[本編] 綾 上総 編
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次の日。
ゆっくり目を開けた綾が、隣に寝転んでいた俺の顔を見て。
【綾 上総】
「帰れ」
静かな声で呟いた。
【クロノ】
「なんで?別に出勤の邪魔はしないけど」
【綾 上総】
「いいから帰れ」
綾はベッドから下りると、俺を無視するようにさっさと着替え始めてしまう。
【クロノ】
(どうしようかな…)
【クロノ】
(ここで言い争いになっても面倒だし……)
【クロノ】
「分かった」
俺は一瞬で姿を消す。
綾は周囲を見回し、俺がいなくなったことを確認すると、安心した様にベッドに倒れ込んだ。
その後はいつも通りダラダラと準備をして、出勤していく。
【クロノ】
(まあ、一部始終を見てるわけだけど)
副社長室に着いた綾は、不機嫌そうな顔のまま椅子に座った。
部下の岩下が大量の書類を持って現れたけど、適当な返事で受け取り、少し目を通すとすぐに放ってしまう。
【クロノ】
(またサボる気か?イライラする…。いい加減にしろよ)
【クロノ】
(少し注意してやろうかな。…また嫌がられそうだけど)
綾の机に腰を下ろして、姿を現すと。
【綾 上総】
「おっ…ま……、こんな所にまで…!」
綾は、明らかに驚いた調子で、何度か詰まらせながら言った。
その表情がすぐに険悪なものに変わり。
【綾 上総】
「俺に付き纏ってんじゃねえ!」
怒りが滲んだ大声を上げた。
【クロノ】
「無理。俺は、あんたを助けに来たって言っただろ」
【クロノ】
「だから、あんたがバカしないよう見張る義務がある」
【綾 上総】
「余計なお世話だっつってんだよ!」
【綾 上総】
「あんたの顔は見たくない。出て行け。俺に構うな」
【クロノ】
「あらら。昨日とは打って変わって、随分攻撃的だな」
綾の顔が赤くなった。……どうやら昨日のことを思い出したらしい。
【クロノ】
「もしかして、照れてる?」
微笑ましい気持ちになって、顔を覗き込みながら訊くと。
綾は両手で俺を突っ撥ねながら叫ぶ。
【綾 上総】
「誰が照れてんだよ!全然ちげえ!」
【綾 上総】
「あんたが勝手に俺の夢に入ってきて、プライバシー覗いて!」
【綾 上総】
「酔っ払った俺に無理矢理……!」
【クロノ】
「ノッてきたくせに」
【綾 上総】
「酒のせいだ」
【クロノ】
「言い訳が古典的すぎ」
【綾 上総】
「真理なんだから仕方ねーだろ」
【綾 上総】
「あー、くそ!男相手に……!一生の不覚だ…!」
【クロノ】
「なんだ。結局、やっぱり照れてるんだ」
【クロノ】
「恥ずかしい憧憬夢を暴かれた上に、酔っ払って弱音を見せちゃって」
【クロノ】
「更に男に襲われて、しかもノッちゃって」
【綾 上総】
「てっ、てめえ……。よくもぬけぬけと…」
【クロノ】
「事実なんだから、恥ずかしがることないのに」
綾は不快感を露わに、俺を睨み付けてきた。
その時、ドアをノックする音が、副社長室に響いた。
【クロノ】
「誰か来た。俺は隠れてるから」
ここで、社員に姿を見られるのは避けたい。俺が姿を消すと、綾は慌てて辺りを見回した。
【綾 上総】
「待てよ、オイ!話はまだ終わっちゃいねーぞ!」
【クロノ】
(消えろって言ったり、待てよって言ったり…。どっちだよ)
俺が応えないので、部屋が一気にシーンとする。
綾は一度、苛立たしげに溜息を吐くと、ドアの向こうに声を掛けた。
【綾 上総】
「……開いてるけど」
ドアが開き、書類を抱えた岩下が入ってくる。
【岩下】
「あれ? お話し声が聞こえたので、御来客中かと思いましたが」
【綾 上総】
「……この通り、誰もいねーよ。で? 用件は?」
【岩下】
「先程お渡しした書類ですが、確認の方は…」
【綾 上総】
「とっくに見てるよ。データが足りねー、やり直し」
綾は椅子に座り直してから、ふんぞり返って岩下と話している。
さっきまでの慌てぶりとのギャップが面白くて、思わず声を殺して笑ってしまった。
【岩下】
「そ、そうですか…。こちら追加分になります。ご確認下さい」
【岩下】
「では、先程の書類は、明日までに作り直しておきますので…」
【綾 上総】
「明日? バカ言ってんじゃねーよ。今日の17時までだ」
【岩下】
「で、ですが今日は、他の業務も立て込んでおり…」
【綾 上総】
「はあ? お前、ほんと使えねーな。さっきのは担当を浅多に変えっから、
お前はもういいや」
【岩下】
「……っ」
綾の指摘が、的を射たものなのか、いちゃもんなのか分からないけど、物には言い方ってものがあるだろう。
【クロノ】
(…岩下も苦労するね。こんなのが上司だと)
肩を落として退室していく岩下に、思わず同情する。
ドアが閉まったので、また姿を現すと、綾は眉間に皴を寄せて唇を噛み締めた。
【クロノ】
「俺だったら、あんたみたいな上司はごめんだな」
【綾 上総】
「俺だって、てめーみてえな部下いらねーよ。
つか、目障りだから出てけ」
【クロノ】
「気にすることないのに」
【綾 上総】
「死神が目の前うろうろしてて、気にならねーヤツがいたらお目に掛かりたいね」
綾は腕を組んでそっぽを向く。
