[本編] 綾 上総 編
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俺の言葉を聞いて、上総が小さく「鈍感……」と呟くのが聞こえた。
反して、ユリスは言葉を失い……、悪魔のような表情で俺を睨む。
【ユリス】
「……理由なんて、クロノが一番分かってるんじゃないの?」
【クロノ】
「分かんないから訊いてるんだけど」
【ユリス】
「簡単なことだろ」
ユリスは上総を見上げて、鼻で笑う。
【ユリス】
「クロノを苦しめて、言う事を聞かせるには」
【ユリス】
「こいつを苛めた方が効果的、だから……」
【ユリス】
「俺がどんなに言ったって、お前は絶対聞いてくれないけど……!」
【ユリス】
「…………ッ!お前、こいつのことが、好きだから!!」
その瞬間、上総が目を瞠った。驚いたように俺を見ている。
その表情は、驚いてるだけじゃなくて、
俺の答えを待っているように見えたから、俺は小さく頷いた。
【クロノ】
「確かに上総はどうしようもないヤツだよ。そこはユリスの言う通りだ」
【綾 上総】
「てめぇ……」
【クロノ】
「でも、好きなんだよね」
【クロノ】
「俺が守りたいし、救いたいと思ってる」
上総がきょとんとした顔をしたので、思わず少し笑ってしまった。
【クロノ】
「続きは、夢から醒めたら言ってあげる」
【ユリス】
「あはははははは!!良かったね、クソ人間さん?」
【ユリス】
「クロノはお前が好きなんだってさ!!」
ユリスが甲高い笑い声を上げた。
【ユリス】
「元々、クロノは性別とかどうでもいいタイプだったけどさー」
【ユリス】
「なにてめえまで、まんざらでもねぇってツラしてんだよ!!」
【ユリス】
「自惚れんなよ!!てめえみたいな下らねえヤツ、誰も愛したりしねえんだよ!!」
【クロノ】
「ユリス……ッ!」
ユリスを制止しようとしたが、上総の様子に気付いて、口を噤んだ。
上総は、ユリスの方を一切見なかった。
ただ呆然と、俺だけを見つめていた。
俺は、クロノを見つめていた。
クロノは、いつも通りの変化に乏しい表情で、感情が読み取り辛い。
だから、じっと見つめてしまう。――その気持ちが知りたくて。
クロノが、俺の視線に気付いて、俺の瞳を見つめ返した。
……眩暈がした。
【綾 上総】
「まじかよ……」
男同士なのに?
ただの同情じゃないのか?
色んな想いが、心の中でないまぜになる。
だけど疑う気持ちと同じくらい、信じたいと思っている自分に戸惑う。
俺の気持ちが、自分でもよく分からない。
……でも……。
――誰も俺を愛してくれない。
【綾 上総】
(手を、伸ばしてみようか)
――本当に欲しいものは、いつも与えられない。
【綾 上総】
(手を伸ばしても、握り返してもらえないかもしれない)
――愛されるなんて、期待しない。
【綾 上総】
(けど、もしかしたら、俺の手をとってくれるかもしれない)
――だけど、本当はずっと思ってたんだ。
…………俺を、愛してくれないか。
【綾 上総】
(手をとってほしい。――あの日、俺を助けに来てくれた時みたいに)
俺は、無意識のうちに、手を伸ばそうとしていた。
押さえつけられた腕は曲がったままだったけど、自分の精一杯の力で、手を伸ばそうと抵抗した。
クロノへと、まっすぐに。
上総が、俺に手を伸ばそうとしている。
いつも、愛されないことを恐れて。
差し出された手すら握り返すのを躊躇っていた上総が。
【綾 上総】
「……ッ!」
懸命に、俺に手を伸ばそうとしていた。
それは、上総の純粋な気持ちなんだろうと思う。
俺の好意に応えようとしているというより、もっとただ純粋に。
ただ俺を――、誰かを信じたいと願う一心で、手を伸ばしているように見えた。
それを見て、俺は微笑んでいた。
【クロノ】
「信じてくれて、嬉しい」
俺の笑顔を見て、ユリスが動きを止める。
まるでなにか異質なものを見るように、目を瞠ってすらいた。
【クロノ】
「上総、必ず助けてやるから」
【クロノ】
「だからそれまで、手を引っ込めようなんてするなよ」
上総は、泣きだしそうな表情を浮かべた。
けれど。
【綾 上総】
「……ああ」
応える時には、笑っていた。
【ユリス】
「あっれー?! なにこの感じ!もしかして両想いってヤツ?」
【ユリス】
「このクズ人間、男同士は嫌だとか言ってたくせにさあ!」
【ユリス】
「結局誰でもいいのかよ!あはははは!!」
ユリスが一人、異常な感じがするほど、甲高い声で笑った。
【ユリス】
「俺、恋のキューピッドってヤツ?!きっしょく悪ィ!! ふざけんなよ!!」
すぐにその顔が憎悪に歪む。
上総を拘束する力が強まるのがわかった。
