告白編 -吉川の場合-
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【吉川】
「…宮沢!」
再び―
俺の身体は、吉川先輩の胸に抱すくめられていた
でも、今度は先程とは違って…
優しくて…慈しくしむような抱擁に感じられた
―第3話―
『告白』
【吉川】
「…その、悪かったな……」
きまりが悪そうに目を逸らして、吉川先輩が呟いた
あの後…、20分ほど砂浜で抱き締められていただろうか…
風が少し冷たくなってきたな…と感じた頃、吉川先輩は身体を起こした
【吉川】
「背中、砂だらけになっちまったな…
……髪も…」
俺の手を引いて起き上がらせてくれた先輩は
背中をパンパンとはたいて、髪の毛も丁寧に手櫛で梳いてキレイにしてくれた
―そうしてまた、2人で海岸に座っていたのだった
【宮沢】
「いえあの…背中、ありがとうございます」
【吉川】
「いや、押し倒したのは俺だから…、お前が謝ることじゃねぇよ」
応える吉川先輩の表情からは、さっきまでの翳りはなくなっていて…
【宮沢】
良かった。吉川先輩…少し元気になったみたいだ
やっぱり、何か悩んでたんだな…)
【宮沢】
悩みの理由は分からなくても…
俺、少しでも先輩の心を軽くしてあげられたのなら…嬉しいな)
【吉川】
「宮沢…」
【宮沢】
「はい、なんでしょう吉川先輩」
吉川先輩が元気になったのが嬉しくて、ニコニコしながら返事をする
【吉川】
「………」
【吉川】
「……フ、お前ってほんと鈍いつーか、天然っつーか……」
【宮沢】
「?
どうかしましたか?」
【吉川】
「いや、なんでもねぇよ」
【吉川】
「そろそろ風が出てきたな…
帰ろうぜ。付き合ってくれた礼に、途中でメシ奢ってやるよ」
【宮沢】
「はい!
わぁ、ありがとうございます!」
俺たちは立ち上がり、すっかり日が暮れた海岸を後にした
―居酒屋でご飯を奢ってもらって、帰り道……
【宮沢】
「ごちそうさまでした、吉川先輩。
先輩とたくさんシンクロの話ができて楽しかったです!」
【吉川】
「ああ…」
【宮沢】
(この無愛想な返事…、いつもの吉川先輩だ)
結局、吉川先輩が何の事で悩んでいたかは話してくれなかったけど…
居酒屋でうっかりシンクロの話ではしゃいでしまった俺に、
言葉少なながらも…時々微笑んで、話を聞いてくれた
いつものように、俺の身体を気遣って野菜を食べさせようとしながら……
【宮沢】
(本当に、吉川先輩が元気になって良かった)
【宮沢】
「えへへ…」
嬉しさが込み上げて、思わず吉川先輩に笑いかける
【吉川】
「…!」
そんな俺を見て、吉川先輩は何故か一瞬固まったあと…
【吉川】
「……酔ってんのか?
フラフラすっと危ねーから、手ぇ貸せ」
【宮沢】
「あ……」
ぶっきらぼうに俺の手をとって、繋いだまま…俺の半歩前を歩いてくれる吉川先輩
【宮沢】
(やっぱり…優しい……)
吉川先輩の手があったかくて、
なんだか幸せな気持ちのまま…手を引かれるままに歩みを進めていると……
【吉川】
「……好きだぜ、宮沢」
ぽつりと…吉川先輩がそう呟いた
―第4話―
『告白(吉川side)』
居酒屋からの帰り道、宮沢と並んで歩く
今もご機嫌な様子の宮沢は、居酒屋でも楽しそうにシンクロの話を俺に聞かせた
挑戦したい技のこと、チームがまとまってきていることの喜び…
それと…俺がチームに居てくれて嬉しいということ……
【吉川】
「ん…?」
気が付くと、宮沢が俺の顔を見上げていた
【宮沢】
「えへへ…」
【吉川】
「…!」
俺を見上げたまま…、にぱっと頬を緩めた宮沢の笑顔に、思わず釘づけになる
…それはまるで、親鳥をみつけたヒナが全身で喜びを表すような…そんな笑顔で……
【吉川】
(…やべぇ、見とれちまった)
【吉川】
(つか…、夜2人っきりで歩いてるってのに…そんな…無防備な顔見せんなよ…)
【吉川】
「……」
【吉川】
「……酔ってんのか?
フラフラすっと危ねーから、手ぇ貸せ」
今すぐ抱き締めたい衝動を必死で抑え…
―でも、こいつに触れたい欲求を消しきれなくて、下手な言い訳をして宮沢の手を取る
【宮沢】
「あ…」
宮沢は、少し驚いた顔をしたものの、そっと握り返して…、黙って俺の手に引かれて歩いた
【吉川】
(…フ、嬉しそうな顔しやがって…
日なたにいる猫みてーだな…)
少し頬を染めて大人しく従う宮沢が、いとおしくてたまらなくて…
【吉川】
「……好きだぜ、宮沢」
無意識に…言葉が口をついた
【宮沢】
「え…っ!」
【吉川】
「!?」
【吉川】
(俺…いま……口に出した……?)
宮沢の反応で瞬時に我に返る
【吉川】
「な…なんでもねぇ!口が滑っただけだ!聞かなかったことにしてくれ!」
身体中の血が逆流するような感情に陥り、羞恥で頬が熱くなる
【吉川】
(やべぇ…俺、何口走ってんだ!?つか…好きとか…完全にホモじゃねーか!!)
