告白編 -志賀の場合-
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―プロローグ―
【宮沢】
「助教…、今日中にこの枚数は、少し尋常じゃない気がするのですけど……」
―昼下がりの研究室
いつものように宮沢を呼びつけて、追試のレポート作成を命じていると…そんな抗議の声が上がった
その声に反応して、読みかけの論文から顔を上げると…、なんとも情けない表情の宮沢と目が合う
【志賀】
「なんだ、これくらいで根を上げるとは…。貴様のシンクロコーチへの志はその程度なのか」
【志賀】
「しかも、この俺が直々に教えを説いてやっているというのに、なんの不満があるというのだ」
【宮沢】
「う……」
俺の言葉に、一瞬言葉を詰まらせる宮沢。
……―しかし
【宮沢】
「た…確かに先日の運動生理学のレポートの出来が、あまり良くなかったのは認めます…」
【宮沢】
「ですが、追試で体液調整系ついてのレポート20枚が終わるまで、ここから帰さないというのは…」
俺の目を見据えながら、切々と訴える宮沢
こいつは…、いつでもこんな風に、真っ直ぐな眼差しを俺に向けてくる
【志賀】
「………」
―生徒が、俺の事を陰で「鬼神」と呼んでいるのは知っている
だが、俺は単純に…授業の出欠や、提出課題を、正当に評価してやっているだけだ
【志賀】
(それを…、感謝されこそすれ恐れられるなど…、最近の学生というのはどれだけ軟弱なのか)
授業を、単なる卒業までのポイント取りゲームだとでも思っているのか―
学ぶ気もないのに、単位数を計算してコマを埋め、代返やレポートのコピーに奔走する生徒たち
【志賀】
(どこの大学も似たようなものなのだろうが―、全く下らんな……)
―半ば厭世的な気持ちで、教壇に立ち続ける俺の前に現れたのが
宮沢だった
あの日―、あの瞬間の事は…
今でも俺の胸に焼き付いている
教壇から一望した…色彩のない空間の中で、そこだけがくっきりと…鮮やかに色づいて見えた
少し頬を紅潮させ、キラキラと瞳を輝かせながら、熱心にノートをとる…新入生と思しき生徒
【志賀】
「貴様、名はなんという」
【宮沢】
「え…っ、あの…
宮沢…宮沢です」
講義終了と同時に、俺は…半ば無意識にその生徒の元へ歩み寄り―、名を訊ねていた
それからというもの―、
どうやら入学直後に、俺の授業をありったけ取っていたらしい宮沢を…
俺は事ある毎に研究室に呼び出し、直接指導を行うようになっていた
―そして、ある日
【宮沢】
「実はメンバーが少なすぎて、大学のプールが使えなくなっちゃったんですけど…」
【宮沢】
「バイト先のフィットネスプールで、シンクロチームの活動をさせて貰えることになって…!」
嬉しそうにそう告げる宮沢に、
【志賀】
「俺もその活動に参加する」
無意識に言葉が口を突き、そのままバイト先に同行したのだった
【志賀】
(何故俺は、こうも宮沢に執着してしまうのか―)
【志賀】
(そして、宮沢のあの眼差し…、あれと同じ眼差しを俺は何処かで………)
【宮沢】
「あの…、助教?」
気付くと、宮沢が訝しげに俺の顔を覗き込んでいる
俺としたことが―、少し物思いに耽り過ぎたようだ
【志賀】
「……貴様の運動生理学のレポートだが、別に出来が悪かった訳ではない」
そう、むしろ他の生徒よりも、考察も…文章も丁寧に書かれ、完成度的には申し分ないものだった
【宮沢】
「えっ!?それじゃあ、どうして……」
【志賀】
「どうして―だと?
では聞くが、お前の目指すものとは何だ?」
【宮沢】
「世界に通用する、シンクロのコーチ…です」
【志賀】
「フン…、さっき貴様は自分で『レポートの出来がよくなかった』と認めていただろう」
【志賀】
「例え他者と比べて評価の高いレポートであっても、」
【志賀】
「その程度で満足していたのでは…、世界など程遠い話ではないのか?」
【宮沢】
「あ………!」
ハッとしたように目を見開き、顔を赤らめる宮沢
【志賀】
「ようやく気付いたか―」
【志賀】
「………しかし
今日中にこの場で20枚というのに異論があるなら…、仕方がない」
【志賀】
「―体液調整系については、
実践で教えてやるしかないようだな」
ガタ……ッ
【宮沢】
「し…志賀助教……!?
