[本編] 綾 上総 編
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目を覚ました俺に、クロノは、死神界に用事があると言って、帰って行った。
俺はいつもより早く準備をして、出社して。
副社長室で、ぼーっと外を眺めながら、ずっとクロノのことを考えていた。
【綾 上総】
「なーんで、キスしちまったかな……」
俺は今まで、男と関係を持ったことなんか一度もないし、これからもその気は無い。絶対無い。
キスくらいなら、別にどーでもいいけど……。
【綾 上総】
(昨夜のは、ちょっとな……)
あいつが勝手に俺に触ってきて、それにノッた事はあるけど…。
自分からあいつにキスをしたのは…、なんでなんだろう。
しかも。
――キスして触れたあいつの唇とか。舌が絡まる感じとか……。
あいつがわざと、ヤラシイ感じにするキスとか……。
抱き合ったあいつの体温、感触、匂い……。その全てが、嫌じゃなかった。
昔から知っていたように感じるほど、俺に馴染んで、
――正直に言うと、気持ち良かった。
【綾 上総】
(あいつ、ぽかーんとしてたし、ばれてなかったみたいだけど)
【綾 上総】
(おふざけでした…、て言うには、ちょっと本気になっちまってたんだよなー…)
【綾 上総】
「あー!ヤローなんかにキスしたのが、そもそも間違いだったんだよ、クソ!」
そして、また最初へ戻る。
【綾 上総】
「なーんで、キスしちまったかな……」
キスしてやろうと決めたのは、あいつが『目覚めのキスは悪夢から覚醒させる手段』て言った時だ。
あいつは仕事で来てるって分かってる。
なのに……。
【綾 上総】
(あれは、つまり…、仕事上のキスだって言われて……)
もしかして、悔しかったのだろうか?
それとも―――、
あの目覚めのキスが嫌じゃなかったから、もう一度、キスしたかっただけなのだろうか。
【綾 上総】
「だあああああ!!!どれにしたってガチっぽいんだよ!!」
【綾 上総】
「俺のバカ!!ああああああああ!!!」
いつまでもこんな事ばっか考えてても、しょうがない。
昨日の自分は、どうかしてた。
深夜だったし、ちょっと久しぶりに深いキスをして、おかしくなってたんだ。きっとそうだ。
俺は気を紛らわせようと、PCの電源をつけた。
やりたいゲームも特にない。他に、特に見たいサイトもないし…。
【綾 上総】
「……paraisoでも見るか…」
なんとなく、paraisoのログインページを開く。
自分の憧憬夢について語ってるヤツでもいれば、気分転換になるだろ。
【クロノ】
「paraisoの管理人は、誰か分かった?」
死神界に戻った俺は、じいと一緒に、調査結果の報告やミーティングをしていた。
【アンク】
「paraisoへの侵入に成功し、サーバー情報など確認しました」
【アンク】
「詳細は不明なままですが、管理人は人間ではないでしょう」
【アンク】
「今の人間の文明では、到底できないような細工が、ところどころに仕掛けてありますから」
【クロノ】
「ふーん……」
【クロノ】
「犯人は死神の可能性がある訳だ」
【アンク】
「そして……」
俺が視線を上げると、じいが真剣な顔で口を開いた。
【アンク】
「先日頼まれました、魂狩り……――ユリスの魂狩りの件ですが」
【クロノ】
「……資料見せて」
俺は、じいに渡された魂狩りの履歴を見る。
ユリスの魂狩りの成績と、狩った魂の詳細な内容が記されている。
ユリスの成績は、ある時期を境にうなぎ上りに上がっていた。
【クロノ】
「……やっぱりね」
paraisoにログインして、チャットを覗く。
【綾 上総】
「…げ」
平日の昼間だし、人は少ないだろうと思ってはいたが、チャットには入室者が一人しかいなかった。
しかも、あの『イクシード』とか言う煽り屋だ。
一瞬どうしようか悩んだが、何もしねーよりはマシだ。そう思って、俺はチャットに入室した。
あららwww素人しかこないでやんのwww
お前はいつも暇そうだな他にやることねーの?
自宅警備員ですのでwwwあんたも偉そうにしてるくせに平日昼とかwww お仲間?www
一緒にすんな会社からログインしてる
給料泥棒w通報しますたwwww
好きにしろ
あらwww 元気ないwww何かあった?www
イクシードは嫌なヤツだけど、リビドーに関しては、paraiso内でもかなりの知識を持っていたはずだ。
だから、気になっていたことを訊いてみる。
リビドーの憧憬夢が、悪夢化するって知ってるか?
