[本編] 日留川 凌央 編
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【クロノ】
「……今回の事件の調査対象、その人間と、ずっと一緒にいたいんです」
【クロノ】
「調査していく内にあいつの事を知って……気がついたら、もっともっと知りたくなっていました」
【クロノ】
「……好きになってたんです。もう放したくないくらいに。だから俺を人間界に居させて下さい」
再び頭を下げる。今度はさっきよりもずっと深く。
【アンク】
「死神長様……、何とかなりませんでしょうか。クロノがここまで心を寄せる相手なのです」
耳が痛くなるほどの沈黙が部屋に満ちていた。
俺は頭を下げて、緊張しながら長の言葉を待つ。
【死神長】
「クロノ、顔を上げなさい。お前の気持ちはよくわかった……」
【死神長】
「だが、人間界で暮らすことは許されない。お前なら分かるだろう。これは破ってはならないルールだ」
【クロノ】
「……そういうと思ってましたけど」
【アンク】
「クロノ様……?」
俺の言葉に不穏なものを感じたのか、じいが怪訝そうな顔をする。
【クロノ】
「……俺は本気です」
【クロノ】
「死神界の決まりが邪魔なら……死神を辞めます」
俺の言葉に面食らったらしい長が、きょとんと目を瞬かせて―――
慌てたように前のめりになる。
【死神長】
「お、お前は何を言っているのか分かっているのか!?人間になりたいと!?」
【アンク】
「誰も出来ないことですぞ。そもそも存在の質が違いますのでな」
【クロノ】
「あれ。なんか誤解させちゃったみたいですけど、人間になれないのは知ってます」
【死神長】
「驚かすな!で、ではどういう意味なのかはっきり申せ!」
【クロノ】
「死神の仕事、辞めます」
【クロノ】
「死神の仕事をしない死神は、それもう死神じゃないんで。決まりも関係なくなる」
……室内がシーンと静まり返った。
【クロノ】
(わがままなことを言ってるのは分かってる。無茶苦茶なことも。でも、こうでも言わないと……)
何か言おうと口を開きかけた時、隣にいたじいが、突然大声で笑い出した。
【アンク】
「わははははは!クロノ様! あなたという人は本当に不思議な方ですな!」
【アンク】
「一大決心をした顔をしておりましたから、よっぽどすごい策でもあるのかと思ったら!」
【アンク】
「わっはっはっは!これは1本取られましたな、死神長!」
【クロノ】
「……じい、ちょっと笑いすぎじゃない?」
【死神長】
「私は何が何だか……」
【アンク】
「良いではありませんか、長!彼等はまだ若い。好きにさせてやっては?」
【死神長】
「う、うむ?」
【アンク】
「好いた者と一緒にいて、一緒の時間を過ごしたいというのは、人間も死神も同じです」
【アンク】
「私達はただ、見守れば良いのです。若い2人のことを」
【アンク】
「もちろん、種族の違いが生み出す悲劇もあります」
【アンク】
「悲劇で誰かが傷付かぬよう、長が決まりを作ったのも知っております」
【アンク】
「ですが……傷付くのが怖いからと、何もかもを閉じてしまうのは、もったいのうございます」
じいの言葉には、死神界の決まりのことだけでなく、俺と凌央のことを示すような響きもあった。
【死神長】
「……。分かった」
重々しく、長が頷く。
【死神長】
「好きにしてよい。だが、死神の仕事は続けてもらう」
【クロノ】
「……っ。本当ですか」
【死神長】
「アンクに感謝することだ。お前のため、この私に意見した、この男に」
【クロノ】
「勿論すごい感謝してます。今すぐ抱き締めたいくらいに。じい、ありがとう、本当に」
【アンク】
「抱き締めるのは日留川さんだけにして差し上げてくださいませ」
