[本編] 国重 昴正 編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【椎名 夏透】
「うん。昂正も嗅いでみて。これ、いい匂いがする品種なんだ」
【国重 昂正】
「………ああ、花の匂いがするな」
【椎名 夏透】
「……これ、『天津乙女』て品種で、香りがいいって有名なんだけど……」
【国重 昂正】
「嫌な匂いなんて言ってねぇだろ。花の匂いは、いい匂いだ」
【椎名 夏透】
「はいはい。……昂正は、変わらないなぁ」
苦笑して、夏透は薔薇をテーブルに置いた。
【国重 昂正】
「変わらない、か。……夏透とこうやって過ごすの、久しぶりだな」
【椎名 夏透】
「昂正のお仕事が忙しかったから、仕方ないよ」
【国重 昂正】
「お前には…、寂しい思いばかりさせて、本当に悪いと思ってる」
【椎名 夏透】
「ううん、いいよ。仕事で忙しくしてる昂正を支えられる事、誇らしく思ってるんだから」
【国重 昂正】
「お前……」
二人の顔が、そのままだんだん近づいて……、唇が触れた。
【クロノ】
(なるほど、恋人か)
ちょっと意外。元刑事なんて硬派そうなオッサンの恋人が、男とは思わなかった。
【椎名 夏透】
「あ、昂正……。こんな所で……、恥ずかしいよ……」
【国重 昂正】
「……さっきの薔薇、アマツオトメだっけ?」
夏透の肩口に顔を埋め、国重は首筋からうなじへと舐め上げた。
【椎名 夏透】
「あんっ、…うん……。昔、そういう名前の、女優さんがいて、そこからつけた名前なんだって」
【国重 昂正】
「百人一首にも出てきたよな、アマツオトメって。天女って意味だったか」
【国重 昂正】
「いい匂いがする女なんて、お前にぴったりじゃねぇか、夏透」
もう既に紅く染まっている胸の飾りを、国重が口に含むと、夏透は高い声を上げた。
【国重 昂正】
「お前は俺の女だ、夏透」
【クロノ】
(あの「夏透」が、事件解決の鍵…、かな)
もう少し近づいてみようとした時、突然目の前に乳白色の靄がかかった。
よく見ると、それは薄い膜のようなもので、見える景色一面を覆って、俺と国重達を隔てている。
【クロノ】
「…なんだこれ」
爪先で蹴ってみても伸びるだけで、破れる気配はない。
触れてみると、綿菓子の様なフワッとした感触だ。
膜の向こうでは、互いに衣服を乱し合いながら、二人は次第にベンチへ横たわっていく。
夏透に覆いかぶさった、国重の鍛えられた背中でよく見えないが、随分情熱的な愛撫のようだ。
夏透の肌が赤く潤み、肢体は快楽に蕩けきっている。熱に浮かされたような表情が、なかなか色っぽかった。
なるほど。あんな反応をされたら、攻める側はさぞ楽しいだろう。
【クロノ】
(まあ、俺は夏透みたいなのは、あんまり好みじゃないけど)
【国重 昂正】
「……痛くないか?」
【椎名 夏透】
「んん……っ。うん、大丈夫……。はあっ、昂正の指、久しぶりで嬉し……ぁあっ」
【国重 昂正】
「…ここだろ?」
【椎名 夏透】
「ん、ん、そこ、あ、ああ、こ…せ……、やめ……っ、そんな、したら、イッちゃっ、から……」
【国重 昂正】
「んー? なんだ、夏透。よく聞こえない」
【椎名 夏透】
「や、指増やさな……、あ、あ――ッ!」
仰け反った夏透が、ゆっくりと体勢を戻し、荒い息を整えている。
このままいくと、膜の向こう側で、本番が始まりかねない。
馬に蹴られたくはないが、最中に中断させるより、休憩させている今の方がまだマシだろう。
そう思い強めに膜を押すと、指先の触れたところからシュウッと溶けて消えた。
【クロノ】
(あ、消えた…。けど、本当になんだろう、この膜)
まあ消えたし、今は国重と接触する方が先だ。
俺は東屋へ向かった。
ある程度進むと気配に気付いたのか、国重が素早く身を起こして―――
あられもない格好の恋人を背中で庇いながら、唸った。
