交際半年 志賀編
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てっきり水泳の質問だと思っていたところへの、あまりに予想外過ぎる言葉に、うっかり思考が停止する
【イズミ】
「今日、コーチと一緒に車で来ていた男の人が、更衣室でお隣にいたから…ご挨拶したんです」
―そこからのイズミくんの話は、衝撃的なものだった
【イズミ】
「宮沢コーチのお兄さんですか?
こんにちは、いつもコーチにお世話になっております」
【志賀】
「ふむ。貴様は宮沢の教え子
か」
【イズミ】
「はい!コーチは優しくて、速く泳げるようにしてくれて…
レッスン、すごく楽しいです!」
【志賀】
「快活に挨拶をするのは感心だが、1つ誤りがある」
【志賀】
「俺は宮沢の兄ではなく、婚
約者だ」
【イズミ】
「えっ!?……あれ?
コーチは女の人だったんですか…」
【志賀】
「貴様は話の主旨を違えているな
ここで大事なのは性別ではなく関係性の認識だ」
【志賀】
「いいか?『宮沢は俺の配偶
者となる相手』それが、貴様がいま理解すべき、唯一の事項だ」
【イズミ】
「は……はい。コーチはお兄さんのお嫁さん…ですか」
【イズル】
「おいイズミ、あんまり長く話してるとご迷惑だろ」
【イズミ】
「あ、すみません!それじゃ、ええと…コーチのお婿さん、お話ありがとうございました!」
【志賀】
「うむ。貴様はなかなかに理解が早いな。兄弟仲良く、宮沢に教え
を乞うが良い」
「はい!それじゃ失礼します」
【宮沢】
(まさか、生徒に…そんなことを言ってたなんて……)
志賀助教は己の言動に揺るがぬ自信を持っていて、隠すことなど一切しない
だから当然、こういう事態も予測はできた筈なのだけど……
【イズミ】
「……コーチ。僕、イケないこと聞いちゃいましたか?」
【宮沢】
「うっ、ううん!そんなことないよ」
曇った表情を慌てて笑顔に変え、不安そうに見上げるイズミくんに微笑みかける
【宮沢】
「あのさ、俺とそのお兄さんは確かに仲良しなんだけど…」
【宮沢】
「お願いだから、婚約のことは他の人には内緒にしていてくれないかな」
【イズミ】
「―どうしてですか?
好きって幸せなことで、結婚はおめでたいことではないんですか?」
【宮沢】
「そ…、それはそう…
なんだけど………」
確かに結婚はおめでたい事なんだけど、世間的には男同士で結婚だなんて、あまり容易に祝福されることではない
【宮沢】
(だけどそれを、どう説明したら………)
【イズル】
「おい、イズミ
そろそろ着替えないと、夕飯に間に合わなくなるぞ」
イズミくんへの返事に窮しているところへ、更衣室に向かう扉の方から呼び声が掛かった
【イズミ】
「あっ大変!いますぐ行くからちょっとだけ待ってて!」
【イズル】
「待ってるから早くしろ
それにあんまりコーチを困らせてんなよ」
【イズミ】
「はあーい!それじゃコーチ、またお話聞かせてください」
ぺこりとお辞儀をして、慌ててイズルくんの後を追おうとするイズミくん
【宮沢】
「ごめんね、すぐに答えてあげられなくて」
そんなイズミくんに、申し訳ない気持ちで謝罪の言葉を口にする
【宮沢】
「ちゃんと説明できるように、次までに考えておくから」
【イズミ】
「ありがとうございます。コーチはいつも真剣にお話聞いてくれるから、とっても嬉しいです!」
改めて俺の方へ振り向いてお礼を言ってから、イズミくんはお兄さんを追いかけて去っていた
【宮沢】
(俺も早く着替えないと、カウンター当番間に合わないや)
軽く拭いた身体にジャージを羽織り、プールを後にする
【宮沢】
(『結婚はおめでたいもの』―か)
【宮沢】
(そもそも助教は本当に、男の俺と結婚するつもりなのかな)
志賀助教は、子供相手でも嘘や冗談を言うタイプではない
そして、俺たちが半年前から今日まで、
恋人同士のお付き合いをしてきているのも事実だ(すごく、色々あったけど……)
【宮沢】
(俺、助教の事は好きだけど
まだ学生だし、結婚なんて考えたことなかったよ…)
カウンターで受け付けの仕事をしながらも、自然とその事へ思いを巡らせてしまう
【宮沢】
(『貴様は一生俺のものだ』って…よく言われるけど、それって結婚するって意味だったってこと…だよね)
【宮沢】
(……でも、男同士で結婚て、具体的にどうするんだろう)
―そんな疑問を浮かべながら、何気なくドアの外へ目をやると
ザアアアアアアアア……
【宮沢】
(うわ、すごい土砂降り
今日、夕立の予報出てたっけ……)
【宮沢】
(もう15分で今日のシフトは終わりだけど、どうにか止んでくれないかなあ…)
【宮沢】
(―って、あれは!?)
