告白編 -谷崎の場合-
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【宮沢】
「……俺、また…うく…っ、潤司に……迷惑…かけて……ごめ…うぅ?……」
悔しさとも悲しさともつかない感情が、溢れだして止まらなくて……
【宮沢】
「せか…せっか…く…潤司が…、ずっと…練習メニュー…つくってくれて……」
【宮沢】
「誰より…うぇ…、速く…泳げるように……ぅう…、潤司の…おかげで……のに…うぇ…っ」
【宮沢】
「潤司……、俺……俺…うぇ、もう…本当に…っく…、泳げな…っ、く…ぅええぇ……」
潤司の制服の胸に顔を押し当て、こみ上げる嗚咽を噛み殺すこともできず泣きじゃくる
【谷崎】
「宮沢………宮沢は、何も悪くない」
【谷崎】
「……宮沢、
……………宮沢」
【宮沢】
「えぇ…うえぇぇ…潤司…潤司いぃ……うぁ…うあぁ…」
【宮沢】
「…うぇ…潤司…、ついててくれて…あいぃ…あいが…と…うあぁ…」
【谷崎】
「……礼なんて、必要ない。
宮沢…。
俺たちは親友…だろ?」
潤司の胸を、涙と鼻水でぐしょぐしょにしながら、声を上げて泣き続ける俺の背を
潤司は…、時折俺の名を呼びながら
ただ、ゆっくり、いつまでも撫でていてくれた
―第3話―
『溢れ出る想い』
次の日から、宮沢は少しずつ元気を取り戻し始めた
俺はその日の授業の内容を教えたり、受験対策の勉強を見てやりながら…
徐々に笑顔や会話が増えてくる宮沢に喜びを感じていた
『俺が宮沢の力になれている』
その事実が嬉しくて―
ただただ嬉しくて―、宮沢の元に通いづつけた
【宮沢】
「フフ、潤司は俺の先生だね。
いつも本当にありがとうございます、谷崎先生!」
【谷崎】
「!!」
そんなある日、宮沢が不意にいったその一言と
久しぶりに見た…あの、向日葵のような笑顔に……
【谷崎】
「か…からかうのはよせ。俺は先生と呼ばれるほどの事はしていない。」
【谷崎】
「それに、急にお前に苗字で呼ばれると、調子が狂うだろう」
慌てて目を逸らしたのは、
俺の中に突如湧き上がった不可解な感情を…宮沢に気取られたくなかったから…
それに…、そのまま見つめていたら…宮沢を、強くこの胸に抱き締めたい衝動を、抑えられそうになかったから…
………
隣で寝息を立てる宮沢を見つめながら、当時の事を思い出す
―あの日、俺の胸を濡らす涙と、震える肩を感じながら…俺は決めたのだ
この先―、どんなことがあろうと…
決して宮沢から離れないと
何を敵に回しても、いかなるときも宮沢の味方でいると
【谷崎】
(……やはり、余程疲れが溜まっていたようだな……)
まだ眠りの中にいる親友を見やって、進捗報告用のノートを閉じる
窓の外に目を移すと、秋の雨が…静かに窓を濡らしているのに気付いた
【谷崎】
(…冷えると思ったら、雨が降っていたのか)
【谷崎】
(風邪を引かせる訳にはいかないしな。やはり…起こしてアパートまで送っていくか…)
【谷崎】
「……宮沢」宮沢を起こそうと、囁くように声を掛けた―その時だった
【宮沢】
「……潤…司」
眠っている宮沢の口から、俺の名が―漏れた
―その瞬間のことはよく覚えていない
だが、気が付くと俺は…、眼鏡を外して………宮沢の唇に、自らの唇を重ねていた
【宮沢】
「……ん」
【谷崎】
「!!」
ガタッ!
小さく漏れた宮沢の声に、ハッと我に返って後ずさる
【宮沢】
「………潤司?
…あれ?俺……寝て…た…?」
夢うつつといった様子で、目をこすりながら…宮沢がゆっくりと上体を起こす
【谷崎】
「………俺は…」
【谷崎】
(―俺は今、何をした?
親友である宮沢に、何を……)
【宮沢】
「…?
