[本編] 日留川 凌央 編
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【アンク】
「……クロノ様。さすがの私も、そこまで爛れてはおりませんぞ」
【クロノ】
「なんか空気が暗かったから、つい…」
【クロノ】
「……うーん、そうなると…」
【アンク】
「かなり方法は限られますなあ。……直接刺激以外の方法となると…」
【日留川 凌央】
「……ねえ、クロノ」
【日留川 凌央】
「その夢の中に、俺も連れていくっていうのは?」
【クロノ】
「は…?」
凌央は姿勢を正して、俺とじいを真剣な表情で見つめる。
じいはただ微笑んで、俺達の判断に委ねてくれたみたいだった。
【日留川 凌央】
「俺の…一応、母親だから」
【日留川 凌央】
「一応息子の…俺が助けるのが、けじめじゃないかなって思って」
だけど、人間を夢の中に連れて行くのは前例がない。
こうしている間にも母親の魂は夢の深くに沈んでるから、長に確認を取ってる時間もない。
返答に困っていると、じいはおもむろに改造リビドーを手に取って凌央の頭にも被せた。
【クロノ】
「じい…」
【日留川 凌央】
「……いいの?」
【アンク】
「おや、何がでしょうか?」
【アンク】
「じいめは、うっかり手が滑って日留川さんの頭にリビドーを装着してしまっただけです」
【アンク】
「ご安心ください。今回の件は一刻を争う事態ですし」
【アンク】
「長も特例として認めて下さるでしょう」
【アンク】
「まあ事後報告になってしまうのは些か無理がありますので」
【アンク】
「今は、手が滑ったということで」
じいにお礼を言って、凌央は我先にと夢の中へ飛び込んだ。
…………………………
…………
まさしく夢のような体験だろうに、いつもの厨二病が発揮されないのは。
母親のことを心から心配しているからだと思う。
【日留川 凌央】
「……」
凌央は、フラフラと歩いている母親の姿を見つけるとすぐに駆け寄って。
行く手を遮るように立ちはだかった。
自分の名前を繰り返しながら通り過ぎようとする母親の手を掴み、
しっかりと自分の方に顔を向けさせる。
【日留川母】
「…………」
【日留川母】
「……り、お……?」
【日留川母】
「凌央? ……え、…? ここは…?」
【日留川 凌央】
「事情を説明すると長くなるから、今は端折るけど」
【日留川 凌央】
「あんたはそろそろ、ここから出る時間だよ」
そう言って一方的に手を引いて来た道を戻ろうとする凌央を、今度は母親が引っ張った。
【日留川母】
「待って!」
【日留川母】
「母さん、ずっと凌央に言いたかったの!」
凌央は舌打ちをして、面倒そうに母親に向き直る。
【日留川 凌央】
「なに。そこまでして結婚式に来てほしいわけ?」
【日留川母】
「違うわ。凌央が嫌なら再婚はしないってことを言いたかったの。ずっと」
【日留川母】
「だって母さん、凌央のことが一番大事だもの」
【日留川母】
「あなたと離れてから、そのことにようやく気付いたの」
【日留川母】
「愛してるわ、凌央」
【日留川 凌央】
「……」
凌央は、涙を流している母親の眼差しから不意に逃れて。
少し離れた所に立っていた俺に手招きした。
顔を合わせるならば死神のままではまずいと姿を変えたところで、腕を引かれて勢いよく隣に引き寄せられた。
【日留川 凌央】
「こいつ、俺の恋人なんだけど」
【クロノ】
「あー……、ええと、凌央の会社に勤めている、黒乃です」
面と向かって話すのは初めてなのに、我ながら何て間抜けな挨拶だろう。
凌央も凌央で、紹介するなら言ってくれればいいのに―――なんて思っていると。
凌央の母親がハッと息を呑む気配がした。
【日留川母】
「え……」
【日留川母】
「……え? だってあなた……、あ」
母親は今まで見ていた幻や、自分がやったことを思い出したらしく。
俺の顔を見るや否や青ざめたけど。
息子の静かな瞳に、全て自分の思い違いだったことを悟ったらしい。
包丁は体まで達してなかったからと嘘をついて、謝罪を繰り返す母親を宥めて。
彼女が落ち着くのを待ってから、凌央は続きの言葉を紡いだ。
【日留川 凌央】
「俺の言ってる意味わかる? あんたの息子は今ホモだけど」
【日留川 凌央】
「それでも愛してるなんて言えんの?」
【日留川母】
「……」
【日留川 凌央】
「ま、別に俺はあんたが居なくても、こいつと生きてくだけだけど」
【日留川母】
「その人と居て、幸せなのね?」
【日留川 凌央】
「もちろん」
【日留川母】
「なら良かった。幸せにしていただきなさいね」
【日留川 凌央】
「……それだけ? 文句の一つもないのかよ」
【日留川母】
「ないわよ。愛する息子が好きになった人だもの」
【日留川 凌央】
「……」
凌央は、涙を拭きながらも穏やかに笑っている母親を、チラリと見やって。
【日留川 凌央】
