[本編] 日留川 凌央 編
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【日留川 凌央】
「……なんで、あんなことしたんだ」
どのことを言っているのかわからない。
俺は……考えるのをやめた。
真剣に考えればわかるかもしれないけど、めんどくさい。
【クロノ】
「その話はもういいだろ……今日は別件で来た」
【クロノ】
「言ったろ。俺は仕事でここに来てる」
日留川は、まだ何か言いたそうに口を動かしたが、やがて口を閉じる。
妙に聞き分けが良かったり、悪かったり。
そういうところが、少し子供っぽいなと思わせる要因の1つだろうか。
面白いと思うのも、からかい甲斐があると思うのも、少し可愛いなと思うのも。
きっとそのせいなんだと思う。
……ムカつくところもあるけどな。
【日留川 凌央】
「それで、何、話って」
妙に刺々しく聞き返されて、俺は口を曲げた。
【クロノ】
「なんでそんな言い方なわけ」
俺の返事に、日留川もまたムッとしたようだ。
【日留川 凌央】
「仕事で来たって、あんたがこれ見よがしに言うからだろ」
【クロノ】
「だって事実だし」
日留川が椅子を跳ね飛ばして立ち上がる。
【日留川 凌央】
「人の部屋に来ることを、仕事だからって釘刺すみたいに言われて―――」
【日留川 凌央】
「ムカつかない奴がいるわけないだろ!?」
【クロノ】
「……」
眼下の真剣な眼差しと目を合わせたまま、俺は暫し黙考した。
【クロノ】
「……つまりどういうこと。仕事じゃなくて、遊びに来たって言われた方が嬉しいってこと?」
日留川の顔色が茹でダコになる。
……図星だったらしい。
【日留川 凌央】
「だっ……!誰もそんなこと言ってませんー!」
【日留川 凌央】
「い、言われてもねえのに、勘違いしてやんの!!」
【日留川 凌央】
「じゃあ、仕事で来たんなら、そこの菓子食うなよ!」
【クロノ】
「菓子?」
どこからその話になったんだろう。
日留川はつっけんどんに、机の上に積んである箱菓子を指差す。
【日留川 凌央】
「通販サイトで1番人気だったやつ……即日お届けってシステムがこの世界にはあるんだよ」
【日留川 凌央】
「まあ、お前も仕事で来たんだから、俺も、接待してやるかな」
日留川は突然満足げにそう言った。……なんか、自分的には納得がいったらしい。
【クロノ】
「……」
よくわからないが、とにかく歓迎されているらしい。
【日留川 凌央】
「ゆ、幽霊だか死神だか知らないけど、も、ものは食えるんだよな!?」
【クロノ】
「一応言っておくけど、死神。あと栄養にはならないけど、味覚はあるから。食えるよ」
【日留川 凌央】
「コーヒーとか紅茶は飲めんの?砂糖とかミルクとかいるのかとか、ハッキリしてほしいんだけど」
【クロノ】
「……飲める。じゃあ、コーヒー……、ブラックで……」
そういうわけで俺は今、脅迫紛いのもてなしを受けている。
引きこもってるから、久し振りの客人にはしゃいでるんだろう。
目の前に、雑に置かれたお菓子と飲み物をしげしげと見つめていると。
食わないんなら俺が全部食うぞ、そもそも俺の為に頼んだものだからなと、涙目で断言されたため。
困惑しながら、ブラックコーヒーに口をつけた。
そして、穴が開くほど見詰められていることに気付いて、そろりと目を上げる。
そういえば、インスタントじゃなく、きちんとコーヒーメーカーで淹れてたな。
俺は日留川にこう言った。
【クロノ】
「美味いよ」
【日留川 凌央】