潤司?」
愕然と立ち尽くす俺の様子に気付いて、宮沢が不思議そうに顔を覗き込んでくる
【宮沢】
「ごめんね潤司。
俺、なんだかいっぱい寝ちゃってたみたいだね」
【宮沢】
「せっかく潤司が付き合ってくれてたのに…
あの、今日ゴハン奢るね?」
【宮沢】
「……潤司、顔色…悪いよ?
あ、教室寒いもんね。…待ってる間に、風邪…ひいちゃった?」
【谷崎】
「…い、いや…問題ない。
体調は…全く崩していない」
【宮沢】
「そっか、ならいいんだけど
…でも、ホントに風邪引いたときは言ってね?」
【宮沢】
「俺、いつも潤司に助けてもらいっぱなしだからさ、潤司が辛い時は、一番に力にならせて欲しいんだ」
ドクン…!
―その瞬間、俺は……気付いてしまった
ずっと…気付かないようにしていた
決して抱いてはいけない気持ちに―
キスをして、抱きしめて…
恋人として宮沢を愛したい……
そんな邪(よこしま)な感情を―、宮沢に抱いているということに……
【谷崎】
「…お、俺は………」
【谷崎】
「あ……あ…………」
どこをどう走ったのか……
教室を飛び出した俺は
冷たい雨に打たれながら―
天を見上げていた
―頬を伝うのが、涙なのか雨粒なのか……それすらも、俺には分からなかった
―第4話―
『微熱の行方』
【宮沢】
(潤司…、どうしちゃったんだろう……)
【宮沢】
(俺、寝てる間に何か悪いコト言っちゃったのかな…)
潤司の住むアパートのドアの前で、壁にもたれて宙を見つめる
―あの後、すぐに教室を飛び出して後を追ったけれど…潤司の姿はなくて……
【宮沢】
(潤司…
…俺、潤司と…一緒に居られなくなるのだけは……いやだよ……)
―潤司とは、些細な言い合いをしたことさえも…数える程しかない
―潤司は、小3のあの時から…ずっと傍に居てくれて…
こんなにダメな俺のことを、いつも一番傍で支えて…、いつでも親身になってくれた……
―2年前のあのときも…
抜け殻のようになった俺の傍を、片時も離れずに……
「……俺、また…うく…っ、潤司に……迷惑…かけて……ごめ…うぅ?……」
悔しさとも悲しさともつかない感情が、溢れだして止まらなくて……
【宮沢】
「せか…せっか…く…潤司が…、ずっと…練習メニュー…つくってくれて……」
【宮沢】
「誰より…うぇ…、速く…泳げるように……ぅう…、潤司の…おかげで……のに…うぇ…っ」
【宮沢】
「潤司……、俺……俺…うぇ、もう…本当に…っく…、泳げな…っ、く…ぅええぇ……」
潤司の制服の胸に顔を押し当て、こみ上げる嗚咽を噛み殺すこともできず泣きじゃくる
【谷崎】
「宮沢………宮沢は、何も悪くない」
【谷崎】
「……宮沢、
……………宮沢」
【宮沢】
「えぇ…うえぇぇ…潤司…潤司いぃ……うぁ…うあぁ…」
【宮沢】
「…うぇ…潤司…、ついててくれて…あいぃ…あいが…と…うあぁ…」
【谷崎】
「……礼なんて、必要ない。
宮沢…。
俺たちは親友…だろ?」
潤司の胸を、涙と鼻水でぐしょぐしょにしながら、声を上げて泣き続ける俺の背を
潤司は…、時折俺の名を呼びながら
ただ、ゆっくり、いつまでも撫でていてくれた
―第3話―
『溢れ出る想い』
次の日から、宮沢は少しずつ元気を取り戻し始めた
俺はその日の授業の内容を教えたり、受験対策の勉強を見てやりながら…
徐々に笑顔や会話が増えてくる宮沢に喜びを感じていた
『俺が宮沢の力になれている』
その事実が嬉しくて―
ただただ嬉しくて―、宮沢の元に通いづつけた
【宮沢】
「フフ、潤司は俺の先生だね。
いつも本当にありがとうございます、谷崎先生!」
【谷崎】
「!!」
そんなある日、宮沢が不意にいったその一言と
久しぶりに見た…あの、向日葵のような笑顔に……
【谷崎】
