交際半年 谷崎編
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【宮沢】
「ねえ潤司、白菜が安いよ!
夜はお鍋にしよっか」
【谷崎】
「ああ、いいな」
【谷崎】
「それなら牡蠣を入れて生姜仕立てにするか。身体も温まるし、ビタミンも豊富だからな」
【宮沢】
「ふふ。潤司って栄養士さんみたい」
【谷崎】
「いつもお前の健康管理を考えているからな。いわばお前専属の栄養士だ」
【宮沢】
「あはは。いつもありがとうございます、潤司先生!」
【谷崎】
「なんだそれは
それなら俺は、お前を宮沢コーチと呼ぶぞ」
【宮沢】
「…なんか潤司にその呼び方されると恥ずかしいや。今のナシ」
【谷崎】
「はは…、なんだそれは」
【谷崎】
「早く買い物して部屋に戻るぞ。レポートの締め切りは来週だからな」
【宮沢】
「うん!」
食材の入った籠を2人で持って、スーパーの生鮮食品売り場を歩く
―今日は潤司の部屋に泊まって、一緒にゼミの課題のレポートをするのだ
―あの告白から3ヶ月
潤司との関係は
本質的には何も変わらず…、今まで通りだ
【宮沢】
(―だって
それより前からずっと、潤司は俺の一番だったもんね…)
【谷崎】
「なんだ?何か嬉しい事でもあったのか?」
並んで歩きながら視線を向けると、すぐに気付いて微笑返してくれる潤司
潤司はいつもこんな風に、どんな些細な行動も見逃さず…真っ先に俺に気付いてくれる
【宮沢】
「ううん、何でもない
牡蠣のお鍋楽しみだなーって思ってただけ」
【谷崎】
「フ…。鍋の前にレポート…だろ?」
【宮沢】
「はーい!潤司先生」
【谷崎】
「まったく…。幼なじみ、親友、同級生、恋人…に続いて、師弟関係も追加したいのか?」
【宮沢】
「うーん。増やすなら『家族』って関係性がいいかな」
【谷崎】
「……!
……突然、照れることを言うな」
【宮沢】
「ごめんね
でも、本心だよ?」
【谷崎】
「宮沢……」
【宮沢】
「男同士って、どうやったら家族になれるのか分かんないけど…」
【宮沢】
「でもね、潤司と一生こうして一緒に居たいなって…、そう思ってるんだ」
ずっと、傍にいるのが当たり前だった潤司
いつも一番近くにいて、嬉しいことも、悲しいことも…何だって2人で分かち合ってきた
潤司と出会う前の、小3の夏以前のことなんて…思い出せない程に
潤司の存在は、俺にとって当たり前過ぎて、潤司の居ない毎日なんて想像できなくて……
―あの夜、潤司に…『恋愛感情としても好き』って告白されてから
人きりの時は、キスしたり…手を繋いだりするようになったけれど……
…それが、俺たちの関係に生じた、唯一の変化だ
それ以外は、何も変わらない
…変える必要がないくらい、既にお互い、かけがえのない存在だったから……
【宮沢】
「…買い物袋で塞がってるから、今は手…繋げないね」
【谷崎】
「すまない。檸檬と蜂蜜が安かったのでな。つい買い込んでしまった」
白菜、牡蠣、料理酒、それに大量の檸檬に蜂蜜に、2リットルのミネラルウォーター……
俺たちの両手は買い物袋で全て塞がっている
【宮沢】
「えへへ
部屋に着いたら、一緒に檸檬漬けちゃおうね」
【谷崎】
「………宮沢」
【宮沢】
「ん?なあに潤司」
潤司からの呼びかけに、いつものように返事をして、そちらへ顔を向けて……
……―ザッ!
【谷崎】
「!?」
【宮沢】
「潤司ッ!!!」
世界が反転したような衝撃
【谷崎】
「う……、宮沢…逃げ………」
潤司が脇腹を抑えながら、俺を庇うように覆い被さってくる
―当たり前の世界が、突然
音もなく一変した
……
―初お泊り編・谷崎第1話―
『ナイフ』
両手に買い物袋を提げて2人、慣れ親しんだ道を並んで歩く
【谷崎】
「なんだ?何か嬉しい事でもあったのか?」
横を歩く宮沢の視線に気づいて話しかけると
【宮沢】
「ううん、何でもない
牡蠣のお鍋楽しみだなーって思ってただけ」
そんな他愛もない答えが返ってきた
何気ない、だけどかけがえのない、そんなひととき―
隣に宮沢が居る―
それだけで、他に望むべくもない
―3か月前
堪え切れない身勝手な恋情を、宮沢にぶつけてしまった…あの日
己の愚かさを悔いて
悔恨の涙で頬を濡らした
―あの日
だけどそんな俺に…
【宮沢】
「これからも…ずっと、俺の一番近くに…居て、くれる?」
【宮沢】
「ずっと…
ありがと、潤司」
宮沢は事もなげにそう言って、俺を受け容れてくれた
そんなことを思い出しながらも、アパートまでの道のりを…談笑しながら歩くこと数分
【宮沢】
「うーん。増やすなら『家族』って関係性がいいかな」
【宮沢】
「男同士って、どうやったら家族になれるのか分かんないけど…」
【宮沢】
「でもね、潤司と一生こうして一緒に居たいなって…、そう思ってるんだ」
その言葉があまりに夢のようで…
どうにもならないほど嬉しくて……
『俺も同じだ、宮沢』
その言葉を……
いくつかの話題の果てにようやく伝えようとした―その時
……―ザッ!
背後から、影が差した気がした
【谷崎】
「!?」
【宮沢】
「潤司ッ!!!」
宮沢が目を見開いて叫んだ、矢先―
脇腹に鋭い熱が奔(はし)った
「ねえ潤司、白菜が安いよ!
