[本編] 国重 昴正 編
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【ユリス】
「なっ……!」
赤くなったユリスに背を向けて、俺はさっさと部屋を出て行った。
誰もいない自分の部屋に、あいつを一人残すのは気持ち悪いけど。
盗まれるようなものもないし、別にもうどうでもいい。
クロノの部屋に一人残されて、俺はしばらくの間呆然としていた。
【ユリス】
「……は、はあ!? 何アイツ!! 普通、客残して消えるか!?」
アタマきた。こうなったら仕返しに、この部屋で好き勝手してやる。
【ユリス】
「あいつ、アッチの方はお盛んだから、どうせハズカシーもんとかあるんだろ」
【ユリス】
「やっぱ、アイツの弱味を握っておきたいからな、うん。興味とかじゃねーけど」
【ユリス】
「『秘密をバラされたくないんだー。俺の言う事聞くー?』」
【ユリス】
「『聞くよ、ユリス。だから…』って展開! 今お前の秘密を暴いてやるぜ!!」
とりあえず、王道中の王道、ベッドの下を覗いてみる。――が、なにもない。
【ユリス】
「くそっ! じゃあ、本棚に隠してるのか!?」
本棚を漁る――が、なにもない。机の中も見てみたけれど――、特にコレと言って変な物はない。
【ユリス】
「はあ!? なんだよアイツ!! どこまでも人を馬鹿にしやがって!!」
疲れたし腹が立ったので、俺はあいつのベッドに倒れ込んだ。
――その時、布団から……クロノの匂いがした。
【ユリス】
(あ? 俺、なんでこの匂いを、あいつの匂いだって思うんだ?)
あいつの匂いなんて普段わからな……。
【ユリス】
「あ………」
【ユリス】
(キ……された時に………)
この前、あいつに強引にされた時、確かにあの瞬間、この匂いがした。
この匂いをふっと感じた後、俺の唇にクロノの……
【ユリス】
「は……、はぁ……!」
思い出していたら、体が熱くなってきた。
【ユリス】
「だ、ダメだ……! これ以上は……」
そう思うのに、俺は手が下へ向かうのを止められなかった。
【ユリス】
「こんな……、俺……!」
昼間は、国重の仕事風景を覗くことで事件の情報を集めて、夜は自宅までついて行って。
今夜は、国重はリビドーを少し眺めてから、おもむろに手を伸ばして、――今、リビドーを使用して眠っている。
夜中頃、準備を整えたじいが現れた。
【アンク】
「お待たせしました。さて、さっそく夢旅行と参りましょうか」
【クロノ】
「実際、旅行なんて気楽なもんじゃないけど」
国重の隣に寝転がり、じいが持ってきてくれたリビドーを装着する。
夢へと落下していく感覚は、二度目でも心地良いものではなかった。
【クロノ】
(今回も庭園か…)
この間見た、乳白色の膜も健在だし、膜の向こうに、ベンチに腰掛けている二人の姿も見える。
だけど何だか、一昨日よりも膜が濃くなっているように思える。
膜に触れてみるとゆっくりと消えたが、昨日よりは時間がかかっているような気がした。
本当に……、この膜はなんなんだろう。
【国重 昂正】
「お前……昨日の」
地を這うような声に視線を向けると、国重が夏透を庇いながら、ゆっくりと立ち上がるところだった。
明らかに威嚇されてるし、どう挨拶すべきかと考えて…、軽く片手を上げてみた。
【国重 昂正】
「また追い出されに来たのか?」
【クロノ】
「ってことは、俺が昨日の男と同一人物って認識してるんだ?」
【国重 昂正】
「……まだ納得してはねぇけどな」
【国重 昂正】
「どうやら本当に、何かの特殊能力でも持ってるらしいな、お前は」
【クロノ】
「そろそろ死神だって信じる気になった? ちなみに、明日も来るつもりでいるけど」
【国重 昂正】
「少しだけは…、信じざるを得ないかもしれん」
【クロノ】
「それは良かった。まずは俺の存在を信じてもらわないと、仕事も始められないから」
【国重 昂正】
「確かお前も、仕事でリビドーのことを追ってると言ってたな」
【クロノ】
「そう。あんたと同じで、死神にも色々あってね」
