吉川と交際一年目
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【宮沢】
「そ、それもそうですね……」
有無を言わさない言い方に、思わず声が小さくなってしまう
【宮沢】
「えっと、じゃあとりあえずこのお店でも見て回りましょうか!」
俺は微妙な空気を変えたくて、近くにあったメンズファッションのレイジイエローに入っていった
【宮沢】
(はぁ……また先輩を怒らせちゃったみたいだ……)
洋服を見ながらため息を吐く
今までも度々先輩を怒らせてしまうことがあったが、ここ最近は特に多い気がする
【宮沢】
(昨日だって、俺のせいで梶井さんと瑛二先輩が喧嘩しちゃったみたいだし)
先輩の顔をちらりと見ると、何か考え込むようなイライラしているような表情をしていた
【宮沢】
(俺ってば、先輩に迷惑かけてばかりだな……)
段々と暗くなってくる気持ちを振り払うように、目の前の洋服を手に取った
【宮沢】
「瑛二先輩、俺ちょっと試着してきますね」
【吉川】
「ん? あ、あぁ……わかった」
【宮沢】
「試着終わったら、似合ってるか見てくれますか?」
いまいち反応の薄い先輩を、覗き込むようにしながら見上げる
【吉川】
「いいぜ。早くいって来いよ」
【宮沢】
「……はい」
やっぱり何か機嫌が悪いのか、先輩は笑ってはくれなかった
「俺の悪いところ、いっぱいありすぎてわからないや……」
一人になった試着室で乾いた笑いをもらす
俺は鈍感だから、先輩が何に対して怒っているのかいまいち分からない
いや、そんなところに先輩は呆れて怒っているのかもしれないのだけれど
【宮沢】
(せっかくのデートなのに、俺のせいで台無しになっちゃってるよね……)
先輩も楽しみにしてるって言ってくれたのに、先輩を怒らせてしまったのは間違いなく俺だと思う
ついさっきまでのウキウキとした気分は既に消え失せ、俺はため息ばかり吐いていた
【宮沢】
(こんな時、どうしたら先輩を喜ばせることが出来るんだろう?)
俺は着ていた洋服を脱いで、店のシャツを羽織ろうとしたとき――
【宮沢】
「……う、わあぁっ!」
急にカーテンが開いて誰かが入って来たのだった
―第3話―
【吉川】
(ちっ……どうしていつもいつも……)
俺は試着中の宮沢を待ちなが
ら、歯噛みをしていた
ようやく宮沢との仲も深まっ
てきたところなのに
俺の心の中にはどうにも薄黒い感情が胸の中にわだかまっていた
【吉川】
(それもこれも、全部梶井の野郎の所為だ…)
梶井さんは最近何かと宮沢に
絡んでくる
宮沢は鈍いから気が付いてい
ないのだろうが
奴は確実に宮沢のことを狙っ
ているように感じる
これは絶対に嫉妬による気のせいなんかじゃない
【吉川】
(シンクロの腕は認めてる。それにフリーランスで成功してる才覚もすげえ)
【吉川】
(金も地位もあって、見た目だっていい。俺なんかより、宮沢を幸せにしてくれんのかもしれねえ…)
【吉川】
(すぐ熱くなる俺と違って冷静だし、何もかもまるで敵わねえ)
けど、だからと言って宮沢だ
けは譲れない
あいつを好きな気持ちだけは負けない。
―その思いだけは、譲る訳にはいか
なかった
【吉川】
(…にしても宮沢。隙があり
すぎんだよ!)
宮沢は優しいから、誰にだっ
て快く接するのは当たり前だが
恋人は俺なんだって、宮沢を
独り占めしたくてたまらない
【梶井】
『熱すぎる炎で、宮沢さんを焼いてしまわぬよう、お気を付けて』
昨日言われた言葉が、まだ頭に残っている
【吉川】
(俺が宮沢にあんな顔させち
まってるのは、わかってんだよ!)
