[本編] 春川 樹生 編
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現実界に下りてみると、リビドーをつけた春川がうなされていた。
慌てて夢に介入すると、春川が化物になった弟に、半分くらい取り込まれている。
【クロノ】
「春川! 大丈夫?」
【春川 樹生】
「本物のクロノか……?」
【クロノ】
「本物だよ。偽物に見えるのか?」
俺は死神の鎌を取り出す。
化物の弱点は―――背中にあった。
死神の鎌を振り上げて、回りこみ、背中の靄に向かって振り下ろした。
突き刺さった先から、化物の体がぼろぼろと崩れていく。
その残骸から春川を引っ張りだす。
【春川 樹生】
「……はぁ……はあっ……はあ……」
息を切らせた春川が俺の顔を見て微笑んだ。
【春川 樹生】
「助けに来てくれたのか」
【クロノ】
「そう。いつものように」
【クロノ】
「随分ひどい目に遭ってたみたいだけど……?」
【春川 樹生】
「……弟が夢に出てきたんだ。今日は違う夢を……見ていたのに」
【クロノ】
「あんた、弟の夢を見るのやめたの?」
意外だった。
今までずっと見ていた、弟以外の夢を望むなんて……。
【クロノ】
「それなら、何の夢を?」
【春川 樹生】
「……それは言えない」
春川が恥ずかしそうに顔を伏せた。
……どういう夢か、仕事の上でも興味はあったが、無理やり聞き出すのはやめておく。
それより、弟に執着しなくなりつつある点は、リビドーをやめるきっかけになるかもしれない。
【春川 樹生】
「途中で悪夢が始まって、その……弟が突然現れたんだ」
【クロノ】
「なるほどね。こういう危険もあるから、リビドーはやめろって言ってるのに」
【春川 樹生】
「……すまない」
【クロノ】
「ただの夢で幸せになるんじゃなく、現実で幸せになればいいと思うし」
【春川 樹生】
「それは……違う」
【春川 樹生】
「オレは……自分だけ幸せにはなれない」
意味がわからなかった。春川は一体何を言ってる?俺は思わずきょとんとしてしまう。
【春川 樹生】
「クロノ、あんたには感謝してるよ。いつも助けてくれてありがとう」
【春川 樹生】
「でもオレは……オレのせいで死んじまった弟以上に、不幸じゃなくちゃいけない」
【クロノ】
「何言ってるの?あんたが不幸になって何が解決する?」
俺から顔を背けた春川は、寂しそうに笑った。
【春川 樹生】
「……ごめん。あんたにはわからないかもな」
【春川 樹生】
「夢の世界にいたら、オレは不幸になると思うか?」
【クロノ】
「……なる。間違いなく」
【春川 樹生】
「ならやっぱり、ここがオレの居場所なんだと思う」
春川は部屋のドアを開けて外に飛び出して行く。
【クロノ】
「春川、待て!」
ドアの向こうは、現実とはかけ離れた世界が広がっていた。
悪夢に侵食された世界の奥に、春川が逃げ込もうとしている。
【クロノ】
「ちっ………あいつ、まだ弟の事で……!」
【クロノ】
「そんなんじゃ誰も救われないって、まだ気づかないの……!」
【クロノ】
(一旦現実に戻って覚醒させるか……?!)
【クロノ】
(ダメだ……!悪夢に取り込まれたら、きっと帰ってこれなくなる!)
俺は春川の背中を追って走りだした。
【クロノ】
(ほんとに……世話のかかる奴!)
【クロノ】
「なんだ……ここ……。どこもかしこもぐちゃぐちゃだ……」
初めて立ち入る悪夢の奥は、醜く歪んだ世界だった。
歩いているだけで眩暈を覚えるくらい、奇怪な建物が乱雑に並んだ街。
道の真中に唐突に現れる扉がひとりでに開き、中から小さな子供が現れたりする。
【クロノ】
(今の子供……?誰かに似てるような?)
