[本編] 綾 上総 編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
じいは死神界で仕事があるから、今日は俺一人で、綾の様子を見に来ていたんだけど。
綾は昼頃にようやく起きたかと思ったら、ゆっくり時間をかけて仕度をして。
昼過ぎにようやく重役出勤。
仕事をほんの少しこなしてからは、テレビや雑誌を見て時間を潰す。
遊び友達に電話をかけて、そのまま雑談して笑ってたり。
【クロノ】
(自由に過ごしすぎだろ…)
俺も仕事は好きじゃないけど、それにしても綾はやりたい放題だ。
最低限の仕事はこなしてるらしいが、部下からすれば迷惑だろう。
父親が社長だからか、社内には、綾に対して文句を言えないような雰囲気がある。
暇を持て余したらしい綾が向かった先は、営業課のオフィスだった。
【綾 上総】
「浅多、今日も暗い顔してんなぁ」
そこで、真面目に資料の作成をしていた、眼鏡の男に絡み始める。
浅多と呼ばれたその男は、神経質そうに指で眼鏡を押し上げて、小さなため息をついた。
【浅多 侑思】
「おはようございます、綾さん」
【綾 上総】
「また資料作ってんのかよ?お前さあ、もうリーダーだろ?」
【綾 上総】
「下にやらせりゃいいのによ。効率悪くねぇ?」
【浅多 侑思】
「…俺しか手が空いてる者がいなかっただけです」
【綾 上総】
「うわ、お前、自分からそんな下っ端みたいな仕事してんのかよ」
【浅多 侑思】
「……そういうわけではありません」
【クロノ】
(真面目にやってるヤツにまで絡んで…。ほんと、根っからの放蕩息子だな)
このままだと、イライラして集中できそうにない。
俺は、これ以上見るのはやめて、場所を移動しようとしたのだが。
【クロノ】
(……ん?)
綾の様子が変わったのに気がついた。
ピシッと背筋を伸ばし、顔つきまで真剣になった綾の視線を追う。
視線の先には、綾の父親であり、社長の―――、綾一輝がいた。
難しい顔をして、部下と話しながら廊下を歩いている。
【クロノ】
(会社では、いつもあんな表情してるのかな。ほんとは子煩悩のくせに)
綾は浅多に絡むのをやめ、父親のもとに駆け寄った。
【綾 上総】
「おはようございます! 社長!」
【綾 上総】
「この間ご提案させていただいた案件の、稟議が通りました」
【綾 一輝】
「決済の書類は出来ているのか?」
【綾 上総】
「はい、確認なさいますか? それから、大沢商事社長との会食の件ですが」
【綾 一輝】
「要項のみの確認でいい。会食は、お前と岩下に任せる」
【綾 一輝】
「粗相のないようにな」
【綾 上総】
「はい!ありがとうございます!」
【綾 一輝】
「話はそれだけか?」
【綾 上総】
「……、はい」
【綾 一輝】
「うむ。では業務に戻れ」
綾の様子を眺めていた俺は、驚いて固まってしまった。
【クロノ】
(なんだ。ちゃんとビジネス的なことも出来るんじゃないか)
【クロノ】
(普段からちゃんとやってれば可愛げもあるのに)
【クロノ】
(……それにしても)
夢の中の親子の姿と、今の姿のギャップがなかなか受け入れられない。
ピリピリとした空気を纏った綾一輝は、そのまま廊下の向こうに歩いて行ってしまった。
歩き始めた綾の後ろを追いかけながら、綾の憧憬夢について考えてみた。
…でも、ここは職場で、綾ももう大人だし。
【クロノ】
(人間の親子って…)
【クロノ】
(思ってたよりドライな感じなのかな)
考えてみたが、結局、死神である俺にはよく解らなかったので、とりあえず一時中断することにした。
その後、綾は副社長室で自由に過ごし。
定時になると、さっさと退社してしまった。
そして、まだ宵の口から派手なバーに行って。
友達に囲まれ、バカ騒ぎしながら酒を呷り。
金を湯水のように使って、その場の全員に奢っていた。
【クロノ】
(……くだらない)
今まで見てきた人間の中でも、トップクラスの『くだらなさ』だと思った。
上っ面だけ華やかな世界。まるで、夢の中の遊園地のように。
中身が何もない。金があるから維持していられる世界。
金がなくなれば、なにもかも終わりなのに、それに気付きもしない。
金なんか関係ない死神の俺には、一生理解出来そうにない。
そんな世界で幅を利かせていられる綾と、分かり合える気がしない。
【クロノ】
(こんなヤツが地位と名誉を手に入れて好き勝手やれるなんて、人間界は下らな過ぎる)
今更ながら呆れてしまって、俺は大きなため息をついた。
いくらやる気になれなくても、仕事は仕事だ。
気持ちを切り替えて、綾の自宅へ向かった。
風呂上りらしい綾は、ベッドの上に寝転がっていた。
そのまま、枕元のリビドーを手に取る。
今夜も使う気満々のようだ。
【クロノ】
(しかし…)
【クロノ】
(こんな順風満帆な生活を送っているのに、憧憬夢では幼い頃の父親との夢…、ねえ)
そのまま寝てしまうのかと思いきや、綾は起き上がってベッドに座ると、
サイドテーブルに置いてあったノートパソコンを開いた。
眠そうに目をこすりながら、パソコンの電源を入れる。
そーっと後ろにくっついて、画面を覗き込んでみる。
【クロノ】
(……なんだ?)
