[本編] 日留川 凌央 編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
化物は一瞬動きを止め、呆気なく塵となって消え去った。
同時に、教室も元通りになり、日留川は床の上に寝ていた。
それを確認してから、日留川の元へと降り立つ。
【クロノ】
「おい、起きろ」
【日留川 凌央】
「……」
日留川を抱き起こし、頬を叩くと目は開いた。
だがその目は俺を映していない。
さっきのことがショックで、また自分の殻に閉じこもっているんだろうか。
【クロノ】
「聞こえてる?おい、大丈夫か」
目の前で手を振ってみるが―――やっぱり瞬きもしない。
……とりあえず、目が乾くといけないので瞼を下ろしてやる。
周囲を見渡すと、誰もいない教室が音もなく赤い夕焼けに染まっていた。
化物が現れる気配はないように思えた。
少しの間なら、ここに放置しておいても問題ないだろう。
地面に再び寝かせて、立ち上がる。
【クロノ】
「もうあいつらは消えた。けど、またいつ化物が襲ってくるかわからない」
【クロノ】
「お前も早く、ここから出ることだ」
【クロノ】
「出れないなら、俺が向こうから起こしてやるから、待ってろ」
聞こえてるかどうかはわからないが、とりあえずそう告げて、俺は宙に舞い上がる。
目覚めてすぐに、日留川を起こそうと試みたが、やはり眠りの深さが異常だ。
じいに言われた通りに、自分のリビドーの裏スイッチを押してみる。
……だけど、何も起こらない。
操作の仕方を間違えたか?
だけどじいから教えられた手順は、間違えるほど複雑じゃなかった。
困惑していると、じいが目の前に現れた。
そして、俺が何か言う前に、日留川に駆け寄って状態を確認してくれた。
【アンク】
「これは…。申し訳ございません、脳波装置だけでは無理なようです」
【アンク】
「勝手をお許しください、こんなこともあろうかと、クロノ様の体にとある仕掛けを致しました」
【アンク】
「人命救助と思って、口から口へ、何かを流し込むよう意識しながら接触してみてください」
【アンク】
「見られていては集中できないと思われますので、それでは!」
質問する間もなく、じいは一方的に告げて消えた。
いつの間に、俺は何をされたんだろう……。
そう思ったが、相手はじいだ。悩んでも仕方ない。
……よくわからないけど、とりあえずキスすれば良いってことだよな。
何かを流し込むように意識しながら口付ける。
日留川の唇が冷たかったので、あたためてやりたくなる。
【クロノ】
「ん……」
唇を擦り合わせるようにする。日留川の唇はやわらかくて、気持ち良かった。
唇を離して、ちょっとイタズラしてやろうかなと思った時、日留川の目が開いた。
随分顔が近い状態で目覚めたことに戸惑っていたようが、日留川は何も言わずに起き上がってPCに向かう。
【クロノ】
「……さっきはごめん。言い過ぎた」
【日留川 凌央】
「……別に」
【クロノ】
「気にしてないならこっちを見ろ」
声をかけるが、俺に背を向けたまま、キーを叩き続ける。
なので、イスを回して無理やり目を合わせた。
日留川は拗ねたような顔で目を逸らしていたが、俺が何も言わないでいると、恐る恐る目を合わせてきた。
こういう表情は、素直で可愛いのに、どうして普段はああかな。
そうは思うけど、そんな事を言って、こいつにまた拗ねられても困る。
【クロノ】
「助けが遅れたことも、許す?」
夢でのことを思い出したらしく、日留川が身震いをして―――冷静な顔に戻る。
【日留川 凌央】
「しつこい。許すもなにも、気にしてないって言ってんじゃん」
【クロノ】
「なら良かった。俺、お前のこと結構気に入ってるから」
日留川は不思議そうに目をぱちくりさせて、何かを言おうとしてやめ、目を逸らした。
その後、日留川が再び眠りにつくのを見守って、部屋に戻った。
じいが事の次第を聞き、随分仲良くおなりに、と笑ったので。
多少気に入っただけで、深入りするつもりはないと、答えておいた。
そう。俺は、誰にも深入りなんかしない。
絶対に――。
