交際半年 谷崎編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【谷崎】
「う……
宮沢…逃げ………」
―宮沢を護らなければ
ただそれだけが、本能のように身体を動かし、宮沢の身体を、影の方角から庇う
【宮沢】
「……潤司
あ…あ……血が……」
震えたような、宮沢の声…
【谷崎】
(―血?)
【宮沢】
「―お前。お前が潤司を傷つけたのかっ!?」
いつも温厚で、こちらが心配になるほどお人好しな宮沢が声を荒げている
【谷崎】
(…俺は、刺されたのか?
駄目だ…だとしたら、)
【谷崎】
(宮沢を速やかに逃がさなければ)
朦朧とする意識の中、対象を見定めようと振り向いた俺の視界に…ポケットナイフを握った痩せた男が映った
【男】
「…お…お前、いつもいつも宮沢くんと…べたべた…べたべたしやがって……」
【男】
「み、宮沢くん…。こいつ、うざかったんでしょ?俺が…助けてあげるからね」
ブルブルと小刻みに震える男の腕が、ナイフを振りかざす
【宮沢】
「お前なんか知らない!だけど、潤司を傷つけたお前を、俺は絶対許さない!」
俺を抱く宮沢の腕に力が籠る
【男】
「そ…そんな……俺は宮沢くんの為に……、宮沢くんが…好きで……」
【宮沢】
「煩(うるさ)い!
今すぐ消えろ!お前なんか嫌いだ!!」
【男】
「…う、うう……
そんな…そんな大きな声で怒鳴るの…、本物の宮沢くんじゃ…ない……」
【男】
「…俺の宮沢くんは……俺のノートを拾って、微笑んでくれた宮沢くんは…そんな……」
男はよろよろと後ずさり……
―ダッ!
タタタタタタ……
突然、脱兎のごとく走り去った
【谷崎】
(…とりあえず、脅威は去ったようだな)
【谷崎】
(……だが、あの男に……俺は、見覚えが………)
急激に意識が遠のく
【宮沢】
「―潤司!潤司!いま救急車呼んだからね!」
【宮沢】
「やだよ!?死んじゃやだよ!?潤司
潤司が居なくなったら、俺……ッ!!」
【宮沢】
「―!!
……―!!!」
薄れゆく意識と共に、宮沢の声とサイレンの音も…徐々に遠ざかっていった
……
―初お泊り編・谷崎第2話―
『約束』
……―えーん
えーん…………
どこからか、子供の泣く声が聞こえた
【宮沢】
「えーん、えーん………」
【谷崎】
(ここは―、教室……?
……………
…………あれは)
教室の片隅で、子供が泣いている………
【谷崎】
(ああ、なんだ宮沢じゃないか)
―あの日、大好きな水泳でリレーの選手を外されたと…、放課後の教室で泣いていた宮沢
【谷崎】
「どうした?
また、選手を外されてしまったのか?」
思わず近寄り、声を掛けると……
【宮沢】
「……ひっく
お兄ちゃん、誰?」
どんぐりのような大きな瞳が、俺を見上げた
【谷崎】
「俺は、谷崎だ」
【宮沢】
「…たにざき?
潤司くんと一緒………」
一瞬、ぽかんとしたような表情を浮かべた宮沢だったが……
【宮沢】
「……じ、潤司………ぅ」
【谷崎】
「…ん?」
宮沢の顔がみるみる歪む
【宮沢】
「潤司くんが、潤司くんが死んじゃうーッ!!わああああああ!!」
【宮沢】
「潤司くんが…俺を置いて…
わあああああああ…!!」
火が点いたように泣き出す宮沢
【谷崎】
(―俺が?)
【谷崎】
(俺が、宮沢を置いて………死ぬ?)
―楽しい時も、辛い時も…常に傍に居て、一緒に笑って、一緒に泣いてくれた宮沢
宮沢とずっと共にいようと
心に誓った…―12年前の、あの日
【谷崎】
「………フ
馬鹿だな、宮沢」
目の前の小さな宮沢の頬に手を伸ばし、涙を拭う
【谷崎】
「……『潤司くん』は
キミの親友…だろ?」
宮沢の目線の高さにしゃがみこみ、微笑みかける
【宮沢】
「…うん!あのね!潤司君はすごくてね!俺を速く泳げるようにしてくれたの!」
【宮沢】
「それにね!大人のひとみたいに頭が良くてね!それにね!いつも一緒にいてくれるの!」
【谷崎】
「……そうだな」
ぴたりと泣き止んで、嬉しそうに俺のことを説明する宮沢の頭に、そっと手を置く
【谷崎】
「…そんな『潤司くん』が、キミを1人にする筈はない。
違うか?」
【宮沢】
「…………」
宮沢は俺の言葉の意味を考えるように、少し小首を傾げた後……
【宮沢】
「そうだね!ずっと一緒って約束したもん!潤司くんは絶対嘘をつかないもん!」
弾けるような笑顔でそう答えると……
【宮沢】
「ありがとうお兄ちゃん!
