井上と初お泊り
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【宮沢】
(これがあると部屋から出たくなくなるんだけど…、ついに出しちゃった)
年ぶりにひっぱり出したコタツを前に、ほうっと一息つく
【宮沢】
(もうそろそろ、井上が来る頃かな…)
壁際の置時計に目をやると、デジタル表示は14時10分前を指している
【宮沢】
(井上用の布団も歯ブラシも用意したし、足りないものがあったら、あとでコンビニ行けばいいよな)
【宮沢】
(こないだ泊まりにきたときは、まだ温かい季節だったから1組でもなんとかなったけど…)
【宮沢】
(冬はやっぱり寒いもんね)
午前中に買いに行った、一組の真新しい布団は
今は押入れの中だ
大学の友達が泊まりにくるときは、大体雑魚寝だし…
潤司が泊まりに来るときは、2人で夜通しレポートを書くなど…徹夜が常なので、
布団は1組しか置いていなかったのだ
【宮沢】
(それに、今度も一緒の布団で…何ていったら、また井上が暴走しそうだしな…)
あの―、突然の告白から3ヶ月
今日はあれ以来―
初めて、井上がこの部屋に泊まりに来るのだ
【宮沢】
(遊園地へは行ったけど…
その後は井上の中間テストや俺のレポート…)
【宮沢】
(それに大会の練習とかで、なかなかゆっくり時間とれなかったもんなあ…)
【宮沢】
(ふふ…っ、昨日の井上…あんな必死にならなくても、気軽に遊びに来ればいいのに…)
昨晩の井上の様子が甦り、思い出し笑いで口元が緩んでしまう
―昨晩
皆が更衣室を出たのを確かめて、最後の消灯確認をしていたときのこと…
【井上】
「宮沢先輩ーっ!」
既に着替えを終えて、みんなとエントランスに移動した筈の井上が、廊下の向こうから走ってくるのが見えた
【宮沢】
「ああ、井上…忘れ物か?
まだ鍵閉めてないから大丈夫だよ」
笑顔で促す俺に、井上はぶんぶんと首を振ると…
【井上】
「先輩!明日バイト休みですよね?
あの、何か用事ありますか?」
【宮沢】
「んー、ようやくレポートも大会も一段落ついたしな」
【宮沢】
「明日は久しぶりに、ウォーターガイズの新作でも借りてこようかと思ってるけど…」
【宮沢】
(最新作は、遂に主役の花太郎がホオジロザメとペア演技するんだよな…)
ちなみに「ウォーターガイズ」は、4年前に大ヒットした男子シンクロチームが主役のドラマだ
最近劇場版第3弾の制作が決定した、俺の大好きなシリーズでもある
がしっ!
【宮沢】
「うわっ!?」
花太郎の活躍に思いを馳せていた俺の手を、突如伸ばされた井上の両手が、がっちりと握り締める
【井上】
「それ、俺も一緒に見たいです!!」
【井上】
「…あの!明日…宮沢先輩の部屋に遊びに行っていいですか!?
と……泊まりで!!」
顔を真っ赤にしながら、意を決したように尋ねる井上
【宮沢】
「うん?勿論いいよ。
最近、なかなか2人で遊びに行ったりできなかったもんな」
【宮沢】
「昼前に準備しとくから、14時くらいから遊びにおいでよ」
【井上】
「本当ですか!?やったー!!俺、夕飯に八宝菜つくりますね!得意なんです!」
【井上】
「あ!親には先輩に受験勉強見て貰うって言ってくるんで!勉強道具も持ってきます!それじゃ!」
ハイテンションでそれだけまくしたてると、井上は踵を返してロビーの方へ走り去っていった
振り返って、ブンブンとこちらに手を振りながら……
【宮沢】
「あはは…、相変わらずだな。前見てないと何かにぶつかるぞー」
そんな井上の背中に声を掛けながら、俺は改めて…更衣室の戸締りを確認したのだった
―そして、今日
………ピンポーン
【宮沢】
「はーい」
ガチャ……
【井上】
「宮沢先輩!