俺は更に奥に進む。入り乱れた建物のせいで、春川の姿はとうに見失っていた。
【クロノ】
(……どこまで進めばいいんだか……)
【クロノ】
(それに春川のやつ、どこにいるんだよ……)
奥に進むに従って、周りの景色が輪郭を失い、流れるように動き始める。
まるでスクリーンに映し出された映画のように。
様々な場面が二次元の映像となって映されていた。
普通の人間の生活の一シーンを切り取ったように見える。
【クロノ】
(これは……春川の記憶……?走馬灯って、きっとこんな感じだろうな)
広かった道は狭まり、一本の狭い道だけが遥か彼方まで伸びている。
映し出される映像を見ながら、奥に進んでいく。
映像の中には、最近の記憶なのだろうか、俺の姿もちらほらと混ざっている。
自分の姿を改めて見るのは変な感じ。
【クロノ】
「ん……?あれって……」
流れる映像の奥に、他のものより小さく、奇妙な映像が映しだされている。
まるで隠すようにして存在しているそこには―――裸の俺がいた。
【クロノ】
「……なに、あれ」
【クロノ】
「春川の前で脱いだ事はないはず……だけど」
良く見ようと目を凝らすと、映像が拡大され、音まで聞こえてきた。
【春川 樹生】
「クロノ……」
それは、裸の俺が、春川をベッドに押し倒している映像だった。
【クロノ】
「今、気持ちよくしてやるから、いい子にしてろよ」
【クロノ】
(……いやいや待て、まだこんなことしてない)
【クロノ】
(これはもしかして、春川の想像?深層心理の願望ってやつか?)
……だから、あんなに奥に隠れてたのかもしれない。
誰にも言えない、秘密の願望。それが、俺にああいう風にされること…。
【春川 樹生】
「クロノ……オレ、あんたの事が……」
【クロノ】
「……言わなくていい。俺も同じ気持ちだから」
二人はごく自然に、何のためらいもなくキスをする。
俺の手が春川の頭を撫で、体を抱きしめている。
おいおい…
【クロノ】
(何で現実の俺がいるのに、夢を選ぶかなー…)
【クロノ】
(こういうことしたいなら、言えばいいのに。別に、隠すような事じゃないし)
【クロノ】
(ま、軽々しく言うような事でもないと思うけど)
慌てて夢に介入すると、春川が化物になった弟に、半分くらい取り込まれている。
【クロノ】
「春川! 大丈夫?」
【春川 樹生】
「本物のクロノか……?」
【クロノ】
「本物だよ。偽物に見えるのか?」
俺は死神の鎌を取り出す。
化物の弱点は―――背中にあった。
死神の鎌を振り上げて、回りこみ、背中の靄に向かって振り下ろした。
突き刺さった先から、化物の体がぼろぼろと崩れていく。
その残骸から春川を引っ張りだす。
【春川 樹生】
「……はぁ……はあっ……はあ……」
息を切らせた春川が俺の顔を見て微笑んだ。
【春川 樹生】
「助けに来てくれたのか」
【クロノ】
「そう。いつものように」
【クロノ】
「随分ひどい目に遭ってたみたいだけど……?」
【春川 樹生】
「……弟が夢に出てきたんだ。今日は違う夢を……見ていたのに」
【クロノ】
「あんた、弟の夢を見るのやめたの?」
意外だった。
今までずっと見ていた、弟以外の夢を望むなんて……。
【クロノ】
「それなら、何の夢を?」
【春川 樹生】
「……それは言えない」
春川が恥ずかしそうに顔を伏せた。
……どういう夢か、仕事の上でも興味はあったが、無理やり聞き出すのはやめておく。
それより、弟に執着しなくなりつつある点は、リビドーをやめるきっかけになるかもしれない。
【春川 樹生】
「途中で悪夢が始まって、その……弟が突然現れたんだ」
【クロノ】
「なるほどね。こういう危険もあるから、リビドーはやめろって言ってるのに」
【春川 樹生】
「……すまない」
【クロノ】
「ただの夢で幸せになるんじゃなく、現実で幸せになればいいと思うし」
【春川 樹生】
「それは……違う」
【春川 樹生】
「オレは……自分だけ幸せにはなれない」
意味がわからなかった。春川は一体何を言ってる?俺は思わずきょとんとしてしまう。
【春川 樹生】
「クロノ、あんたには感謝してるよ。いつも助けてくれてありがとう」
【春川 樹生】
「でもオレは……オレのせいで死んじまった弟以上に、不幸じゃなくちゃいけない」
【クロノ】
「何言ってるの?あんたが不幸になって何が解決する?」
俺から顔を背けた春川は、寂しそうに笑った。
【春川 樹生】
「……ごめん。あんたにはわからないかもな」
【春川 樹生】
「夢の世界にいたら、オレは不幸になると思うか?」
【クロノ】
「……なる。間違いなく」
【春川 樹生】
「ならやっぱり、ここがオレの居場所なんだと思う」
春川は部屋のドアを開けて外に飛び出して行く。
【クロノ】
「春川、待て!」
ドアの向こうは、現実とはかけ離れた世界が広がっていた。
悪夢に侵食された世界の奥に、春川が逃げ込もうとしている。
【クロノ】
「ちっ………あいつ、まだ弟の事で……!」
【クロノ】
「そんなんじゃ誰も救われないって、まだ気づかないの……!」
【クロノ】
(一旦現実に戻って覚醒させるか……?!)