じいがにっこりと笑ってくれた。……本当は今すぐ抱き締めてお礼を言いたいんだけど。
【クロノ】
「お礼諸々、後でするから! 長もありがとうございます!とりあえず行ってきます!」
まずは凌央にこの結果を報告したかった。
俺は急いで人間界に向かう。
【アンク】
「あんなに急いで…。少し前の様子からは想像も出来ませんでしたな」
死神長は感慨深そうに頷くと、アンクの方へ顔を向けた。
【死神長】
「アンクは何故、クロノに手を貸した?私に逆らってまで……」
【アンク】
「それはですな……
愛の力を信じたいと思うからでございます」
【死神長】
「……お前、時々クサイ言葉を言うな」
【アンク】
「わっはっは!それから……変化を恐れずに生きていきたいと思いましたから」
【死神長】
「……そうか」
長はまた、感慨深そうに頷き―――何かに思いを馳せるように、ゆっくり目を閉じた。
【アンク】
「変化を恐れぬ為には、若者との交流が1番ですぞ。
【アンク】
「どうです、長も今度チロルちゃ――」
【死神長】
「それはもうよい」
【クロノ】
「凌央!」
転がり込むように部屋に現れた俺を、凌央が驚いて振り返る。
【日留川 凌央】
「な、なんだよ、どうした!?何かあったのか!?」
【クロノ】
「オッケーが出た。人間界で暮らしてもいいって」
【日留川 凌央】
「……え?
え? 本当か?」
【クロノ】
「本当。じいが助けてくれた。一時はダメかと思ったけど」
言いながら、ゆっくりと椅子から凌央を立たせる。
【日留川 凌央】
「良かった……。俺ももしかしたらダメかと……思ってた」
その流れのまま、凌央をベッドの方まで誘導した。
【クロノ】
「珍しい。随分素直なんだな」
【日留川 凌央】
「ほっ、放っとけよ!俺だってたまには……」
【クロノ】
「じゃあ、抱いてもいい?」
凌央をベッドに押し倒す。大した抵抗もなく、俺達はシーツに沈み込んだ。
「……今回の事件の調査対象、その人間と、ずっと一緒にいたいんです」
【クロノ】
「調査していく内にあいつの事を知って……気がついたら、もっともっと知りたくなっていました」
【クロノ】
「……好きになってたんです。もう放したくないくらいに。だから俺を人間界に居させて下さい」
再び頭を下げる。今度はさっきよりもずっと深く。
【アンク】
「死神長様……、何とかなりませんでしょうか。クロノがここまで心を寄せる相手なのです」
耳が痛くなるほどの沈黙が部屋に満ちていた。
俺は頭を下げて、緊張しながら長の言葉を待つ。
【死神長】
「クロノ、顔を上げなさい。お前の気持ちはよくわかった……」
【死神長】
「だが、人間界で暮らすことは許されない。お前なら分かるだろう。これは破ってはならないルールだ」
【クロノ】
「……そういうと思ってましたけど」
【アンク】
「クロノ様……?」
俺の言葉に不穏なものを感じたのか、じいが怪訝そうな顔をする。
【クロノ】
「……俺は本気です」
【クロノ】
「死神界の決まりが邪魔なら……死神を辞めます」
俺の言葉に面食らったらしい長が、きょとんと目を瞬かせて―――
慌てたように前のめりになる。
【死神長】
「お、お前は何を言っているのか分かっているのか!?人間になりたいと!?」
【アンク】
「誰も出来ないことですぞ。そもそも存在の質が違いますのでな」
【クロノ】
「あれ。なんか誤解させちゃったみたいですけど、人間になれないのは知ってます」
【死神長】
「驚かすな!で、ではどういう意味なのかはっきり申せ!」
【クロノ】
「死神の仕事、辞めます」
【クロノ】
「死神の仕事をしない死神は、それもう死神じゃないんで。決まりも関係なくなる」
……室内がシーンと静まり返った。
