[本編] 日留川 凌央 編
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【クロノ】
『どっかの残飯拾ってきたのか!?』
【クロノ】
『ブタ箱の臭ぇメシ食わせてんじゃねえぞ!!』
【日留川 凌央】
『ううう……ぐすっ、ひっく、ひっく』
【クロノ】
『あー超萎えた。やる気なくした。財布よこせ』
【日留川 凌央】
『だ、だって今月分のお小遣いはもう渡し……』
【クロノ】
『うるせえ!!』
【日留川 凌央】
『きゃ…っ!』
【日留川 凌央】
『や…やめて…ごめんなさい……ナイフを舐めないで……』
【クロノ】
『怯えた顔しやがって…あんまり俺を燃え上がらせるような顔してんじゃねえぞコラ…』
【クロノ】
『まさかまたこの俺から逃げようとかろくでもねえこと考えてたのかぁ?』
【日留川 凌央】
『そ、そんなわけないよ…』
【日留川 凌央】
『ひいい…!!』
【クロノ】
『じゃあ体に訊いてみるしかねえなあ!』
【日留川 凌央】
『きゃあああああ…ッ!!』
【クロノ】
『ははははははは! いいザマだなぁ凌央!』
【クロノ】
『破れた服と白い肌…スゲェそそるぜぇ…』
【日留川 凌央】
『やめて…やめて…助けて…お願いです…』
【クロノ】
『…フン。まあ、てめえがどこに金を隠してるかなんて丸わかりだけどなぁ』
【クロノ】
『…なんだ、あんじゃねえかよ。モタモタしてねえで大人しく出せってんだよ』
【日留川 凌央】
『やめて! それは最後の生活費……』
【クロノ】
『触んじゃねえ! 服が伸びんだよ!』
【クロノ】
『毎回言ってんだろ、なァ? 金なきゃカード使えってな!』
【クロノ】
『限度額までまだ今月行ってねえだろ? 使やいいんだよ』
【クロノ】
『返済に困ったら遠慮無く俺に言っていいからな。幾らでも紹介してやっから』
【クロノ】
『じゃあ俺ちょっくら出てくるわ』
【クロノ】
『5号機やるなら最低10万はねえと戦えねえからな!』
【日留川 凌央】
『うう……、うぐっ、ぐすっ、ぐすっ…』
【日留川 凌央】
『もう嫌だよぉ…助けて、お母さん……』
【クロノ】
『あ、そうだ凌央ちゃん。一応言っとくけどさ』
【クロノ】
『このこと誰かに漏らしやがったら』
【クロノ】
『セメント詰めにして湾に沈めっからな』
…………
………………………
【クロノ】
「さて、今日もいるとしたら、連続13日目だけど」
【日留川 凌央】
「…どうでもいい。関係ないし」
相変わらず凌央は頑なになったままだ。
本当にこのままで良いのか、改めて話し合おうとはしてみたけど。
その話のカタはついてるだろと言われて、取り付く島もなかった。
母親との関係改善に役立つ方法を、俺なりに考えてはいるものの。
妙案が浮かぶわけでもないというのが現状だった。
そして今宵も、母親はいつもの場所に立っていた。
だけど俺には、その様子がいつもと違うように思えた。
立ち方も不自然だし、どこか虚ろな印象を受ける。
【クロノ】
(……?なんだ?この違和感……)
【日留川 凌央】
「クロノ? どうしたんだよ。早く行くぞ」
【クロノ】
「……今日、なんだったら瞬間移動で部屋まで行ってもいいよ」
凌央はちょっと迷ったように目を伏せたけど、いい、と答える。
【日留川 凌央】
「こないだも送ってもらったし」
【日留川 凌央】
「下手に勘ぐられて、どこに引っ越すつもりなのとか言われても面倒だし」
【クロノ】
「……そう」
釈然としないものを抱えながらも、凌央に連れられてエントランスへ向かう。
凌央の母親は俯き加減でそれを見送る――はずだった。
【日留川母】
「待ちなさい」
いつも弱々しかった声が、凛と夜空に響く。