【クロノ】
(ダメだ……!悪夢に取り込まれたら、きっと帰ってこれなくなる!)
俺は春川の背中を追って走りだした。
【クロノ】
(ほんとに……世話のかかる奴!)
【クロノ】
「なんだ……ここ……。どこもかしこもぐちゃぐちゃだ……」
初めて立ち入る悪夢の奥は、醜く歪んだ世界だった。
歩いているだけで眩暈を覚えるくらい、奇怪な建物が乱雑に並んだ街。
道の真中に唐突に現れる扉がひとりでに開き、中から小さな子供が現れたりする。
【クロノ】
(今の子供……?誰かに似てるような?)
俺は更に奥に進む。入り乱れた建物のせいで、春川の姿はとうに見失っていた。
【クロノ】
(……どこまで進めばいいんだか……)
【クロノ】
(それに春川のやつ、どこにいるんだよ……)
奥に進むに従って、周りの景色が輪郭を失い、流れるように動き始める。
まるでスクリーンに映し出された映画のように。
様々な場面が二次元の映像となって映されていた。
普通の人間の生活の一シーンを切り取ったように見える。
【クロノ】
(これは……春川の記憶……?走馬灯って、きっとこんな感じだろうな)
広かった道は狭まり、一本の狭い道だけが遥か彼方まで伸びている。
映し出される映像を見ながら、奥に進んでいく。
映像の中には、最近の記憶なのだろうか、俺の姿もちらほらと混ざっている。
自分の姿を改めて見るのは変な感じ。
【クロノ】
「ん……?あれって……」
流れる映像の奥に、他のものより小さく、奇妙な映像が映しだされている。
まるで隠すようにして存在しているそこには―――裸の俺がいた。
【クロノ】
「……なに、あれ」
【クロノ】
「春川の前で脱いだ事はないはず……だけど」
良く見ようと目を凝らすと、映像が拡大され、音まで聞こえてきた。
【春川 樹生】
「クロノ……」
それは、裸の俺が、春川をベッドに押し倒している映像だった。
【クロノ】
「今、気持ちよくしてやるから、いい子にしてろよ」
【クロノ】
(……いやいや待て、まだこんなことしてない)
【クロノ】
(これはもしかして、春川の想像?深層心理の願望ってやつか?)
……だから、あんなに奥に隠れてたのかもしれない。
誰にも言えない、秘密の願望。それが、俺にああいう風にされること…。
【春川 樹生】
「クロノ……オレ、あんたの事が……」
【クロノ】
「……言わなくていい。俺も同じ気持ちだから」
二人はごく自然に、何のためらいもなくキスをする。
俺の手が春川の頭を撫で、体を抱きしめている。
おいおい…
【クロノ】
(何で現実の俺がいるのに、夢を選ぶかなー…)
【クロノ】
(こういうことしたいなら、言えばいいのに。別に、隠すような事じゃないし)
【クロノ】
(ま、軽々しく言うような事でもないと思うけど)