【クロノ】
(わがままなことを言ってるのは分かってる。無茶苦茶なことも。でも、こうでも言わないと……)
何か言おうと口を開きかけた時、隣にいたじいが、突然大声で笑い出した。
【アンク】
「わははははは!クロノ様! あなたという人は本当に不思議な方ですな!」
【アンク】
「一大決心をした顔をしておりましたから、よっぽどすごい策でもあるのかと思ったら!」
【アンク】
「わっはっはっは!これは1本取られましたな、死神長!」
【クロノ】
「……じい、ちょっと笑いすぎじゃない?」
【死神長】
「私は何が何だか……」
【アンク】
「良いではありませんか、長!彼等はまだ若い。好きにさせてやっては?」
【死神長】
「う、うむ?」
【アンク】
「好いた者と一緒にいて、一緒の時間を過ごしたいというのは、人間も死神も同じです」
【アンク】
「私達はただ、見守れば良いのです。若い2人のことを」
【アンク】
「もちろん、種族の違いが生み出す悲劇もあります」
【アンク】
「悲劇で誰かが傷付かぬよう、長が決まりを作ったのも知っております」
【アンク】
「ですが……傷付くのが怖いからと、何もかもを閉じてしまうのは、もったいのうございます」
じいの言葉には、死神界の決まりのことだけでなく、俺と凌央のことを示すような響きもあった。
【死神長】
「……。分かった」
重々しく、長が頷く。
【死神長】
「好きにしてよい。だが、死神の仕事は続けてもらう」
【クロノ】
「……っ。本当ですか」
【死神長】
「アンクに感謝することだ。お前のため、この私に意見した、この男に」
【クロノ】
「勿論すごい感謝してます。今すぐ抱き締めたいくらいに。じい、ありがとう、本当に」
【アンク】
「抱き締めるのは日留川さんだけにして差し上げてくださいませ」
じいがにっこりと笑ってくれた。……本当は今すぐ抱き締めてお礼を言いたいんだけど。
【クロノ】
「お礼諸々、後でするから! 長もありがとうございます!とりあえず行ってきます!」
まずは凌央にこの結果を報告したかった。
俺は急いで人間界に向かう。
【アンク】
「あんなに急いで…。少し前の様子からは想像も出来ませんでしたな」
死神長は感慨深そうに頷くと、アンクの方へ顔を向けた。
【死神長】
「アンクは何故、クロノに手を貸した?私に逆らってまで……」
【アンク】
「それはですな……
愛の力を信じたいと思うからでございます」
【死神長】
「……お前、時々クサイ言葉を言うな」
【アンク】
「わっはっは!それから……変化を恐れずに生きていきたいと思いましたから」
【死神長】
「……そうか」
長はまた、感慨深そうに頷き―――何かに思いを馳せるように、ゆっくり目を閉じた。
【アンク】
「変化を恐れぬ為には、若者との交流が1番ですぞ。
【アンク】
「どうです、長も今度チロルちゃ――」
【死神長】
「それはもうよい」
【クロノ】
「凌央!」
転がり込むように部屋に現れた俺を、凌央が驚いて振り返る。
【日留川 凌央】
「な、なんだよ、どうした!?何かあったのか!?」
【クロノ】
「オッケーが出た。人間界で暮らしてもいいって」
【日留川 凌央】
「……え?
え? 本当か?」
【クロノ】
「本当。じいが助けてくれた。一時はダメかと思ったけど」
言いながら、ゆっくりと椅子から凌央を立たせる。
【日留川 凌央】
「良かった……。俺ももしかしたらダメかと……思ってた」
その流れのまま、凌央をベッドの方まで誘導した。
【クロノ】
「珍しい。随分素直なんだな」
【日留川 凌央】
「ほっ、放っとけよ!俺だってたまには……」
【クロノ】
「じゃあ、抱いてもいい?」
凌央をベッドに押し倒す。大した抵抗もなく、俺達はシーツに沈み込んだ。