―第2話―
『志賀side』
【志賀】
(―そろそろ宮沢のバイトが
終わる時間か)
時計を見上げて、ベンチプレスの台から立ち上がる
宮沢を待つ時間は、トレーニ
ングやシンクロの自主練に最適だった
スポーツ運動学を追及する者として、己の肉体も常にベストな状態に保つ必要がある
このクラブの施設は、他の類似施設と比べて、非常によく考えられて設定されており、メンテナンスも完璧だ
―立っているだけで男どもを惹きつける宮沢がプールでバイトなど
、
知った時はただちに辞めさせようかとも考えた
しかしこの施設ならば、警備体制も万全で、おまけに俺もこうして研究の一環としてトレーニングも出来る
【志賀】
(結婚したら辞めさせはするが、現状はこれがベストであろう)
宮沢と出会って、俺の世界は
一変した
宮沢の笑顔、宮沢の
声、宮沢の肢体
宮沢をこの身に抱くだけで全
てが満たされた
【志賀】
(やはり、親類たちの薦める見合い話などに乗らなくて正解だった)
【志賀】
(俺に相応しい相手は、宮沢を措いて他にいないのだからな)
【志賀】
(ふむ。今日の夕飯は白ワインと、そうだなシロアマダイでも用意させるか)
【イズミ】
「今日、コーチと一緒に車で来ていた男の人が、更衣室でお隣にいたから…ご挨拶したんです」
―そこからのイズミくんの話は、衝撃的なものだった
【イズミ】
「宮沢コーチのお兄さんですか?
こんにちは、いつもコーチにお世話になっております」
【志賀】
「ふむ。貴様は宮沢の教え子
か」
【イズミ】
「はい!コーチは優しくて、速く泳げるようにしてくれて…
レッスン、すごく楽しいです!」
【志賀】
「快活に挨拶をするのは感心だが、1つ誤りがある」
【志賀】
「俺は宮沢の兄ではなく、婚
約者だ」
【イズミ】
「えっ!?……あれ?
コーチは女の人だったんですか…」
【志賀】
「貴様は話の主旨を違えているな
ここで大事なのは性別ではなく関係性の認識だ」
【志賀】
「いいか?『宮沢は俺の配偶
者となる相手』それが、貴様がいま理解すべき、唯一の事項だ」
【イズミ】
「は……はい。コーチはお兄さんのお嫁さん…ですか」
【イズル】
「おいイズミ、あんまり長く話してるとご迷惑だろ」
【イズミ】
「あ、すみません!それじゃ、ええと…コーチのお婿さん、お話ありがとうございました!」
【志賀】
「うむ。貴様はなかなかに理解が早いな。兄弟仲良く、宮沢に教え
を乞うが良い」
「はい!それじゃ失礼します」
【宮沢】
(まさか、生徒に…そんなことを言ってたなんて……)
志賀助教は己の言動に揺るがぬ自信を持っていて、隠すことなど一切しない
だから当然、こういう事態も予測はできた筈なのだけど……
【イズミ】
「……コーチ。僕、イケないこと聞いちゃいましたか?」
【宮沢】
「うっ、ううん!そんなことないよ」
曇った表情を慌てて笑顔に変え、不安そうに見上げるイズミくんに微笑みかける
【宮沢】
「あのさ、俺とそのお兄さんは確かに仲良しなんだけど…」
【宮沢】
「お願いだから、婚約のことは他の人には内緒にしていてくれないかな」
【イズミ】
「―どうしてですか?
