本編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
《兆し》
果凛のストーカー事件もようやく終止符が打たれ、事務所はJIFと仕事を両立する為に気合いが入ったアイドル達で活気づくようになっていた。
果凛もすっかり落ち着いたのか、以前のように明るい姿を見せるようになっている。
政親も山口も安堵していた矢先。
一人ひっそりと様子がおかしい人物がいた。
実際以前から様子がおかしい事に政親と山口も気づいてはいたが、
それ以上に慌ただしい事件が続いた為、それに対して気を配る余裕がなかったのだが……
ここに来てそれが目立つようになり、政親は仕方がなく声を掛ける事にした。
【政親】
「榛貴」
【二條 榛貴】
「……ん、なんだ政親か、どうした?」
【政親】
「レッスンに身が入っていないようですが」
【二條 榛貴】
「そうか?」
【政親】
「自分でも理解しているから、ここ連日残って練習していたのではないのですか」
レッスン場には今二條と政親しかいない。
やれやれと息を吐くと二條は政親に向かって重い口を開いた。

《本番》
【二條 榛貴】
「梓乃ちゃんのさぁ……アイドルになった理由。
前にも聞いたけど、お前どこまで知ってるんだ?」
【政親】
「なんの事ですか」
【二條 榛貴】
「ここまで来てしらばっくれるのかよ。そりゃ守秘義務とか色々あるんだろうけどな……」
頭をガリガリと掻きながら二條は言い難そうに何度か顎に手をあて逡巡していたが、
やがて意を決したように息を飲んで口走る。
【二條 榛貴】
「俺とあいつの母親……萌美が付き合ってたの知ってたんだろ?
俺は結婚もするつもりだった。……余計な茶々さえ入らなければ」
【政親】
「……それで?」
【二條 榛貴】
「だから!お前、それ知ってたんだろ?俺が、梓乃の……」
―ガタン。
大きな音が一つ、レッスン場に木霊する。
政親と二條が慌てて音のした方を向くと。
スポーツドリンクを落したまま、茫然と立ち尽くす梓乃の姿があった。

《絶頂》
茫然と立ち尽くす梓乃の姿。
笑顔を作ろうとしているが、目線が彷徨っている。
【二條 榛貴】
「梓乃ちゃ……」
【日月 梓乃】
「あー……わりぃ、オッサンが練習してるって聞いたから、
俺時間あったし練習付き合おうかなって思っ……」
耐え切れなくなったのか、梓乃は踵を返して走ってどこかへ行ってしまう。
それを見た二條は政親と梓乃が転がしたスポーツドリンクを交互に見ながら、
いつもの余裕はどこへやら。忙しなく慌て始めた。
【二條 榛貴】
「ど、どうすりゃいいんだ……な、なぁ、政親、俺……これは……」
【政親】
「貴方が今追いかけなくてどうするんです」
【二條 榛貴】
「……っ!そ、そうだよな!」
その一言に二條は弾けたように跳ね上がると「行ってくる」と大きな声で叫び、レッスン場を後にする。
そんな二條と入れ替えに清明と侑生が慌ててレッスン場に駆け込んできた。
【笹雨 清明】
「あ、あの黒田さん!」
【大須賀 侑生】
「シノくんと二條さんが……!」
突然の事に顔面蒼白な二人。
政親はさて何から説明したものかと、とりあえず転がっていたスポーツドリンクを拾い上げた。
