[本編] 春川 樹生 編
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【春川 樹生】
「…………」
昼間の探偵の事もあってか、春川は頑なに口を閉ざしている。
【クロノ】
「なんとか言ってくれないと、ずっとここにいることになるけど?」
【春川 樹生】
「……帰ってくれ」
【クロノ】
「嫌だね。あんたこそ、さっさと夢から出て来い」
【クロノ】
「昨日、見たんだろ?……悪夢」
【春川 樹生】
「……っ……!」
【春川 樹生】
「なんで……、知ってんだ」
【クロノ】
「そろそろマズいって、あんたも分かってるんだろ」
【クロノ】
「なんでやめようと思わないの?」
【春川 樹生】
「……ここに居るのが一番幸せなんだよ」
【春川 樹生】
「いいから、もう出て行ってくれ」
春川が悲しみの表情を見せた時―――弟が身を乗り出してくる。
【春川 生汰】
「お兄ちゃんを取る気でしょ?そんなの許さないよ……」
立ち上がった弟は、焦点の合っていない目で俺を睨んでいた。
【春川 生汰】
「お兄ちゃんは僕のものだ」
【クロノ】
「たがか夢の登場人物が、生身の人間を縛るつもり?」
【春川 生汰】
「お兄ちゃんは僕のものだぼくのものだぼくのものだぼくのものだ」
呪詛のような響きで、弟が呟く。耳障りな機械音が、その響きに混じっていく。
……異様な光景だった。
【クロノ】
「まさか……もう悪夢が始まった……?」
【春川 生汰】
「ボクノモノダボクノモノダボクノノノノノノノノノノノノノ」
もはや言葉として不完全な「音」を発しながら、今まで弟だったものの輪郭がグロテスクに崩れていく。
膨張し、ねじれ、変形していく。
【春川 樹生】
「なんだよ……コレ!何が起こってんだ……!」
立ち上がった春川が、真っ青な顔をしてじりじりと後ずさる。……醜い姿になった弟の傍から。
世界がぐにゃりと歪み、どんどん不安定になっていくのが分かる。
さすがの俺でも、この光景は見るに耐えなくて、ため息を吐いた。
【クロノ】
「これが悪夢の中か……おぞましいな」
悪夢を終わらせるには―――夢の『綻び』を破壊することだ。
俺は手を開き、粒子を寄り集めて、死神の鎌を作った。
【春川 樹生】
「死神……!それ、どうするつもりだよ!」
【クロノ】
「これで悪夢を終わらせる」
悪夢の始まりは……春川の弟。
蠢く怪物の体を観察すると、一点、胴に靄のようになった部分を発見する。
【クロノ】
「……あそこか……?!」
瞬間移動で弟に近付き、靄に鎌をえぐり込むように突き刺す。
【春川 生汰】
「イタイイタイイタイイタイイタイイイイイ」
【春川 樹生】
「やめろ!! 死神!生汰を傷つけるな!」
奇声を上げたずぶずぶと崩れていく怪物が、そのまま燃えカスのように縮み、消えていく。
安心したのもつかの間、世界の歪みは進行を続けていた。
【春川 樹生】
「生汰が………消えた……」
【春川 樹生】
「なんで……!どうしてだよ………!」
がっくりと膝をついた春川には、周りの状況が見えていないのだろう。
【クロノ】
(綻びをほどいたけど、悪夢はまだ続いてる……)
【クロノ】
(なら現実世界の方から、目を覚まさせてみよう)
夢から戻ってすぐに、ベッドの上でうなされている春川の傍に座った。
うなされている春川の様子を見ながら、新型リビドーに追加されたスイッチを入れる。
これで安全な脳波が送られるはず。
【春川 樹生】
「……はあ……はあ……っはあ…………」
【クロノ】
(少しは効いてるみたいだけど、気休めにしかなってないみたいだ……)
【クロノ】
「これは……覚醒するまではいかないのか?」
【アンク】
「やはり、脳波装置だけでは無理でしたか……」
【クロノ】
「じい、いたの…。これ、どういうことか詳しく説明してくれない?」
じいは肩を落としながら、言う。
【アンク】
「その装置も、まだ完全ではありません。覚醒には外部からの刺激が必要のようです……」
【クロノ】
「どういうこと?全く意味が分からないんだけど。はっきり言って」
【アンク】
「勝手をお許し下さい。こんなこともあろうかと、クロノ様の体にとある仕掛けをいたしました」
【アンク】
「クロノ様の口から春川さんの口へ…何かを流し込むよう意識しながら接触して下さいませ」
【アンク】
「きっと春川さんは目を覚まされる事でしょう」
【クロノ】
「……人工呼吸みたいな?つまりキスしろってこと?」
【アンク】
「さようでございます。人命救助と思って、どうか……!」
【アンク】
「他人の目があると気が散るでしょうからな、私めは一旦お暇致します」
じいは丁寧な一礼をしてから、ふっと消える。
【クロノ】
(…って、どんな仕掛けをしたんだ?変な事されてないよな…?)