凌央もまさか、今更呼び止められるとは思ってなかったのか、ぎくりとして思わず立ち止まる。
そして凌央の母親は迷わずに俺達の前に回り込んで。
【日留川母】
「凌央、こっちに来なさい」
【日留川 凌央】
「……っあんたには関係な――」
【日留川母】
「あなたが凌央をたぶらかしてるのね!!」
凌央の声を掻き消すほどの大声と共に、血走った眼が俺のほうへと向けられる。
彼女は鞄から何かを抜き取って、素早く自分の前で構えた。
震える両手が握りしめているそれは、出刃包丁だった。
どうやら殺意もしっかり篭められているらしく、刃は上を向いていた。
【日留川 凌央】
「な――――」
そして彼女は呆然としている凌央の横を風の如く駆け抜けて。
真っ直ぐこちらへ突進してくる。
【クロノ】
(うーん……人間の姿をとってるとは言え)
【クロノ】
(死神には人間の武器は効かないんだけど…)
悠長なことを考えながら、とりあえず避けないことにした。
自分の体で受け止めて、そのまま武器を手放してもらった方が安全だと思った。
――――そして、どすっという衝撃があって。
見事に出刃包丁は、俺の腹に根本まで突き刺さった。
【クロノ】
(あ、ちょっとは痛いんだな…刺されるのなんて初めてだな、よく考えたら)
母親の指を柄から引き剥がそうとした時、再び視界が揺れる。
凌央は血相を変えて母親の体に掴みかかっていて。
必死で俺から遠ざけようとしているらしかった。
だけど女性の細い腕のどこにそんな力があるのか、凌央がどれだけ力を込めても。
その手は包丁の柄から離れなかった。
【日留川 凌央】
「何やってんだよあんた!!」
【日留川母】
「……凌央」
母親は凌央の姿を視界に捉えると、柄からふわりと手を離して。
その手で息子を優しく抱き寄せた。
【日留川母】
「もう大丈夫よ、これでもう苦しまなくていいのよ」
【日留川 凌央】
「な……に、言って…」
【日留川 凌央】
「は、放せ!! クロノが、クロノがッ…!」
『どっかの残飯拾ってきたのか!?』
【クロノ】
『ブタ箱の臭ぇメシ食わせてんじゃねえぞ!!』
【日留川 凌央】
『ううう……ぐすっ、ひっく、ひっく』
【クロノ】
『あー超萎えた。やる気なくした。財布よこせ』
【日留川 凌央】
『だ、だって今月分のお小遣いはもう渡し……』
【クロノ】
『うるせえ!!』
【日留川 凌央】
『きゃ…っ!』
【日留川 凌央】
『や…やめて…ごめんなさい……ナイフを舐めないで……』
【クロノ】
『怯えた顔しやがって…あんまり俺を燃え上がらせるような顔してんじゃねえぞコラ…』
【クロノ】
『まさかまたこの俺から逃げようとかろくでもねえこと考えてたのかぁ?』
【日留川 凌央】
『そ、そんなわけないよ…』
【日留川 凌央】
『ひいい…!!』
【クロノ】
『じゃあ体に訊いてみるしかねえなあ!』
【日留川 凌央】
『きゃあああああ…ッ!!』
【クロノ】
『ははははははは! いいザマだなぁ凌央!』
【クロノ】
『破れた服と白い肌…スゲェそそるぜぇ…』
【日留川 凌央】
『やめて…やめて…助けて…お願いです…』
【クロノ】
『…フン。まあ、てめえがどこに金を隠してるかなんて丸わかりだけどなぁ』
【クロノ】
『…なんだ、あんじゃねえかよ。モタモタしてねえで大人しく出せってんだよ』
【日留川 凌央】
『やめて! それは最後の生活費……』
【クロノ】
『触んじゃねえ! 服が伸びんだよ!』
【クロノ】
『毎回言ってんだろ、なァ? 金なきゃカード使えってな!』
【クロノ】
『限度額までまだ今月行ってねえだろ? 使やいいんだよ』
【クロノ】
『返済に困ったら遠慮無く俺に言っていいからな。幾らでも紹介してやっから』
【クロノ】
『じゃあ俺ちょっくら出てくるわ』
【クロノ】