へへ、2人で会うの久しぶりですね」
【宮沢】
「いらっしゃい井上。なんだ、連絡くれたら駅まで迎えに行ったのに」
【井上】
「早く先輩の家に着きたくて、走って来ちゃいました!」
…そう言われてみると、井上の頬は上気して…息も少し乱れている
【宮沢】
「外寒かったろ?とりあえず上がって、コタツにあたれよ」
【井上】
「はい!おじゃまします!」
井上を促し、ワンルームの中央へと招き入れる
―しかし、このコタツが…、井上を暴走させる引き金になってしまうということを……
このときの俺は……
まだ……
……知るよしもなかった
―初お泊り編・井上第1話―
『約束と決意』
【井上】
(先輩の…、宮沢先輩の家に泊まり…!)
はやる気持ちを抑えきれずに、駅からの道のりをひた走る
【井上】
(3ヶ月ぶりの先輩の部屋!
先輩…宮沢先輩…!)
歩いても5分足らずの道のりなのに、その距離すらももどかしい
―宮沢先輩に、己の気持ちを打ち明けたあの日から…3ヶ月
あの日約束した通り、あれから2人で遊園地に行った
【宮沢】
「俺、絶叫系大好きなんだよね!
井上は何乗りたい?」
人きりのデート…
俺だけのために向けられる笑顔…
【井上】
(俺が一番乗りたいのは…宮沢先輩です!!!)
という言葉を
あの日俺は、何度も飲み込んだ……
……だって俺は、約束したのだ
【宮沢】
「―井上の気持ち、嬉しいよ。
ありがとう」
【宮沢】
「でも、『ああいうコト』は
ゆっくり進めてくれると嬉しいな」
宮沢先輩が好き過ぎて、乱暴に先輩を押し倒し…酷い事をしてしまった、あの晩……
宮沢先輩は、そんな俺を嫌ったりも…突き放したりもせず
優しくそう言って―
泣いて謝る俺の瞼に、キスをしてくれた
それから俺は、誓ったのだ
絶対に先輩を傷付けないって
…どうしようもなくもどかしくて
毎晩―何度も先輩の姿を想像して…1人で抜いたりしたけれど…
でも、もう二度と…
俺の勝手な欲望で、宮沢先輩を困らせたりしないって…誓ったのだ
【井上】
(先輩、俺―
3ヶ月我慢しました!)
(これがあると部屋から出たくなくなるんだけど…、ついに出しちゃった)
年ぶりにひっぱり出したコタツを前に、ほうっと一息つく
【宮沢】
(もうそろそろ、井上が来る頃かな…)
壁際の置時計に目をやると、デジタル表示は14時10分前を指している
【宮沢】
(井上用の布団も歯ブラシも用意したし、足りないものがあったら、あとでコンビニ行けばいいよな)
【宮沢】
(こないだ泊まりにきたときは、まだ温かい季節だったから1組でもなんとかなったけど…)
【宮沢】
(冬はやっぱり寒いもんね)
午前中に買いに行った、一組の真新しい布団は
今は押入れの中だ
大学の友達が泊まりにくるときは、大体雑魚寝だし…
潤司が泊まりに来るときは、2人で夜通しレポートを書くなど…徹夜が常なので、
布団は1組しか置いていなかったのだ
【宮沢】
(それに、今度も一緒の布団で…何ていったら、また井上が暴走しそうだしな…)
あの―、突然の告白から3ヶ月
今日はあれ以来―
初めて、井上がこの部屋に泊まりに来るのだ
【宮沢】
(遊園地へは行ったけど…
その後は井上の中間テストや俺のレポート…)
【宮沢】
(それに大会の練習とかで、なかなかゆっくり時間とれなかったもんなあ…)
【宮沢】
(ふふ…っ、昨日の井上…あんな必死にならなくても、気軽に遊びに来ればいいのに…)
昨晩の井上の様子が甦り、思い出し笑いで口元が緩んでしまう
―昨晩
皆が更衣室を出たのを確かめて、最後の消灯確認をしていたときのこと…
【井上】
「宮沢先輩ーっ!」
既に着替えを終えて、みんなとエントランスに移動した筈の井上が、廊下の向こうから走ってくるのが見えた
【宮沢】
「ああ、井上…忘れ物か?
まだ鍵閉めてないから大丈夫だよ」
笑顔で促す俺に、井上はぶんぶんと首を振ると…
【井上】
「先輩!明日バイト休みですよね?