【クロノ】
(……paraiso?)
ブックマークから表示されたのは、どうやらチャットサイトのようだ。
ログインIDやパスワードが必要なところを見ると、会員制なのだろうか。
しばらく後ろから眺めていて、分かったことと言えば。
【クロノ】
(どうやらリビドー関連のチャットサイトみたいだ)
【クロノ】
(リビドーの事前情報の中にはなかったと思ったけど……)
【クロノ】
(もう少し観察してみるか…)
チャットの話題になっているのはリビドーのことばかりで、他のことは話題に上らない。
『効果的に憧憬夢を見る方法』だとか『裏技知ってる人いない?』とか。
そんな情報ばかりが行き交っている。
綾もチャットで話を始めた。ハンドルネームは『SUZAK』。
内容は『LIP』について。
【クロノ】
(LIPって…なんだ?)
それで、LIPを使って時間延長はできたのか?
それから、お前らの夢の内容も興味あるんだが、教えてくれないか?
人に話せるような内容じゃない夢もあると思うけど……
どーせwwwお前らwwwエロい夢でも見てんだろwwwww
そういうお前が一番ムッツリっぽいけどな
あーあwwwそんなこと言っちゃったwww
リビドーのwwwとっておき情報あるんだけどwwwww
どうせネットでしかイキがれねーくせに
ケンカはやめた方がいいよ
同感だ
素人は放置wwwLIPについて話そうぜwwwww
SUZAK以外にwwwとっておき情報教えてやるよwwwww
そうやって人を煽るのもよくないよ
綾は昼頃にようやく起きたかと思ったら、ゆっくり時間をかけて仕度をして。
昼過ぎにようやく重役出勤。
仕事をほんの少しこなしてからは、テレビや雑誌を見て時間を潰す。
遊び友達に電話をかけて、そのまま雑談して笑ってたり。
【クロノ】
(自由に過ごしすぎだろ…)
俺も仕事は好きじゃないけど、それにしても綾はやりたい放題だ。
最低限の仕事はこなしてるらしいが、部下からすれば迷惑だろう。
父親が社長だからか、社内には、綾に対して文句を言えないような雰囲気がある。
暇を持て余したらしい綾が向かった先は、営業課のオフィスだった。
【綾 上総】
「浅多、今日も暗い顔してんなぁ」
そこで、真面目に資料の作成をしていた、眼鏡の男に絡み始める。
浅多と呼ばれたその男は、神経質そうに指で眼鏡を押し上げて、小さなため息をついた。
【浅多 侑思】
「おはようございます、綾さん」
【綾 上総】
「また資料作ってんのかよ?お前さあ、もうリーダーだろ?」
【綾 上総】
「下にやらせりゃいいのによ。効率悪くねぇ?」
【浅多 侑思】
「…俺しか手が空いてる者がいなかっただけです」
【綾 上総】
「うわ、お前、自分からそんな下っ端みたいな仕事してんのかよ」
【浅多 侑思】
「……そういうわけではありません」
【クロノ】
(真面目にやってるヤツにまで絡んで…。ほんと、根っからの放蕩息子だな)
このままだと、イライラして集中できそうにない。
俺は、これ以上見るのはやめて、場所を移動しようとしたのだが。
【クロノ】
(……ん?)
