[本編] 綾 上総 編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【クロノ】
「……思い出でもあるの?あのクマ」
【綾 上総】
「ん、ガキの頃、少しな」
【クロノ】
「いい思い出?」
【綾 上総】
「ったりめーだろ」
そう言う上総の笑顔に、胸が締め付けられる。
【クロノ】
(……上総に、いつか話そう)
俺も、本当はずっと、誰かを求めるのが怖かったこと。
親しくなればなるほど、別れは辛くなる。
もうこんな思いをしたくないと思った、あの日。
ずっと一人でいようと決めた。死神である俺には、それが正しい在り方だと思った。
―――でもそれは、間違いだった。
全てが終わったら、上総に伝えよう。
上総のおかげで、俺が辿り着いた結論を、全て。
【綾 上総】
「なんだよ、クロノ。泣きそうな顔してんぞ」
俺の腕の中で、上総が言う。
【クロノ】
「そう言われれば、ちょっと泣きたい気分かも」
【綾 上総】
「起きてからにしろよ。そしたらいいこいいこして、ちゅーくらいしてやっから」
【クロノ】
「あ、ほんと?じゃあちょっと頑張ろうかな」
上総を背中に庇い、ユリスへと振り返る。
びしょ濡れになったユリスは放心しているような、感情の見えない顔のまま、ぼーっと立っていた。
【クロノ】
「で、どうするつもり?」
【クロノ】
「大人しく捕まるなら、これ以上なにもしない。…ものすごくムカついてるけどね」
【ユリス】
「……けるな…」
【クロノ】
「は?」
【ユリス】
「ふざけるな……ッ、ふざけるなああああっ!」
ユリスが頭を抱えて絶叫する。
【クロノ】
「ふざけてるのはお前。もういいだろ?さっさと終わりにしよう」
【ユリス】
「ふざっ……ふざけてんじゃねーぞ!」
ユリスが顔を上げる。
目に狂気が宿っていた。
【ユリス】
「俺が一体なにしたって言うんだよ!」
【ユリス】
「クロノに、いっぱい話し掛けてやったじゃねーかよ!」
【ユリス】
「お前が時々悲しそうな目ェしてるから!」
【ユリス】
「お前がトラウマ引きずってるの知ってたから!」
【クロノ】
「お前に話した覚えなんかないけど、調べたの? お前ってほんと悪趣味」
【綾 上総】
「トラウマ?」
【クロノ】
「後でちゃんと話すよ」
ユリスの顔面は蒼白で、相当多くの血を失っていることが分かる。
けど、それでも立ち上がって、俺を睨みつける姿は鬼気迫るものがあった。
【ユリス】
「おい、クロノ」
【ユリス】
「もう一度だ……。今度は、手加減しない」
【ユリス】
「俺はもう、なにも失うものなんかないからな!」
言いながら、ユリスが鎌を構え直した。
【クロノ】
「まだやるの?しつこいよ」
【ユリス】
「うるさい!来ないならこっちから行く!」
ユリスが飛び掛ってくる。
俺は上総に危害が及ばないように背中に庇いながら、ユリスの一撃を受け流した。
【ユリス】
「ぎっ……!」
相当力を込めた攻撃だったんだろう。
胸の傷に響いたらしく、ユリスの顔が苦悶に歪む。
【綾 上総】
「も、もう止めろよ!」
【綾 上総】
「死んじまったらどうすんだよ?!」
【ユリス】
「このままじゃ終われねえんだよ!!」
またユリスが鎌を振るう。
【クロノ】
「ふっ…!」
鎌を受け流し、ユリスの横腹にまた蹴りを入れた。
【ユリス】
「ウッ……!ぐううああ!!」
けど、ユリスは怯まない。
【クロノ】
「なんでここまでやるの? ユリス」
【ユリス】
「うるさいうるさいうるさい!!お、お前にだけは訊かれたくない!!」
【クロノ】
「ああそう」
ふらついて、体勢を崩したユリスへ、鎌を振り下ろす。
ユリスの顔から、パッと血が散った。
俺の鎌がユリスの顔面に大きな傷をつけたからだった。
【ユリス】
「っく、あ、……い、ってえ……!」
ユリスは顔を押さえてうずくまった。
地面にボタボタと、真っ赤な血が零れ落ちている。
【クロノ】
「もう充分だろ?」
上総はユリスの姿を見て絶句していた。
【ユリス】
「こ……んなに、傷つけちゃってさ…」
【ユリス】
「俺が女だったら、責任取ってもらってるところだぜ?」
