[本編] 国重 昴正 編
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【クロノ】
「本当に理解した? ただ聞いてただけじゃ駄目なんだけど?」
【国重 昂正】
「……」
【クロノ】
「ちょっと」
その後も何度か呼びかけたけど……
国重は俯き加減のまま、じっと考え込んでいるようで、何も答えなくなってしまった。
【クロノ】
(こりゃもう、何言っても無駄かな…)
いつまでも夢の中にいても仕方ない。
じいに色々訊きたいこともあるし……。
ここに留まるだけ時間の無駄だと踏んで――
現実に戻るべく、地面を蹴って浮かび上がる。
【クロノ】
「とりあえず忠告はしたから。じゃあ」
二人の姿が次第に遠ざかり、やがて見えなくなった―――。
意識が浮かび上がるような感覚があって、……現実に戻ってくる。
目を開けると、心配そうな顔のじいが顔を覗きこんでいた。
【アンク】
「戻りが遅いので心配しておりましたぞ…! それで、いかがでしたか?」
【クロノ】
「ん? あー……、なんていうか」
俺は体を起こしながら、隣で眠っている国重を見下ろす。
【クロノ】
「忠告したら、聞いてはくれたけど」
【アンク】
「それはそれは。仕事がスムーズに進みそうで何よりでございます」
【クロノ】
「それなら俺も万々歳なんだけどさ」
【クロノ】
「なんか、考え事しながら『わかった…』って言われただけで」
【クロノ】
「本当に俺の話聞いてた? って思った」
【アンク】
「ふむ、突然の死の宣告を受け入れられなかったのでしょうか」
【クロノ】
「それが、そんな感じでもなかった」
【クロノ】
「俺の話を聞いて、思う所があって考え込んだ…っていう方がしっくり来る」
【アンク】
「思う所があった…、と言いますと、様々な可能性が考えられますが。例えば?」
【クロノ】
「例えば…」
【クロノ】
「リビドー使用に伴う危険…とか?」
【アンク】
「人間界でも、リビドー使用者の死は報じられておりますからなあ」
【クロノ】
「だけど、それなら、どうしてリビドーなんか使ってるんだろう」
【アンク】
「甘美な夢を見られる、という理由では?」
【クロノ】
「40過ぎの元刑事が、甘美な夢をねぇ…」
【アンク】
「中年の独身男性は、さ・み・し・が・り・や! なのですぞ! クロノ様」
【クロノ】
「……え、何そのテンション」
【アンク】
「中年独身男性は、そこがチャームポイントですからな。強調しておこうかと思いまして」
【クロノ】
「へー。―――まあ、ここで色々推測して出る答えでもないか」
【アンク】
「結局は、本人のみぞ知るところ、ですからなぁ」
【クロノ】
「まあ、これ、じいが言いだした事だけどね」
【アンク】
「ほっほっほ」
【クロノ】
「……まあいいけど。……あー、ほんと面倒臭い。どうにかして今からでも断りたい、この仕事」
【アンク】
「クロノ様! 死神長様はクロノ様を信頼して、この仕事を任されたのですぞ!?」
【クロノ】
「はいはい、わかってる」
【アンク】
「このじいが、事件解決のサポートを致しますからな!! 大船に乗ったつもりでいて下され!!」
【クロノ】
「期待してる」
【アンク】
「……ですが、私任せではいけませんぞ」
じろりと睨まれ、俺は肩を竦めた。
【クロノ】
「はいはい心得てるよ。頑張るよ…、はぁー……」
「本当に理解した? ただ聞いてただけじゃ駄目なんだけど?」
【国重 昂正】
「……」
【クロノ】
「ちょっと」
その後も何度か呼びかけたけど……
国重は俯き加減のまま、じっと考え込んでいるようで、何も答えなくなってしまった。
【クロノ】
(こりゃもう、何言っても無駄かな…)
いつまでも夢の中にいても仕方ない。
じいに色々訊きたいこともあるし……。
ここに留まるだけ時間の無駄だと踏んで――
現実に戻るべく、地面を蹴って浮かび上がる。
【クロノ】
「とりあえず忠告はしたから。じゃあ」
二人の姿が次第に遠ざかり、やがて見えなくなった―――。
意識が浮かび上がるような感覚があって、……現実に戻ってくる。
目を開けると、心配そうな顔のじいが顔を覗きこんでいた。
【アンク】
「戻りが遅いので心配しておりましたぞ…! それで、いかがでしたか?」
【クロノ】
「ん? あー……、なんていうか」
俺は体を起こしながら、隣で眠っている国重を見下ろす。
【クロノ】
「忠告したら、聞いてはくれたけど」
【アンク】
「それはそれは。仕事がスムーズに進みそうで何よりでございます」
【クロノ】
「それなら俺も万々歳なんだけどさ」
【クロノ】
「なんか、考え事しながら『わかった…』って言われただけで」
【クロノ】
「本当に俺の話聞いてた? って思った」
【アンク】
「ふむ、突然の死の宣告を受け入れられなかったのでしょうか」
【クロノ】
「それが、そんな感じでもなかった」
【クロノ】
「俺の話を聞いて、思う所があって考え込んだ…っていう方がしっくり来る」
【アンク】
「思う所があった…、と言いますと、様々な可能性が考えられますが。例えば?」
【クロノ】
「例えば…」
【クロノ】
「リビドー使用に伴う危険…とか?」
【アンク】
「人間界でも、リビドー使用者の死は報じられておりますからなあ」
【クロノ】
「だけど、それなら、どうしてリビドーなんか使ってるんだろう」
【アンク】
「甘美な夢を見られる、という理由では?」
【クロノ】
「40過ぎの元刑事が、甘美な夢をねぇ…」
【アンク】
「中年の独身男性は、さ・み・し・が・り・や! なのですぞ! クロノ様」
【クロノ】
「……え、何そのテンション」
【アンク】
「中年独身男性は、そこがチャームポイントですからな。強調しておこうかと思いまして」
【クロノ】
「へー。―――まあ、ここで色々推測して出る答えでもないか」
【アンク】
「結局は、本人のみぞ知るところ、ですからなぁ」
【クロノ】
「まあ、これ、じいが言いだした事だけどね」
【アンク】
「ほっほっほ」
【クロノ】
「……まあいいけど。……あー、ほんと面倒臭い。どうにかして今からでも断りたい、この仕事」
【アンク】
「クロノ様! 死神長様はクロノ様を信頼して、この仕事を任されたのですぞ!?」
【クロノ】
「はいはい、わかってる」
【アンク】
「このじいが、事件解決のサポートを致しますからな!! 大船に乗ったつもりでいて下され!!」
【クロノ】
「期待してる」
【アンク】
「……ですが、私任せではいけませんぞ」
じろりと睨まれ、俺は肩を竦めた。
【クロノ】
「はいはい心得てるよ。頑張るよ…、はぁー……」