[本編] 綾 上総 編
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【綾 上総】
「勃っても、抜いてやらねーからな。一人寂しく便所だぞ」
それは辛い。
溜息混じりに手を引いて大人しく布団をかぶると、側頭部にキスが降った。
【綾 上総】
「明日の会議、親父も出るんだ。……だからごめんな」
【綾 上総】
「その代わり、今度思いっきり相手してやっから」
上総の身内事情は知っているので、余計に何も言えなかった。
そしてとうとう、死神界へ戻る日が来た。
上総は朝早くから起きていて、休日だというのに着替えも済ませていた。
【クロノ】
「珍しいね、こんな時間から起きてるなんて」
【綾 上総】
「恋人のご出発の日だからな。一応見送りしねーと」
【綾 上総】
「何も言わずに出かけさせるほど、俺も薄情じゃねえぞ」
上総は、死神の姿に戻った俺を物珍しそうに眺めて笑った。
【綾 上総】
「なんか懐かしいわ、その格好」
【綾 上総】
「初めて会った時もそんな姿だった」
【クロノ】
「…そうだね」
顔回りにキスをして、そっと離れる。
じゃないとこのまま死神界へ連れて行ってしまいそうだったから。
上総は物足りなそうに口を尖らせるも、背筋を伸ばして俺を見上げた。
【クロノ】
「じゃあ行ってくる」
【クロノ】
「チャットは繋がるようにしておくから、何かあったら連絡して」
【綾 上総】
「おう。行ってらっしゃい」
もしかしたら年単位で戻れなくなるかもしれないけど、という言葉は。
せっかくの見送りの笑顔を曇らせたくなかったから、何度も言うのはやめておいた。
今生の別れじゃあるまいし、ネガティブな考えはやめよう。
今生の別れじゃあるまいし、ネガティブな考えはやめよう。
上総の元に早く戻るためにも、これからは仕事に集中して。
9日間で、いかに早く事件を解決させるかを考えた方がいい。
死神の格好に戻ったからか、
気持ちも少しは仕事モードに切り替えることができた。
久しぶりに死神界の自分の部屋に戻ると、じいが既に準備を始めていた。
俺が部屋にいないのを良いことに、遠慮なく資料を広げている。
【アンク】
「おや、もう戻って来られたのですか」
【アンク】
「これからお迎えにあがろうと思っていたところでしたのに」
【クロノ】
「そこまでしてもらわなくてもいいかなって思って」
【クロノ】
「…で、あれから何か新しい情報は手に入れた?」
【アンク】
「例のサイトに更新がないか見張っておりましたが、相変わらず動きはございません」
【アンク】
「ユリスの捜索班からも、これといった報告はありませんし」
【アンク】
「是非、クロノ様の足で新情報をゲットして頂きたく存じます」
【クロノ】
「…あっそ…」
【アンク】
「代わりといっては何ですが、クロノ様の今後の予定をざっと立てました」
【アンク】
「新宿区、渋谷区、豊島区の魂狩りを担当しながら、犯人への糸口となるような情報を探して下さいませ」
【クロノ】
「待って、3区も…?」
【クロノ】
「いや、その前にそこ担当の死神には何やらせる気」
【アンク】
「通常通り魂狩りをしておりますよ。ですが手は多い方が良いでしょう」
【アンク】
「担当の死神に、クロノ様が捜査も兼ねて加勢をすると申し上げましたところ」
【アンク】
「クロノ様の鎌捌きの速さは有名ですから、担当死神も諸手を上げて喜んでおりました」
【クロノ】
「……早く帰りたいだけなんだけどね。いつも」
今回は、自分の中でリミットを9日間と決めている。
以前よりも要領良く動かないと長引きそうだ。
【クロノ】
(これも上総の元へ早く帰るため…)
【クロノ】
(とてつもなく面倒臭いけど、頑張るしかないか…)
【アンク】
「さあ、これから頑張りますぞ! サポートはお任せ下され!」
【アンク】
「えいえいおー!」
じいが張り切って拳を振り上げたので、俺も渋々拳を持ち上げた。
――――――……
情報収集に精を出すこと1日目は、鎌捌きの能力に関わらず無駄に終わった。
途中で、担当区域の死神とばったり鉢合わせたら。
いつもより片付くの早いです!と弾けるような笑顔で言われた。
【クロノ】
「……疲れたー……」
あんなに本気で魂狩りをやったのは久しぶりだ。
ベッドにうつ伏せで沈み込んでたら、気付いたら3時間経っていて。
慌てて飛び起きてノートパソコンをベッドに引きずり込み、チャットを起動させる。
今までも、たまに仕事中にやり取りをしたことはあるけど、
家に帰れば会えるわけだし、あまり使ったことはなかった。