【国重 昂正】
「動くな。何者だ、お前」
服を着ていても分かる逞しい肉体、無駄のない動き、鋭く睨みつける目。
……どうやら、勘は良いらしい。
【クロノ】
「へえ、よく気付いたな」
【国重 昂正】
「黙れ。何者だと訊いてる」
両手を上げて足を止め、国重の背後に視線を落とす。
夏透は近くで見ても、薄幸そうな線の細い男だった。
俯いて震えている様子を見るに、夢の中にも関わらず人格は存在するらしい。
俺が見ているのに気付いたのか、国重が体を移動させて夏透を庇う。
【国重 昂正】
「こいつに何かしようって魂胆なら―――」
【クロノ】
「あー、違う違う。俺はあんたらに何もしない」
【国重 昂正】
「……」
【クロノ】
「露骨に、信じられるかって顔するね」
【国重 昂正】
「当然だろ」
【クロノ】
「ごもっとも。だけど本当に何もしない。面倒くさいし」
【国重 昂正】
「……用件を言え」
国重は気を張った瞳のまま、慎重に俺の様子を窺っている。
【クロノ】
「俺は夢の登場人物じゃない。あんたを助けに来た死神だ」
【クロノ】
「このままだと死ぬよ、国重昂正」
【クロノ】
「そう忠告をしに来た」
国重は、驚いた様に目を見開きはしたものの、唇を噛んで押し黙る。
もしかして…質問があるのかな?
質問があるかと思って、暫し待ってみたけれど…
やはり口を開く素振りはない。
【クロノ】
「何か言うことはないの」
【国重 昂正】
「…ああ、特にない」
【クロノ】
「へえ」
バカみたいに、何のことだって聞き返したりしない事には感心した。
単に、諦めきってるか、思考停止してるだけかもしれないけど。
【クロノ】
「じゃあ、こっちの用件だけ言う」
【国重 昂正】
「……」
【クロノ】
「リビドーの使用を止めない場合、あと13日で死ぬ」
【国重 昂正】
「……」
【国重 昂正】
「…わかった」
【クロノ】
「いや、ちょっと、あっさりし過ぎじゃない?」
【国重 昂正】
「お前の言ってることは、理解した」
「うん。昂正も嗅いでみて。これ、いい匂いがする品種なんだ」
【国重 昂正】
「………ああ、花の匂いがするな」
【椎名 夏透】
「……これ、『天津乙女』て品種で、香りがいいって有名なんだけど……」
【国重 昂正】
「嫌な匂いなんて言ってねぇだろ。花の匂いは、いい匂いだ」
【椎名 夏透】
「はいはい。……昂正は、変わらないなぁ」
苦笑して、夏透は薔薇をテーブルに置いた。
【国重 昂正】
「変わらない、か。……夏透とこうやって過ごすの、久しぶりだな」
【椎名 夏透】
「昂正のお仕事が忙しかったから、仕方ないよ」
【国重 昂正】
「お前には…、寂しい思いばかりさせて、本当に悪いと思ってる」
【椎名 夏透】
「ううん、いいよ。仕事で忙しくしてる昂正を支えられる事、誇らしく思ってるんだから」
【国重 昂正】
「お前……」
二人の顔が、そのままだんだん近づいて……、唇が触れた。
【クロノ】
(なるほど、恋人か)
ちょっと意外。元刑事なんて硬派そうなオッサンの恋人が、男とは思わなかった。
【椎名 夏透】
「あ、昂正……。こんな所で……、恥ずかしいよ……」
【国重 昂正】
「……さっきの薔薇、アマツオトメだっけ?」
夏透の肩口に顔を埋め、国重は首筋からうなじへと舐め上げた。
【椎名 夏透】
「あんっ、…うん……。昔、そういう名前の、女優さんがいて、そこからつけた名前なんだって」
【国重 昂正】
「百人一首にも出てきたよな、アマツオトメって。天女って意味だったか」
【国重 昂正】
「いい匂いがする女なんて、お前にぴったりじゃねぇか、夏透」
もう既に紅く染まっている胸の飾りを、国重が口に含むと、夏透は高い声を上げた。
【国重 昂正】
「お前は俺の女だ、夏透」
【クロノ】
(あの「夏透」が、事件解決の鍵…、かな)
もう少し近づいてみようとした時、突然目の前に乳白色の靄がかかった。
