[本編] 綾 上総 編
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ユリスは、余裕綽々の笑顔を浮かべていた。
自分で死神界から逃げ出しておいて、何故今更俺の前に姿を現したのか。
……上総の命を狙っているからだろうなと、なんとなく思う。
【ユリス】
「クロノ、元気にしてた?」
【クロノ】
「俺のことはどうでもいいだろ」
【ユリス】
「あっはっは!相変わらず冷たいよなあ、クロノは」
【ユリス】
「あの人間への態度と全然違うよな。嫉妬しちゃうわ」
【クロノ】
「そんな話がしたくて、わざわざ来たの?」
【ユリス】
「違うよ。ちょっと文句言いたくなってさ」
へらへらしていたユリスの表情が一変し、突然俺を睨み付ける。
【ユリス】
「クロノがこそこそ嗅ぎ回ってくれたせいで」
【ユリス】
「俺、死神界にいられなくなっちゃったんだけど?」
【ユリス】
「どうしてくれんの? 責任取れよなぁ」
【クロノ】
「やましいことがないなら、逃げ出す必要なんかないだろ」
【ユリス】
「全く正論だけどね?クロノだって、俺のこと疑ってるくせに」
【クロノ】
「…疑ってるんじゃない」
【クロノ】
「確信してるんだ。犯人はお前だって」
【ユリス】
「……ふふふ」
ユリスはまた、笑顔になった。
【クロノ】
「大人しく捕まれば、痛い目に合わなくて済むと思うけど」
【クロノ】
「自首したら?」
俺の言葉に、ユリスは一瞬呆気に取られて……、すぐに大きな声で笑い出した。
【ユリス】
「じ、自首ぅ?! あっははははは!言うに事欠いて自首かよ!」
【クロノ】
「自首すれば少しは罪が軽くなるんじゃない?」
【ユリス】
「冗談ぬかしてんなよ。まだまだこれからだろ?」
ユリスはバカ笑いを止めて、ニヤニヤしながら俺の顔を見る。
【ユリス】
「こうなっちゃったからには、俺もこのまま引き下がるわけにはいかないんで」
【ユリス】
「色々と溜まってた鬱憤、晴らさせてもらおうかなって」
【クロノ】
「なにする気?」
【ユリス】
「教えてあげない。俺と一緒に魂狩りしたら、分かるかもね」
ユリスは、この前の会話を思い出したのか、クスクスと笑った。
【ユリス】
「あ、そうだ。俺を庇ってくれるなら、綾上総には手を出さないであげるけど」
【ユリス】
「どうする?俺と綾上総、どっちを取る?」
馬鹿馬鹿しい取引を持ち掛けてきたユリスは、余裕ぶった態度に脅迫めいた口調を乗せて、俺に問い掛ける。
答えなんて、聞くまでもないと知っているくせに。
つくづく…
性格の悪いヤツだな、こいつ。
【クロノ】
「俺がお前を助けるとか、妄想もここまでくると哀れだね」
【クロノ】
「ていうか、やっぱり上総を狙ってたんだ」
【ユリス】
「お前が肩入れし過ぎてるからだろ?あのクズ人間に」
俺はユリスと会話をしながら、注意深く、じいへの連絡を図る。
二人の会話が聞こえるように、連絡口を開いておく。
【クロノ】
「クズ人間って上総のこと?確かにそうかもね」
【クロノ】
「でもやっぱお前、なにも分かってないんだな」
俺は死神の鎌を生成して、構えた。
俺が鎌を構えたのを見て、ユリスは口を噤んだ。
ユリスは、少しだけ傷付いたような表情で、地面を眺めてから―――顔を上げる。
【ユリス】
「分かっちゃいないのは、クロノの方だろ」
【ユリス】
「あのクズ人間と、いくらよろしくやってもさ、結局、死神と人間っていう壁は越えられねーのに」
【クロノ】
「お前みたいな下衆じゃ、いくら考えたってその程度の結論しか出ないだろうね」
【ユリス】
「……どうあっても、俺とは組まないってこと?」
【クロノ】
「もちろん」
【クロノ】
「むしろ今ここで、お前を捕まえて死神界に突き出せたらと思ってる」
【ユリス】
「出来るわけ?俺の力をなめてない?」
【クロノ】
「どうだろ。俺の方が強いと思うけど」
【ユリス】
「あーあ。それじゃクロノは、綾上総がどうなってもいいんだな?」
【クロノ】
「あいつは俺が守るから」
【クロノ】
「それと……」
【ユリス】
「何だよ?」
【クロノ】
「お前はもう少し、自分の置かれた状況を理解した方がいいんじゃない?」
【ユリス】
「はぁ?」
ユリスの背後に、気配を消したままのじいが現れる。
連絡はちゃんと届いたらしい。ホッとした。
じいに軽く目配せをしながら、ユリスの注意を自分に引き付ける。
【ユリス】
「どういう意味だ?」
【クロノ】
「こういう意味」
俺が鎌を振り上げるのと同時に、じいがユリスにタックルした。
【ユリス】
「がっ……!」
【アンク】
「覚悟なさい!」
じいに背後からタックルされ、派手な音を立てて転んだユリスだったけど。
【ユリス】
「いってえんだよこのクソジジイがぁぁぁぁ!」
マウントを取ろうとするじいより素早く、身を翻して距離を取る。
【アンク】
「くっ……! 不覚!」
【クロノ】
「そう言えばユリスって、素早さには定評があったっけ」
【アンク】
「クロノ様、そんな悠長にしている場合ですか…!」
【クロノ】
「ごめん。俺も本気出すから」