「行くよ、母さん」
掴んでいた腕を軽く引いて、母親と共に空に舞い上がった。
「……クロノ様。さすがの私も、そこまで爛れてはおりませんぞ」
【クロノ】
「なんか空気が暗かったから、つい…」
【クロノ】
「……うーん、そうなると…」
【アンク】
「かなり方法は限られますなあ。……直接刺激以外の方法となると…」
【日留川 凌央】
「……ねえ、クロノ」
【日留川 凌央】
「その夢の中に、俺も連れていくっていうのは?」
【クロノ】
「は…?」
凌央は姿勢を正して、俺とじいを真剣な表情で見つめる。
じいはただ微笑んで、俺達の判断に委ねてくれたみたいだった。
【日留川 凌央】
「俺の…一応、母親だから」
【日留川 凌央】
「一応息子の…俺が助けるのが、けじめじゃないかなって思って」
だけど、人間を夢の中に連れて行くのは前例がない。
こうしている間にも母親の魂は夢の深くに沈んでるから、長に確認を取ってる時間もない。
返答に困っていると、じいはおもむろに改造リビドーを手に取って凌央の頭にも被せた。
【クロノ】
「じい…」
【日留川 凌央】
「……いいの?」
【アンク】
「おや、何がでしょうか?」
【アンク】
「じいめは、うっかり手が滑って日留川さんの頭にリビドーを装着してしまっただけです」
【アンク】
「ご安心ください。今回の件は一刻を争う事態ですし」
【アンク】
「長も特例として認めて下さるでしょう」
【アンク】
「まあ事後報告になってしまうのは些か無理がありますので」
【アンク】
「今は、手が滑ったということで」
じいにお礼を言って、凌央は我先にと夢の中へ飛び込んだ。
…………………………
…………
まさしく夢のような体験だろうに、いつもの厨二病が発揮されないのは。
母親のことを心から心配しているからだと思う。
【日留川 凌央】
「……」
凌央は、フラフラと歩いている母親の姿を見つけるとすぐに駆け寄って。
行く手を遮るように立ちはだかった。
自分の名前を繰り返しながら通り過ぎようとする母親の手を掴み、
しっかりと自分の方に顔を向けさせる。
【日留川母】
「…………」
【日留川母】
「……り、お……?」
【日留川母】
「凌央? ……え、…? ここは…?」
【日留川 凌央】
「事情を説明すると長くなるから、今は端折るけど」
【日留川 凌央】
「あんたはそろそろ、ここから出る時間だよ」
そう言って一方的に手を引いて来た道を戻ろうとする凌央を、今度は母親が引っ張った。
【日留川母】
「待って!」
【日留川母】
「母さん、ずっと凌央に言いたかったの!」
凌央は舌打ちをして、面倒そうに母親に向き直る。
【日留川 凌央】
「なに。そこまでして結婚式に来てほしいわけ?」
【日留川母】
「違うわ。凌央が嫌なら再婚はしないってことを言いたかったの。ずっと」
【日留川母】
「だって母さん、凌央のことが一番大事だもの」
【日留川母】
「あなたと離れてから、そのことにようやく気付いたの」
【日留川母】
「愛してるわ、凌央」
【日留川 凌央】
「……」
凌央は、涙を流している母親の眼差しから不意に逃れて。
少し離れた所に立っていた俺に手招きした。
顔を合わせるならば死神のままではまずいと姿を変えたところで、腕を引かれて勢いよく隣に引き寄せられた。
【日留川 凌央】
「こいつ、俺の恋人なんだけど」
【クロノ】
「あー……、ええと、凌央の会社に勤めている、黒乃です」
面と向かって話すのは初めてなのに、我ながら何て間抜けな挨拶だろう。
凌央も凌央で、紹介するなら言ってくれればいいのに―――なんて思っていると。
凌央の母親がハッと息を呑む気配がした。
【日留川母】
「え……」
【日留川母】
「……え? だってあなた……、あ」
母親は今まで見ていた幻や、自分がやったことを思い出したらしく。
俺の顔を見るや否や青ざめたけど。
息子の静かな瞳に、全て自分の思い違いだったことを悟ったらしい。
包丁は体まで達してなかったからと嘘をついて、謝罪を繰り返す母親を宥めて。
彼女が落ち着くのを待ってから、凌央は続きの言葉を紡いだ。
【日留川 凌央】
「俺の言ってる意味わかる? あんたの息子は今ホモだけど」
【日留川 凌央】
「それでも愛してるなんて言えんの?」
【日留川母】
「……」
【日留川 凌央】
「ま、別に俺はあんたが居なくても、こいつと生きてくだけだけど」
【日留川母】
「その人と居て、幸せなのね?」
【日留川 凌央】
「もちろん」
【日留川母】
「なら良かった。幸せにしていただきなさいね」
【日留川 凌央】
「……それだけ? 文句の一つもないのかよ」
【日留川母】
「ないわよ。愛する息子が好きになった人だもの」
【日留川 凌央】
「……」
凌央は、涙を拭きながらも穏やかに笑っている母親を、チラリと見やって。
【日留川 凌央】
「行くよ、母さん」
掴んでいた腕を軽く引いて、母親と共に空に舞い上がった。
