[本編] 浅多 侑思 編
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【クロノ】
「……っ、ごめん、もうちょとだけ付き合って」
【浅多 侑思】
「待て、待っ……、敏感に…、なっ、あ、ああああっ……!」
【クロノ】
「はあ……あっ……」
グチャグチャになったまま、俺達は何度も交わった。
疲れきって少し眠ってしまっても、目を覚ましたらすぐにまた抱き合った。
頭がおかしくなりそうなくらい、気持ちよくて、幸せだった。
そして――。
【浅多 侑思】
「本当に腰が立たなくなったんだが、どうしてくれるんだ?」
【クロノ】
「寝ていればいいんじゃない?」
【浅多 侑思】
「そんなわけにいくか!!全く……
シーツもこんなにぐしゃぐしゃにして…」
【クロノ】
「替えればいいだろ?」
【浅多 侑思】
「腰がだるくて立てないんだ!」
俺は、ベッドに横になったまま侑思と話していた。
何から説明したらいいのか考えていると、侑思が少しむくれた顔で、聞いてくる。
【浅多 侑思】
「で、どういうことなんだ?人間界で暮らしてもいい、というのは……」
【クロノ】
「どういうことも何も、そのまんまの意味。死神のまま、暮らしてみろって」
【浅多 侑思】
「……そうだったのか」
【クロノ】
「うん。……だから、ずっと一緒にいる」
侑思の頬に赤みが増した。照れ屋なところは、
これからも変わらないだろうなと思う。
【浅多 侑思】
「それなら……ちょくちょく死神界に
戻ることになるのか?」
【クロノ】
「死神の仕事がある時は戻るけど。……俺の家は、ここになるわけだし」
【浅多 侑思】
「そ、そうか」
侑思は口元がほころびかけたのを、慌てて直す。
相変わらず意地っ張りだ。
【クロノ】
「うん。でも、死神の仕事って毎日あるわけじゃないから」
【クロノ】
「俺、人間界でも仕事、してみようかなと思ってるんだけど」
――それから、数年後
侑思はどんどん出世して、今では若くして部長になっている。
例の後輩も帰国して、浅多の下に付いている。
多くの後輩、同僚にも慕われている。
【女子社員】
「浅多さんって……カノジョ、いらっしゃるんですか?」
【浅多 侑思】
「……婚約者がいるよ。そんなことより君、この間のプレゼンは…」
【吉岡】
「浅多さん!例の会社から、
受注OKの返事が来ました!」
【浅多 侑思】
「そうか。ありがとう。よく頑張ってくれた。僕も鼻が高いよ」
そして、俺はと言うと―――
【女子社員】
「黒乃さん!クッキー作ってきたんですけど、
いかがですか?」
【クロノ】
「え? ありがとう。いただきます」
【女子社員】
「お仕事の方は慣れましたか?」
【クロノ】
「まあ、ぼちぼち……」
【女子社員】
「でも、さすがですよ!」
【女子社員】
「浅多さんのご紹介で入社されてから、あっという間に部長代理ですもの」
【クロノ】
「それほどでも。……あ、侑思 、先日の予算だけど…」
侑思に紹介されて、同じ職場で働いているわけだ。
最初は興味本位で、あんまりヤル気はなかったんだけど。
仕事が意外に面白くて、気が付いたら侑思と一緒に
ここまでの地位になっていた。
【アンク】
「クロノ様、楽しくやっておられるようですな」
他の人には見えないように姿を現したじいが、
ニコニコ笑いながら近付いてきた。
【クロノ】
「あ、じい。もしかして、死神の方の仕事?」
【アンク】
「はい、3日後の深夜に老衰で
逝かれる方がいらっしゃいますので……」
【クロノ】
「分かった。夜に行く」
こうやって、死神の仕事もちゃんと続けている。
会社の屋上で、空を眺めている侑思を見かけた。
近寄っていって肩を叩くと、柔らかい表情で振り返ってくれる。
【クロノ】
「何ぼんやりしてんの?」
【浅多 侑思】
「いや、少し、空を見ていた」
【クロノ】
「ふーん」
【浅多 侑思】
「……お前は、あの空の向こうから来たのか?」
【クロノ】
「違うよ。別の世界からって言った方が、正しいかも」
【浅多 侑思】
「そうか……」
【クロノ】
「何? 突然」
【浅多 侑思】
「いや、お前が来て、全てが変わったなと思っただけだ」
【浅多 侑思】
「リビドーを使っていたときの僕は、本当にどうしようもない、
鬱々とした奴だった」
【浅多 侑思】
「変えてくれたのはお前だ。……感謝してもし足りない」
【クロノ】
「何だか妙に素直なんだけど。明日は槍でも降るのか?」
【浅多 侑思】
「たまにはいいだろう」
侑思がそっと、俺の手を握る。繋いだ手から、ぬくもりが伝わってくる。
【浅多 侑思】
「それで……実は、死神について調べたんだ。この間」
【クロノ】
「うん、何だって?」
【浅多 侑思】
「死神には、生き物を生まれ変わらせる力もあるらしい。
死と誕生は表裏一体の関係だと」
【浅多 侑思】
「だとしたら、やはりお前はすこぶる腕のいい死神
なんだろうなと、思った」
【浅多 侑思】
「僕は生まれ変わったように、新しい気持ちでいられるようになったから」
【クロノ】
「褒めすぎじゃない?」
【浅多 侑思】
「本心だ」
俺は繋いだ侑思の手を、ぎゅっと握り締めた。
これからもこうやって、一緒に隣で歩いていけたらと思う。
