谷崎と交際一年目
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【谷崎】
(余計なことを…これではますます宮沢が注目を浴びてしまう)
危惧していたことが現実になってくるようで、俺はいてもたってもいられなくなってくる
【宮沢】
「そっか。うう…なんだか恥ずかしいな。すごいギクシャクしてなかった?」
【伊坂】
「いやいや、まさかとうとう芸能界デビューしたのかと思ったよ」
【宮沢】
「そんなことないよ。誘われはしたけど……」
【伊坂】
「マジかよ!!やっぱ宮沢すげーな!俺もついに芸能界に友人が…!!」
【宮沢】
「ち、違うって…ちゃんとお断りしたからっ」
再び大声を出した伊坂に、周りの人がヒソヒソと声を上げ始めた
【女子学生1】
「ねー、あれってやっぱり宮沢くんじゃない?」
【女子学生2】
「昨日の?ほんとだー!握手してもらっちゃおうよ!」
遠巻きに見ていた学生たちが、段々と宮沢を目当てに近づいてくる
【女子学生1】
「あのー、宮沢くんですよね?昨日の放送、観ました!」
【宮沢】
「本当ですか?ありがとうございます!」
【女子学生2】
「キャー!近くで見るとホント可愛い…握手してもらっていいですかぁ?」
【宮沢】
「えっ!それは、その……」
この二人を皮切りに、瞬く間に俺たちの周りには男女問わず人だかりが出来てしまった
【谷崎】
(やはり、そう簡単にいかないか…とりあえず、宮沢の安全を確保しなければ)
俺は困ったように笑顔を振りまいている宮沢を引き寄せる
【谷崎】
「宮沢、俺に掴まって走るんだ。いいな」
【宮沢】
「ふぇ?ちょっと、潤司……!?」
そして戸惑う宮沢を隠しながら、教室まで走ったのだった。
二週間後――俺と宮沢は、目の前の手紙やプレゼントにゲンナリとしていた
フィットネスクラブのミーティングルームには、俺たちの他には梶井さんしかいない
【梶井】
「ふふ…これはまた、随分とお疲れのようですね」
【宮沢】
「まさか、ここまで反響が凄いなんて思ってませんでした……」
あの放送からしばらく経っているが、宮沢への注目は収まる気配がない
それどころかどこに行っても人に囲まれ、花束やらぬいぐるみまで渡される始末
【谷崎】
(あれにはどうも小型カメラが仕掛けられていたし、ストーカーまがいの奴も増えて来ているな)
俺が告白などを未然に防いでいるため、宮沢はまだ気が付いていないようではある
【谷崎】
(しかし、俺が案じていた通りだ……これ以上大事にならなければ良いが)
悟られないようにそっとため息を吐くと、梶井さんが考えるように口元に手をやった
【梶井】
「こういうものは一過性のものです」
【梶井】
「ひと月もすれば観衆の注目は、新たなターゲットへと移っていくでしょう」
【宮沢】
「確かに、そうですよね。テレビとかも、すぐに話題が切り替わっちゃうし」
世間で大きくなる話題も、そっとしておけば二月もしないうちに鎮火するものだ
【谷崎】
「しかし、そうは言っても危険な目に遭ってからでは遅いのではないか?」
【宮沢】
「でも、手紙とかちょっとしたプレゼントを渡されるくらいだし」
【谷崎】
(怖がらせるかと思って何も知らせてはいないが、こうも危機感がないのは不安だな……)
あくまでも楽観的な姿勢をとる宮沢に、俺は一人で焦燥に駆られる
【宮沢】
「それに俺みたいなの、珍しさから注目を集めてるみたいなものだから」
【谷崎】
「それだけではない。お前はもっと自分の魅力に自覚を持った方がいい」
【梶井】
「ええ、そうですよ宮沢さん。しかし、そこが貴方の良いところでもありますが…ね」
否定的な事をいう宮沢に、俺も梶井さんもそろって首を振る
【宮沢】
「潤司…それに、梶井さんまで……」
宮沢は少しだけ驚きつつも、
はにかんだような笑みを浮かべた
【宮沢】
「俺、もう少し耐えてみますね。注目が収まるまでは、頑張りますから」
宮沢が、くっと胸の前で拳を握って意気込む
【谷崎】
「そうか…わかった。ならば、俺も全力で支えよう」
