[本編] 国重 昴正 編
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――次の日の朝。
俺は、誰かの視線で目が覚めた。
うっすらと目を開けると、じいが俺の顔を覗き込んでいた。
【クロノ】
「なっ! いきなり出てくるなよ、驚くだろ!」
【アンク】
「死神ともあろうものが、この程度で驚いてどうします」
【アンク】
「我々は神出鬼没! そのことをお忘れでございますか!」
【クロノ】
「いくら俺だって、瞬間移動する時は、姿を現す時と場所くらい弁えてるけど」
【クロノ】
「起き抜けにびっくりしたから、頭痛い…。うぅ…」
俺が頭を抱えるのを見て、じいはようやく体を起こす。
【クロノ】
「それで、こんな朝っぱらから何の用」
【アンク】
「そうそう、クロノ様に報告があって参ったのです」
【クロノ】
「なに? もしかして、もう事件の詳細がわかったとか?」
【アンク】
「それだったらどれ程良かったことか、クロノ様にとって。ほっほっほっほ!」
俺はがっくりと肩を落とした。
本気で期待してたわけじゃないけど、一縷の望みには賭けてた。
【クロノ】
「じゃあ何の用…」
【アンク】
「はい。本日私は、外せない仕事が入った為」
【アンク】
「クロノ様のサポートはお休みさせていただきます」
【クロノ】
「……」
【アンク】
「なんと珍しい! クロノ様から怒りの波動が伝わって参りますぞ!」
【アンク】
「もはや伝説ですからな。生まれてただの一度も、喜怒哀楽をあらわにせず生きてきた死神がいると!」
【アンク】
「彼は、ザ・シニガミ・オブ・シニガミーズ――その名も、クロノ=クロノ=リーパー(仮)!!」
【クロノ】
「いいから、早く用件を言ってよ」
【クロノ】
「そうやって冗談にして済まそうとしても無駄」
【クロノ】
「昨日、俺のサポートするって言っただろ?」
【アンク】
「やむを得ない事情がございまして。申し訳ございません」
詳細は聞けなかったけど、俺は肩を竦めただけで、納得することにした。
じいは年季の入った死神だ。
長から直々に、内密の仕事を受けてるのかもしれない。
俺達みたいな若造には、任せられないような仕事を。
【クロノ】
「仕事なら仕方ない。わかった」
【クロノ】
「今日の仕事は、俺一人でやる。じいも頑張ってね」
【アンク】
「ありがとうございます。クロノ様も無理なさいませんよう」
【クロノ】
「うん、昼休憩は3時間取るつもりでいる」
【アンク】
「前言撤回です、キリキリと働いてくださいませ。……それでは、行って参ります」
そう言うと、瞬く間にじいは消えた。
俺はそのまま二度寝しようと、ベッドに横になった。
【アンク】
「クロノ様!」
【クロノ】
「ニ度寝しようとしてません」
体を起こした体勢の俺を、じいは笑顔で見つめた。
【アンク】
「勿論ですとも。ニ度寝などせず、すぐにお仕事へ向かわれますな?」
【クロノ】
「はい」
答えると、じいはまた姿を消した。
俺は溜息をつき、仕方なく支度をして部屋を出た。
人間に俺の姿を見えないようにしてから、俺は国重の探偵事務所に侵入した。
国重はデスクで仕事をしていた。
社員は今は見当たらないが、ホワイトボードに「古林:出張」と書いてあったので、どうやら一人はいるらしい。
確かに、国重が使っている他にもう一つ机があるが……。それ以上、社員がいるようには思えなかった。
【クロノ】
(国重の自宅もそうだったけど、金に困ってそうな感じはしないんだけどな)
死神は、ターゲットの家とかも見るから、そこそこ長くやっていると、見ただけで金回りの予想がつくようになる。
国重の自宅は、事務所の隣にある。だから、部屋や事務所はそういう条件で選んだのかなと思えるけれど―――
金回りが悪くないってことは、それなりに仕事があるってことだ。
それなのに社員がいないっていうのは、何か他の理由があるように思えた。
そんなことを考えている間に、国重はファイルと大量の新聞を机に置いた。
そして、片っ端から新聞を読んでは、切りぬいてファイリングをしている。
どうやらリビドー関連の記事を集めているようだ。
働き蟻のように、せっせと働いている姿を見ていると……
なんとなく、先日のじいの言葉を思い出す。
――仕事人間だったのかもしれませんぞ
その通りなのかもしれない。
脇目もふらずに、仕事に没頭している姿は、俺がイメージする「人間の刑事」そのものだ。
【クロノ】
(熱血刑事……。いや、熱血探偵?)
