井上と交際一年目
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【宮沢】
『このままだと、俺と同じ大学に受からなくなるかもしれないんだぞ』
先ほどの先輩の言葉が、頭の中で再生される
【井上】
「そうだった……俺ってば、なんでいつもこんなことばかり考えちゃうんだ!」
今日もそのことで先輩に叱られたばかりなのだ
【井上】
(デートだって、息抜きにって誘ってくれたんだし)
決して、先輩とイイコトをするためのデートなんかではないのだ
これは俺が勉強を頑張っているという前提があってのものである
【井上】
「先輩だって、過去問を貸してくれたり勉強を見てくれたり……色々応援してくれてるのに」
【井上】
「俺は先輩に迷惑ばかりかけて……」
今日注意されたことだって、よくよく考えれば全部俺のためを思ってのことだってわかる
それなのに、俺は自分の欲望のままに行動することばかり考えていて
【井上】
(あんな子供みたいな態度も取っちゃったし……)
【井上】
(ほんと、情けないよな……俺)
先輩を支えてやれる大人な男になりたいのに
逆に俺の世話ばかりさせてしまって、申し訳なくなってくる
【井上】
「よし!明日先輩に今日のことを謝りに行こう!」
俺はそう決意しながら、家に帰っていった
――翌日
俺は先輩のバイト先であるプールに来ていた
【井上】
「いまの時間なら、ミーティングルームにいるかな」
今日は俺の練習日じゃないけど、先輩が何曜日にバイトに入っているかぐらいは知っている
メールや電話でも良かったかもしれないが、きちんと顔を見て謝りたかったのだ
【宮沢】
「本当ですか!?そのシリーズ、すごく好きなんです!」
ミーティングルームに近づくと、宮沢先輩の声が聞こえてきた
【井上】
(やっぱりここにいると思った!)
【井上】
「宮沢先輩……!」
俺は先輩に駆け寄ろうとしたが、その隣にある人物の姿が見えて思わず足が止まってしまった
【夏目】
「それは良かった。宮沢ならきっと喜んでくれると思ったんだ」
【宮沢】
「ウォーターガイズ映画第3弾の試写会なんて、行きたくても行けないと思ってました」
【夏目】
「関係者の友人から、チケットが1枚余ってるからどうかって言われたんだよ」
嬉しそうな表情の宮沢先輩の横に、このプールのオーナーである夏目さんが立っていた
どうやら、5年前にヒットした男子シンクロチームのドラマ「ウォーターガイズ」の話で盛り上がってるらしい
【井上】
(確か、先輩はシリーズ全部を見るほど気に入ってたはず)
その最新作映画の試写会なのだ
なんでも、今回は主役の花太郎がシャチの群れと演技をするらしい
【井上】
(それは興奮するのも無理ないよな……)
俺だって、そんな映画の試写会に行けたら舞い上がってしまうだろう
【宮沢】
「1枚しかないのに……俺が行ってしまってもいいんですか?」
【井上】
「構わないさ。いつも宮沢には頑張ってもらってるしな」
【宮沢】
「そんな……俺こそ、オーナーに支えてもらってばっかりで……」
宮沢先輩が自信のなさそうに俯くと、夏目さんはその頭にポンと手をのせた
【夏目】
「そんなことはない。宮沢が人一倍努力しているのは、誰でも知っていることだ」
【宮沢】
「夏目さん……」
【夏目】
「宮沢は、もっと自信を持ってもいいんだぞ」
その言葉に宮沢先輩は、ほんのりと頬を染めて夏目さんを見つめる
【井上】
(あんなに可愛い顔……俺以外には見せてほしくない……!)
そうは思うものの、二人の雰囲気は俺が入っていけそうにもない感じで
宮沢先輩と夏目さんがとてもお似合いなような気がしてきてしまう
【井上】
(俺がもっと余裕のある大人な男だったらよかったのに)
俺は内心で歯噛みをすると、先輩に声をかけることなくミーティングルームを後にした
【井上】
(今の俺じゃ、先輩に相応しくない……!)
いつも先輩に迷惑ばかりかけている俺では、先輩を支えられるような男にはなれない
【井上】
(俺も早く大人になって、頼られる男になるんだ……!)
