[本編] 綾 上総 編
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【ユリス】
「俺と一緒に魂狩りしない?そうしたら教えてやれるけど」
いきなりなにを言ってるんだと、出来る限り冷めた目をしてユリスを見る。
【クロノ】
「は? どういうこと?」
【ユリス】
「俺と組んで、一緒に狩ろうぜ」
【クロノ】
「お前と魂狩りすると、なんかいいことあんの?」
【ユリス】
「まあ、あると思うな~」
やけに余裕ぶった態度だった。
【クロノ】
「へえ……」
でもユリスと一緒に仕事をするなんてまっぴらだ、と俺が言うより先に、ユリスが口を開いた。
【ユリス】
「ってかお前さ、最近は大人しくしてるらしいじゃん」
【ユリス】
「そっ、そろそろ……、よ…、欲求不満とか、なっ…てんじゃ、ない?」
【ユリス】
「一緒に魂狩りながら、その…た、溜まってるなら、つ、付き合ってやっても、いいし…」
なにをだよ、と言いたかったが、構えば構うだけ増長するのは目に見えてる。
だから聞こえてないフリをして、かわす。
【クロノ】
「で、何を教えてくれるつもり?」
【ユリス】
「だーかーら! 一緒に来るなら教えてやるって言ってんだろ?!」
【クロノ】
「……機密情報は漏らせないし」
【クロノ】
「お前と一緒に魂狩りする気もない。じゃ」
ショックで表情を固めたユリスを置いて、俺は瞬間移動をした。
自室へ戻った俺は、急いでじいを呼び戻した。
【アンク】
「どうされました?まだ調査は始めたばかりで…」
【クロノ】
「じい、頼みたい事が出来た」
【クロノ】
「魂狩りの履歴が見たい」
【アンク】
「申請に時間がかかると思いますが……。突然、どうされたのです?」
俺は、簡単に理由を説明した。
【アンク】
「む。そういうことでしたら、調査の一環でということで、死神長様にお願いしてみましょう」
じいは深く頷き、承知してくれた。
じいを見送った後、俺は綾が心配になり、人間界へと急いだ。
人間界に戻って綾を探す。
既に退社済みで、家にもいなかったので、資料に行きつけと書いてあったバーに向かう。
【クロノ】
「……いた」
綾はだらしなくカウンターに突っ伏していた。髪の隙間から見える耳は真っ赤になっている。
【綾 上総】
「でー?他になにが訊きたいんらよ」
【綾 上総】
「調査に協力してやっれんらから、それなりの報酬とかあるんらろな!」
【国重 昂正】
「だから、リビドーの購入ルートについてだな…」
絵に描いたような絡み酒。……泥酔してるな、これは。
【クロノ】
「…ったく、しょうがないボンボン…」
俺は一旦物陰に隠れて、人間界用の姿になった。
そして真っ直ぐ、二人に近付いていく。
【クロノ】
「すみません。綾を迎えに来ました」
【国重 昂正】
「あ、ああ……。お知り合いですか?」
【クロノ】
「ええ。友達です。………あなたは?」
【国重 昂正】
「申し遅れました。私は、こういう者なんですがね」
男は懐から名刺を取り出す。
【クロノ】
「私立探偵の…、国重さん」
【クロノ】
「綾が何かやらかしましたか?」
【綾 上総】
「失礼なこと言ってんらねーぞ!俺は何もしてねーんだよゴラ!」
【クロノ】
「いいから少し黙ってろ。……すみません。コイツ、少し荒れてて」
【国重 昂正】
「いや、大丈夫ですよ。別に、この人がなにかしたとかじゃなくてですね」
【国重 昂正】
「少し、調査に協力してもらっていただけです」
【クロノ】
「調査?」
【国重 昂正】
「ええ。リビドーについて」
【国重 昂正】
「一人酒同士でしてね。なんとなく綾さんと話し始めたら、そんな話になりまして。
協力してもらっていました」
【クロノ】
「そうでしたか……。
でも、こんなに酔っ払ってたら話も出来ませんし、もう連れて帰りますね」
俺は国重に詫びを言って、綾の体を担ぐ。
【国重 昂正】
「ああ……。一人で大丈夫ですか?」
【クロノ】
「ご心配なく。それじゃ」
綾に肩を貸して、夜の街を歩く。けど、綾はフラフラと足元が覚束ない。
途中で何度も休んだり、横道に逸れて行こうとしたり……、全く世話が焼ける。
【綾 上総】
「歩きづれーぞ、おい」
【クロノ】
「あんたが酔っ払ってるからでしょ」
【綾 上総】
「家までお前が運べ」
【クロノ】
「……あんたは人をイラつかせる名人だね」
【綾 上総】
「運べー!」
【クロノ】
「お姫様だっこしていいなら」
【綾 上総】
「やだー!じゃあ、このままでいーよ!」
綾は俺の肩に回した腕に力を込め、抱きつくように身を寄せてきた。
【クロノ】
「……ま、別にいいけど」
綾にその気がないのは分かってるけど、少し熱い体をこうも密着させられると、ちょっと押し倒したくなる。
【綾 上総】
「いいけどってなんだよ、あんた……
あ! あんた名乗ってねーじゃん!名乗れよばあか!!」
【クロノ】
「えー…、なにこの酔っぱらい…。俺は、クロノ。クロノ=クロノ=リーパー……」
【綾 上総】
「あー、ダメだこれ。明日二日酔いかもしんね……」
【クロノ】
「……あっそ」
突然訪れた沈黙。
行き交う人の群れを避けながら歩いていると、不意に、綾が呟いた。
【綾 上総】
