[本編] 春川 樹生 編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
次の日――春川は無事に退院出来たようだった。
そしてそれ以外に、調査の進展はあまりない。
だけど報告くらいはしておかないと、じいにどやされる。
報告をまとめていると、不意に部屋のドアがノックされた。
【クロノ】
「……誰?」
【ユリス】
「俺だよ。さっき人間界から帰ってきたとこだろ?」
【ユリス】
「ちらっと見えたんだよな。ちょっと入れろよ」
聞こえてきたのはユリスの声だ。
いつも通りの口数の多さに、げんなりしてくる。
【クロノ】
「なんだ、ユリスか……何しに来たの?」
【ユリス】
「お前さ、そういうのは中に入れてから話すもんだろ」
【ユリス】
「せっかく訪ねてきてやったんだからさー」
頼んでないけどね、と言いたいのを我慢して、部屋の鍵を開ける。
もしかしたら何か重要な伝言があるのかもしれないから。
ドアの隙間に、ユリスがひょいっと顔を出した……その表情は、鬱陶しいくらいの笑顔だ。
【ユリス】
「よっ。なんか久々じゃないー?」
【ユリス】
「聞いたんだけど、調査の方、だいぶ難航してるらしいじゃん」
【ユリス】
「だからっつーか、まあたまには休んだ方がいいと思って」
【ユリス】
「遊びにきてやったんだけどー?嬉しいでしょー?」
楽しげに言いながら、ずかずかと部屋に上がりこんで来るので、ますます辟易する。
【クロノ】
(鍵を開けなきゃよかった…)
【クロノ】
(こいつ……どうすれば、帰るんだ)
ユリスは自分がどれだけ俺を気にしていたかをベラベラ話すだけで、俺の表情には気付かない。
……こんなに面倒くさそうな顔してるのに。
【クロノ】
「俺が忙しいって知ってるでしょ。報告が終わったらまた人間界にトンボ返り」
【クロノ】
「悪いけど、お前と話してる暇ない」
【ユリス】
「……相変わらずムカつく言い方しかできね=のな」
【ユリス】
「なんか俺に聞きたい事とかないのー?」
【ユリス】
「お前の知らない情報持ってるかもしんねーよー?」
ユリスの自信有り気な態度に、神経を逆撫でされたような気分になる。
【クロノ】
「……今は別にない」
【クロノ】
「その時が来たら聞きに行く」
俺の言葉に、ユリスはつまらなそうな顔をして、頭をかいた。
【ユリス】
「あっそ。……ところで、今日はチューしてくれないの?」
【クロノ】
「は?お前何言って……」
【ユリス】
「あははっ。その顔超おもしろいんだけど」
【ユリス】
「冗談に決まってんでしょ?」
【クロノ】
「……お前って、つまらない冗談が好きなんだ」
【クロノ】
「とりあえず帰って」
それ以上付き合うのも面倒で、なるべく冷たく聞こえるように、言い放つ。
【ユリス】
「……わかったよ。言われなくても帰るって」
【ユリス】
「俺も色々忙しいから、じゃあねー!」
いつもならもっと食い下がるだろうに、ユリスにしては珍しく、すんなり帰ってくれた。
俺は部屋の鍵をかけた後、椅子にどかっと腰掛ける。
【クロノ】
(やっぱりあいつ苦手……)
【クロノ】
(そういえば春川って、ああいうムカつく言い方しないよな……)
【クロノ】
(ふう……報告の続きやらなきゃ)
ため息一つで気持ちを仕事に切り替える。
しばらく時間をかけて報告をまとめた後、じいに渡す。
【アンク】
「ふむ……。少しずつですが、調査は進んでますな」
【クロノ】
「どうかな……。俺にはややこしくなっていってるだけに見える」
【アンク】
「クロノ様。お分かりかと思いますが、調査には根気が必要でございます」