ボク、潤司くんのとこに行ってくる!」
タッタッタッタ………
ぶんぶんと手を振って、教室の外へと駆けて行った
「う……
宮沢…逃げ………」
―宮沢を護らなければ
ただそれだけが、本能のように身体を動かし、宮沢の身体を、影の方角から庇う
【宮沢】
「……潤司
あ…あ……血が……」
震えたような、宮沢の声…
【谷崎】
(―血?)
【宮沢】
「―お前。お前が潤司を傷つけたのかっ!?」
いつも温厚で、こちらが心配になるほどお人好しな宮沢が声を荒げている
【谷崎】
(…俺は、刺されたのか?
駄目だ…だとしたら、)
【谷崎】
(宮沢を速やかに逃がさなければ)
朦朧とする意識の中、対象を見定めようと振り向いた俺の視界に…ポケットナイフを握った痩せた男が映った
【男】
「…お…お前、いつもいつも宮沢くんと…べたべた…べたべたしやがって……」
【男】
「み、宮沢くん…。こいつ、うざかったんでしょ?俺が…助けてあげるからね」
ブルブルと小刻みに震える男の腕が、ナイフを振りかざす
【宮沢】
「お前なんか知らない!だけど、潤司を傷つけたお前を、俺は絶対許さない!」
俺を抱く宮沢の腕に力が籠る
【男】
「そ…そんな……俺は宮沢くんの為に……、宮沢くんが…好きで……」
【宮沢】
「煩(うるさ)い!
今すぐ消えろ!お前なんか嫌いだ!!」
【男】
「…う、うう……
そんな…そんな大きな声で怒鳴るの…、本物の宮沢くんじゃ…ない……」
【男】
「…俺の宮沢くんは……俺のノートを拾って、微笑んでくれた宮沢くんは…そんな……」
男はよろよろと後ずさり……
―ダッ!
タタタタタタ……
突然、脱兎のごとく走り去った
【谷崎】
(…とりあえず、脅威は去ったようだな)
【谷崎】
(……だが、あの男に……俺は、見覚えが………)
急激に意識が遠のく
【宮沢】
「―潤司!潤司!いま救急車呼んだからね!」
【宮沢】
「やだよ!?死んじゃやだよ!?潤司
潤司が居なくなったら、俺……ッ!!」
【宮沢】
「―!!
……―!!!」
薄れゆく意識と共に、宮沢の声とサイレンの音も…徐々に遠ざかっていった
……
―初お泊り編・谷崎第2話―
『約束』
……―えーん
えーん…………
どこからか、子供の泣く声が聞こえた
【宮沢】
「えーん、えーん………」
【谷崎】
(ここは―、教室……?
……………
…………あれは)
教室の片隅で、子供が泣いている………
【谷崎】
(ああ、なんだ宮沢じゃないか)
―あの日、大好きな水泳でリレーの選手を外されたと…、放課後の教室で泣いていた宮沢
【谷崎】
「どうした?
また、選手を外されてしまったのか?」
思わず近寄り、声を掛けると……
【宮沢】
「……ひっく
お兄ちゃん、誰?」
どんぐりのような大きな瞳が、俺を見上げた
【谷崎】
「俺は、谷崎だ」
【宮沢】
「…たにざき?
潤司くんと一緒………」
一瞬、ぽかんとしたような表情を浮かべた宮沢だったが……
【宮沢】
「……じ、潤司………ぅ」
【谷崎】
「…ん?」
宮沢の顔がみるみる歪む
【宮沢】
「潤司くんが、潤司くんが死んじゃうーッ!!わああああああ!!」
【宮沢】
「潤司くんが…俺を置いて…
わあああああああ…!!」
火が点いたように泣き出す宮沢
【谷崎】
(―俺が?)
【谷崎】
(俺が、宮沢を置いて………死ぬ?)
―楽しい時も、辛い時も…常に傍に居て、一緒に笑って、一緒に泣いてくれた宮沢
宮沢とずっと共にいようと
心に誓った…―12年前の、あの日
【谷崎】
「………フ
馬鹿だな、宮沢」
目の前の小さな宮沢の頬に手を伸ばし、涙を拭う
【谷崎】
「……『潤司くん』は
キミの親友…だろ?」
宮沢の目線の高さにしゃがみこみ、微笑みかける
【宮沢】
「…うん!あのね!潤司君はすごくてね!俺を速く泳げるようにしてくれたの!」
【宮沢】
「それにね!大人のひとみたいに頭が良くてね!それにね!いつも一緒にいてくれるの!」
【谷崎】
「……そうだな」
ぴたりと泣き止んで、嬉しそうに俺のことを説明する宮沢の頭に、そっと手を置く
【谷崎】
「…そんな『潤司くん』が、キミを1人にする筈はない。
違うか?」
【宮沢】
「…………」
宮沢は俺の言葉の意味を考えるように、少し小首を傾げた後……
【宮沢】
「そうだね!ずっと一緒って約束したもん!潤司くんは絶対嘘をつかないもん!」
弾けるような笑顔でそう答えると……
【宮沢】
「ありがとうお兄ちゃん!
ボク、潤司くんのとこに行ってくる!」
タッタッタッタ………
ぶんぶんと手を振って、教室の外へと駆けて行った