あの、何か用事ありますか?」
【宮沢】
「んー、ようやくレポートも大会も一段落ついたしな」
【宮沢】
「明日は久しぶりに、ウォーターガイズの新作でも借りてこようかと思ってるけど…」
【宮沢】
(最新作は、遂に主役の花太郎がホオジロザメとペア演技するんだよな…)
ちなみに「ウォーターガイズ」は、4年前に大ヒットした男子シンクロチームが主役のドラマだ
最近劇場版第3弾の制作が決定した、俺の大好きなシリーズでもある
がしっ!
【宮沢】
「うわっ!?」
花太郎の活躍に思いを馳せていた俺の手を、突如伸ばされた井上の両手が、がっちりと握り締める
【井上】
「それ、俺も一緒に見たいです!!」
【井上】
「…あの!明日…宮沢先輩の部屋に遊びに行っていいですか!?
と……泊まりで!!」
顔を真っ赤にしながら、意を決したように尋ねる井上
【宮沢】
「うん?勿論いいよ。
最近、なかなか2人で遊びに行ったりできなかったもんな」
【宮沢】
「昼前に準備しとくから、14時くらいから遊びにおいでよ」
【井上】
「本当ですか!?やったー!!俺、夕飯に八宝菜つくりますね!得意なんです!」
【井上】
「あ!親には先輩に受験勉強見て貰うって言ってくるんで!勉強道具も持ってきます!それじゃ!」
ハイテンションでそれだけまくしたてると、井上は踵を返してロビーの方へ走り去っていった
振り返って、ブンブンとこちらに手を振りながら……
【宮沢】
「あはは…、相変わらずだな。前見てないと何かにぶつかるぞー」
そんな井上の背中に声を掛けながら、俺は改めて…更衣室の戸締りを確認したのだった
―そして、今日
………ピンポーン
【宮沢】
「はーい」
ガチャ……
【井上】
「宮沢先輩!
へへ、2人で会うの久しぶりですね」
【宮沢】
「いらっしゃい井上。なんだ、連絡くれたら駅まで迎えに行ったのに」
【井上】
「早く先輩の家に着きたくて、走って来ちゃいました!」
…そう言われてみると、井上の頬は上気して…息も少し乱れている
【宮沢】
「外寒かったろ?とりあえず上がって、コタツにあたれよ」
【井上】
「はい!おじゃまします!」
井上を促し、ワンルームの中央へと招き入れる
―しかし、このコタツが…、井上を暴走させる引き金になってしまうということを……
このときの俺は……
まだ……
……知るよしもなかった
―初お泊り編・井上第1話―
『約束と決意』
【井上】
(先輩の…、宮沢先輩の家に泊まり…!)
はやる気持ちを抑えきれずに、駅からの道のりをひた走る
【井上】
(3ヶ月ぶりの先輩の部屋!
先輩…宮沢先輩…!)
歩いても5分足らずの道のりなのに、その距離すらももどかしい
―宮沢先輩に、己の気持ちを打ち明けたあの日から…3ヶ月
あの日約束した通り、あれから2人で遊園地に行った
【宮沢】
「俺、絶叫系大好きなんだよね!
井上は何乗りたい?」
人きりのデート…
俺だけのために向けられる笑顔…
【井上】
(俺が一番乗りたいのは…宮沢先輩です!!!)
という言葉を
あの日俺は、何度も飲み込んだ……
……だって俺は、約束したのだ
【宮沢】
「―井上の気持ち、嬉しいよ。
ありがとう」
【宮沢】
「でも、『ああいうコト』は
ゆっくり進めてくれると嬉しいな」
宮沢先輩が好き過ぎて、乱暴に先輩を押し倒し…酷い事をしてしまった、あの晩……
宮沢先輩は、そんな俺を嫌ったりも…突き放したりもせず
優しくそう言って―
泣いて謝る俺の瞼に、キスをしてくれた
それから俺は、誓ったのだ
絶対に先輩を傷付けないって
…どうしようもなくもどかしくて
毎晩―何度も先輩の姿を想像して…1人で抜いたりしたけれど…
でも、もう二度と…
俺の勝手な欲望で、宮沢先輩を困らせたりしないって…誓ったのだ
【井上】
(先輩、俺―
3ヶ月我慢しました!)