じいが、柔らかい笑顔で言う。
……年季の入った死神に、しみじみ言われると説得力がある。
【クロノ】
「うん。わかってるよ、じい」
【クロノ】
「別に諦めたわけでも弱気になった訳でもない」
【クロノ】
「俺が解決してみせる」
【アンク】
「よくぞおっしゃいました」
【アンク】
「良い報告をお待ちしております。それから、クロノ様……」
【アンク】
「調査対象にのめり込みすぎませぬよう、ご注意くだされ」
【クロノ】
「……っ……」
【クロノ】
「……それこそ、言われなくても分かってる」
【アンク】
「差し出がましい事を申しました……。お忘れくだされ」
じいは、一礼して部屋を出て行く。
【クロノ】
(のめり込み過ぎるな、か)
【クロノ】
(……嫌なことを思い出させてくれちゃってさ)
俺は誰にも甘い顔を見せない。
―――ずっと前に学んだ事だ。
誰かと深くつながろうとしてはいけない。
それは―――誰のためにもならない。
【クロノ】
「……さて、春川の調査に行くか」
手がかりも、事件の解決策も、人間界にある。
春川を救うためには、少しでも同じ時間を過ごすこと。
何かあったらすぐに助けてやれるように。
……俺に出来ることをしよう。
今朝、検査入院から帰って来た春川は、念のために今日も一日休暇を取ったらしい。
ベッドに座った春川が、手に持ったリビドーをじっと見つめている。
……何か考えているみたいだ。その顔はとても険しい。
【クロノ】
(ここ数日で、春川には色々なことが起きてる)
【クロノ】
(まるで死期が近づいてる予兆みたいに)
【クロノ】
(全部、リビドーに関わったから起きたことだって思ってるなら)
【クロノ】
(……リビドーについて疑問を持ち始めるのも当然かな)
観察を止め、姿を現して春川の目の前に立つ。
俺に気がついた春川が、はっと顔を上げる。
【春川 樹生】
「……死神か。あんまり驚かせるなよ」
そしてそれ以外に、調査の進展はあまりない。
だけど報告くらいはしておかないと、じいにどやされる。
報告をまとめていると、不意に部屋のドアがノックされた。
【クロノ】
「……誰?」
【ユリス】
「俺だよ。さっき人間界から帰ってきたとこだろ?」
【ユリス】
「ちらっと見えたんだよな。ちょっと入れろよ」
聞こえてきたのはユリスの声だ。
いつも通りの口数の多さに、げんなりしてくる。
【クロノ】
「なんだ、ユリスか……何しに来たの?」
【ユリス】
「お前さ、そういうのは中に入れてから話すもんだろ」
【ユリス】
「せっかく訪ねてきてやったんだからさー」
頼んでないけどね、と言いたいのを我慢して、部屋の鍵を開ける。
もしかしたら何か重要な伝言があるのかもしれないから。
ドアの隙間に、ユリスがひょいっと顔を出した……その表情は、鬱陶しいくらいの笑顔だ。
【ユリス】
「よっ。なんか久々じゃないー?」
【ユリス】
「聞いたんだけど、調査の方、だいぶ難航してるらしいじゃん」
【ユリス】
「だからっつーか、まあたまには休んだ方がいいと思って」
【ユリス】
「遊びにきてやったんだけどー?嬉しいでしょー?」
楽しげに言いながら、ずかずかと部屋に上がりこんで来るので、ますます辟易する。
【クロノ】
(鍵を開けなきゃよかった…)
【クロノ】
(こいつ……どうすれば、帰るんだ)
ユリスは自分がどれだけ俺を気にしていたかをベラベラ話すだけで、俺の表情には気付かない。
……こんなに面倒くさそうな顔してるのに。
【クロノ】
「俺が忙しいって知ってるでしょ。報告が終わったらまた人間界にトンボ返り」
【クロノ】
「悪いけど、お前と話してる暇ない」
【ユリス】