それが、どことなく、意地を張っている様子にも見えたから。
【クロノ】
「ねえ……」
ゆっくり目を開けた綾が、隣に寝転んでいた俺の顔を見て。
【綾 上総】
「帰れ」
静かな声で呟いた。
【クロノ】
「なんで?別に出勤の邪魔はしないけど」
【綾 上総】
「いいから帰れ」
綾はベッドから下りると、俺を無視するようにさっさと着替え始めてしまう。
【クロノ】
(どうしようかな…)
【クロノ】
(ここで言い争いになっても面倒だし……)
【クロノ】
「分かった」
俺は一瞬で姿を消す。
綾は周囲を見回し、俺がいなくなったことを確認すると、安心した様にベッドに倒れ込んだ。
その後はいつも通りダラダラと準備をして、出勤していく。
【クロノ】
(まあ、一部始終を見てるわけだけど)
副社長室に着いた綾は、不機嫌そうな顔のまま椅子に座った。
部下の岩下が大量の書類を持って現れたけど、適当な返事で受け取り、少し目を通すとすぐに放ってしまう。
【クロノ】
(またサボる気か?イライラする…。いい加減にしろよ)
【クロノ】
(少し注意してやろうかな。…また嫌がられそうだけど)
綾の机に腰を下ろして、姿を現すと。
【綾 上総】
「おっ…ま……、こんな所にまで…!」
綾は、明らかに驚いた調子で、何度か詰まらせながら言った。
その表情がすぐに険悪なものに変わり。
【綾 上総】
「俺に付き纏ってんじゃねえ!」
怒りが滲んだ大声を上げた。
【クロノ】
「無理。俺は、あんたを助けに来たって言っただろ」
【クロノ】
「だから、あんたがバカしないよう見張る義務がある」
【綾 上総】
「余計なお世話だっつってんだよ!」
【綾 上総】
「あんたの顔は見たくない。出て行け。俺に構うな」
【クロノ】
「あらら。昨日とは打って変わって、随分攻撃的だな」
綾の顔が赤くなった。……どうやら昨日のことを思い出したらしい。
【クロノ】
「もしかして、照れてる?」
微笑ましい気持ちになって、顔を覗き込みながら訊くと。
綾は両手で俺を突っ撥ねながら叫ぶ。
【綾 上総】
「誰が照れてんだよ!全然ちげえ!」
【綾 上総】
「あんたが勝手に俺の夢に入ってきて、プライバシー覗いて!」
【綾 上総】
「酔っ払った俺に無理矢理……!」
【クロノ】
「ノッてきたくせに」
【綾 上総】
「酒のせいだ」
【クロノ】
「言い訳が古典的すぎ」
【綾 上総】
「真理なんだから仕方ねーだろ」
【綾 上総】
「あー、くそ!男相手に……!一生の不覚だ…!」
【クロノ】
「なんだ。結局、やっぱり照れてるんだ」
【クロノ】
「恥ずかしい憧憬夢を暴かれた上に、酔っ払って弱音を見せちゃって」
【クロノ】
「更に男に襲われて、しかもノッちゃって」
【綾 上総】
「てっ、てめえ……。よくもぬけぬけと…」
【クロノ】
「事実なんだから、恥ずかしがることないのに」
綾は不快感を露わに、俺を睨み付けてきた。
その時、ドアをノックする音が、副社長室に響いた。
【クロノ】
「誰か来た。俺は隠れてるから」
ここで、社員に姿を見られるのは避けたい。俺が姿を消すと、綾は慌てて辺りを見回した。
【綾 上総】
「待てよ、オイ!話はまだ終わっちゃいねーぞ!」
【クロノ】
(消えろって言ったり、待てよって言ったり…。どっちだよ)
俺が応えないので、部屋が一気にシーンとする。
綾は一度、苛立たしげに溜息を吐くと、ドアの向こうに声を掛けた。
【綾 上総】
「……開いてるけど」
ドアが開き、書類を抱えた岩下が入ってくる。
【岩下】
「あれ? お話し声が聞こえたので、御来客中かと思いましたが」
【綾 上総】
「……この通り、誰もいねーよ。で? 用件は?」
【岩下】
「先程お渡しした書類ですが、確認の方は…」
【綾 上総】
「とっくに見てるよ。データが足りねー、やり直し」
綾は椅子に座り直してから、ふんぞり返って岩下と話している。
さっきまでの慌てぶりとのギャップが面白くて、思わず声を殺して笑ってしまった。
【岩下】
「そ、そうですか…。こちら追加分になります。ご確認下さい」
【岩下】
「では、先程の書類は、明日までに作り直しておきますので…」
【綾 上総】
「明日? バカ言ってんじゃねーよ。今日の17時までだ」
【岩下】
「で、ですが今日は、他の業務も立て込んでおり…」
【綾 上総】
「はあ? お前、ほんと使えねーな。さっきのは担当を浅多に変えっから、
お前はもういいや」
【岩下】
「……っ」
綾の指摘が、的を射たものなのか、いちゃもんなのか分からないけど、物には言い方ってものがあるだろう。
【クロノ】
(…岩下も苦労するね。こんなのが上司だと)
肩を落として退室していく岩下に、思わず同情する。
ドアが閉まったので、また姿を現すと、綾は眉間に皴を寄せて唇を噛み締めた。
【クロノ】
「俺だったら、あんたみたいな上司はごめんだな」
【綾 上総】
「俺だって、てめーみてえな部下いらねーよ。
つか、目障りだから出てけ」
【クロノ】
「気にすることないのに」
【綾 上総】
「死神が目の前うろうろしてて、気にならねーヤツがいたらお目に掛かりたいね」
綾は腕を組んでそっぽを向く。
それが、どことなく、意地を張っている様子にも見えたから。
【クロノ】
「ねえ……」