宮沢は、思考が追い付かないのかドン引きしたのか…困惑した表情で俺を見つめている
「…宮沢!」
再び―
俺の身体は、吉川先輩の胸に抱すくめられていた
でも、今度は先程とは違って…
優しくて…慈しくしむような抱擁に感じられた
―第3話―
『告白』
【吉川】
「…その、悪かったな……」
きまりが悪そうに目を逸らして、吉川先輩が呟いた
あの後…、20分ほど砂浜で抱き締められていただろうか…
風が少し冷たくなってきたな…と感じた頃、吉川先輩は身体を起こした
【吉川】
「背中、砂だらけになっちまったな…
……髪も…」
俺の手を引いて起き上がらせてくれた先輩は
背中をパンパンとはたいて、髪の毛も丁寧に手櫛で梳いてキレイにしてくれた
―そうしてまた、2人で海岸に座っていたのだった
【宮沢】
「いえあの…背中、ありがとうございます」
【吉川】
「いや、押し倒したのは俺だから…、お前が謝ることじゃねぇよ」
応える吉川先輩の表情からは、さっきまでの翳りはなくなっていて…
【宮沢】
良かった。吉川先輩…少し元気になったみたいだ
やっぱり、何か悩んでたんだな…)
【宮沢】
悩みの理由は分からなくても…
俺、少しでも先輩の心を軽くしてあげられたのなら…嬉しいな)
【吉川】
「宮沢…」
【宮沢】
「はい、なんでしょう吉川先輩」
吉川先輩が元気になったのが嬉しくて、ニコニコしながら返事をする
【吉川】
「………」
【吉川】
「……フ、お前ってほんと鈍いつーか、天然っつーか……」
【宮沢】
「?
どうかしましたか?」
【吉川】
「いや、なんでもねぇよ」
【吉川】
「そろそろ風が出てきたな…
帰ろうぜ。付き合ってくれた礼に、途中でメシ奢ってやるよ」
【宮沢】
「はい!
わぁ、ありがとうございます!」
俺たちは立ち上がり、すっかり日が暮れた海岸を後にした
―居酒屋でご飯を奢ってもらって、帰り道……
【宮沢】
「ごちそうさまでした、吉川先輩。
先輩とたくさんシンクロの話ができて楽しかったです!」
【吉川】
「ああ…」
【宮沢】
(この無愛想な返事…、いつもの吉川先輩だ)
結局、吉川先輩が何の事で悩んでいたかは話してくれなかったけど…
居酒屋でうっかりシンクロの話ではしゃいでしまった俺に、
言葉少なながらも…時々微笑んで、話を聞いてくれた
いつものように、俺の身体を気遣って野菜を食べさせようとしながら……
【宮沢】
(本当に、吉川先輩が元気になって良かった)
【宮沢】
「えへへ…」
嬉しさが込み上げて、思わず吉川先輩に笑いかける
【吉川】
「…!」
そんな俺を見て、吉川先輩は何故か一瞬固まったあと…
【吉川】
「……酔ってんのか?
フラフラすっと危ねーから、手ぇ貸せ」
【宮沢】
「あ……」
ぶっきらぼうに俺の手をとって、繋いだまま…俺の半歩前を歩いてくれる吉川先輩
【宮沢】
(やっぱり…優しい……)
吉川先輩の手があったかくて、
なんだか幸せな気持ちのまま…手を引かれるままに歩みを進めていると……
【吉川】
「……好きだぜ、宮沢」
ぽつりと…吉川先輩がそう呟いた
―第4話―
『告白(吉川side)』
居酒屋からの帰り道、宮沢と並んで歩く
今もご機嫌な様子の宮沢は、居酒屋でも楽しそうにシンクロの話を俺に聞かせた
挑戦したい技のこと、チームがまとまってきていることの喜び…
それと…俺がチームに居てくれて嬉しいということ……
【吉川】
「ん…?」
気が付くと、宮沢が俺の顔を見上げていた
【宮沢】
「えへへ…」
【吉川】
「…!」
俺を見上げたまま…、にぱっと頬を緩めた宮沢の笑顔に、思わず釘づけになる
…それはまるで、親鳥をみつけたヒナが全身で喜びを表すような…そんな笑顔で……
【吉川】
(…やべぇ、見とれちまった)
【吉川】
(つか…、夜2人っきりで歩いてるってのに…そんな…無防備な顔見せんなよ…)
【吉川】
「……」
【吉川】
「……酔ってんのか?
フラフラすっと危ねーから、手ぇ貸せ」
今すぐ抱き締めたい衝動を必死で抑え…
―でも、こいつに触れたい欲求を消しきれなくて、下手な言い訳をして宮沢の手を取る
【宮沢】
「あ…」
宮沢は、少し驚いた顔をしたものの、そっと握り返して…、黙って俺の手に引かれて歩いた
【吉川】
(…フ、嬉しそうな顔しやがって…
日なたにいる猫みてーだな…)
少し頬を染めて大人しく従う宮沢が、いとおしくてたまらなくて…
【吉川】
「……好きだぜ、宮沢」
無意識に…言葉が口をついた
【宮沢】
「え…っ!」
【吉川】
「!?」
【吉川】
(俺…いま……口に出した……?)
宮沢の反応で瞬時に我に返る
【吉川】
「な…なんでもねぇ!口が滑っただけだ!聞かなかったことにしてくれ!」
身体中の血が逆流するような感情に陥り、羞恥で頬が熱くなる
【吉川】
(やべぇ…俺、何口走ってんだ!?つか…好きとか…完全にホモじゃねーか!!)
宮沢は、思考が追い付かないのかドン引きしたのか…困惑した表情で俺を見つめている