『5号機やるなら最低10万はねえと戦えねえからな!』
【日留川 凌央】
『うう……、うぐっ、ぐすっ、ぐすっ…』
【日留川 凌央】
『もう嫌だよぉ…助けて、お母さん……』
【クロノ】
『あ、そうだ凌央ちゃん。一応言っとくけどさ』
【クロノ】
『このこと誰かに漏らしやがったら』
【クロノ】
『セメント詰めにして湾に沈めっからな』
…………
………………………
【クロノ】
「さて、今日もいるとしたら、連続13日目だけど」
【日留川 凌央】
「…どうでもいい。関係ないし」
相変わらず凌央は頑なになったままだ。
本当にこのままで良いのか、改めて話し合おうとはしてみたけど。
その話のカタはついてるだろと言われて、取り付く島もなかった。
母親との関係改善に役立つ方法を、俺なりに考えてはいるものの。
妙案が浮かぶわけでもないというのが現状だった。
そして今宵も、母親はいつもの場所に立っていた。
だけど俺には、その様子がいつもと違うように思えた。
立ち方も不自然だし、どこか虚ろな印象を受ける。
【クロノ】
(……?なんだ?この違和感……)
【日留川 凌央】
「クロノ? どうしたんだよ。早く行くぞ」
【クロノ】
「……今日、なんだったら瞬間移動で部屋まで行ってもいいよ」
凌央はちょっと迷ったように目を伏せたけど、いい、と答える。
【日留川 凌央】
「こないだも送ってもらったし」
【日留川 凌央】
「下手に勘ぐられて、どこに引っ越すつもりなのとか言われても面倒だし」
【クロノ】
「……そう」
釈然としないものを抱えながらも、凌央に連れられてエントランスへ向かう。
凌央の母親は俯き加減でそれを見送る――はずだった。
【日留川母】
「待ちなさい」
いつも弱々しかった声が、凛と夜空に響く。
凌央もまさか、今更呼び止められるとは思ってなかったのか、ぎくりとして思わず立ち止まる。
そして凌央の母親は迷わずに俺達の前に回り込んで。
【日留川母】
「凌央、こっちに来なさい」
【日留川 凌央】
「……っあんたには関係な――」
【日留川母】
「あなたが凌央をたぶらかしてるのね!!」
凌央の声を掻き消すほどの大声と共に、血走った眼が俺のほうへと向けられる。
彼女は鞄から何かを抜き取って、素早く自分の前で構えた。
震える両手が握りしめているそれは、出刃包丁だった。
どうやら殺意もしっかり篭められているらしく、刃は上を向いていた。
【日留川 凌央】
「な――――」
そして彼女は呆然としている凌央の横を風の如く駆け抜けて。
真っ直ぐこちらへ突進してくる。
【クロノ】
(うーん……人間の姿をとってるとは言え)
【クロノ】
(死神には人間の武器は効かないんだけど…)
悠長なことを考えながら、とりあえず避けないことにした。
自分の体で受け止めて、そのまま武器を手放してもらった方が安全だと思った。
――――そして、どすっという衝撃があって。
見事に出刃包丁は、俺の腹に根本まで突き刺さった。
【クロノ】
(あ、ちょっとは痛いんだな…刺されるのなんて初めてだな、よく考えたら)
母親の指を柄から引き剥がそうとした時、再び視界が揺れる。
凌央は血相を変えて母親の体に掴みかかっていて。
必死で俺から遠ざけようとしているらしかった。
だけど女性の細い腕のどこにそんな力があるのか、凌央がどれだけ力を込めても。
その手は包丁の柄から離れなかった。
【日留川 凌央】
「何やってんだよあんた!!」
【日留川母】
「……凌央」
母親は凌央の姿を視界に捉えると、柄からふわりと手を離して。
その手で息子を優しく抱き寄せた。
【日留川母】
「もう大丈夫よ、これでもう苦しまなくていいのよ」
【日留川 凌央】
「な……に、言って…」
【日留川 凌央】
「は、放せ!! クロノが、クロノがッ…!」