「どーすりゃいいんだよ?」
【クロノ】
「……どうすりゃいいのって、なにが」
「俺と一緒に魂狩りしない?そうしたら教えてやれるけど」
いきなりなにを言ってるんだと、出来る限り冷めた目をしてユリスを見る。
【クロノ】
「は? どういうこと?」
【ユリス】
「俺と組んで、一緒に狩ろうぜ」
【クロノ】
「お前と魂狩りすると、なんかいいことあんの?」
【ユリス】
「まあ、あると思うな~」
やけに余裕ぶった態度だった。
【クロノ】
「へえ……」
でもユリスと一緒に仕事をするなんてまっぴらだ、と俺が言うより先に、ユリスが口を開いた。
【ユリス】
「ってかお前さ、最近は大人しくしてるらしいじゃん」
【ユリス】
「そっ、そろそろ……、よ…、欲求不満とか、なっ…てんじゃ、ない?」
【ユリス】
「一緒に魂狩りながら、その…た、溜まってるなら、つ、付き合ってやっても、いいし…」
なにをだよ、と言いたかったが、構えば構うだけ増長するのは目に見えてる。
だから聞こえてないフリをして、かわす。
【クロノ】
「で、何を教えてくれるつもり?」
【ユリス】
「だーかーら! 一緒に来るなら教えてやるって言ってんだろ?!」
【クロノ】
「……機密情報は漏らせないし」
【クロノ】
「お前と一緒に魂狩りする気もない。じゃ」
ショックで表情を固めたユリスを置いて、俺は瞬間移動をした。
自室へ戻った俺は、急いでじいを呼び戻した。
【アンク】
「どうされました?まだ調査は始めたばかりで…」
【クロノ】
「じい、頼みたい事が出来た」
【クロノ】
「魂狩りの履歴が見たい」
【アンク】
「申請に時間がかかると思いますが……。突然、どうされたのです?」
俺は、簡単に理由を説明した。
【アンク】
「む。そういうことでしたら、調査の一環でということで、死神長様にお願いしてみましょう」
じいは深く頷き、承知してくれた。
じいを見送った後、俺は綾が心配になり、人間界へと急いだ。
人間界に戻って綾を探す。
既に退社済みで、家にもいなかったので、資料に行きつけと書いてあったバーに向かう。
【クロノ】
「……いた」
綾はだらしなくカウンターに突っ伏していた。髪の隙間から見える耳は真っ赤になっている。
【綾 上総】
「でー?他になにが訊きたいんらよ」
【綾 上総】
「調査に協力してやっれんらから、それなりの報酬とかあるんらろな!」
【国重 昂正】
「だから、リビドーの購入ルートについてだな…」
絵に描いたような絡み酒。……泥酔してるな、これは。
【クロノ】
「…ったく、しょうがないボンボン…」
俺は一旦物陰に隠れて、人間界用の姿になった。
そして真っ直ぐ、二人に近付いていく。
【クロノ】
「すみません。綾を迎えに来ました」
【国重 昂正】
「あ、ああ……。お知り合いですか?」
【クロノ】
「ええ。友達です。………あなたは?」
【国重 昂正】
「申し遅れました。私は、こういう者なんですがね」
男は懐から名刺を取り出す。
【クロノ】
「私立探偵の…、国重さん」
【クロノ】
「綾が何かやらかしましたか?」
【綾 上総】
「失礼なこと言ってんらねーぞ!俺は何もしてねーんだよゴラ!」
【クロノ】
「いいから少し黙ってろ。……すみません。コイツ、少し荒れてて」
【国重 昂正】
「いや、大丈夫ですよ。別に、この人がなにかしたとかじゃなくてですね」
【国重 昂正】
「少し、調査に協力してもらっていただけです」
【クロノ】
「調査?」
【国重 昂正】
「ええ。リビドーについて」
【国重 昂正】
「一人酒同士でしてね。なんとなく綾さんと話し始めたら、そんな話になりまして。
協力してもらっていました」
【クロノ】
「そうでしたか……。
でも、こんなに酔っ払ってたら話も出来ませんし、もう連れて帰りますね」
俺は国重に詫びを言って、綾の体を担ぐ。
【国重 昂正】
「ああ……。一人で大丈夫ですか?」
【クロノ】
「ご心配なく。それじゃ」
綾に肩を貸して、夜の街を歩く。けど、綾はフラフラと足元が覚束ない。
途中で何度も休んだり、横道に逸れて行こうとしたり……、全く世話が焼ける。
【綾 上総】
「歩きづれーぞ、おい」
【クロノ】
「あんたが酔っ払ってるからでしょ」
【綾 上総】
「家までお前が運べ」
【クロノ】
「……あんたは人をイラつかせる名人だね」
【綾 上総】
「運べー!」
【クロノ】
「お姫様だっこしていいなら」
【綾 上総】
「やだー!じゃあ、このままでいーよ!」
綾は俺の肩に回した腕に力を込め、抱きつくように身を寄せてきた。
【クロノ】
「……ま、別にいいけど」
綾にその気がないのは分かってるけど、少し熱い体をこうも密着させられると、ちょっと押し倒したくなる。
【綾 上総】
「いいけどってなんだよ、あんた……
あ! あんた名乗ってねーじゃん!名乗れよばあか!!」
【クロノ】
「えー…、なにこの酔っぱらい…。俺は、クロノ。クロノ=クロノ=リーパー……」
【綾 上総】
「あー、ダメだこれ。明日二日酔いかもしんね……」
【クロノ】
「……あっそ」
突然訪れた沈黙。
行き交う人の群れを避けながら歩いていると、不意に、綾が呟いた。
【綾 上総】
「どーすりゃいいんだよ?」
【クロノ】
「……どうすりゃいいのって、なにが」