その時、国重の背後にいた夏透が、不安そうな声を出した。
【椎名 夏透】
「ねえ昂正、この人…、誰?」
【クロノ】
「一応確認するけど、その夏透って人、あんたの恋人だよね?」
【クロノ】
「あんたってもしかして、夏透の夢ばっか見てるんじゃない?」
【国重 昂正】
「……っ」
途端に、国重の頬に朱が走る。
男同士でいちゃつく夢を見ていると、知られたせいだろうか。
珍しく狼狽しているように見える。
【クロノ】
「あー、別に相手の性別がどうこうって言うんじゃないよ。仲がいいのは、良いことだし。うん」
【クロノ】
「ほら、あんた色恋に不自由しなさそうだから」
【クロノ】
「平たく言えばモテそうなのに、こういう夢見てるのが意外だと思って」
【国重 昂正】
「……フォローしてくれてありがとよ」
どことなくやけっぱちな言葉に、更に言葉を重ねるべきか悩む。
すると、背後にいた夏透が何かブツブツ言っているのが聞こえた。
【クロノ】
「……ごめん、俺、夏透サンの気に障ること言ったかも」
【国重 昂正】
「あ……。なんだ? 夏透…」
振り返った国重が顔を曇らせたので、俺も近寄って様子を見てみる。
夏透は、国重も俺も見ていない虚ろな目で、口だけを機械的に動かしていた。
【椎名 夏透】
「昂正はホモ……男相手に興奮する変態……気持ち悪い」
【椎名 夏透】
「その歳で男に現を抜かして、刑事の地位を捨てた、下らない男……」
固まっている俺と国重の目の前で、夏透の顔は、みるみるうちに、文字通り溶けて流れ出した。
【化物】
「ぅううううゥいウおオォオオオ……」
天界の様に鮮やかな庭園が、幸せな筈の夢が、悪夢に変わろうとしていた。
国重は凍りついたまま、目の前で変化していく恋人を呆然と見つめている。
夏透の肉が溶け落ちると、下から鱗が現れ――、夏透は、銀色の化物に変化した。
全身の鱗を光らせて、血の涙を流しながら天に向かって吠えている。
化物が一歩踏み出すと、触れた草がジュッと音を立てて消えた。
【クロノ】
(何が起きた……!?)
何もわからないけれど、とにかく、このままじゃヤバイことになりそうだ。
今のところ国重に危害は及んでいないが、このままではどうなるかはわからない。
俺は素早く地面を蹴り、覚醒に向かって上昇する。
【アンク】
「どうされました!?」
【クロノ】
「ちょっとまずいことになったっぽい」
不思議そうな顔をしているじいに構わず、とにかく国重の頬を叩いた。
【クロノ】
「憧憬夢が悪夢化した」
【クロノ】
「まずは国重を起こすべきだと思って戻ってきたんだけど、俺の判断ミス?」
「なっ……!」
赤くなったユリスに背を向けて、俺はさっさと部屋を出て行った。
誰もいない自分の部屋に、あいつを一人残すのは気持ち悪いけど。
盗まれるようなものもないし、別にもうどうでもいい。
クロノの部屋に一人残されて、俺はしばらくの間呆然としていた。
【ユリス】
「……は、はあ!? 何アイツ!! 普通、客残して消えるか!?」
アタマきた。こうなったら仕返しに、この部屋で好き勝手してやる。
【ユリス】
「あいつ、アッチの方はお盛んだから、どうせハズカシーもんとかあるんだろ」
【ユリス】
「やっぱ、アイツの弱味を握っておきたいからな、うん。興味とかじゃねーけど」
【ユリス】
「『秘密をバラされたくないんだー。俺の言う事聞くー?』」
【ユリス】
「『聞くよ、ユリス。だから…』って展開! 今お前の秘密を暴いてやるぜ!!」
とりあえず、王道中の王道、ベッドの下を覗いてみる。――が、なにもない。
【ユリス】
「くそっ! じゃあ、本棚に隠してるのか!?」
本棚を漁る――が、なにもない。机の中も見てみたけれど――、特にコレと言って変な物はない。
【ユリス】
「はあ!? なんだよアイツ!! どこまでも人を馬鹿にしやがって!!」
疲れたし腹が立ったので、俺はあいつのベッドに倒れ込んだ。
――その時、布団から……クロノの匂いがした。
【ユリス】
(あ? 俺、なんでこの匂いを、あいつの匂いだって思うんだ?)