「……相変わらずムカつく言い方しかできね=のな」
【ユリス】
「なんか俺に聞きたい事とかないのー?」
【ユリス】
「お前の知らない情報持ってるかもしんねーよー?」
ユリスの自信有り気な態度に、神経を逆撫でされたような気分になる。
【クロノ】
「……今は別にない」
【クロノ】
「その時が来たら聞きに行く」
俺の言葉に、ユリスはつまらなそうな顔をして、頭をかいた。
【ユリス】
「あっそ。……ところで、今日はチューしてくれないの?」
【クロノ】
「は?お前何言って……」
【ユリス】
「あははっ。その顔超おもしろいんだけど」
【ユリス】
「冗談に決まってんでしょ?」
【クロノ】
「……お前って、つまらない冗談が好きなんだ」
【クロノ】
「とりあえず帰って」
それ以上付き合うのも面倒で、なるべく冷たく聞こえるように、言い放つ。
【ユリス】
「……わかったよ。言われなくても帰るって」
【ユリス】
「俺も色々忙しいから、じゃあねー!」
いつもならもっと食い下がるだろうに、ユリスにしては珍しく、すんなり帰ってくれた。
俺は部屋の鍵をかけた後、椅子にどかっと腰掛ける。
【クロノ】
(やっぱりあいつ苦手……)
【クロノ】
(そういえば春川って、ああいうムカつく言い方しないよな……)
【クロノ】
(ふう……報告の続きやらなきゃ)
ため息一つで気持ちを仕事に切り替える。
しばらく時間をかけて報告をまとめた後、じいに渡す。
【アンク】
「ふむ……。少しずつですが、調査は進んでますな」
【クロノ】
「どうかな……。俺にはややこしくなっていってるだけに見える」
【アンク】
「クロノ様。お分かりかと思いますが、調査には根気が必要でございます」
じいが、柔らかい笑顔で言う。
……年季の入った死神に、しみじみ言われると説得力がある。
【クロノ】
「うん。わかってるよ、じい」
【クロノ】
「別に諦めたわけでも弱気になった訳でもない」
【クロノ】
「俺が解決してみせる」
【アンク】
「よくぞおっしゃいました」
【アンク】
「良い報告をお待ちしております。それから、クロノ様……」
【アンク】
「調査対象にのめり込みすぎませぬよう、ご注意くだされ」
【クロノ】
「……っ……」
【クロノ】
「……それこそ、言われなくても分かってる」
【アンク】
「差し出がましい事を申しました……。お忘れくだされ」
じいは、一礼して部屋を出て行く。
【クロノ】
(のめり込み過ぎるな、か)
【クロノ】
(……嫌なことを思い出させてくれちゃってさ)
俺は誰にも甘い顔を見せない。
―――ずっと前に学んだ事だ。
誰かと深くつながろうとしてはいけない。
それは―――誰のためにもならない。
【クロノ】
「……さて、春川の調査に行くか」
手がかりも、事件の解決策も、人間界にある。
春川を救うためには、少しでも同じ時間を過ごすこと。
何かあったらすぐに助けてやれるように。
……俺に出来ることをしよう。
今朝、検査入院から帰って来た春川は、念のために今日も一日休暇を取ったらしい。
ベッドに座った春川が、手に持ったリビドーをじっと見つめている。
……何か考えているみたいだ。その顔はとても険しい。
【クロノ】
(ここ数日で、春川には色々なことが起きてる)
【クロノ】
(まるで死期が近づいてる予兆みたいに)
【クロノ】
(全部、リビドーに関わったから起きたことだって思ってるなら)
【クロノ】
(……リビドーについて疑問を持ち始めるのも当然かな)
観察を止め、姿を現して春川の目の前に立つ。
俺に気がついた春川が、はっと顔を上げる。
【春川 樹生】
「……死神か。あんまり驚かせるなよ」