「か…からかうのはよせ。俺は先生と呼ばれるほどの事はしていない。」
【谷崎】
「それに、急にお前に苗字で呼ばれると、調子が狂うだろう」
慌てて目を逸らしたのは、
俺の中に突如湧き上がった不可解な感情を…宮沢に気取られたくなかったから…
それに…、そのまま見つめていたら…宮沢を、強くこの胸に抱き締めたい衝動を、抑えられそうになかったから…
………
隣で寝息を立てる宮沢を見つめながら、当時の事を思い出す
―あの日、俺の胸を濡らす涙と、震える肩を感じながら…俺は決めたのだ
この先―、どんなことがあろうと…
決して宮沢から離れないと
何を敵に回しても、いかなるときも宮沢の味方でいると
【谷崎】
(……やはり、余程疲れが溜まっていたようだな……)
まだ眠りの中にいる親友を見やって、進捗報告用のノートを閉じる
窓の外に目を移すと、秋の雨が…静かに窓を濡らしているのに気付いた
【谷崎】
(…冷えると思ったら、雨が降っていたのか)
【谷崎】
(風邪を引かせる訳にはいかないしな。やはり…起こしてアパートまで送っていくか…)
【谷崎】
「……宮沢」宮沢を起こそうと、囁くように声を掛けた―その時だった
【宮沢】
「……潤…司」
眠っている宮沢の口から、俺の名が―漏れた
―その瞬間のことはよく覚えていない
だが、気が付くと俺は…、眼鏡を外して………宮沢の唇に、自らの唇を重ねていた
【宮沢】
「……ん」
【谷崎】
「!!」
ガタッ!
小さく漏れた宮沢の声に、ハッと我に返って後ずさる
【宮沢】
「………潤司?
…あれ?俺……寝て…た…?」
夢うつつといった様子で、目をこすりながら…宮沢がゆっくりと上体を起こす
【谷崎】
「………俺は…」
【谷崎】
(―俺は今、何をした?
親友である宮沢に、何を……)
【宮沢】
「…?
潤司?」
愕然と立ち尽くす俺の様子に気付いて、宮沢が不思議そうに顔を覗き込んでくる
【宮沢】
「ごめんね潤司。
俺、なんだかいっぱい寝ちゃってたみたいだね」
【宮沢】
「せっかく潤司が付き合ってくれてたのに…
あの、今日ゴハン奢るね?」
【宮沢】
「……潤司、顔色…悪いよ?
あ、教室寒いもんね。…待ってる間に、風邪…ひいちゃった?」
【谷崎】
「…い、いや…問題ない。
体調は…全く崩していない」
【宮沢】
「そっか、ならいいんだけど
…でも、ホントに風邪引いたときは言ってね?」
【宮沢】
「俺、いつも潤司に助けてもらいっぱなしだからさ、潤司が辛い時は、一番に力にならせて欲しいんだ」
ドクン…!
―その瞬間、俺は……気付いてしまった
ずっと…気付かないようにしていた
決して抱いてはいけない気持ちに―
キスをして、抱きしめて…
恋人として宮沢を愛したい……
そんな邪(よこしま)な感情を―、宮沢に抱いているということに……
【谷崎】
「…お、俺は………」
【谷崎】
「あ……あ…………」
どこをどう走ったのか……
教室を飛び出した俺は
冷たい雨に打たれながら―
天を見上げていた
―頬を伝うのが、涙なのか雨粒なのか……それすらも、俺には分からなかった
―第4話―
『微熱の行方』
【宮沢】
(潤司…、どうしちゃったんだろう……)
【宮沢】
(俺、寝てる間に何か悪いコト言っちゃったのかな…)
潤司の住むアパートのドアの前で、壁にもたれて宙を見つめる
―あの後、すぐに教室を飛び出して後を追ったけれど…潤司の姿はなくて……
【宮沢】
(潤司…
…俺、潤司と…一緒に居られなくなるのだけは……いやだよ……)
―潤司とは、些細な言い合いをしたことさえも…数える程しかない
―潤司は、小3のあの時から…ずっと傍に居てくれて…
こんなにダメな俺のことを、いつも一番傍で支えて…、いつでも親身になってくれた……
―2年前のあのときも…
抜け殻のようになった俺の傍を、片時も離れずに……