夜はお鍋にしよっか」
【谷崎】
「ああ、いいな」
【谷崎】
「それなら牡蠣を入れて生姜仕立てにするか。身体も温まるし、ビタミンも豊富だからな」
【宮沢】
「ふふ。潤司って栄養士さんみたい」
【谷崎】
「いつもお前の健康管理を考えているからな。いわばお前専属の栄養士だ」
【宮沢】
「あはは。いつもありがとうございます、潤司先生!」
【谷崎】
「なんだそれは
それなら俺は、お前を宮沢コーチと呼ぶぞ」
【宮沢】
「…なんか潤司にその呼び方されると恥ずかしいや。今のナシ」
【谷崎】
「はは…、なんだそれは」
【谷崎】
「早く買い物して部屋に戻るぞ。レポートの締め切りは来週だからな」
【宮沢】
「うん!」
食材の入った籠を2人で持って、スーパーの生鮮食品売り場を歩く
―今日は潤司の部屋に泊まって、一緒にゼミの課題のレポートをするのだ
―あの告白から3ヶ月
潤司との関係は
本質的には何も変わらず…、今まで通りだ
【宮沢】
(―だって
それより前からずっと、潤司は俺の一番だったもんね…)
【谷崎】
「なんだ?何か嬉しい事でもあったのか?」
並んで歩きながら視線を向けると、すぐに気付いて微笑返してくれる潤司
潤司はいつもこんな風に、どんな些細な行動も見逃さず…真っ先に俺に気付いてくれる
【宮沢】
「ううん、何でもない
牡蠣のお鍋楽しみだなーって思ってただけ」
【谷崎】
「フ…。鍋の前にレポート…だろ?」
【宮沢】
「はーい!潤司先生」
【谷崎】
「まったく…。幼なじみ、親友、同級生、恋人…に続いて、師弟関係も追加したいのか?」
【宮沢】
「うーん。増やすなら『家族』って関係性がいいかな」
【谷崎】
「……!
……突然、照れることを言うな」
【宮沢】
「ごめんね
でも、本心だよ?」
【谷崎】
「宮沢……」
【宮沢】
「男同士って、どうやったら家族になれるのか分かんないけど…」
【宮沢】
「でもね、潤司と一生こうして一緒に居たいなって…、そう思ってるんだ」
ずっと、傍にいるのが当たり前だった潤司
いつも一番近くにいて、嬉しいことも、悲しいことも…何だって2人で分かち合ってきた
潤司と出会う前の、小3の夏以前のことなんて…思い出せない程に
潤司の存在は、俺にとって当たり前過ぎて、潤司の居ない毎日なんて想像できなくて……
―あの夜、潤司に…『恋愛感情としても好き』って告白されてから
人きりの時は、キスしたり…手を繋いだりするようになったけれど……
…それが、俺たちの関係に生じた、唯一の変化だ
それ以外は、何も変わらない
…変える必要がないくらい、既にお互い、かけがえのない存在だったから……
【宮沢】
「…買い物袋で塞がってるから、今は手…繋げないね」
【谷崎】
「すまない。檸檬と蜂蜜が安かったのでな。つい買い込んでしまった」
白菜、牡蠣、料理酒、それに大量の檸檬に蜂蜜に、2リットルのミネラルウォーター……
俺たちの両手は買い物袋で全て塞がっている
【宮沢】
「えへへ
部屋に着いたら、一緒に檸檬漬けちゃおうね」
【谷崎】
「………宮沢」
【宮沢】
「ん?なあに潤司」
潤司からの呼びかけに、いつものように返事をして、そちらへ顔を向けて……
……―ザッ!
【谷崎】
「!?」
【宮沢】
「潤司ッ!!!」
世界が反転したような衝撃
【谷崎】
「う……、宮沢…逃げ………」
潤司が脇腹を抑えながら、俺を庇うように覆い被さってくる
―当たり前の世界が、突然
音もなく一変した
……
―初お泊り編・谷崎第1話―
『ナイフ』
両手に買い物袋を提げて2人、慣れ親しんだ道を並んで歩く
【谷崎】
「なんだ?何か嬉しい事でもあったのか?」
横を歩く宮沢の視線に気づいて話しかけると
【宮沢】
「ううん、何でもない
牡蠣のお鍋楽しみだなーって思ってただけ」
そんな他愛もない答えが返ってきた
何気ない、だけどかけがえのない、そんなひととき―
隣に宮沢が居る―
それだけで、他に望むべくもない
―3か月前
堪え切れない身勝手な恋情を、宮沢にぶつけてしまった…あの日
己の愚かさを悔いて
悔恨の涙で頬を濡らした
―あの日
だけどそんな俺に…
【宮沢】
「これからも…ずっと、俺の一番近くに…居て、くれる?」
【宮沢】
「ずっと…
ありがと、潤司」
宮沢は事もなげにそう言って、俺を受け容れてくれた
そんなことを思い出しながらも、アパートまでの道のりを…談笑しながら歩くこと数分
【宮沢】
「うーん。増やすなら『家族』って関係性がいいかな」
【宮沢】
「男同士って、どうやったら家族になれるのか分かんないけど…」
【宮沢】
「でもね、潤司と一生こうして一緒に居たいなって…、そう思ってるんだ」
その言葉があまりに夢のようで…
どうにもならないほど嬉しくて……
『俺も同じだ、宮沢』
その言葉を……
いくつかの話題の果てにようやく伝えようとした―その時
……―ザッ!
背後から、影が差した気がした
【谷崎】
「!?」
【宮沢】
「潤司ッ!!!」
宮沢が目を見開いて叫んだ、矢先―
脇腹に鋭い熱が奔(はし)った