真昼の太陽の光が、俺達を照らしていた。
―浅多3章・HAPPY END―
「……っ、ごめん、もうちょとだけ付き合って」
【浅多 侑思】
「待て、待っ……、敏感に…、なっ、あ、ああああっ……!」
【クロノ】
「はあ……あっ……」
グチャグチャになったまま、俺達は何度も交わった。
疲れきって少し眠ってしまっても、目を覚ましたらすぐにまた抱き合った。
頭がおかしくなりそうなくらい、気持ちよくて、幸せだった。
そして――。
【浅多 侑思】
「本当に腰が立たなくなったんだが、どうしてくれるんだ?」
【クロノ】
「寝ていればいいんじゃない?」
【浅多 侑思】
「そんなわけにいくか!!全く……
シーツもこんなにぐしゃぐしゃにして…」
【クロノ】
「替えればいいだろ?」
【浅多 侑思】
「腰がだるくて立てないんだ!」
俺は、ベッドに横になったまま侑思と話していた。
何から説明したらいいのか考えていると、侑思が少しむくれた顔で、聞いてくる。
【浅多 侑思】
「で、どういうことなんだ?人間界で暮らしてもいい、というのは……」
【クロノ】
「どういうことも何も、そのまんまの意味。死神のまま、暮らしてみろって」
【浅多 侑思】
「……そうだったのか」
【クロノ】
「うん。……だから、ずっと一緒にいる」
侑思の頬に赤みが増した。照れ屋なところは、
これからも変わらないだろうなと思う。
【浅多 侑思】
「それなら……ちょくちょく死神界に
戻ることになるのか?」
【クロノ】
「死神の仕事がある時は戻るけど。……俺の家は、ここになるわけだし」
【浅多 侑思】
「そ、そうか」
侑思は口元がほころびかけたのを、慌てて直す。
相変わらず意地っ張りだ。
【クロノ】
「うん。でも、死神の仕事って毎日あるわけじゃないから」
【クロノ】
「俺、人間界でも仕事、してみようかなと思ってるんだけど」
――それから、数年後
侑思はどんどん出世して、今では若くして部長になっている。
例の後輩も帰国して、浅多の下に付いている。
多くの後輩、同僚にも慕われている。
【女子社員】
「浅多さんって……カノジョ、いらっしゃるんですか?」
【浅多 侑思】
「……婚約者がいるよ。そんなことより君、この間のプレゼンは…」
【吉岡】
「浅多さん!例の会社から、
受注OKの返事が来ました!」
【浅多 侑思】
「そうか。ありがとう。よく頑張ってくれた。僕も鼻が高いよ」
そして、俺はと言うと―――
【女子社員】
「黒乃さん!クッキー作ってきたんですけど、
いかがですか?」
【クロノ】
「え? ありがとう。いただきます」
【女子社員】
「お仕事の方は慣れましたか?」
【クロノ】
「まあ、ぼちぼち……」
【女子社員】
「でも、さすがですよ!」
【女子社員】
「浅多さんのご紹介で入社されてから、あっという間に部長代理ですもの」
【クロノ】
「それほどでも。……あ、侑思 、先日の予算だけど…」
侑思に紹介されて、同じ職場で働いているわけだ。
最初は興味本位で、あんまりヤル気はなかったんだけど。
仕事が意外に面白くて、気が付いたら侑思と一緒に
ここまでの地位になっていた。
【アンク】
「クロノ様、楽しくやっておられるようですな」
他の人には見えないように姿を現したじいが、
ニコニコ笑いながら近付いてきた。
【クロノ】
「あ、じい。もしかして、死神の方の仕事?」
【アンク】
「はい、3日後の深夜に老衰で
逝かれる方がいらっしゃいますので……」
【クロノ】
「分かった。夜に行く」
こうやって、死神の仕事もちゃんと続けている。
会社の屋上で、空を眺めている侑思を見かけた。
近寄っていって肩を叩くと、柔らかい表情で振り返ってくれる。
【クロノ】
「何ぼんやりしてんの?」
【浅多 侑思】
「いや、少し、空を見ていた」
【クロノ】
「ふーん」
【浅多 侑思】
「……お前は、あの空の向こうから来たのか?」
【クロノ】
「違うよ。別の世界からって言った方が、正しいかも」
【浅多 侑思】
「そうか……」
【クロノ】
「何? 突然」
【浅多 侑思】
「いや、お前が来て、全てが変わったなと思っただけだ」
【浅多 侑思】
「リビドーを使っていたときの僕は、本当にどうしようもない、
鬱々とした奴だった」
【浅多 侑思】
「変えてくれたのはお前だ。……感謝してもし足りない」
【クロノ】
「何だか妙に素直なんだけど。明日は槍でも降るのか?」
【浅多 侑思】
「たまにはいいだろう」
侑思がそっと、俺の手を握る。繋いだ手から、ぬくもりが伝わってくる。
【浅多 侑思】
「それで……実は、死神について調べたんだ。この間」
【クロノ】
「うん、何だって?」
【浅多 侑思】
「死神には、生き物を生まれ変わらせる力もあるらしい。
死と誕生は表裏一体の関係だと」
【浅多 侑思】
「だとしたら、やはりお前はすこぶる腕のいい死神
なんだろうなと、思った」
【浅多 侑思】
「僕は生まれ変わったように、新しい気持ちでいられるようになったから」
【クロノ】
「褒めすぎじゃない?」
【浅多 侑思】
「本心だ」
俺は繋いだ侑思の手を、ぎゅっと握り締めた。
これからもこうやって、一緒に隣で歩いていけたらと思う。
真昼の太陽の光が、俺達を照らしていた。
―浅多3章・HAPPY END―