どんな仕掛けをされたのか気になりつつも……。
【クロノ】
「…今は目覚めさせるのが先、か」
【クロノ】
「起こすたびにキスが必要か、……全く、手のかかるお姫様だ」
やれやれ……と、屈んで、早く目覚めろと念じながら、春川に口づけする。
唇が触れ合う柔らかな感触。乱れた息。熱くなった体温。
徐々に、春川の呼吸が静かになっていくのがわかった。
【春川 樹生】
「……!!あんた、死神……!」
目を開いた春川は、近くに俺の顔があるのに驚いていたけど。
その顔もすぐ、怒りと悲しみの色に染まっていった。
【春川 樹生】
「あいつ、死んだのか?あんたが……いや、ちがう。
オレがまた……生汰を……!」
そのまま頭を抱え込んでしまう。
悪夢から覚めたばかりの状態で自責の念に襲われ、パニックになってるみたいだ。
【クロノ】
「おい、大丈夫……?」
【春川 樹生】
「……はあ…っ……はあっ……なんか、苦しっ……」
ぜえぜえと肩を上下させて喘いでいる。これは過呼吸の状態か。
【クロノ】
「仕方ない……落ち着くまでこうしててやる」
俺は春川を引き寄せ、呼吸にあえぐ唇を無理矢理奪うように―――もう一度キスをした。
「…………」
昼間の探偵の事もあってか、春川は頑なに口を閉ざしている。
【クロノ】
「なんとか言ってくれないと、ずっとここにいることになるけど?」
【春川 樹生】
「……帰ってくれ」
【クロノ】
「嫌だね。あんたこそ、さっさと夢から出て来い」
【クロノ】
「昨日、見たんだろ?……悪夢」
【春川 樹生】
「……っ……!」
【春川 樹生】
「なんで……、知ってんだ」
【クロノ】
「そろそろマズいって、あんたも分かってるんだろ」
【クロノ】
「なんでやめようと思わないの?」
【春川 樹生】
「……ここに居るのが一番幸せなんだよ」
【春川 樹生】
「いいから、もう出て行ってくれ」
春川が悲しみの表情を見せた時―――弟が身を乗り出してくる。
【春川 生汰】
「お兄ちゃんを取る気でしょ?そんなの許さないよ……」
立ち上がった弟は、焦点の合っていない目で俺を睨んでいた。
【春川 生汰】
「お兄ちゃんは僕のものだ」
【クロノ】
「たがか夢の登場人物が、生身の人間を縛るつもり?」
【春川 生汰】
「お兄ちゃんは僕のものだぼくのものだぼくのものだぼくのものだ」
呪詛のような響きで、弟が呟く。耳障りな機械音が、その響きに混じっていく。
……異様な光景だった。
【クロノ】
「まさか……もう悪夢が始まった……?」
【春川 生汰】
「ボクノモノダボクノモノダボクノノノノノノノノノノノノノ」
もはや言葉として不完全な「音」を発しながら、今まで弟だったものの輪郭がグロテスクに崩れていく。
膨張し、ねじれ、変形していく。
【春川 樹生】
「なんだよ……コレ!何が起こってんだ……!」
立ち上がった春川が、真っ青な顔をしてじりじりと後ずさる。……醜い姿になった弟の傍から。
世界がぐにゃりと歪み、どんどん不安定になっていくのが分かる。
さすがの俺でも、この光景は見るに耐えなくて、ため息を吐いた。
【クロノ】
「これが悪夢の中か……おぞましいな」
悪夢を終わらせるには―――夢の『綻び』を破壊することだ。
俺は手を開き、粒子を寄り集めて、死神の鎌を作った。
【春川 樹生】
「死神……!それ、どうするつもりだよ!」
【クロノ】
「これで悪夢を終わらせる」
悪夢の始まりは……春川の弟。
蠢く怪物の体を観察すると、一点、胴に靄のようになった部分を発見する。