そう思うと、むせかえるような金木犀の濃い匂いが、香ったような気がした。
―日留川1章・NORMAL END―
同時に、教室も元通りになり、日留川は床の上に寝ていた。
それを確認してから、日留川の元へと降り立つ。
【クロノ】
「おい、起きろ」
【日留川 凌央】
「……」
日留川を抱き起こし、頬を叩くと目は開いた。
だがその目は俺を映していない。
さっきのことがショックで、また自分の殻に閉じこもっているんだろうか。
【クロノ】
「聞こえてる?おい、大丈夫か」
目の前で手を振ってみるが―――やっぱり瞬きもしない。
……とりあえず、目が乾くといけないので瞼を下ろしてやる。
周囲を見渡すと、誰もいない教室が音もなく赤い夕焼けに染まっていた。
化物が現れる気配はないように思えた。
少しの間なら、ここに放置しておいても問題ないだろう。
地面に再び寝かせて、立ち上がる。
【クロノ】
「もうあいつらは消えた。けど、またいつ化物が襲ってくるかわからない」
【クロノ】
「お前も早く、ここから出ることだ」
【クロノ】
「出れないなら、俺が向こうから起こしてやるから、待ってろ」
聞こえてるかどうかはわからないが、とりあえずそう告げて、俺は宙に舞い上がる。
目覚めてすぐに、日留川を起こそうと試みたが、やはり眠りの深さが異常だ。
じいに言われた通りに、自分のリビドーの裏スイッチを押してみる。
……だけど、何も起こらない。
操作の仕方を間違えたか?
だけどじいから教えられた手順は、間違えるほど複雑じゃなかった。
困惑していると、じいが目の前に現れた。
そして、俺が何か言う前に、日留川に駆け寄って状態を確認してくれた。
【アンク】
「これは…。申し訳ございません、脳波装置だけでは無理なようです」
【アンク】
「勝手をお許しください、こんなこともあろうかと、クロノ様の体にとある仕掛けを致しました」
【アンク】
「人命救助と思って、口から口へ、何かを流し込むよう意識しながら接触してみてください」
【アンク】
「見られていては集中できないと思われますので、それでは!」
質問する間もなく、じいは一方的に告げて消えた。
いつの間に、俺は何をされたんだろう……。
そう思ったが、相手はじいだ。悩んでも仕方ない。
……よくわからないけど、とりあえずキスすれば良いってことだよな。
何かを流し込むように意識しながら口付ける。
日留川の唇が冷たかったので、あたためてやりたくなる。
【クロノ】
「ん……」
唇を擦り合わせるようにする。日留川の唇はやわらかくて、気持ち良かった。
唇を離して、ちょっとイタズラしてやろうかなと思った時、日留川の目が開いた。
随分顔が近い状態で目覚めたことに戸惑っていたようが、日留川は何も言わずに起き上がってPCに向かう。
【クロノ】
「……さっきはごめん。言い過ぎた」
【日留川 凌央】
「……別に」
【クロノ】
「気にしてないならこっちを見ろ」
声をかけるが、俺に背を向けたまま、キーを叩き続ける。
なので、イスを回して無理やり目を合わせた。
日留川は拗ねたような顔で目を逸らしていたが、俺が何も言わないでいると、恐る恐る目を合わせてきた。
こういう表情は、素直で可愛いのに、どうして普段はああかな。
そうは思うけど、そんな事を言って、こいつにまた拗ねられても困る。
【クロノ】
「助けが遅れたことも、許す?」
夢でのことを思い出したらしく、日留川が身震いをして―――冷静な顔に戻る。
【日留川 凌央】
「しつこい。許すもなにも、気にしてないって言ってんじゃん」
【クロノ】
「なら良かった。俺、お前のこと結構気に入ってるから」
日留川は不思議そうに目をぱちくりさせて、何かを言おうとしてやめ、目を逸らした。
その後、日留川が再び眠りにつくのを見守って、部屋に戻った。
じいが事の次第を聞き、随分仲良くおなりに、と笑ったので。
多少気に入っただけで、深入りするつもりはないと、答えておいた。
そう。俺は、誰にも深入りなんかしない。
絶対に――。
そう思うと、むせかえるような金木犀の濃い匂いが、香ったような気がした。
―日留川1章・NORMAL END―