何を……ひぁッ!」
少し怯えの混じった声を無視して、宮沢を強引に椅子に座らせると―
俺は……
その細い首筋に、己の歯をあてがっていた
プロローグ終了
―第1話―
『実践』
【志賀】
「例え他者と比べて評価の高いレポートであっても、」
【志賀】
「その程度で満足していたのでは…、世界など程遠い話ではないのか?」
【宮沢】
「あ………!」
志賀助教にそう指摘され、俺はハッとした
確かにあのレポートは、体裁としては…及第点を貰えるレベルにまとめられていたと思う
だけど、時間の制約などの関係で、検証不足な点がいくつかあったのも確かだ
【宮沢】
志賀助教の言うとおりだ。世界を目指すとか言っていながら、大事な科目のレポートに妥協なんでダメだ)
【宮沢】
志賀助教…、准教授を目指す大事な時期なのに、1生徒に過ぎない俺のことを…ここまで……)
改めて志賀助教の向学心に尊敬の念を抱き、お礼を言おうと思った―矢先の出来事だった
【志賀】
「………今日中にこの場で20枚というのに異論があるなら…、仕方がない」
そう呟いた志賀助教が、デスクチェアから立ち上がった
【志賀】
「―体液調整系については、
実践で教えてやるしかないようだな」
ガタ……ッ
ぐい!…………ドサッ
空になったデスクチェアに、無理矢理…、押し付けるように座らされる
【宮沢】
「し…志賀助教……!?
何を……ひぁッ!
……痛…っ!」
首筋に歯を立てられて、俺は思わず呻き声を上げた
しかし、そんな俺の声を意にも介さず……、志賀助教は俺のシャツの裾を強引に引き上げる
【宮沢】
「や……何を!
ん…くぁ…ッ!」
志賀助教の手が、俺の胸の敏感な部分を探り当て……やわやわと刺激する
【宮沢】
「ちょ…、志賀助きょ……
ど…どうして……!?…あ…はぁ…」
俺の身体に覆いかぶさっている助教の手を、力の入らない両手で押し戻そうとしながら、必死で問いかける
【宮沢】
「助教…、今日中にこの枚数は、少し尋常じゃない気がするのですけど……」
―昼下がりの研究室
いつものように宮沢を呼びつけて、追試のレポート作成を命じていると…そんな抗議の声が上がった
その声に反応して、読みかけの論文から顔を上げると…、なんとも情けない表情の宮沢と目が合う
【志賀】
「なんだ、これくらいで根を上げるとは…。貴様のシンクロコーチへの志はその程度なのか」
【志賀】
「しかも、この俺が直々に教えを説いてやっているというのに、なんの不満があるというのだ」
【宮沢】
「う……」
俺の言葉に、一瞬言葉を詰まらせる宮沢。
……―しかし
【宮沢】
「た…確かに先日の運動生理学のレポートの出来が、あまり良くなかったのは認めます…」
【宮沢】
「ですが、追試で体液調整系ついてのレポート20枚が終わるまで、ここから帰さないというのは…」
俺の目を見据えながら、切々と訴える宮沢
こいつは…、いつでもこんな風に、真っ直ぐな眼差しを俺に向けてくる
【志賀】
「………」
―生徒が、俺の事を陰で「鬼神」と呼んでいるのは知っている
だが、俺は単純に…授業の出欠や、提出課題を、正当に評価してやっているだけだ
【志賀】
(それを…、感謝されこそすれ恐れられるなど…、最近の学生というのはどれだけ軟弱なのか)
授業を、単なる卒業までのポイント取りゲームだとでも思っているのか―
学ぶ気もないのに、単位数を計算してコマを埋め、代返やレポートのコピーに奔走する生徒たち
【志賀】
(どこの大学も似たようなものなのだろうが―、全く下らんな……)
―半ば厭世的な気持ちで、教壇に立ち続ける俺の前に現れたのが
宮沢だった
あの日―、あの瞬間の事は…
今でも俺の胸に焼き付いている
教壇から一望した…色彩のない空間の中で、そこだけがくっきりと…鮮やかに色づいて見えた
少し頬を紅潮させ、キラキラと瞳を輝かせながら、熱心にノートをとる…新入生と思しき生徒
【志賀】
「貴様、名はなんという」
【宮沢】
「え…っ、あの…
宮沢…宮沢です」
講義終了と同時に、俺は…半ば無意識にその生徒の元へ歩み寄り―、名を訊ねていた