今更www情弱乙www
悪夢化はwww死へのカウントダウンwww
なに?www お前www悪夢化したの?www
俺はPCから目を離して、イクシードの言葉を反芻する。
【綾 上総】
「死への…、カウントダウン?」
クロノは確かに、俺の寿命が縮まってると言っていた。
クロノが人間じゃないのは納得出来たが、
寿命の話は非現実的だったから、今まで気にしなかったけど……。
【綾 上総】
「悪夢化は死へのカウントダウン…」
【綾 上総】
「クロノが来た原因は、俺の寿命が縮まっているから…」
じわじわと、事実が脳に染み込んでいく。
ねえwww 悪夢化したの?www訊いてんだけどwww
別にお前は俺の質問に答えてればいいんだよ
相変わらずえらそ―wwwでもwww悪夢見なきゃわざわざ訊かないよなwww
じゃあwwwお前、もうすぐ死ぬよwwwww
今までwww夢が悪夢化したって言ってたヤツwww
全員www数日後には、ぱったりparaisoに来なくなってるwww
お前も同じかwwwうぇwwww
逝ってらっしゃいw
俺が返信を打つ前に、イクシードがチャットから落ちた。
一人残された俺は、チャットのログを何度も何度も読み返す。
――夢が悪夢化した奴は、数日後にはparaisoに来なくなる。
【綾 上総】
「まさか……」
今まで非現実的だと思っていた、クロノの言葉が、急に現実味を帯びてくる。
俺の寿命はあと数日だと言う死神。現れた死の兆候。
どちらも死因は同じ、――リビドー。
【綾 上総】
「俺は……、本当に死ぬのか?」
【綾 上総】
「う、嘘だろ?なにかの冗談だよな?」
その問いに答えてくれる人は、いない。
俺はフラフラと、副社長室を抜け出した。
会社になんか居たくない。一人でいるのも嫌だ。
無性に心細かった。今すぐ、クロノに会いたい。
【岩下】
「あれ、副社長。どうされたんですか?顔が真っ青ですよ」
【綾 上総】
「……うるせえ、ほっとけ」
【岩下】
「いやでも、本当に顔色が……、あの、副社長……!」
俺はいつもより早く準備をして、出社して。
副社長室で、ぼーっと外を眺めながら、ずっとクロノのことを考えていた。
【綾 上総】
「なーんで、キスしちまったかな……」
俺は今まで、男と関係を持ったことなんか一度もないし、これからもその気は無い。絶対無い。
キスくらいなら、別にどーでもいいけど……。
【綾 上総】
(昨夜のは、ちょっとな……)
あいつが勝手に俺に触ってきて、それにノッた事はあるけど…。
自分からあいつにキスをしたのは…、なんでなんだろう。
しかも。
――キスして触れたあいつの唇とか。舌が絡まる感じとか……。
あいつがわざと、ヤラシイ感じにするキスとか……。
抱き合ったあいつの体温、感触、匂い……。その全てが、嫌じゃなかった。
昔から知っていたように感じるほど、俺に馴染んで、
――正直に言うと、気持ち良かった。
【綾 上総】
(あいつ、ぽかーんとしてたし、ばれてなかったみたいだけど)
【綾 上総】
(おふざけでした…、て言うには、ちょっと本気になっちまってたんだよなー…)
【綾 上総】
「あー!ヤローなんかにキスしたのが、そもそも間違いだったんだよ、クソ!」
そして、また最初へ戻る。
【綾 上総】
「なーんで、キスしちまったかな……」
キスしてやろうと決めたのは、あいつが『目覚めのキスは悪夢から覚醒させる手段』て言った時だ。
あいつは仕事で来てるって分かってる。
なのに……。
【綾 上総】
(あれは、つまり…、仕事上のキスだって言われて……)
もしかして、悔しかったのだろうか?