俺がその手を包み込むように決意を示すと、梶井さんも肩に手を置いて微笑んだ
【梶井】
「私も、何かあれば出来る限りお手伝い致しますよ」
【谷崎】
(可能であれば、誰の手も借りたくないのだが……こればかりは仕方がないか)
仄暗い悋気が溢れそうになるが、
宮沢のための最善を考える
こういった場合には、味方が多いに越したことはない
【宮沢】
「ありがとうございます!やっぱり、みんなに頼ってばかりだな…」
へにょりと笑う宮沢は、不安になっていたであろうことが手に取るようにわかる
【谷崎】
「こういう時はもっと頼れといつも言っているだろう。遠慮をするな」
【宮沢】
「潤司……うん、ありがとう。潤司が居るから、俺は頑張れるよ」
【谷崎】
「ああ。俺も、宮沢のためなら何でも頑張れるさ」
そう言って二人で微笑み合っていると、背後からクスクスと笑う声がしてきた
【梶井】
「ふふ…私が居るというのに、お二人はお熱いのですね」
【宮沢】
「はぅあ!す、すみません……俺ってば、こんな…っ」
真っ赤になった宮沢が、慌てて俺から距離を取る
【梶井】
「いえいえ、お気になさらず。ですが、もうそろそろレッスンの時間のようですよ」
【宮沢】
「あ!もうそんな時間ですか!?あわわ……みんなを待たせちゃう」
時計を見た宮沢は、ワタワタと準備をし始めた
【谷崎】
(そうだ…何があったとしても、
宮沢を守り抜く)
俺は愛しい宮沢に、もう一度決意を固めたのだった
―第3話―
【井伏】
「うーん、やっぱりギャラリーが多いような気がするよなぁ」
【井上】
「宮沢先輩の裸を見ようなんて、百年早いです!」
井伏さんがプールサイドを見て唸り、井上は頬を膨らませながら怒っている
【井伏】
「それは自分に言ってるのかな、虎雄ちゃん」
【井上】
「ンだと鮎次てめえ!」
二人がじゃれ合っているのはいつものことだが、確かに最近はプール利用者が多いような気がする
しかも今日はレッスン日とはいえ確認程度なので、プールの半分は一般会員の人がいるのだ
【宮沢】
(うう…やっぱり、注目を浴びるのって居心地が悪いな……)
(余計なことを…これではますます宮沢が注目を浴びてしまう)
危惧していたことが現実になってくるようで、俺はいてもたってもいられなくなってくる
【宮沢】
「そっか。うう…なんだか恥ずかしいな。すごいギクシャクしてなかった?」
【伊坂】
「いやいや、まさかとうとう芸能界デビューしたのかと思ったよ」
【宮沢】
「そんなことないよ。誘われはしたけど……」
【伊坂】
「マジかよ!!やっぱ宮沢すげーな!俺もついに芸能界に友人が…!!」
【宮沢】
「ち、違うって…ちゃんとお断りしたからっ」
再び大声を出した伊坂に、周りの人がヒソヒソと声を上げ始めた
【女子学生1】
「ねー、あれってやっぱり宮沢くんじゃない?」
【女子学生2】
「昨日の?ほんとだー!握手してもらっちゃおうよ!」
遠巻きに見ていた学生たちが、段々と宮沢を目当てに近づいてくる
【女子学生1】
「あのー、宮沢くんですよね?昨日の放送、観ました!」
【宮沢】
「本当ですか?ありがとうございます!」
【女子学生2】
「キャー!近くで見るとホント可愛い…握手してもらっていいですかぁ?」
【宮沢】
「えっ!それは、その……」
この二人を皮切りに、瞬く間に俺たちの周りには男女問わず人だかりが出来てしまった
【谷崎】
(やはり、そう簡単にいかないか…とりあえず、宮沢の安全を確保しなければ)
俺は困ったように笑顔を振りまいている宮沢を引き寄せる
【谷崎】
「宮沢、俺に掴まって走るんだ。いいな」
【宮沢】
「ふぇ?ちょっと、潤司……!?」
そして戸惑う宮沢を隠しながら、教室まで走ったのだった。
二週間後――俺と宮沢は、目の前の手紙やプレゼントにゲンナリとしていた
フィットネスクラブのミーティングルームには、俺たちの他には梶井さんしかいない
【梶井】
「ふふ…これはまた、随分とお疲れのようですね」
【宮沢】
「まさか、ここまで反響が凄いなんて思ってませんでした……」