興味本位で、国重の仕事を観察していると……
突然、国重はガサガサと机の上を片付けて、事務所を出た。
俺は慌ててその後についていく。
街を歩く時も、国重は一心不乱に歩いて行く。周りの人間と比べても、かなり歩くのが早い。
そんなに必死にならなくても、なんて、国重の背中を見て思った。
―――電車で移動した国重は、とある運送会社の前に到着した。
国重は、会社の中に入り、受付に名刺を渡した。
【国重 昂正】
「こういう者ですが、春川樹生さんはいらっしゃいますか」
【クロノ】
(春川樹生……?)
その名前に聞き覚えがあった。
【クロノ】
(そうだ。資料で見たんだ)
春川樹生も、今回のターゲット候補の一人だった。
しばらく経って奥から出てきた人物は、資料で見たのと同じ顔。
【クロノ】
(夏透も綺麗な顔してたけど、俺としては春川みたいのの方が好みなんだよね)
【春川 樹生】
「オレにご用があると伺って来たのですが…。どちら様ですか?」
【国重 昂正】
「失礼、私、国重昂正と申します。名刺どうぞ」
名刺を渡された春川は、慣れないようにお辞儀をして受け取った。
【国重 昂正】
「貴方の同僚が亡くなってますね。詳しいお話を聞かせていただけますか」
【春川 樹生】
「警察の方ですか…?」
【国重 昂正】
「はは、名刺にもありますが、ただのしがない私立探偵です。本日は仕事でこちらに伺いました」
【春川 樹生】
「……座って話しませんか。こちらへどうぞ」
移動する二人にくっついて、続きを聞く。
国重は座るや否や手帳を開き、春川に問いかける。
【国重 昂正】
「依頼があって、リビドーを使用して亡くなった方のことを調べています」
リビドーという単語が出た途端、春川の顔色が変わった。
【国重 昂正】
「些細なことでもいい、何か知っていることはありませんか」
【春川 樹生】
「……」
【春川 樹生】
「…オレは、何も知りません」
【国重 昂正】
「そうですか? おかしいですね。貴方も、リビドーを使用していると伺ったのですが」
【春川 樹生】
「……すみません、忙しいのでこれ以上は」
俺は、誰かの視線で目が覚めた。
うっすらと目を開けると、じいが俺の顔を覗き込んでいた。
【クロノ】
「なっ! いきなり出てくるなよ、驚くだろ!」
【アンク】
「死神ともあろうものが、この程度で驚いてどうします」
【アンク】
「我々は神出鬼没! そのことをお忘れでございますか!」
【クロノ】
「いくら俺だって、瞬間移動する時は、姿を現す時と場所くらい弁えてるけど」
【クロノ】
「起き抜けにびっくりしたから、頭痛い…。うぅ…」
俺が頭を抱えるのを見て、じいはようやく体を起こす。
【クロノ】
「それで、こんな朝っぱらから何の用」
【アンク】
「そうそう、クロノ様に報告があって参ったのです」
【クロノ】
「なに? もしかして、もう事件の詳細がわかったとか?」
【アンク】
「それだったらどれ程良かったことか、クロノ様にとって。ほっほっほっほ!」
俺はがっくりと肩を落とした。
本気で期待してたわけじゃないけど、一縷の望みには賭けてた。
【クロノ】
「じゃあ何の用…」
【アンク】
「はい。本日私は、外せない仕事が入った為」
【アンク】
「クロノ様のサポートはお休みさせていただきます」
【クロノ】
「……」
【アンク】
「なんと珍しい! クロノ様から怒りの波動が伝わって参りますぞ!」
【アンク】
「もはや伝説ですからな。生まれてただの一度も、喜怒哀楽をあらわにせず生きてきた死神がいると!」
【アンク】
「彼は、ザ・シニガミ・オブ・シニガミーズ――その名も、クロノ=クロノ=リーパー(仮)!!」
【クロノ】
「いいから、早く用件を言ってよ」
【クロノ】
「そうやって冗談にして済まそうとしても無駄」
【クロノ】
「昨日、俺のサポートするって言っただろ?」
【アンク】
「やむを得ない事情がございまして。申し訳ございません」
詳細は聞けなかったけど、俺は肩を竦めただけで、納得することにした。
じいは年季の入った死神だ。
長から直々に、内密の仕事を受けてるのかもしれない。
俺達みたいな若造には、任せられないような仕事を。
【クロノ】
「仕事なら仕方ない。わかった」
【クロノ】
「今日の仕事は、俺一人でやる。じいも頑張ってね」