「は? 感想とか聞いてないし」
日留川は、いつも通りの口調のまま、少し嬉しそうな顔をした。
そして、いそいそとおかわりを淹れに行った。
まだ一口しか飲んでないのに、どれだけ飲ませる気なんだろう。
あ、すごい見られてる。これ、菓子も食べないといけない雰囲気だ……。
……………そして。
合計3杯のコーヒーを飲み干し、1ヶ月分くらいの糖分を摂取し終えた頃。
2人とも落ち着いて、ようやく本題に入れる雰囲気になった。
【クロノ】
「リビドー絡みの一連の事件だけど……、犯人が特定できたと思う」
日留川は少しだけ真面目な顔になった。
【日留川 凌央】
「へえ……誰」
【クロノ】
「俺の知り合いの死神だと思う」
【日留川 凌央】
「……なんでそう思ったの」
状況証拠をかいつまんで説明すると、日留川は紅茶を含んで1つ頷いた。
【日留川 凌央】
「なるほどね。よく調べたじゃん」
【クロノ】
「まあ、俺達の情報収集能力は、人間よりは高いと思う」
【日留川 凌央】
「なにそれ。人間のこと見下してんの?」
【クロノ】
「だって事実だし」
悔しそうに口をつぐんだ日留川に睨まれた。
【日留川 凌央】
「言っとくけど、まだあんたのこと信用したわけじゃないから。幽霊だか死神だか知らないけど」
【クロノ】
「その割には手厚くもてなしてもらって申し訳ない」
【日留川 凌央】
「っ!」
顔を近づけ、日留川の胸に手を添えてやると、身を引かれた。
逃げる肩をすかさず掴んで、告げる。
【クロノ】
「客が来たから嬉しいの? それとも、俺だから嬉しいの。どっち」
掌に感じる鼓動は高鳴っている。
【日留川 凌央】
「そ、そんなの……関係ないだろ。それに別にどっちもない」
今度こそ手を払われて、俺は小さく笑った。
【クロノ】
「相変わらず素直じゃない」
【日留川 凌央】
「―――っそんな話どうでもいい!事件の話だ!」
日留川は、取り繕うように咳をして、わざとらしく顔の前で手を組む。
そして仰々しく、低い声で言った。
【日留川 凌央】
「俺、今朝…管理人っぽい奴とparaisoで話した」
今朝、俺はそいつから接触を持たれた。
paraisoでのそいつのハンドルネームは『君の死神』。
平日の朝方ってこともあって、あんまり人はいなかった。
いつも通りチャットをしてる時、ふと見たことないHNの奴を見つけて。
どんな発言をする奴なのか様子を見てたんだけど。
俺と同じように、煽るような発言を数回したくらいで。
あまり頻繁に発言するやつじゃないみたいだった。
そろそろ退室しようかなって思った頃。
チャットの全ての機能を駆使して、ログを消したり改変したりしてるのを偶然見ちゃってさ。
管理人が何かやってるんだと思った。
だけど、その時発言があったんだ。『君の死神』から。
―――見てるんだろ?【イクシード】さん。
―――少しお話しよう。シークレットモードにしてあげる。
―――他の奴には読めないから、2人だけでナイショの話ができる。
ああ、こりゃ確実に管理人だなって思ったよ。
その時には俺は、ログアウトしてたからね。
それでそいつに別室に招待されて、俺達はチャットを始めた。
あんた、結構凄腕のハッカーでもあったんだね?
なんで?www
アタックかけたり、管理権奪取しようとしたりした痕跡が残ってたよ。あんたのPCからのね
ばれてたwwwww
人間のくせにいい腕してるよね
それはどうもwwwで?www アカバンする?www
するわけないね。楽しいから。楽しければなんでもいい。あんたもそうでしょ?