好きって幸せなことで、結婚はおめでたいことではないんですか?」
【宮沢】
「そ…、それはそう…
なんだけど………」
確かに結婚はおめでたい事なんだけど、世間的には男同士で結婚だなんて、あまり容易に祝福されることではない
【宮沢】
(だけどそれを、どう説明したら………)
【イズル】
「おい、イズミ
そろそろ着替えないと、夕飯に間に合わなくなるぞ」
イズミくんへの返事に窮しているところへ、更衣室に向かう扉の方から呼び声が掛かった
【イズミ】
「あっ大変!いますぐ行くからちょっとだけ待ってて!」
【イズル】
「待ってるから早くしろ
それにあんまりコーチを困らせてんなよ」
【イズミ】
「はあーい!それじゃコーチ、またお話聞かせてください」
ぺこりとお辞儀をして、慌ててイズルくんの後を追おうとするイズミくん
【宮沢】
「ごめんね、すぐに答えてあげられなくて」
そんなイズミくんに、申し訳ない気持ちで謝罪の言葉を口にする
【宮沢】
「ちゃんと説明できるように、次までに考えておくから」
【イズミ】
「ありがとうございます。コーチはいつも真剣にお話聞いてくれるから、とっても嬉しいです!」
改めて俺の方へ振り向いてお礼を言ってから、イズミくんはお兄さんを追いかけて去っていた
【宮沢】
(俺も早く着替えないと、カウンター当番間に合わないや)
軽く拭いた身体にジャージを羽織り、プールを後にする
【宮沢】
(『結婚はおめでたいもの』―か)
【宮沢】
(そもそも助教は本当に、男の俺と結婚するつもりなのかな)
志賀助教は、子供相手でも嘘や冗談を言うタイプではない
そして、俺たちが半年前から今日まで、
恋人同士のお付き合いをしてきているのも事実だ(すごく、色々あったけど……)
【宮沢】
(俺、助教の事は好きだけど
まだ学生だし、結婚なんて考えたことなかったよ…)
カウンターで受け付けの仕事をしながらも、自然とその事へ思いを巡らせてしまう
【宮沢】
(『貴様は一生俺のものだ』って…よく言われるけど、それって結婚するって意味だったってこと…だよね)
【宮沢】
(……でも、男同士で結婚て、具体的にどうするんだろう)
―そんな疑問を浮かべながら、何気なくドアの外へ目をやると
ザアアアアアアアア……
【宮沢】
(うわ、すごい土砂降り
今日、夕立の予報出てたっけ……)
【宮沢】
(もう15分で今日のシフトは終わりだけど、どうにか止んでくれないかなあ…)
【宮沢】
(―って、あれは!?)
―第2話―
『志賀side』
【志賀】
(―そろそろ宮沢のバイトが
終わる時間か)
時計を見上げて、ベンチプレスの台から立ち上がる
宮沢を待つ時間は、トレーニ
ングやシンクロの自主練に最適だった
スポーツ運動学を追及する者として、己の肉体も常にベストな状態に保つ必要がある
このクラブの施設は、他の類似施設と比べて、非常によく考えられて設定されており、メンテナンスも完璧だ
―立っているだけで男どもを惹きつける宮沢がプールでバイトなど
、
知った時はただちに辞めさせようかとも考えた
しかしこの施設ならば、警備体制も万全で、おまけに俺もこうして研究の一環としてトレーニングも出来る
【志賀】
(結婚したら辞めさせはするが、現状はこれがベストであろう)
宮沢と出会って、俺の世界は
一変した
宮沢の笑顔、宮沢の
声、宮沢の肢体
宮沢をこの身に抱くだけで全
てが満たされた
【志賀】
(やはり、親類たちの薦める見合い話などに乗らなくて正解だった)
【志賀】
(俺に相応しい相手は、宮沢を措いて他にいないのだからな)
【志賀】
(ふむ。今日の夕飯は白ワインと、そうだなシロアマダイでも用意させるか)