【アンク】
「ありがとうございます。クロノ様も無理なさいませんよう」
【クロノ】
「うん、昼休憩は3時間取るつもりでいる」
【アンク】
「前言撤回です、キリキリと働いてくださいませ。……それでは、行って参ります」
そう言うと、瞬く間にじいは消えた。
俺はそのまま二度寝しようと、ベッドに横になった。
【アンク】
「クロノ様!」
【クロノ】
「ニ度寝しようとしてません」
体を起こした体勢の俺を、じいは笑顔で見つめた。
【アンク】
「勿論ですとも。ニ度寝などせず、すぐにお仕事へ向かわれますな?」
【クロノ】
「はい」
答えると、じいはまた姿を消した。
俺は溜息をつき、仕方なく支度をして部屋を出た。
人間に俺の姿を見えないようにしてから、俺は国重の探偵事務所に侵入した。
国重はデスクで仕事をしていた。
社員は今は見当たらないが、ホワイトボードに「古林:出張」と書いてあったので、どうやら一人はいるらしい。
確かに、国重が使っている他にもう一つ机があるが……。それ以上、社員がいるようには思えなかった。
【クロノ】
(国重の自宅もそうだったけど、金に困ってそうな感じはしないんだけどな)
死神は、ターゲットの家とかも見るから、そこそこ長くやっていると、見ただけで金回りの予想がつくようになる。
国重の自宅は、事務所の隣にある。だから、部屋や事務所はそういう条件で選んだのかなと思えるけれど―――
金回りが悪くないってことは、それなりに仕事があるってことだ。
それなのに社員がいないっていうのは、何か他の理由があるように思えた。
そんなことを考えている間に、国重はファイルと大量の新聞を机に置いた。
そして、片っ端から新聞を読んでは、切りぬいてファイリングをしている。
どうやらリビドー関連の記事を集めているようだ。
働き蟻のように、せっせと働いている姿を見ていると……
なんとなく、先日のじいの言葉を思い出す。
――仕事人間だったのかもしれませんぞ
その通りなのかもしれない。
脇目もふらずに、仕事に没頭している姿は、俺がイメージする「人間の刑事」そのものだ。
【クロノ】
(熱血刑事……。いや、熱血探偵?)
興味本位で、国重の仕事を観察していると……
突然、国重はガサガサと机の上を片付けて、事務所を出た。
俺は慌ててその後についていく。
街を歩く時も、国重は一心不乱に歩いて行く。周りの人間と比べても、かなり歩くのが早い。
そんなに必死にならなくても、なんて、国重の背中を見て思った。
―――電車で移動した国重は、とある運送会社の前に到着した。
国重は、会社の中に入り、受付に名刺を渡した。
【国重 昂正】
「こういう者ですが、春川樹生さんはいらっしゃいますか」
【クロノ】
(春川樹生……?)
その名前に聞き覚えがあった。
【クロノ】
(そうだ。資料で見たんだ)
春川樹生も、今回のターゲット候補の一人だった。
しばらく経って奥から出てきた人物は、資料で見たのと同じ顔。
【クロノ】
(夏透も綺麗な顔してたけど、俺としては春川みたいのの方が好みなんだよね)
【春川 樹生】
「オレにご用があると伺って来たのですが…。どちら様ですか?」
【国重 昂正】
「失礼、私、国重昂正と申します。名刺どうぞ」
名刺を渡された春川は、慣れないようにお辞儀をして受け取った。
【国重 昂正】
「貴方の同僚が亡くなってますね。詳しいお話を聞かせていただけますか」
【春川 樹生】
「警察の方ですか…?」
【国重 昂正】
「はは、名刺にもありますが、ただのしがない私立探偵です。本日は仕事でこちらに伺いました」
【春川 樹生】
「……座って話しませんか。こちらへどうぞ」
移動する二人にくっついて、続きを聞く。
国重は座るや否や手帳を開き、春川に問いかける。
【国重 昂正】
「依頼があって、リビドーを使用して亡くなった方のことを調べています」
リビドーという単語が出た途端、春川の顔色が変わった。
【国重 昂正】
「些細なことでもいい、何か知っていることはありませんか」
【春川 樹生】
「……」
【春川 樹生】
「…オレは、何も知りません」
【国重 昂正】
「そうですか? おかしいですね。貴方も、リビドーを使用していると伺ったのですが」
【春川 樹生】
「……すみません、忙しいのでこれ以上は」