あいつの匂いなんて普段わからな……。
【ユリス】
「あ………」
【ユリス】
(キ……された時に………)
この前、あいつに強引にされた時、確かにあの瞬間、この匂いがした。
この匂いをふっと感じた後、俺の唇にクロノの……
【ユリス】
「は……、はぁ……!」
思い出していたら、体が熱くなってきた。
【ユリス】
「だ、ダメだ……! これ以上は……」
そう思うのに、俺は手が下へ向かうのを止められなかった。
【ユリス】
「こんな……、俺……!」
昼間は、国重の仕事風景を覗くことで事件の情報を集めて、夜は自宅までついて行って。
今夜は、国重はリビドーを少し眺めてから、おもむろに手を伸ばして、――今、リビドーを使用して眠っている。
夜中頃、準備を整えたじいが現れた。
【アンク】
「お待たせしました。さて、さっそく夢旅行と参りましょうか」
【クロノ】
「実際、旅行なんて気楽なもんじゃないけど」
国重の隣に寝転がり、じいが持ってきてくれたリビドーを装着する。
夢へと落下していく感覚は、二度目でも心地良いものではなかった。
【クロノ】
(今回も庭園か…)
この間見た、乳白色の膜も健在だし、膜の向こうに、ベンチに腰掛けている二人の姿も見える。
だけど何だか、一昨日よりも膜が濃くなっているように思える。
膜に触れてみるとゆっくりと消えたが、昨日よりは時間がかかっているような気がした。
本当に……、この膜はなんなんだろう。
【国重 昂正】
「お前……昨日の」
地を這うような声に視線を向けると、国重が夏透を庇いながら、ゆっくりと立ち上がるところだった。
明らかに威嚇されてるし、どう挨拶すべきかと考えて…、軽く片手を上げてみた。
【国重 昂正】
「また追い出されに来たのか?」
【クロノ】
「ってことは、俺が昨日の男と同一人物って認識してるんだ?」
【国重 昂正】
「……まだ納得してはねぇけどな」
【国重 昂正】
「どうやら本当に、何かの特殊能力でも持ってるらしいな、お前は」
【クロノ】
「そろそろ死神だって信じる気になった? ちなみに、明日も来るつもりでいるけど」
【国重 昂正】
「少しだけは…、信じざるを得ないかもしれん」
【クロノ】
「それは良かった。まずは俺の存在を信じてもらわないと、仕事も始められないから」
【国重 昂正】
「確かお前も、仕事でリビドーのことを追ってると言ってたな」
【クロノ】
「そう。あんたと同じで、死神にも色々あってね」
その時、国重の背後にいた夏透が、不安そうな声を出した。
【椎名 夏透】
「ねえ昂正、この人…、誰?」
【クロノ】
「一応確認するけど、その夏透って人、あんたの恋人だよね?」
【クロノ】
「あんたってもしかして、夏透の夢ばっか見てるんじゃない?」
【国重 昂正】
「……っ」
途端に、国重の頬に朱が走る。
男同士でいちゃつく夢を見ていると、知られたせいだろうか。
珍しく狼狽しているように見える。
【クロノ】
「あー、別に相手の性別がどうこうって言うんじゃないよ。仲がいいのは、良いことだし。うん」
【クロノ】
「ほら、あんた色恋に不自由しなさそうだから」
【クロノ】
「平たく言えばモテそうなのに、こういう夢見てるのが意外だと思って」
【国重 昂正】
「……フォローしてくれてありがとよ」
どことなくやけっぱちな言葉に、更に言葉を重ねるべきか悩む。
すると、背後にいた夏透が何かブツブツ言っているのが聞こえた。
【クロノ】
「……ごめん、俺、夏透サンの気に障ること言ったかも」
【国重 昂正】
「あ……。なんだ? 夏透…」
振り返った国重が顔を曇らせたので、俺も近寄って様子を見てみる。
夏透は、国重も俺も見ていない虚ろな目で、口だけを機械的に動かしていた。
【椎名 夏透】
「昂正はホモ……男相手に興奮する変態……気持ち悪い」
【椎名 夏透】
「その歳で男に現を抜かして、刑事の地位を捨てた、下らない男……」
固まっている俺と国重の目の前で、夏透の顔は、みるみるうちに、文字通り溶けて流れ出した。
【化物】
「ぅううううゥいウおオォオオオ……」
天界の様に鮮やかな庭園が、幸せな筈の夢が、悪夢に変わろうとしていた。
国重は凍りついたまま、目の前で変化していく恋人を呆然と見つめている。
夏透の肉が溶け落ちると、下から鱗が現れ――、夏透は、銀色の化物に変化した。
全身の鱗を光らせて、血の涙を流しながら天に向かって吠えている。
化物が一歩踏み出すと、触れた草がジュッと音を立てて消えた。
【クロノ】
(何が起きた……!?)
何もわからないけれど、とにかく、このままじゃヤバイことになりそうだ。
今のところ国重に危害は及んでいないが、このままではどうなるかはわからない。
俺は素早く地面を蹴り、覚醒に向かって上昇する。
【アンク】
「どうされました!?」
【クロノ】
「ちょっとまずいことになったっぽい」
不思議そうな顔をしているじいに構わず、とにかく国重の頬を叩いた。
【クロノ】
「憧憬夢が悪夢化した」
【クロノ】
「まずは国重を起こすべきだと思って戻ってきたんだけど、俺の判断ミス?」