よく見ると、それは薄い膜のようなもので、見える景色一面を覆って、俺と国重達を隔てている。
【クロノ】
「…なんだこれ」
爪先で蹴ってみても伸びるだけで、破れる気配はない。
触れてみると、綿菓子の様なフワッとした感触だ。
膜の向こうでは、互いに衣服を乱し合いながら、二人は次第にベンチへ横たわっていく。
夏透に覆いかぶさった、国重の鍛えられた背中でよく見えないが、随分情熱的な愛撫のようだ。
夏透の肌が赤く潤み、肢体は快楽に蕩けきっている。熱に浮かされたような表情が、なかなか色っぽかった。
なるほど。あんな反応をされたら、攻める側はさぞ楽しいだろう。
【クロノ】
(まあ、俺は夏透みたいなのは、あんまり好みじゃないけど)
【国重 昂正】
「……痛くないか?」
【椎名 夏透】
「んん……っ。うん、大丈夫……。はあっ、昂正の指、久しぶりで嬉し……ぁあっ」
【国重 昂正】
「…ここだろ?」
【椎名 夏透】
「ん、ん、そこ、あ、ああ、こ…せ……、やめ……っ、そんな、したら、イッちゃっ、から……」
【国重 昂正】
「んー? なんだ、夏透。よく聞こえない」
【椎名 夏透】
「や、指増やさな……、あ、あ――ッ!」
仰け反った夏透が、ゆっくりと体勢を戻し、荒い息を整えている。
このままいくと、膜の向こう側で、本番が始まりかねない。
馬に蹴られたくはないが、最中に中断させるより、休憩させている今の方がまだマシだろう。
そう思い強めに膜を押すと、指先の触れたところからシュウッと溶けて消えた。
【クロノ】
(あ、消えた…。けど、本当になんだろう、この膜)
まあ消えたし、今は国重と接触する方が先だ。
俺は東屋へ向かった。
ある程度進むと気配に気付いたのか、国重が素早く身を起こして―――
あられもない格好の恋人を背中で庇いながら、唸った。
【国重 昂正】
「動くな。何者だ、お前」
服を着ていても分かる逞しい肉体、無駄のない動き、鋭く睨みつける目。
……どうやら、勘は良いらしい。
【クロノ】
「へえ、よく気付いたな」
【国重 昂正】
「黙れ。何者だと訊いてる」
両手を上げて足を止め、国重の背後に視線を落とす。
夏透は近くで見ても、薄幸そうな線の細い男だった。
俯いて震えている様子を見るに、夢の中にも関わらず人格は存在するらしい。
俺が見ているのに気付いたのか、国重が体を移動させて夏透を庇う。
【国重 昂正】
「こいつに何かしようって魂胆なら―――」
【クロノ】
「あー、違う違う。俺はあんたらに何もしない」
【国重 昂正】
「……」
【クロノ】
「露骨に、信じられるかって顔するね」
【国重 昂正】
「当然だろ」
【クロノ】
「ごもっとも。だけど本当に何もしない。面倒くさいし」
【国重 昂正】
「……用件を言え」
国重は気を張った瞳のまま、慎重に俺の様子を窺っている。
【クロノ】
「俺は夢の登場人物じゃない。あんたを助けに来た死神だ」
【クロノ】
「このままだと死ぬよ、国重昂正」
【クロノ】
「そう忠告をしに来た」
国重は、驚いた様に目を見開きはしたものの、唇を噛んで押し黙る。
もしかして…質問があるのかな?
質問があるかと思って、暫し待ってみたけれど…
やはり口を開く素振りはない。
【クロノ】
「何か言うことはないの」
【国重 昂正】
「…ああ、特にない」
【クロノ】
「へえ」
バカみたいに、何のことだって聞き返したりしない事には感心した。
単に、諦めきってるか、思考停止してるだけかもしれないけど。
【クロノ】
「じゃあ、こっちの用件だけ言う」
【国重 昂正】
「……」
【クロノ】
「リビドーの使用を止めない場合、あと13日で死ぬ」
【国重 昂正】
「……」
【国重 昂正】
「…わかった」
【クロノ】
「いや、ちょっと、あっさりし過ぎじゃない?」
【国重 昂正】
「お前の言ってることは、理解した」
