[本編] 綾 上総 編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【クロノ】
「俺はあんたの夢の登場人物じゃない」
【クロノ】
「あんたを助けに来た死神」
【子供の上総】
「……死神?」
綾が興味を持ったらしく、少し身を乗り出した。
【クロノ】
「そう、俺は死神。あんたはリビドーを使いすぎた」
【クロノ】
「そのせいで寿命が縮まってる。あんたは、後13日で死ぬよ」
【クロノ】
「それで、俺はあんたを助けに来た」
【子供の上総】
「どんな話かと思ったら……くだらねー」
綾は馬鹿にしたように笑い、それから大声を上げる。
【子供の上総】
「係員! 早く来い!」
【子供の上総】
「この不審者を、遊園地から追い出せ!」
綾の大声に呼応するように、遊具の影からモソモソと、何かが這い出してくる。
最初は腕が生えた黒い塊だったものが、徐々に人間の形になり、係員の姿になった。
【クロノ】
(夢の中とは言え、こんな不気味な係員がいたら、驚きそうだけど)
【クロノ】
(綾は驚いている様子はない。むしろこの世界に順応してる感じか)
【クロノ】
(……今日はこれ以上は無理かもな)
係員にぐいぐい体を押され、綾から遠ざけられる。その様子を、綾は偉そうにふんぞり返って見ていた。
【クロノ】
「今日は大人しく帰るけど、また来るから」
【クロノ】
「じゃ、また明日」
じいに教わった通り、地面を蹴って宙に上がり、そのまま天を目指した。
やがて、視界が白く霞んでいき……。
【アンク】
「おかえりなさいませ。いかがでしたか?」
俺はむくりと体を起こし、眠っている綾を睨みつける。
【クロノ】
「夢の中でもやっぱり憎たらしい男だった」
【クロノ】
「憎たらしいっていうか、ムカつくっていうか……」
【クロノ】
「癖のあるヤツって感じ。体の隅から隅まで七光りのボンボンが染み付いてる」
【クロノ】
「気は確実に合わないだろうな。仕事はちゃんとするけど、憂鬱になってくる………」
【アンク】
「ほっほっほ。仕事には苦難が多い方が、達成感を得られますぞ。」
【アンク】
「それで、収穫の方は?」
【クロノ】
「特に、ない」
【クロノ】
「強いていうなら、夢の中の綾は、子供だった」
【クロノ】
「いい歳して、父親と一緒に遊園地で遊ぶ夢見てた」
【クロノ】
「精神的にも子供になってたみたいで、子供みたいな発言ばかりしてた」
そこまで言うと、じいが首を傾げた。
【アンク】
「それは少し……、妙ですな」
【クロノ】
「妙って……、何が?」
俺が訊くと、じいは顎に手をやって、なにか考えながら言う。
【アンク】
「精神的にも子供になっていた、というところです」
【アンク】
「リビドーは、夢主が望む夢を見せる装置。ですから、あくまで主役は、この大人の綾さんです」
【アンク】
「それが、外見が子供になったからといって、精神的にも子供に戻れるものでしょうか?」
【クロノ】
「さあ? でも、子供に戻りたいなんて願うくらいなら」
【クロノ】
「恥ずかしげもなく子供になりきっちゃうような、現実逃避くらいしてもおかしくない気がするけど」
意見が正反対に分かれたので、俺とじいは考え込んでしまった。
だけど現段階で答えは出るわけもなく。
【クロノ】
「もう少し調査が必要だろうね」
【アンク】
「そうですな」
【クロノ】
「ま、面倒でムカつくヤツだけど。仕事だし頑張ってみるよ」
【アンク】
「その意気ですぞ!綾さんについて理解が深まれば、この謎も解決できるやもしれません」
【アンク】
「……ですが、あくまで理解の深め方は、慎重に」
じいにジト目で睨まれたので、俺は目を逸らした。
逸らしついでになんとなく、眠っている綾の顔を覗きこんでみた。
夢の中から俺を排除しようとした時と同じ、偉そうなボンボンの印象と、
どこか世間知らずな、お坊ちゃんの印象が交じり合った、不思議な寝顔だった。
そして次の日。俺はヒントを得る為、また綾のもとへ向かったのだが……。