ちなみに、死神界と人間界でやり取りができるよう、
予めじいに改造してもらってある。
「勃っても、抜いてやらねーからな。一人寂しく便所だぞ」
それは辛い。
溜息混じりに手を引いて大人しく布団をかぶると、側頭部にキスが降った。
【綾 上総】
「明日の会議、親父も出るんだ。……だからごめんな」
【綾 上総】
「その代わり、今度思いっきり相手してやっから」
上総の身内事情は知っているので、余計に何も言えなかった。
そしてとうとう、死神界へ戻る日が来た。
上総は朝早くから起きていて、休日だというのに着替えも済ませていた。
【クロノ】
「珍しいね、こんな時間から起きてるなんて」
【綾 上総】
「恋人のご出発の日だからな。一応見送りしねーと」
【綾 上総】
「何も言わずに出かけさせるほど、俺も薄情じゃねえぞ」
上総は、死神の姿に戻った俺を物珍しそうに眺めて笑った。
【綾 上総】
「なんか懐かしいわ、その格好」
【綾 上総】
「初めて会った時もそんな姿だった」
【クロノ】
「…そうだね」
顔回りにキスをして、そっと離れる。
じゃないとこのまま死神界へ連れて行ってしまいそうだったから。
上総は物足りなそうに口を尖らせるも、背筋を伸ばして俺を見上げた。
【クロノ】
「じゃあ行ってくる」
【クロノ】
「チャットは繋がるようにしておくから、何かあったら連絡して」
【綾 上総】
「おう。行ってらっしゃい」
もしかしたら年単位で戻れなくなるかもしれないけど、という言葉は。
せっかくの見送りの笑顔を曇らせたくなかったから、何度も言うのはやめておいた。
今生の別れじゃあるまいし、ネガティブな考えはやめよう。
今生の別れじゃあるまいし、ネガティブな考えはやめよう。
上総の元に早く戻るためにも、これからは仕事に集中して。
9日間で、いかに早く事件を解決させるかを考えた方がいい。
死神の格好に戻ったからか、
気持ちも少しは仕事モードに切り替えることができた。
久しぶりに死神界の自分の部屋に戻ると、じいが既に準備を始めていた。
俺が部屋にいないのを良いことに、遠慮なく資料を広げている。
【アンク】
「おや、もう戻って来られたのですか」
【アンク】
「これからお迎えにあがろうと思っていたところでしたのに」
【クロノ】
「そこまでしてもらわなくてもいいかなって思って」
【クロノ】
「…で、あれから何か新しい情報は手に入れた?」
【アンク】
「例のサイトに更新がないか見張っておりましたが、相変わらず動きはございません」
【アンク】
「ユリスの捜索班からも、これといった報告はありませんし」
【アンク】
「是非、クロノ様の足で新情報をゲットして頂きたく存じます」
【クロノ】
「…あっそ…」
【アンク】
「代わりといっては何ですが、クロノ様の今後の予定をざっと立てました」
【アンク】
「新宿区、渋谷区、豊島区の魂狩りを担当しながら、犯人への糸口となるような情報を探して下さいませ」
【クロノ】
「待って、3区も…?」
【クロノ】
「いや、その前にそこ担当の死神には何やらせる気」
【アンク】
「通常通り魂狩りをしておりますよ。ですが手は多い方が良いでしょう」
【アンク】
「担当の死神に、クロノ様が捜査も兼ねて加勢をすると申し上げましたところ」
【アンク】
「クロノ様の鎌捌きの速さは有名ですから、担当死神も諸手を上げて喜んでおりました」
【クロノ】
「……早く帰りたいだけなんだけどね。いつも」
今回は、自分の中でリミットを9日間と決めている。
以前よりも要領良く動かないと長引きそうだ。
【クロノ】
(これも上総の元へ早く帰るため…)
【クロノ】
(とてつもなく面倒臭いけど、頑張るしかないか…)
【アンク】
「さあ、これから頑張りますぞ! サポートはお任せ下され!」
【アンク】
「えいえいおー!」
じいが張り切って拳を振り上げたので、俺も渋々拳を持ち上げた。
――――――……
情報収集に精を出すこと1日目は、鎌捌きの能力に関わらず無駄に終わった。
途中で、担当区域の死神とばったり鉢合わせたら。
いつもより片付くの早いです!と弾けるような笑顔で言われた。
【クロノ】
「……疲れたー……」
あんなに本気で魂狩りをやったのは久しぶりだ。
ベッドにうつ伏せで沈み込んでたら、気付いたら3時間経っていて。
慌てて飛び起きてノートパソコンをベッドに引きずり込み、チャットを起動させる。
今までも、たまに仕事中にやり取りをしたことはあるけど、
家に帰れば会えるわけだし、あまり使ったことはなかった。
ちなみに、死神界と人間界でやり取りができるよう、
予めじいに改造してもらってある。