まあねwwwww
【日留川 凌央】
「今考えれば、『人間のくせにいい腕してるよね』っていう言い回しも、しっくりくる」
【日留川 凌央】
「だって、あんたの知り合いの死神が犯人かもしれないんだもんな?」
【クロノ】
「……そうだな」
自称死神は、俺の話を聞いて何やら考えこんでるようだった。
伏し目がちに、真剣な顔をしてる顔を見て、ふと思う。
初めて会った時から思ってたけど、こいつって美形だよな。
……いや、そんなことはどうでもいい。
今、俺の顔は絶対赤い。
それに気付かれる前に、慌てて俯き顔を隠す。
そして俺は、あの時のチャットの続きのことを思い出していた……
そうだ。あんただけに特別に教えてあげようか
他のヤツが見てたくだらない夢の中身
なんでそんなの見れんのwwwあんたwww
そりゃ死神だからね
俺は自分の体を抱きしめながら、あの時の会話を思い出す。
気のない相槌を打ちながら、下半身が熱くなるのを感じていた時のことを……。
「……なんで、あんなことしたんだ」
どのことを言っているのかわからない。
俺は……考えるのをやめた。
真剣に考えればわかるかもしれないけど、めんどくさい。
【クロノ】
「その話はもういいだろ……今日は別件で来た」
【クロノ】
「言ったろ。俺は仕事でここに来てる」
日留川は、まだ何か言いたそうに口を動かしたが、やがて口を閉じる。
妙に聞き分けが良かったり、悪かったり。
そういうところが、少し子供っぽいなと思わせる要因の1つだろうか。
面白いと思うのも、からかい甲斐があると思うのも、少し可愛いなと思うのも。
きっとそのせいなんだと思う。
……ムカつくところもあるけどな。
【日留川 凌央】
「それで、何、話って」
妙に刺々しく聞き返されて、俺は口を曲げた。
【クロノ】
「なんでそんな言い方なわけ」
俺の返事に、日留川もまたムッとしたようだ。
【日留川 凌央】
「仕事で来たって、あんたがこれ見よがしに言うからだろ」
【クロノ】
「だって事実だし」
日留川が椅子を跳ね飛ばして立ち上がる。
【日留川 凌央】
「人の部屋に来ることを、仕事だからって釘刺すみたいに言われて―――」
【日留川 凌央】
「ムカつかない奴がいるわけないだろ!?」
【クロノ】
「……」
眼下の真剣な眼差しと目を合わせたまま、俺は暫し黙考した。
【クロノ】
「……つまりどういうこと。仕事じゃなくて、遊びに来たって言われた方が嬉しいってこと?」
日留川の顔色が茹でダコになる。
……図星だったらしい。
【日留川 凌央】
「だっ……!誰もそんなこと言ってませんー!」
【日留川 凌央】
「い、言われてもねえのに、勘違いしてやんの!!」
【日留川 凌央】
「じゃあ、仕事で来たんなら、そこの菓子食うなよ!」
【クロノ】
「菓子?」
どこからその話になったんだろう。
日留川はつっけんどんに、机の上に積んである箱菓子を指差す。
【日留川 凌央】
「通販サイトで1番人気だったやつ……即日お届けってシステムがこの世界にはあるんだよ」
【日留川 凌央】
「まあ、お前も仕事で来たんだから、俺も、接待してやるかな」
日留川は突然満足げにそう言った。……なんか、自分的には納得がいったらしい。
【クロノ】
「……」
よくわからないが、とにかく歓迎されているらしい。
【日留川 凌央】
「ゆ、幽霊だか死神だか知らないけど、も、ものは食えるんだよな!?」
【クロノ】
「一応言っておくけど、死神。あと栄養にはならないけど、味覚はあるから。食えるよ」
【日留川 凌央】
「コーヒーとか紅茶は飲めんの?砂糖とかミルクとかいるのかとか、ハッキリしてほしいんだけど」
【クロノ】
「……飲める。じゃあ、コーヒー……、ブラックで……」
そういうわけで俺は今、脅迫紛いのもてなしを受けている。
引きこもってるから、久し振りの客人にはしゃいでるんだろう。
目の前に、雑に置かれたお菓子と飲み物をしげしげと見つめていると。
食わないんなら俺が全部食うぞ、そもそも俺の為に頼んだものだからなと、涙目で断言されたため。
困惑しながら、ブラックコーヒーに口をつけた。
そして、穴が開くほど見詰められていることに気付いて、そろりと目を上げる。
そういえば、インスタントじゃなく、きちんとコーヒーメーカーで淹れてたな。
俺は日留川にこう言った。
【クロノ】
「美味いよ」
【日留川 凌央】
「は? 感想とか聞いてないし」
日留川は、いつも通りの口調のまま、少し嬉しそうな顔をした。