【クロノ】
「……コ、コイツは…本当に…」
「俺はあんたの夢の登場人物じゃない」
【クロノ】
「あんたを助けに来た死神」
【子供の上総】
「……死神?」
綾が興味を持ったらしく、少し身を乗り出した。
【クロノ】
「そう、俺は死神。あんたはリビドーを使いすぎた」
【クロノ】
「そのせいで寿命が縮まってる。あんたは、後13日で死ぬよ」
【クロノ】
「それで、俺はあんたを助けに来た」
【子供の上総】
「どんな話かと思ったら……くだらねー」
綾は馬鹿にしたように笑い、それから大声を上げる。
【子供の上総】
「係員! 早く来い!」
【子供の上総】
「この不審者を、遊園地から追い出せ!」
綾の大声に呼応するように、遊具の影からモソモソと、何かが這い出してくる。
最初は腕が生えた黒い塊だったものが、徐々に人間の形になり、係員の姿になった。
【クロノ】
(夢の中とは言え、こんな不気味な係員がいたら、驚きそうだけど)
【クロノ】
(綾は驚いている様子はない。むしろこの世界に順応してる感じか)
【クロノ】
(……今日はこれ以上は無理かもな)
係員にぐいぐい体を押され、綾から遠ざけられる。その様子を、綾は偉そうにふんぞり返って見ていた。
【クロノ】
「今日は大人しく帰るけど、また来るから」
【クロノ】
「じゃ、また明日」
じいに教わった通り、地面を蹴って宙に上がり、そのまま天を目指した。
やがて、視界が白く霞んでいき……。
【アンク】
「おかえりなさいませ。いかがでしたか?」
俺はむくりと体を起こし、眠っている綾を睨みつける。
【クロノ】
「夢の中でもやっぱり憎たらしい男だった」
【クロノ】
「憎たらしいっていうか、ムカつくっていうか……」
【クロノ】
「癖のあるヤツって感じ。体の隅から隅まで七光りのボンボンが染み付いてる」
【クロノ】
「気は確実に合わないだろうな。仕事はちゃんとするけど、憂鬱になってくる………」
【アンク】
「ほっほっほ。仕事には苦難が多い方が、達成感を得られますぞ。」
【アンク】
「それで、収穫の方は?」
【クロノ】
「特に、ない」
【クロノ】
「強いていうなら、夢の中の綾は、子供だった」
【クロノ】
「いい歳して、父親と一緒に遊園地で遊ぶ夢見てた」
【クロノ】
「精神的にも子供になってたみたいで、子供みたいな発言ばかりしてた」
そこまで言うと、じいが首を傾げた。
【アンク】
「それは少し……、妙ですな」
【クロノ】
「妙って……、何が?」
俺が訊くと、じいは顎に手をやって、なにか考えながら言う。
【アンク】
「精神的にも子供になっていた、というところです」
【アンク】
「リビドーは、夢主が望む夢を見せる装置。ですから、あくまで主役は、この大人の綾さんです」
【アンク】
「それが、外見が子供になったからといって、精神的にも子供に戻れるものでしょうか?」
【クロノ】
「さあ? でも、子供に戻りたいなんて願うくらいなら」
【クロノ】
「恥ずかしげもなく子供になりきっちゃうような、現実逃避くらいしてもおかしくない気がするけど」
意見が正反対に分かれたので、俺とじいは考え込んでしまった。
だけど現段階で答えは出るわけもなく。
【クロノ】
「もう少し調査が必要だろうね」
【アンク】
「そうですな」
【クロノ】
「ま、面倒でムカつくヤツだけど。仕事だし頑張ってみるよ」
【アンク】
「その意気ですぞ!綾さんについて理解が深まれば、この謎も解決できるやもしれません」
【アンク】
「……ですが、あくまで理解の深め方は、慎重に」
じいにジト目で睨まれたので、俺は目を逸らした。
逸らしついでになんとなく、眠っている綾の顔を覗きこんでみた。
夢の中から俺を排除しようとした時と同じ、偉そうなボンボンの印象と、
どこか世間知らずな、お坊ちゃんの印象が交じり合った、不思議な寝顔だった。
そして次の日。俺はヒントを得る為、また綾のもとへ向かったのだが……。
【クロノ】
「……コ、コイツは…本当に…」