昨日みたいに暴走して、先輩を押し倒すような失敗は絶対にしない
ちゃんと我慢できるようになって、余裕のある大人な男になるんだ
【井上】
(受験までは禁欲を貫く!オナニーすら禁止する!)
【井上】
(そして18歳になって大学も合格したら、一皮剥けた俺でプロポーズするんだ!)
俺は強い決意を胸に抱いて、早速勉強をするべく走って家に帰っていった
―第3話―
【井上】
「宮沢先輩、今日は誘ってくれてありがとうございます!」
【宮沢】
「こっちこそありがとう。今日はたくさん楽しもうね!」
デート当日、俺たちは一年中スケートが出来る屋内テーマパークに来ていた
身体を動かしたほうがいいだろうと思って、少しだけ遠出をしてきたのだ
【井上】
「じゃあ先輩、行きましょうか!受け付けはこっちみたいですよ」
いつもの井上なら会ったとたんに抱き付いてくるか、さもなければ腕に絡みついてきたりするのだが
今日はそんなこともなく、スマートに俺をエスコートしてくれている
【井上】
(……この前のこと、少しは意識してるのかな?)
俺は、部屋で井上に注意をしたことを思い出した
もしかしたら、井上は井上なりに変わろうとしてるのかもしれない
【井上】
「どうかしましたか、宮沢先輩」
【宮沢】
「ううん、何でもないよ。ほら、ここでシューズとかも借りられるみたいだね」
不思議そうに見つめてくる井上に笑顔で首を振って、カウンターを指さす
【井上】
「そうですね。あぁ、早く滑ってみたいなぁ!俺、スケートって初めてなんです」
【宮沢】
「俺もあんまりやったことないけど……井上ならすぐに出来るようになるんじゃないかな」
【井上】
「俺、先輩にかっこいいところ見せられるように頑張りますね!」
井上は張り切った様子で拳を握った
ワクワクした雰囲気の井上に、俺も気持ちが弾んでくる
【宮沢】
(やっぱりデートに誘ってよかったかもしれないな)
最近、何だか疲れたような表情をしていた井上だったが
今日は楽しそうな笑みを見せている
【井上】
「宮沢先輩!受け付けも済んだことですし、早速滑りに行きましょう!」
【宮沢】
「そうだね。行こうか!」
『このままだと、俺と同じ大学に受からなくなるかもしれないんだぞ』
先ほどの先輩の言葉が、頭の中で再生される
【井上】
「そうだった……俺ってば、なんでいつもこんなことばかり考えちゃうんだ!」
今日もそのことで先輩に叱られたばかりなのだ
【井上】
(デートだって、息抜きにって誘ってくれたんだし)
決して、先輩とイイコトをするためのデートなんかではないのだ
これは俺が勉強を頑張っているという前提があってのものである
【井上】
「先輩だって、過去問を貸してくれたり勉強を見てくれたり……色々応援してくれてるのに」
【井上】
「俺は先輩に迷惑ばかりかけて……」
今日注意されたことだって、よくよく考えれば全部俺のためを思ってのことだってわかる
それなのに、俺は自分の欲望のままに行動することばかり考えていて
【井上】
(あんな子供みたいな態度も取っちゃったし……)
【井上】
(ほんと、情けないよな……俺)
先輩を支えてやれる大人な男になりたいのに
逆に俺の世話ばかりさせてしまって、申し訳なくなってくる
【井上】
「よし!明日先輩に今日のことを謝りに行こう!」
俺はそう決意しながら、家に帰っていった
――翌日
俺は先輩のバイト先であるプールに来ていた
【井上】
「いまの時間なら、ミーティングルームにいるかな」
今日は俺の練習日じゃないけど、先輩が何曜日にバイトに入っているかぐらいは知っている
メールや電話でも良かったかもしれないが、きちんと顔を見て謝りたかったのだ
【宮沢】
「本当ですか!?そのシリーズ、すごく好きなんです!」
ミーティングルームに近づくと、宮沢先輩の声が聞こえてきた
【井上】
(やっぱりここにいると思った!)