そして、いそいそとおかわりを淹れに行った。
まだ一口しか飲んでないのに、どれだけ飲ませる気なんだろう。
あ、すごい見られてる。これ、菓子も食べないといけない雰囲気だ……。
……………そして。
合計3杯のコーヒーを飲み干し、1ヶ月分くらいの糖分を摂取し終えた頃。
2人とも落ち着いて、ようやく本題に入れる雰囲気になった。
【クロノ】
「リビドー絡みの一連の事件だけど……、犯人が特定できたと思う」
日留川は少しだけ真面目な顔になった。
【日留川 凌央】
「へえ……誰」
【クロノ】
「俺の知り合いの死神だと思う」
【日留川 凌央】
「……なんでそう思ったの」
状況証拠をかいつまんで説明すると、日留川は紅茶を含んで1つ頷いた。
【日留川 凌央】
「なるほどね。よく調べたじゃん」
【クロノ】
「まあ、俺達の情報収集能力は、人間よりは高いと思う」
【日留川 凌央】
「なにそれ。人間のこと見下してんの?」
【クロノ】
「だって事実だし」
悔しそうに口をつぐんだ日留川に睨まれた。
【日留川 凌央】
「言っとくけど、まだあんたのこと信用したわけじゃないから。幽霊だか死神だか知らないけど」
【クロノ】
「その割には手厚くもてなしてもらって申し訳ない」
【日留川 凌央】
「っ!」
顔を近づけ、日留川の胸に手を添えてやると、身を引かれた。
逃げる肩をすかさず掴んで、告げる。
【クロノ】
「客が来たから嬉しいの? それとも、俺だから嬉しいの。どっち」
掌に感じる鼓動は高鳴っている。
【日留川 凌央】
「そ、そんなの……関係ないだろ。それに別にどっちもない」
今度こそ手を払われて、俺は小さく笑った。
【クロノ】
「相変わらず素直じゃない」
【日留川 凌央】
「―――っそんな話どうでもいい!事件の話だ!」
日留川は、取り繕うように咳をして、わざとらしく顔の前で手を組む。
そして仰々しく、低い声で言った。
【日留川 凌央】
「俺、今朝…管理人っぽい奴とparaisoで話した」
今朝、俺はそいつから接触を持たれた。
paraisoでのそいつのハンドルネームは『君の死神』。
平日の朝方ってこともあって、あんまり人はいなかった。
いつも通りチャットをしてる時、ふと見たことないHNの奴を見つけて。
どんな発言をする奴なのか様子を見てたんだけど。
俺と同じように、煽るような発言を数回したくらいで。
あまり頻繁に発言するやつじゃないみたいだった。
そろそろ退室しようかなって思った頃。
チャットの全ての機能を駆使して、ログを消したり改変したりしてるのを偶然見ちゃってさ。
管理人が何かやってるんだと思った。
だけど、その時発言があったんだ。『君の死神』から。
―――見てるんだろ?【イクシード】さん。
―――少しお話しよう。シークレットモードにしてあげる。
―――他の奴には読めないから、2人だけでナイショの話ができる。
ああ、こりゃ確実に管理人だなって思ったよ。
その時には俺は、ログアウトしてたからね。
それでそいつに別室に招待されて、俺達はチャットを始めた。
あんた、結構凄腕のハッカーでもあったんだね?
なんで?www
アタックかけたり、管理権奪取しようとしたりした痕跡が残ってたよ。あんたのPCからのね
ばれてたwwwww
人間のくせにいい腕してるよね
それはどうもwwwで?www アカバンする?www
するわけないね。楽しいから。楽しければなんでもいい。あんたもそうでしょ?
まあねwwwww
【日留川 凌央】
「今考えれば、『人間のくせにいい腕してるよね』っていう言い回しも、しっくりくる」
【日留川 凌央】
「だって、あんたの知り合いの死神が犯人かもしれないんだもんな?」
【クロノ】
「……そうだな」
自称死神は、俺の話を聞いて何やら考えこんでるようだった。
伏し目がちに、真剣な顔をしてる顔を見て、ふと思う。
初めて会った時から思ってたけど、こいつって美形だよな。
……いや、そんなことはどうでもいい。
今、俺の顔は絶対赤い。
それに気付かれる前に、慌てて俯き顔を隠す。
そして俺は、あの時のチャットの続きのことを思い出していた……
そうだ。あんただけに特別に教えてあげようか
他のヤツが見てたくだらない夢の中身
なんでそんなの見れんのwwwあんたwww
そりゃ死神だからね
俺は自分の体を抱きしめながら、あの時の会話を思い出す。
気のない相槌を打ちながら、下半身が熱くなるのを感じていた時のことを……。