それからというもの―、
どうやら入学直後に、俺の授業をありったけ取っていたらしい宮沢を…
俺は事ある毎に研究室に呼び出し、直接指導を行うようになっていた
―そして、ある日
【宮沢】
「実はメンバーが少なすぎて、大学のプールが使えなくなっちゃったんですけど…」
【宮沢】
「バイト先のフィットネスプールで、シンクロチームの活動をさせて貰えることになって…!」
嬉しそうにそう告げる宮沢に、
【志賀】
「俺もその活動に参加する」
無意識に言葉が口を突き、そのままバイト先に同行したのだった
【志賀】
(何故俺は、こうも宮沢に執着してしまうのか―)
【志賀】
(そして、宮沢のあの眼差し…、あれと同じ眼差しを俺は何処かで………)
【宮沢】
「あの…、助教?」
気付くと、宮沢が訝しげに俺の顔を覗き込んでいる
俺としたことが―、少し物思いに耽り過ぎたようだ
【志賀】
「……貴様の運動生理学のレポートだが、別に出来が悪かった訳ではない」
そう、むしろ他の生徒よりも、考察も…文章も丁寧に書かれ、完成度的には申し分ないものだった
【宮沢】
「えっ!?それじゃあ、どうして……」
【志賀】
「どうして―だと?
では聞くが、お前の目指すものとは何だ?」
【宮沢】
「世界に通用する、シンクロのコーチ…です」
【志賀】
「フン…、さっき貴様は自分で『レポートの出来がよくなかった』と認めていただろう」
【志賀】
「例え他者と比べて評価の高いレポートであっても、」
【志賀】
「その程度で満足していたのでは…、世界など程遠い話ではないのか?」
【宮沢】
「あ………!」
ハッとしたように目を見開き、顔を赤らめる宮沢
【志賀】
「ようやく気付いたか―」
【志賀】
「………しかし
今日中にこの場で20枚というのに異論があるなら…、仕方がない」
【志賀】
「―体液調整系については、
実践で教えてやるしかないようだな」
ガタ……ッ
【宮沢】
「し…志賀助教……!?
何を……ひぁッ!」
少し怯えの混じった声を無視して、宮沢を強引に椅子に座らせると―
俺は……
その細い首筋に、己の歯をあてがっていた
プロローグ終了
―第1話―
『実践』
【志賀】
「例え他者と比べて評価の高いレポートであっても、」
【志賀】
「その程度で満足していたのでは…、世界など程遠い話ではないのか?」
【宮沢】
「あ………!」
志賀助教にそう指摘され、俺はハッとした
確かにあのレポートは、体裁としては…及第点を貰えるレベルにまとめられていたと思う
だけど、時間の制約などの関係で、検証不足な点がいくつかあったのも確かだ
【宮沢】
志賀助教の言うとおりだ。世界を目指すとか言っていながら、大事な科目のレポートに妥協なんでダメだ)
【宮沢】
志賀助教…、准教授を目指す大事な時期なのに、1生徒に過ぎない俺のことを…ここまで……)
改めて志賀助教の向学心に尊敬の念を抱き、お礼を言おうと思った―矢先の出来事だった
【志賀】
「………今日中にこの場で20枚というのに異論があるなら…、仕方がない」
そう呟いた志賀助教が、デスクチェアから立ち上がった
【志賀】
「―体液調整系については、
実践で教えてやるしかないようだな」
ガタ……ッ
ぐい!…………ドサッ
空になったデスクチェアに、無理矢理…、押し付けるように座らされる
【宮沢】
「し…志賀助教……!?
何を……ひぁッ!
……痛…っ!」
首筋に歯を立てられて、俺は思わず呻き声を上げた
しかし、そんな俺の声を意にも介さず……、志賀助教は俺のシャツの裾を強引に引き上げる
【宮沢】
「や……何を!
ん…くぁ…ッ!」
志賀助教の手が、俺の胸の敏感な部分を探り当て……やわやわと刺激する
【宮沢】
「ちょ…、志賀助きょ……
ど…どうして……!?…あ…はぁ…」
俺の身体に覆いかぶさっている助教の手を、力の入らない両手で押し戻そうとしながら、必死で問いかける
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