【クロノ】
「……あそこか……?!」
瞬間移動で弟に近付き、靄に鎌をえぐり込むように突き刺す。
【春川 生汰】
「イタイイタイイタイイタイイタイイイイイ」
【春川 樹生】
「やめろ!! 死神!生汰を傷つけるな!」
奇声を上げたずぶずぶと崩れていく怪物が、そのまま燃えカスのように縮み、消えていく。
安心したのもつかの間、世界の歪みは進行を続けていた。
【春川 樹生】
「生汰が………消えた……」
【春川 樹生】
「なんで……!どうしてだよ………!」
がっくりと膝をついた春川には、周りの状況が見えていないのだろう。
【クロノ】
(綻びをほどいたけど、悪夢はまだ続いてる……)
【クロノ】
(なら現実世界の方から、目を覚まさせてみよう)
夢から戻ってすぐに、ベッドの上でうなされている春川の傍に座った。
うなされている春川の様子を見ながら、新型リビドーに追加されたスイッチを入れる。
これで安全な脳波が送られるはず。
【春川 樹生】
「……はあ……はあ……っはあ…………」
【クロノ】
(少しは効いてるみたいだけど、気休めにしかなってないみたいだ……)
【クロノ】
「これは……覚醒するまではいかないのか?」
【アンク】
「やはり、脳波装置だけでは無理でしたか……」
【クロノ】
「じい、いたの…。これ、どういうことか詳しく説明してくれない?」
じいは肩を落としながら、言う。
【アンク】
「その装置も、まだ完全ではありません。覚醒には外部からの刺激が必要のようです……」
【クロノ】
「どういうこと?全く意味が分からないんだけど。はっきり言って」
【アンク】
「勝手をお許し下さい。こんなこともあろうかと、クロノ様の体にとある仕掛けをいたしました」
【アンク】
「クロノ様の口から春川さんの口へ…何かを流し込むよう意識しながら接触して下さいませ」
【アンク】
「きっと春川さんは目を覚まされる事でしょう」
【クロノ】
「……人工呼吸みたいな?つまりキスしろってこと?」
【アンク】
「さようでございます。人命救助と思って、どうか……!」
【アンク】
「他人の目があると気が散るでしょうからな、私めは一旦お暇致します」
じいは丁寧な一礼をしてから、ふっと消える。
【クロノ】
(…って、どんな仕掛けをしたんだ?変な事されてないよな…?)
どんな仕掛けをされたのか気になりつつも……。
【クロノ】
「…今は目覚めさせるのが先、か」
【クロノ】
「起こすたびにキスが必要か、……全く、手のかかるお姫様だ」
やれやれ……と、屈んで、早く目覚めろと念じながら、春川に口づけする。
唇が触れ合う柔らかな感触。乱れた息。熱くなった体温。
徐々に、春川の呼吸が静かになっていくのがわかった。
【春川 樹生】
「……!!あんた、死神……!」
目を開いた春川は、近くに俺の顔があるのに驚いていたけど。
その顔もすぐ、怒りと悲しみの色に染まっていった。
【春川 樹生】
「あいつ、死んだのか?あんたが……いや、ちがう。
オレがまた……生汰を……!」
そのまま頭を抱え込んでしまう。
悪夢から覚めたばかりの状態で自責の念に襲われ、パニックになってるみたいだ。
【クロノ】
「おい、大丈夫……?」
【春川 樹生】
「……はあ…っ……はあっ……なんか、苦しっ……」
ぜえぜえと肩を上下させて喘いでいる。これは過呼吸の状態か。
【クロノ】
「仕方ない……落ち着くまでこうしててやる」
俺は春川を引き寄せ、呼吸にあえぐ唇を無理矢理奪うように―――もう一度キスをした。