ゼエゼエと肩で荒く息をしながら、ユリスが笑う。
【クロノ】
「気持ち悪い冗談やめてくれる?」
【ユリス】
「はははっ……、相変わらず冷たいんだな、お前」
血塗れになったユリスが立ち上がって、鎌を構えた。
【クロノ】
「さすがに、もうやめよう。このままじゃお前を殺しちゃいそうだし」
【ユリス】
「なに言ってんだよ、甘いんだよ」
【ユリス】
「どっちかが倒れるまでやるんだよ!あ、……ぐ」
威勢のいいセリフを吐いたユリスだったけど、すぐにガクリと膝をついてしまう。
その姿を見て、俺は…
俺は、戦いが終わったと思った。
もうこれ以上、ここにいる必要は無いし、ユリスと戦う必要もない。
【ユリス】
「くそ……!お前達なんかに、負けない…」
ユリスは柄を地面について、まだ立ち上がろうとしていた。
【クロノ】
「………」
その姿を見て、俺は眉を顰めた。
自分で蒔いた種なのに、引き際も弁えられないんだろうか。
この期に及んで、まだみっともなく足掻こうとするヤツに。
なんで俺が関わらなきゃいけないんだ。
【クロノ】
「――消えろよ」
俺は、短く言った。
ユリスは顔を上げて、きょとんとした顔でこちらを見ている。
【ユリス】
「……は?」
【クロノ】
「もう終わりだ。お前は逃げることしか出来ない。その体で」
【ユリス】
「……」
【クロノ】
「消えろよ。お前に構っている時間が惜しい」
【ユリス】
「……」
【クロノ】
「死神界の総意として、お前を捕まえろってことだったけど、どうでもいい」
【クロノ】
「面倒なんだよ、お前といるの。お前と話すのも。全部面倒」
【クロノ】
「お前に興味がないから」
【クロノ】
「もう二度と、俺と上総につきまとうな」
その時、ユリスは、怒りも悲しみも、恐怖も無い、真っ白な顔をした。
【ユリス】
「……一生懸命考えたんだ」
無色透明の、何の感情もない表情だった。
【ユリス】
「お前に、振り向いてもらうにはどうしたらいいか」
【ユリス】
「俺が成績を上げれば? 出世すれば?振り返ってくれるかなー、とか」
【ユリス】
「…………ッ!!」
蒼白だったユリスの顔が、怒りで真っ赤に染まった。
「……思い出でもあるの?あのクマ」
【綾 上総】
「ん、ガキの頃、少しな」
【クロノ】
「いい思い出?」
【綾 上総】
「ったりめーだろ」
そう言う上総の笑顔に、胸が締め付けられる。
【クロノ】
(……上総に、いつか話そう)
俺も、本当はずっと、誰かを求めるのが怖かったこと。
親しくなればなるほど、別れは辛くなる。
もうこんな思いをしたくないと思った、あの日。
ずっと一人でいようと決めた。死神である俺には、それが正しい在り方だと思った。
―――でもそれは、間違いだった。
全てが終わったら、上総に伝えよう。
上総のおかげで、俺が辿り着いた結論を、全て。
【綾 上総】
「なんだよ、クロノ。泣きそうな顔してんぞ」
俺の腕の中で、上総が言う。
【クロノ】
「そう言われれば、ちょっと泣きたい気分かも」
【綾 上総】
「起きてからにしろよ。そしたらいいこいいこして、ちゅーくらいしてやっから」
【クロノ】
「あ、ほんと?じゃあちょっと頑張ろうかな」
上総を背中に庇い、ユリスへと振り返る。
びしょ濡れになったユリスは放心しているような、感情の見えない顔のまま、ぼーっと立っていた。
【クロノ】
「で、どうするつもり?」
【クロノ】
「大人しく捕まるなら、これ以上なにもしない。…ものすごくムカついてるけどね」
【ユリス】
「……けるな…」
【クロノ】
「は?」
【ユリス】
「ふざけるな……ッ、ふざけるなああああっ!」
ユリスが頭を抱えて絶叫する。
【クロノ】
「ふざけてるのはお前。もういいだろ?さっさと終わりにしよう」
【ユリス】
「ふざっ……ふざけてんじゃねーぞ!」
ユリスが顔を上げる。
目に狂気が宿っていた。
【ユリス】
「俺が一体なにしたって言うんだよ!」
【ユリス】
「クロノに、いっぱい話し掛けてやったじゃねーかよ!」
【ユリス】
「お前が時々悲しそうな目ェしてるから!」
【ユリス】
「お前がトラウマ引きずってるの知ってたから!」
【クロノ】