それとも―――、
あの目覚めのキスが嫌じゃなかったから、もう一度、キスしたかっただけなのだろうか。
【綾 上総】
「だあああああ!!!どれにしたってガチっぽいんだよ!!」
【綾 上総】
「俺のバカ!!ああああああああ!!!」
いつまでもこんな事ばっか考えてても、しょうがない。
昨日の自分は、どうかしてた。
深夜だったし、ちょっと久しぶりに深いキスをして、おかしくなってたんだ。きっとそうだ。
俺は気を紛らわせようと、PCの電源をつけた。
やりたいゲームも特にない。他に、特に見たいサイトもないし…。
【綾 上総】
「……paraisoでも見るか…」
なんとなく、paraisoのログインページを開く。
自分の憧憬夢について語ってるヤツでもいれば、気分転換になるだろ。
【クロノ】
「paraisoの管理人は、誰か分かった?」
死神界に戻った俺は、じいと一緒に、調査結果の報告やミーティングをしていた。
【アンク】
「paraisoへの侵入に成功し、サーバー情報など確認しました」
【アンク】
「詳細は不明なままですが、管理人は人間ではないでしょう」
【アンク】
「今の人間の文明では、到底できないような細工が、ところどころに仕掛けてありますから」
【クロノ】
「ふーん……」
【クロノ】
「犯人は死神の可能性がある訳だ」
【アンク】
「そして……」
俺が視線を上げると、じいが真剣な顔で口を開いた。
【アンク】
「先日頼まれました、魂狩り……――ユリスの魂狩りの件ですが」
【クロノ】
「……資料見せて」
俺は、じいに渡された魂狩りの履歴を見る。
ユリスの魂狩りの成績と、狩った魂の詳細な内容が記されている。
ユリスの成績は、ある時期を境にうなぎ上りに上がっていた。
【クロノ】
「……やっぱりね」
paraisoにログインして、チャットを覗く。
【綾 上総】
「…げ」
平日の昼間だし、人は少ないだろうと思ってはいたが、チャットには入室者が一人しかいなかった。
しかも、あの『イクシード』とか言う煽り屋だ。
一瞬どうしようか悩んだが、何もしねーよりはマシだ。そう思って、俺はチャットに入室した。
あららwww素人しかこないでやんのwww
お前はいつも暇そうだな他にやることねーの?
自宅警備員ですのでwwwあんたも偉そうにしてるくせに平日昼とかwww お仲間?www
一緒にすんな会社からログインしてる
給料泥棒w通報しますたwwww
好きにしろ
あらwww 元気ないwww何かあった?www
イクシードは嫌なヤツだけど、リビドーに関しては、paraiso内でもかなりの知識を持っていたはずだ。
だから、気になっていたことを訊いてみる。
リビドーの憧憬夢が、悪夢化するって知ってるか?
今更www情弱乙www
悪夢化はwww死へのカウントダウンwww
なに?www お前www悪夢化したの?www
俺はPCから目を離して、イクシードの言葉を反芻する。
【綾 上総】
「死への…、カウントダウン?」
クロノは確かに、俺の寿命が縮まってると言っていた。
クロノが人間じゃないのは納得出来たが、
寿命の話は非現実的だったから、今まで気にしなかったけど……。
【綾 上総】
「悪夢化は死へのカウントダウン…」
【綾 上総】
「クロノが来た原因は、俺の寿命が縮まっているから…」
じわじわと、事実が脳に染み込んでいく。
ねえwww 悪夢化したの?www訊いてんだけどwww
別にお前は俺の質問に答えてればいいんだよ
相変わらずえらそ―wwwでもwww悪夢見なきゃわざわざ訊かないよなwww
じゃあwwwお前、もうすぐ死ぬよwwwww
今までwww夢が悪夢化したって言ってたヤツwww
全員www数日後には、ぱったりparaisoに来なくなってるwww
お前も同じかwwwうぇwwww
逝ってらっしゃいw
俺が返信を打つ前に、イクシードがチャットから落ちた。
一人残された俺は、チャットのログを何度も何度も読み返す。
――夢が悪夢化した奴は、数日後にはparaisoに来なくなる。
【綾 上総】
「まさか……」
今まで非現実的だと思っていた、クロノの言葉が、急に現実味を帯びてくる。
俺の寿命はあと数日だと言う死神。現れた死の兆候。
どちらも死因は同じ、――リビドー。
【綾 上総】
「俺は……、本当に死ぬのか?」
【綾 上総】
「う、嘘だろ?なにかの冗談だよな?」
その問いに答えてくれる人は、いない。
俺はフラフラと、副社長室を抜け出した。
会社になんか居たくない。一人でいるのも嫌だ。
無性に心細かった。今すぐ、クロノに会いたい。
【岩下】
「あれ、副社長。どうされたんですか?顔が真っ青ですよ」
【綾 上総】
「……うるせえ、ほっとけ」
【岩下】
「いやでも、本当に顔色が……、あの、副社長……!」