【井上】
「宮沢先輩……!」
俺は先輩に駆け寄ろうとしたが、その隣にある人物の姿が見えて思わず足が止まってしまった
【夏目】
「それは良かった。宮沢ならきっと喜んでくれると思ったんだ」
【宮沢】
「ウォーターガイズ映画第3弾の試写会なんて、行きたくても行けないと思ってました」
【夏目】
「関係者の友人から、チケットが1枚余ってるからどうかって言われたんだよ」
嬉しそうな表情の宮沢先輩の横に、このプールのオーナーである夏目さんが立っていた
どうやら、5年前にヒットした男子シンクロチームのドラマ「ウォーターガイズ」の話で盛り上がってるらしい
【井上】
(確か、先輩はシリーズ全部を見るほど気に入ってたはず)
その最新作映画の試写会なのだ
なんでも、今回は主役の花太郎がシャチの群れと演技をするらしい
【井上】
(それは興奮するのも無理ないよな……)
俺だって、そんな映画の試写会に行けたら舞い上がってしまうだろう
【宮沢】
「1枚しかないのに……俺が行ってしまってもいいんですか?」
【井上】
「構わないさ。いつも宮沢には頑張ってもらってるしな」
【宮沢】
「そんな……俺こそ、オーナーに支えてもらってばっかりで……」
宮沢先輩が自信のなさそうに俯くと、夏目さんはその頭にポンと手をのせた
【夏目】
「そんなことはない。宮沢が人一倍努力しているのは、誰でも知っていることだ」
【宮沢】
「夏目さん……」
【夏目】
「宮沢は、もっと自信を持ってもいいんだぞ」
その言葉に宮沢先輩は、ほんのりと頬を染めて夏目さんを見つめる
【井上】
(あんなに可愛い顔……俺以外には見せてほしくない……!)
そうは思うものの、二人の雰囲気は俺が入っていけそうにもない感じで
宮沢先輩と夏目さんがとてもお似合いなような気がしてきてしまう
【井上】
(俺がもっと余裕のある大人な男だったらよかったのに)
俺は内心で歯噛みをすると、先輩に声をかけることなくミーティングルームを後にした
【井上】
(今の俺じゃ、先輩に相応しくない……!)
いつも先輩に迷惑ばかりかけている俺では、先輩を支えられるような男にはなれない
【井上】
(俺も早く大人になって、頼られる男になるんだ……!)
昨日みたいに暴走して、先輩を押し倒すような失敗は絶対にしない
ちゃんと我慢できるようになって、余裕のある大人な男になるんだ
【井上】
(受験までは禁欲を貫く!オナニーすら禁止する!)
【井上】
(そして18歳になって大学も合格したら、一皮剥けた俺でプロポーズするんだ!)
俺は強い決意を胸に抱いて、早速勉強をするべく走って家に帰っていった
―第3話―
【井上】
「宮沢先輩、今日は誘ってくれてありがとうございます!」
【宮沢】
「こっちこそありがとう。今日はたくさん楽しもうね!」
デート当日、俺たちは一年中スケートが出来る屋内テーマパークに来ていた
身体を動かしたほうがいいだろうと思って、少しだけ遠出をしてきたのだ
【井上】
「じゃあ先輩、行きましょうか!受け付けはこっちみたいですよ」
いつもの井上なら会ったとたんに抱き付いてくるか、さもなければ腕に絡みついてきたりするのだが
今日はそんなこともなく、スマートに俺をエスコートしてくれている
【井上】
(……この前のこと、少しは意識してるのかな?)
俺は、部屋で井上に注意をしたことを思い出した
もしかしたら、井上は井上なりに変わろうとしてるのかもしれない
【井上】
「どうかしましたか、宮沢先輩」
【宮沢】
「ううん、何でもないよ。ほら、ここでシューズとかも借りられるみたいだね」
不思議そうに見つめてくる井上に笑顔で首を振って、カウンターを指さす
【井上】
「そうですね。あぁ、早く滑ってみたいなぁ!俺、スケートって初めてなんです」
【宮沢】
「俺もあんまりやったことないけど……井上ならすぐに出来るようになるんじゃないかな」
【井上】
「俺、先輩にかっこいいところ見せられるように頑張りますね!」
井上は張り切った様子で拳を握った
ワクワクした雰囲気の井上に、俺も気持ちが弾んでくる
【宮沢】
(やっぱりデートに誘ってよかったかもしれないな)
最近、何だか疲れたような表情をしていた井上だったが
今日は楽しそうな笑みを見せている
【井上】
「宮沢先輩!受け付けも済んだことですし、早速滑りに行きましょう!」
【宮沢】
「そうだね。行こうか!」