「お前に話した覚えなんかないけど、調べたの? お前ってほんと悪趣味」
【綾 上総】
「トラウマ?」
【クロノ】
「後でちゃんと話すよ」
ユリスの顔面は蒼白で、相当多くの血を失っていることが分かる。
けど、それでも立ち上がって、俺を睨みつける姿は鬼気迫るものがあった。
【ユリス】
「おい、クロノ」
【ユリス】
「もう一度だ……。今度は、手加減しない」
【ユリス】
「俺はもう、なにも失うものなんかないからな!」
言いながら、ユリスが鎌を構え直した。
【クロノ】
「まだやるの?しつこいよ」
【ユリス】
「うるさい!来ないならこっちから行く!」
ユリスが飛び掛ってくる。
俺は上総に危害が及ばないように背中に庇いながら、ユリスの一撃を受け流した。
【ユリス】
「ぎっ……!」
相当力を込めた攻撃だったんだろう。
胸の傷に響いたらしく、ユリスの顔が苦悶に歪む。
【綾 上総】
「も、もう止めろよ!」
【綾 上総】
「死んじまったらどうすんだよ?!」
【ユリス】
「このままじゃ終われねえんだよ!!」
またユリスが鎌を振るう。
【クロノ】
「ふっ…!」
鎌を受け流し、ユリスの横腹にまた蹴りを入れた。
【ユリス】
「ウッ……!ぐううああ!!」
けど、ユリスは怯まない。
【クロノ】
「なんでここまでやるの? ユリス」
【ユリス】
「うるさいうるさいうるさい!!お、お前にだけは訊かれたくない!!」
【クロノ】
「ああそう」
ふらついて、体勢を崩したユリスへ、鎌を振り下ろす。
ユリスの顔から、パッと血が散った。
俺の鎌がユリスの顔面に大きな傷をつけたからだった。
【ユリス】
「っく、あ、……い、ってえ……!」
ユリスは顔を押さえてうずくまった。
地面にボタボタと、真っ赤な血が零れ落ちている。
【クロノ】
「もう充分だろ?」
上総はユリスの姿を見て絶句していた。
【ユリス】
「こ……んなに、傷つけちゃってさ…」
【ユリス】
「俺が女だったら、責任取ってもらってるところだぜ?」
ゼエゼエと肩で荒く息をしながら、ユリスが笑う。
【クロノ】
「気持ち悪い冗談やめてくれる?」
【ユリス】
「はははっ……、相変わらず冷たいんだな、お前」
血塗れになったユリスが立ち上がって、鎌を構えた。
【クロノ】
「さすがに、もうやめよう。このままじゃお前を殺しちゃいそうだし」
【ユリス】
「なに言ってんだよ、甘いんだよ」
【ユリス】
「どっちかが倒れるまでやるんだよ!あ、……ぐ」
威勢のいいセリフを吐いたユリスだったけど、すぐにガクリと膝をついてしまう。
その姿を見て、俺は…
俺は、戦いが終わったと思った。
もうこれ以上、ここにいる必要は無いし、ユリスと戦う必要もない。
【ユリス】
「くそ……!お前達なんかに、負けない…」
ユリスは柄を地面について、まだ立ち上がろうとしていた。
【クロノ】
「………」
その姿を見て、俺は眉を顰めた。
自分で蒔いた種なのに、引き際も弁えられないんだろうか。
この期に及んで、まだみっともなく足掻こうとするヤツに。
なんで俺が関わらなきゃいけないんだ。
【クロノ】
「――消えろよ」
俺は、短く言った。
ユリスは顔を上げて、きょとんとした顔でこちらを見ている。
【ユリス】
「……は?」
【クロノ】
「もう終わりだ。お前は逃げることしか出来ない。その体で」
【ユリス】
「……」
【クロノ】
「消えろよ。お前に構っている時間が惜しい」
【ユリス】
「……」
【クロノ】
「死神界の総意として、お前を捕まえろってことだったけど、どうでもいい」
【クロノ】
「面倒なんだよ、お前といるの。お前と話すのも。全部面倒」
【クロノ】
「お前に興味がないから」
【クロノ】
「もう二度と、俺と上総につきまとうな」
その時、ユリスは、怒りも悲しみも、恐怖も無い、真っ白な顔をした。
【ユリス】
「……一生懸命考えたんだ」
無色透明の、何の感情もない表情だった。
【ユリス】
「お前に、振り向いてもらうにはどうしたらいいか」
【ユリス】
「俺が成績を上げれば? 出世すれば?振り返ってくれるかなー、とか」
【ユリス】
「…………ッ!!」
蒼白だったユリスの顔が、怒りで真っ赤に染まった。