綾の様子が変わったのに気がついた。
ピシッと背筋を伸ばし、顔つきまで真剣になった綾の視線を追う。
視線の先には、綾の父親であり、社長の―――、綾一輝がいた。
難しい顔をして、部下と話しながら廊下を歩いている。
【クロノ】
(会社では、いつもあんな表情してるのかな。ほんとは子煩悩のくせに)
綾は浅多に絡むのをやめ、父親のもとに駆け寄った。
【綾 上総】
「おはようございます! 社長!」
【綾 上総】
「この間ご提案させていただいた案件の、稟議が通りました」
【綾 一輝】
「決済の書類は出来ているのか?」
【綾 上総】
「はい、確認なさいますか? それから、大沢商事社長との会食の件ですが」
【綾 一輝】
「要項のみの確認でいい。会食は、お前と岩下に任せる」
【綾 一輝】
「粗相のないようにな」
【綾 上総】
「はい!ありがとうございます!」
【綾 一輝】
「話はそれだけか?」
【綾 上総】
「……、はい」
【綾 一輝】
「うむ。では業務に戻れ」
綾の様子を眺めていた俺は、驚いて固まってしまった。
【クロノ】
(なんだ。ちゃんとビジネス的なことも出来るんじゃないか)
【クロノ】
(普段からちゃんとやってれば可愛げもあるのに)
【クロノ】
(……それにしても)
夢の中の親子の姿と、今の姿のギャップがなかなか受け入れられない。
ピリピリとした空気を纏った綾一輝は、そのまま廊下の向こうに歩いて行ってしまった。
歩き始めた綾の後ろを追いかけながら、綾の憧憬夢について考えてみた。
…でも、ここは職場で、綾ももう大人だし。
【クロノ】
(人間の親子って…)
【クロノ】
(思ってたよりドライな感じなのかな)
考えてみたが、結局、死神である俺にはよく解らなかったので、とりあえず一時中断することにした。
その後、綾は副社長室で自由に過ごし。
定時になると、さっさと退社してしまった。
そして、まだ宵の口から派手なバーに行って。
友達に囲まれ、バカ騒ぎしながら酒を呷り。
金を湯水のように使って、その場の全員に奢っていた。
【クロノ】
(……くだらない)
今まで見てきた人間の中でも、トップクラスの『くだらなさ』だと思った。
上っ面だけ華やかな世界。まるで、夢の中の遊園地のように。
中身が何もない。金があるから維持していられる世界。
金がなくなれば、なにもかも終わりなのに、それに気付きもしない。
金なんか関係ない死神の俺には、一生理解出来そうにない。
そんな世界で幅を利かせていられる綾と、分かり合える気がしない。
【クロノ】
(こんなヤツが地位と名誉を手に入れて好き勝手やれるなんて、人間界は下らな過ぎる)
今更ながら呆れてしまって、俺は大きなため息をついた。
いくらやる気になれなくても、仕事は仕事だ。
気持ちを切り替えて、綾の自宅へ向かった。
風呂上りらしい綾は、ベッドの上に寝転がっていた。
そのまま、枕元のリビドーを手に取る。
今夜も使う気満々のようだ。
【クロノ】
(しかし…)
【クロノ】
(こんな順風満帆な生活を送っているのに、憧憬夢では幼い頃の父親との夢…、ねえ)
そのまま寝てしまうのかと思いきや、綾は起き上がってベッドに座ると、
サイドテーブルに置いてあったノートパソコンを開いた。
眠そうに目をこすりながら、パソコンの電源を入れる。
そーっと後ろにくっついて、画面を覗き込んでみる。
【クロノ】
(……なんだ?)
【クロノ】
(……paraiso?)
ブックマークから表示されたのは、どうやらチャットサイトのようだ。
ログインIDやパスワードが必要なところを見ると、会員制なのだろうか。
しばらく後ろから眺めていて、分かったことと言えば。
【クロノ】
(どうやらリビドー関連のチャットサイトみたいだ)
【クロノ】
(リビドーの事前情報の中にはなかったと思ったけど……)
【クロノ】
(もう少し観察してみるか…)
チャットの話題になっているのはリビドーのことばかりで、他のことは話題に上らない。
『効果的に憧憬夢を見る方法』だとか『裏技知ってる人いない?』とか。
そんな情報ばかりが行き交っている。
綾もチャットで話を始めた。ハンドルネームは『SUZAK』。
内容は『LIP』について。
【クロノ】
(LIPって…なんだ?)
それで、LIPを使って時間延長はできたのか?
それから、お前らの夢の内容も興味あるんだが、教えてくれないか?
人に話せるような内容じゃない夢もあると思うけど……
どーせwwwお前らwwwエロい夢でも見てんだろwwwww
そういうお前が一番ムッツリっぽいけどな
あーあwwwそんなこと言っちゃったwww
リビドーのwwwとっておき情報あるんだけどwwwww
どうせネットでしかイキがれねーくせに
ケンカはやめた方がいいよ
同感だ
素人は放置wwwLIPについて話そうぜwwwww
SUZAK以外にwwwとっておき情報教えてやるよwwwww
そうやって人を煽るのもよくないよ
