[本編] 日留川 凌央 編
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【日留川 凌央】
「……赤の他人がどうしようと、俺には関係ない」
【日留川 凌央】
「勝手にすればいいよ。そもそも興味ないし」
【日留川 凌央】
「それだけ。もうこの話は終わり」
他人の言葉を頑なに聞こうとしない姿勢は。
初めて出会った頃の姿を彷彿とさせて、何だか複雑な気持ちだった。
―――次の日も、帰宅しようとした俺達の足を止めたのは。
昨夜と同じ場所に立っていた人影だった。
【クロノ】
「ねえ、あれって…」
【日留川 凌央】
「言わなくていい。わかってるから」
凌央は俺の手首を昨日と同じように掴んで。
今までよりも3割増しの歩調で、彼女の前を通り過ぎようとする。
【日留川母】
「凌央…っ、聞いて」
凌央は耳も貸さずにエントランスへ向かい、視線も言葉も断ち切るように乱暴に扉を閉めて。
部屋につくなり、風呂に入ると言い放って真っ先に浴室へ駆け込んだ。
俺も流石に『一緒に入ろうか』なんて茶化す気にはなれなくて。
うーんと頭を抱えながら、放り出された仕事用カバンを拾い上げる。
―――そして翌日も、彼女は同じ場所に立っていた。
【日留川 凌央】
「何なの。頭痛い…」
【クロノ】
「今日もマッハで通り過ぎる気?」
【日留川 凌央】
「昨日よりも早く歩くから、遅れないように」
【クロノ】
「えっ…、おわっ!」
次の日も、次の次の日も、彼女はめげなかった。
帰宅時間をずらした程度じゃ、彼女の決意は揺らぎもしなかったようだ。
【クロノ】
(母親は強し…か)
今日もまた同じ場所に出没した女性に感嘆の眼差しを向けていると、
控えめに腕を引かれた。
どこか申し訳なさそうな上目遣いに、俺は薄っすらと要望を察する。
【クロノ】
「部屋までひとっ飛びをご希望ですか、社長」
【日留川 凌央】
「頼む…」
【クロノ】
「仕方ないなぁ。アフターファイブの体には堪えるよ」
なんてちょっとした不満を漏らしながらも、
可愛い恋人のお願いとあっては無碍にするわけにもいかない。
事情が事情だけに拒否するのも可哀想だしで。
その後も3日間立て続けに、瞬間移動で部屋まで運んであげたけど。
それからも母親の出現率は減ることなく、俺達の方が参ってしまった。
何か策を講じねばと凌央と相談した結果。
時々は俺の瞬間移動で部屋まで直行する以外は、
基本的に無視を貫く運びとなった。
―――けど。
【クロノ】
(本当に、このままでいいの? …凌央)
【日留川母】
(今日も駄目だった……)
【日留川母】
(あの子と話すのは、もう無理なのかしら…)
【???】
「こんばんは。良かったら、息子さんのことについてちょっとお話しない?」
【日留川母】
「え…、だ、誰? 凌央のお友達…?」
【???】
「あんたが何でここに通ってるか、俺知ってるんだよ」
【???】
「それで心配してたんだよ。あいつ、このままで大丈夫なのかなーって」
【日留川母】
「ど、どういうことですか…?」
【???】
「心配だろ? じゃあちょっとこれ見てよ」
【???】
「息子と一緒に暮らしたいっていう願いも、ついでに俺が叶えてあげるから」
【クロノ】
『超ハラ減ったわー。メシ』
【日留川 凌央】
『うう……』
【クロノ】
『…ん? あんだこのクッソ不味いメシはよお!!』
覗き込んだモニターに、自分の息子と…そして先日隣に立っていた男の姿が映し出された。
「……赤の他人がどうしようと、俺には関係ない」
【日留川 凌央】
「勝手にすればいいよ。そもそも興味ないし」
【日留川 凌央】
「それだけ。もうこの話は終わり」
他人の言葉を頑なに聞こうとしない姿勢は。
初めて出会った頃の姿を彷彿とさせて、何だか複雑な気持ちだった。
―――次の日も、帰宅しようとした俺達の足を止めたのは。
昨夜と同じ場所に立っていた人影だった。
【クロノ】
「ねえ、あれって…」
【日留川 凌央】
「言わなくていい。わかってるから」
凌央は俺の手首を昨日と同じように掴んで。
今までよりも3割増しの歩調で、彼女の前を通り過ぎようとする。
【日留川母】
「凌央…っ、聞いて」
凌央は耳も貸さずにエントランスへ向かい、視線も言葉も断ち切るように乱暴に扉を閉めて。
部屋につくなり、風呂に入ると言い放って真っ先に浴室へ駆け込んだ。
俺も流石に『一緒に入ろうか』なんて茶化す気にはなれなくて。
うーんと頭を抱えながら、放り出された仕事用カバンを拾い上げる。
―――そして翌日も、彼女は同じ場所に立っていた。
【日留川 凌央】
「何なの。頭痛い…」
【クロノ】
「今日もマッハで通り過ぎる気?」
【日留川 凌央】
「昨日よりも早く歩くから、遅れないように」
【クロノ】
「えっ…、おわっ!」
次の日も、次の次の日も、彼女はめげなかった。
帰宅時間をずらした程度じゃ、彼女の決意は揺らぎもしなかったようだ。
【クロノ】
(母親は強し…か)
今日もまた同じ場所に出没した女性に感嘆の眼差しを向けていると、
控えめに腕を引かれた。
どこか申し訳なさそうな上目遣いに、俺は薄っすらと要望を察する。
【クロノ】
「部屋までひとっ飛びをご希望ですか、社長」
【日留川 凌央】
「頼む…」
【クロノ】
「仕方ないなぁ。アフターファイブの体には堪えるよ」
なんてちょっとした不満を漏らしながらも、
可愛い恋人のお願いとあっては無碍にするわけにもいかない。
事情が事情だけに拒否するのも可哀想だしで。
その後も3日間立て続けに、瞬間移動で部屋まで運んであげたけど。
それからも母親の出現率は減ることなく、俺達の方が参ってしまった。
何か策を講じねばと凌央と相談した結果。
時々は俺の瞬間移動で部屋まで直行する以外は、
基本的に無視を貫く運びとなった。
―――けど。
【クロノ】
(本当に、このままでいいの? …凌央)
【日留川母】
(今日も駄目だった……)
【日留川母】
(あの子と話すのは、もう無理なのかしら…)
【???】
「こんばんは。良かったら、息子さんのことについてちょっとお話しない?」
【日留川母】
「え…、だ、誰? 凌央のお友達…?」
【???】
「あんたが何でここに通ってるか、俺知ってるんだよ」
【???】
「それで心配してたんだよ。あいつ、このままで大丈夫なのかなーって」
【日留川母】
「ど、どういうことですか…?」
【???】
「心配だろ? じゃあちょっとこれ見てよ」
【???】
「息子と一緒に暮らしたいっていう願いも、ついでに俺が叶えてあげるから」
【クロノ】
『超ハラ減ったわー。メシ』
【日留川 凌央】
『うう……』
【クロノ】
『…ん? あんだこのクッソ不味いメシはよお!!』
覗き込んだモニターに、自分の息子と…そして先日隣に立っていた男の姿が映し出された。