上総の腕を掴んだクマの爪が、上総の肌を切り、
細い傷口から、血が、重たげに流れた。
反して、ユリスは言葉を失い……、悪魔のような表情で俺を睨む。
【ユリス】
「……理由なんて、クロノが一番分かってるんじゃないの?」
【クロノ】
「分かんないから訊いてるんだけど」
【ユリス】
「簡単なことだろ」
ユリスは上総を見上げて、鼻で笑う。
【ユリス】
「クロノを苦しめて、言う事を聞かせるには」
【ユリス】
「こいつを苛めた方が効果的、だから……」
【ユリス】
「俺がどんなに言ったって、お前は絶対聞いてくれないけど……!」
【ユリス】
「…………ッ!お前、こいつのことが、好きだから!!」
その瞬間、上総が目を瞠った。驚いたように俺を見ている。
その表情は、驚いてるだけじゃなくて、
俺の答えを待っているように見えたから、俺は小さく頷いた。
【クロノ】
「確かに上総はどうしようもないヤツだよ。そこはユリスの言う通りだ」
【綾 上総】
「てめぇ……」
【クロノ】
「でも、好きなんだよね」
【クロノ】
「俺が守りたいし、救いたいと思ってる」
上総がきょとんとした顔をしたので、思わず少し笑ってしまった。
【クロノ】
「続きは、夢から醒めたら言ってあげる」
【ユリス】
「あはははははは!!良かったね、クソ人間さん?」
【ユリス】
「クロノはお前が好きなんだってさ!!」
ユリスが甲高い笑い声を上げた。
【ユリス】
「元々、クロノは性別とかどうでもいいタイプだったけどさー」
【ユリス】
「なにてめえまで、まんざらでもねぇってツラしてんだよ!!」
【ユリス】
「自惚れんなよ!!てめえみたいな下らねえヤツ、誰も愛したりしねえんだよ!!」
【クロノ】
「ユリス……ッ!」
ユリスを制止しようとしたが、上総の様子に気付いて、口を噤んだ。
上総は、ユリスの方を一切見なかった。
ただ呆然と、俺だけを見つめていた。
俺は、クロノを見つめていた。
クロノは、いつも通りの変化に乏しい表情で、感情が読み取り辛い。
だから、じっと見つめてしまう。――その気持ちが知りたくて。
クロノが、俺の視線に気付いて、俺の瞳を見つめ返した。
……眩暈がした。
【綾 上総】
「まじかよ……」
男同士なのに?
ただの同情じゃないのか?
色んな想いが、心の中でないまぜになる。
だけど疑う気持ちと同じくらい、信じたいと思っている自分に戸惑う。
俺の気持ちが、自分でもよく分からない。
……でも……。
――誰も俺を愛してくれない。
【綾 上総】
(手を、伸ばしてみようか)
――本当に欲しいものは、いつも与えられない。
【綾 上総】
(手を伸ばしても、握り返してもらえないかもしれない)
――愛されるなんて、期待しない。
【綾 上総】
(けど、もしかしたら、俺の手をとってくれるかもしれない)
――だけど、本当はずっと思ってたんだ。
…………俺を、愛してくれないか。
【綾 上総】
(手をとってほしい。――あの日、俺を助けに来てくれた時みたいに)
俺は、無意識のうちに、手を伸ばそうとしていた。
押さえつけられた腕は曲がったままだったけど、自分の精一杯の力で、手を伸ばそうと抵抗した。
クロノへと、まっすぐに。
上総が、俺に手を伸ばそうとしている。
いつも、愛されないことを恐れて。
差し出された手すら握り返すのを躊躇っていた上総が。
【綾 上総】
「……ッ!」
懸命に、俺に手を伸ばそうとしていた。
それは、上総の純粋な気持ちなんだろうと思う。
俺の好意に応えようとしているというより、もっとただ純粋に。
ただ俺を――、誰かを信じたいと願う一心で、手を伸ばしているように見えた。
それを見て、俺は微笑んでいた。
【クロノ】
「信じてくれて、嬉しい」
俺の笑顔を見て、ユリスが動きを止める。
まるでなにか異質なものを見るように、目を瞠ってすらいた。
【クロノ】
「上総、必ず助けてやるから」
【クロノ】
「だからそれまで、手を引っ込めようなんてするなよ」
上総は、泣きだしそうな表情を浮かべた。
けれど。
【綾 上総】
「……ああ」
応える時には、笑っていた。
【ユリス】
「あっれー?! なにこの感じ!もしかして両想いってヤツ?」
【ユリス】
「このクズ人間、男同士は嫌だとか言ってたくせにさあ!」
【ユリス】
「結局誰でもいいのかよ!あはははは!!」
ユリスが一人、異常な感じがするほど、甲高い声で笑った。
【ユリス】
「俺、恋のキューピッドってヤツ?!きっしょく悪ィ!! ふざけんなよ!!」
すぐにその顔が憎悪に歪む。
上総を拘束する力が強まるのがわかった。
上総の腕を掴んだクマの爪が、上総の肌を切り、
細い傷口から、血が、重たげに流れた。