宮沢に八つ当たりをするのは
間違っているとわかってはいるが
どうしても宮沢が他の奴と一
緒にいるのを見たりすると我慢が出来なくなってしまうのだ
【吉川】
(久しぶりのデートぐらい、
宮沢を笑顔にさせてぇのに…
…)
俺は自分の中にある醜い感情を振り払うように、気持ちを入れ替えてショッピングモールにやって来たものの
そこでも梶井さんの影に悩まされることになるとは思いもよらなかった
【宮沢】
『お昼はここのフードコートに行きたいんです!』
【宮沢】
『梶井さんがプロデュースしたって伺って、きっと美味しいんだろうなって…』
宮沢の口から発せられる、別
の男の名前
【吉川】
(しかもよりによって何であの男なんだよ……クソっ!)
宮沢は別段意識しているわけ
ではないだろうが、タイミングが悪すぎた
俺は自分の心が再び薄黒い霧に覆われて行くのを感じていた
【吉川】
(宮沢を傷つけてぇわけじゃ
ねぇのに)
宮沢は、俺の機嫌が悪くなっ
たのを感じたのか元気がない様子だ
【吉川】
(こんな時、余裕のある奴だったらもっとスマートにやれんのか?)
俺は、梶井さんが宮沢を慰め
ている姿を想像した
【吉川】
(くそ!駄目だ…)
慌てて頭を振って、イメージを消す
【吉川】
(……暗い顔ばっかしてっと、
宮沢が余計に落ち込むよな)
俺はもう一度気持ちを入れ替えるために瞳を閉じた
宮沢が試着室から出てきたら、
褒め言葉の一つや二つは言ってやろう
そう思いながら、ふと店の外に視線を向けた
【吉川】
(なんであいつがここに……!?)
少し離れたところに、買い物をしに来たのだろうか、梶井さんの姿が見えた
こちらの方へ向かっているようで、このままでは絶対に見つかってしまう
【吉川】
(たまのデートまでこじらせてたまるかよ!)
急いで店を出て場所を変えようと思ったが、宮沢はまだ試着室の中
にいる
俺は試着室と店の外を交互に見ながら、どうすればいいか考えた
「そ、それもそうですね……」
有無を言わさない言い方に、思わず声が小さくなってしまう
【宮沢】
「えっと、じゃあとりあえずこのお店でも見て回りましょうか!」
俺は微妙な空気を変えたくて、近くにあったメンズファッションのレイジイエローに入っていった
【宮沢】
(はぁ……また先輩を怒らせちゃったみたいだ……)
洋服を見ながらため息を吐く
今までも度々先輩を怒らせてしまうことがあったが、ここ最近は特に多い気がする
【宮沢】
(昨日だって、俺のせいで梶井さんと瑛二先輩が喧嘩しちゃったみたいだし)
先輩の顔をちらりと見ると、何か考え込むようなイライラしているような表情をしていた
【宮沢】
(俺ってば、先輩に迷惑かけてばかりだな……)
段々と暗くなってくる気持ちを振り払うように、目の前の洋服を手に取った
【宮沢】
「瑛二先輩、俺ちょっと試着してきますね」
【吉川】
「ん? あ、あぁ……わかった」
【宮沢】
「試着終わったら、似合ってるか見てくれますか?」
いまいち反応の薄い先輩を、覗き込むようにしながら見上げる
【吉川】
「いいぜ。早くいって来いよ」
【宮沢】
「……はい」
やっぱり何か機嫌が悪いのか、先輩は笑ってはくれなかった
「俺の悪いところ、いっぱいありすぎてわからないや……」
一人になった試着室で乾いた笑いをもらす
俺は鈍感だから、先輩が何に対して怒っているのかいまいち分からない
いや、そんなところに先輩は呆れて怒っているのかもしれないのだけれど
【宮沢】
(せっかくのデートなのに、俺のせいで台無しになっちゃってるよね……)
先輩も楽しみにしてるって言ってくれたのに、先輩を怒らせてしまったのは間違いなく俺だと思う
ついさっきまでのウキウキとした気分は既に消え失せ、俺はため息ばかり吐いていた
【宮沢】
(こんな時、どうしたら先輩を喜ばせることが出来るんだろう?)
