するとすぐに、国重の目が見開いて、突き飛ばされた。
【クロノ】
「いっ……たい!」
【国重 昂正】
「す、すまん! あいつじゃなかったから驚いて…! 本当にすまん…!」
【クロノ】
「いや、俺からキスしたんだから、あんたは無実」
【国重 昂正】
「そうだったか―――は!?」
【クロノ】
「だから、俺からキスした」
【国重 昂正】
「……なんで、そんなことを……」
【クロノ】
「無理やりでも起こさなきゃいけなかったから。……それがどうかした?」
【国重 昂正】
「い、いや……」
オッサンは耳を赤くしながら、口元を押さえる。
恋人以外の男にキスされたことが、そんなにショックだったんだろうか。
――意外な反応に可愛くて、ついつい虐めたくなる。
【クロノ】
「それにしても、キス上手いね。アンタが望むなら、このまま慰めてやってもいいって思ったくらい」
からかうつもりでそう言ったのに、国重は難しい顔をして考え込んでしまった。
【国重 昂正】
「……割り切った関係ってやつなら、今の俺には、ちょうどいいのかもしれないな」
ぽつりと呟かれた言葉は、冗談には聞こえなかった。
凄まじいほどの、自嘲の響きがあった。
――そんな、自嘲しなければならないような事だろうか。
夢にしか現れない「夏透」。
その「夏透」が化物となり、自分を責め立てる夢を続けて見た後に。
人肌を求める事の、何が悪いんだろう。
【クロノ】
(人間はそんなに、強くないのに)
喉まで言葉が出かかって、俺は余計な干渉だと思って口を噤んだ。
【国重 昂正】
「悪い、馬鹿な事を言っ……」
前言撤回しようとする言葉を、キスで無理矢理遮る。
暫くの間、驚いたように為すがままだった国重が、やがて力を抜いて舌を絡めてきた。
―国重1章・NORMAL END―