俺とじいのやり取りを、ユリスが憎々しげに眺めている。
【ユリス】
「お前を信じた俺がバカだったかも」
自分で死神界から逃げ出しておいて、何故今更俺の前に姿を現したのか。
……上総の命を狙っているからだろうなと、なんとなく思う。
【ユリス】
「クロノ、元気にしてた?」
【クロノ】
「俺のことはどうでもいいだろ」
【ユリス】
「あっはっは!相変わらず冷たいよなあ、クロノは」
【ユリス】
「あの人間への態度と全然違うよな。嫉妬しちゃうわ」
【クロノ】
「そんな話がしたくて、わざわざ来たの?」
【ユリス】
「違うよ。ちょっと文句言いたくなってさ」
へらへらしていたユリスの表情が一変し、突然俺を睨み付ける。
【ユリス】
「クロノがこそこそ嗅ぎ回ってくれたせいで」
【ユリス】
「俺、死神界にいられなくなっちゃったんだけど?」
【ユリス】
「どうしてくれんの? 責任取れよなぁ」
【クロノ】
「やましいことがないなら、逃げ出す必要なんかないだろ」
【ユリス】
「全く正論だけどね?クロノだって、俺のこと疑ってるくせに」
【クロノ】
「…疑ってるんじゃない」
【クロノ】
「確信してるんだ。犯人はお前だって」
【ユリス】
「……ふふふ」
ユリスはまた、笑顔になった。
【クロノ】
「大人しく捕まれば、痛い目に合わなくて済むと思うけど」
【クロノ】
「自首したら?」
俺の言葉に、ユリスは一瞬呆気に取られて……、すぐに大きな声で笑い出した。
【ユリス】
「じ、自首ぅ?! あっははははは!言うに事欠いて自首かよ!」
【クロノ】
「自首すれば少しは罪が軽くなるんじゃない?」
【ユリス】
「冗談ぬかしてんなよ。まだまだこれからだろ?」
ユリスはバカ笑いを止めて、ニヤニヤしながら俺の顔を見る。
【ユリス】
「こうなっちゃったからには、俺もこのまま引き下がるわけにはいかないんで」
【ユリス】
「色々と溜まってた鬱憤、晴らさせてもらおうかなって」
【クロノ】
「なにする気?」
【ユリス】
「教えてあげない。俺と一緒に魂狩りしたら、分かるかもね」
ユリスは、この前の会話を思い出したのか、クスクスと笑った。
【ユリス】
「あ、そうだ。俺を庇ってくれるなら、綾上総には手を出さないであげるけど」
【ユリス】
「どうする?俺と綾上総、どっちを取る?」
馬鹿馬鹿しい取引を持ち掛けてきたユリスは、余裕ぶった態度に脅迫めいた口調を乗せて、俺に問い掛ける。
答えなんて、聞くまでもないと知っているくせに。
つくづく…
性格の悪いヤツだな、こいつ。
【クロノ】
「俺がお前を助けるとか、妄想もここまでくると哀れだね」
【クロノ】
「ていうか、やっぱり上総を狙ってたんだ」
【ユリス】
「お前が肩入れし過ぎてるからだろ?あのクズ人間に」
俺はユリスと会話をしながら、注意深く、じいへの連絡を図る。
二人の会話が聞こえるように、連絡口を開いておく。
【クロノ】
「クズ人間って上総のこと?確かにそうかもね」
【クロノ】
「でもやっぱお前、なにも分かってないんだな」
俺は死神の鎌を生成して、構えた。
俺が鎌を構えたのを見て、ユリスは口を噤んだ。
ユリスは、少しだけ傷付いたような表情で、地面を眺めてから―――顔を上げる。
【ユリス】
「分かっちゃいないのは、クロノの方だろ」
【ユリス】
「あのクズ人間と、いくらよろしくやってもさ、結局、死神と人間っていう壁は越えられねーのに」
【クロノ】
「お前みたいな下衆じゃ、いくら考えたってその程度の結論しか出ないだろうね」
【ユリス】
「……どうあっても、俺とは組まないってこと?」
【クロノ】
「もちろん」
【クロノ】
「むしろ今ここで、お前を捕まえて死神界に突き出せたらと思ってる」
【ユリス】
「出来るわけ?俺の力をなめてない?」
【クロノ】
「どうだろ。俺の方が強いと思うけど」
【ユリス】
「あーあ。それじゃクロノは、綾上総がどうなってもいいんだな?」
【クロノ】
「あいつは俺が守るから」
【クロノ】
「それと……」
【ユリス】
「何だよ?」
【クロノ】
「お前はもう少し、自分の置かれた状況を理解した方がいいんじゃない?」
【ユリス】
「はぁ?」
ユリスの背後に、気配を消したままのじいが現れる。
連絡はちゃんと届いたらしい。ホッとした。
じいに軽く目配せをしながら、ユリスの注意を自分に引き付ける。
【ユリス】
「どういう意味だ?」
【クロノ】
「こういう意味」
俺が鎌を振り上げるのと同時に、じいがユリスにタックルした。
【ユリス】
「がっ……!」
【アンク】
「覚悟なさい!」
じいに背後からタックルされ、派手な音を立てて転んだユリスだったけど。
【ユリス】
「いってえんだよこのクソジジイがぁぁぁぁ!」
マウントを取ろうとするじいより素早く、身を翻して距離を取る。
【アンク】
「くっ……! 不覚!」
【クロノ】
「そう言えばユリスって、素早さには定評があったっけ」
【アンク】
「クロノ様、そんな悠長にしている場合ですか…!」
【クロノ】
「ごめん。俺も本気出すから」
俺とじいのやり取りを、ユリスが憎々しげに眺めている。
【ユリス】
「お前を信じた俺がバカだったかも」