俺は着ていた洋服を脱いで、店のシャツを羽織ろうとしたとき――
【宮沢】
「……う、わあぁっ!」
急にカーテンが開いて誰かが入って来たのだった
―第3話―
【吉川】
(ちっ……どうしていつもいつも……)
俺は試着中の宮沢を待ちなが
ら、歯噛みをしていた
ようやく宮沢との仲も深まっ
てきたところなのに
俺の心の中にはどうにも薄黒い感情が胸の中にわだかまっていた
【吉川】
(それもこれも、全部梶井の野郎の所為だ…)
梶井さんは最近何かと宮沢に
絡んでくる
宮沢は鈍いから気が付いてい
ないのだろうが
奴は確実に宮沢のことを狙っ
ているように感じる
これは絶対に嫉妬による気のせいなんかじゃない
【吉川】
(シンクロの腕は認めてる。それにフリーランスで成功してる才覚もすげえ)
【吉川】
(金も地位もあって、見た目だっていい。俺なんかより、宮沢を幸せにしてくれんのかもしれねえ…)
【吉川】
(すぐ熱くなる俺と違って冷静だし、何もかもまるで敵わねえ)
けど、だからと言って宮沢だ
けは譲れない
あいつを好きな気持ちだけは負けない。
―その思いだけは、譲る訳にはいか
なかった
【吉川】
(…にしても宮沢。隙があり
すぎんだよ!)
宮沢は優しいから、誰にだっ
て快く接するのは当たり前だが
恋人は俺なんだって、宮沢を
独り占めしたくてたまらない
【梶井】
『熱すぎる炎で、宮沢さんを焼いてしまわぬよう、お気を付けて』
昨日言われた言葉が、まだ頭に残っている
【吉川】
(俺が宮沢にあんな顔させち
まってるのは、わかってんだよ!)
宮沢に八つ当たりをするのは
間違っているとわかってはいるが
どうしても宮沢が他の奴と一
緒にいるのを見たりすると我慢が出来なくなってしまうのだ
【吉川】
(久しぶりのデートぐらい、
宮沢を笑顔にさせてぇのに…
…)
俺は自分の中にある醜い感情を振り払うように、気持ちを入れ替えてショッピングモールにやって来たものの
そこでも梶井さんの影に悩まされることになるとは思いもよらなかった
【宮沢】
『お昼はここのフードコートに行きたいんです!』
【宮沢】
『梶井さんがプロデュースしたって伺って、きっと美味しいんだろうなって…』
宮沢の口から発せられる、別
の男の名前
【吉川】
(しかもよりによって何であの男なんだよ……クソっ!)
宮沢は別段意識しているわけ
ではないだろうが、タイミングが悪すぎた
俺は自分の心が再び薄黒い霧に覆われて行くのを感じていた
【吉川】
(宮沢を傷つけてぇわけじゃ
ねぇのに)
宮沢は、俺の機嫌が悪くなっ
たのを感じたのか元気がない様子だ
【吉川】
(こんな時、余裕のある奴だったらもっとスマートにやれんのか?)
俺は、梶井さんが宮沢を慰め
ている姿を想像した
【吉川】
(くそ!駄目だ…)
慌てて頭を振って、イメージを消す
【吉川】
(……暗い顔ばっかしてっと、
宮沢が余計に落ち込むよな)
俺はもう一度気持ちを入れ替えるために瞳を閉じた
宮沢が試着室から出てきたら、
褒め言葉の一つや二つは言ってやろう
そう思いながら、ふと店の外に視線を向けた
【吉川】
(なんであいつがここに……!?)
少し離れたところに、買い物をしに来たのだろうか、梶井さんの姿が見えた
こちらの方へ向かっているようで、このままでは絶対に見つかってしまう
【吉川】
(たまのデートまでこじらせてたまるかよ!)
急いで店を出て場所を変えようと思ったが、宮沢はまだ試着室の中
にいる
俺は試着室と店の外を交互に見ながら、どうすればいいか考えた