あの放送からしばらく経っているが、宮沢への注目は収まる気配がない
それどころかどこに行っても人に囲まれ、花束やらぬいぐるみまで渡される始末
【谷崎】
(あれにはどうも小型カメラが仕掛けられていたし、ストーカーまがいの奴も増えて来ているな)
俺が告白などを未然に防いでいるため、宮沢はまだ気が付いていないようではある
【谷崎】
(しかし、俺が案じていた通りだ……これ以上大事にならなければ良いが)
悟られないようにそっとため息を吐くと、梶井さんが考えるように口元に手をやった
【梶井】
「こういうものは一過性のものです」
【梶井】
「ひと月もすれば観衆の注目は、新たなターゲットへと移っていくでしょう」
【宮沢】
「確かに、そうですよね。テレビとかも、すぐに話題が切り替わっちゃうし」
世間で大きくなる話題も、そっとしておけば二月もしないうちに鎮火するものだ
【谷崎】
「しかし、そうは言っても危険な目に遭ってからでは遅いのではないか?」
【宮沢】
「でも、手紙とかちょっとしたプレゼントを渡されるくらいだし」
【谷崎】
(怖がらせるかと思って何も知らせてはいないが、こうも危機感がないのは不安だな……)
あくまでも楽観的な姿勢をとる宮沢に、俺は一人で焦燥に駆られる
【宮沢】
「それに俺みたいなの、珍しさから注目を集めてるみたいなものだから」
【谷崎】
「それだけではない。お前はもっと自分の魅力に自覚を持った方がいい」
【梶井】
「ええ、そうですよ宮沢さん。しかし、そこが貴方の良いところでもありますが…ね」
否定的な事をいう宮沢に、俺も梶井さんもそろって首を振る
【宮沢】
「潤司…それに、梶井さんまで……」
宮沢は少しだけ驚きつつも、
はにかんだような笑みを浮かべた
【宮沢】
「俺、もう少し耐えてみますね。注目が収まるまでは、頑張りますから」
宮沢が、くっと胸の前で拳を握って意気込む
【谷崎】
「そうか…わかった。ならば、俺も全力で支えよう」
俺がその手を包み込むように決意を示すと、梶井さんも肩に手を置いて微笑んだ
【梶井】
「私も、何かあれば出来る限りお手伝い致しますよ」
【谷崎】
(可能であれば、誰の手も借りたくないのだが……こればかりは仕方がないか)
仄暗い悋気が溢れそうになるが、
宮沢のための最善を考える
こういった場合には、味方が多いに越したことはない
【宮沢】
「ありがとうございます!やっぱり、みんなに頼ってばかりだな…」
へにょりと笑う宮沢は、不安になっていたであろうことが手に取るようにわかる
【谷崎】
「こういう時はもっと頼れといつも言っているだろう。遠慮をするな」
【宮沢】
「潤司……うん、ありがとう。潤司が居るから、俺は頑張れるよ」
【谷崎】
「ああ。俺も、宮沢のためなら何でも頑張れるさ」
そう言って二人で微笑み合っていると、背後からクスクスと笑う声がしてきた
【梶井】
「ふふ…私が居るというのに、お二人はお熱いのですね」
【宮沢】
「はぅあ!す、すみません……俺ってば、こんな…っ」
真っ赤になった宮沢が、慌てて俺から距離を取る
【梶井】
「いえいえ、お気になさらず。ですが、もうそろそろレッスンの時間のようですよ」
【宮沢】
「あ!もうそんな時間ですか!?あわわ……みんなを待たせちゃう」
時計を見た宮沢は、ワタワタと準備をし始めた
【谷崎】
(そうだ…何があったとしても、
宮沢を守り抜く)
俺は愛しい宮沢に、もう一度決意を固めたのだった
―第3話―
【井伏】
「うーん、やっぱりギャラリーが多いような気がするよなぁ」
【井上】
「宮沢先輩の裸を見ようなんて、百年早いです!」
井伏さんがプールサイドを見て唸り、井上は頬を膨らませながら怒っている
【井伏】
「それは自分に言ってるのかな、虎雄ちゃん」
【井上】
「ンだと鮎次てめえ!」
二人がじゃれ合っているのはいつものことだが、確かに最近はプール利用者が多いような気がする
しかも今日はレッスン日とはいえ確認程度なので、プールの半分は一般会員の人がいるのだ
【宮沢】
(うう…やっぱり、注目を浴びるのって居心地が悪いな……)