梶井と初お泊り
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【宮沢】
「梶井さん。この苺すごく瑞々しいですよ!」
【梶井】
「ああ、いいですね
苺はサラダに入れても美味しいのですよ」
【宮沢】
「わあ!苺のサラダですか
見た目も可愛くなりそうですね!」
人で1つの買い物かごに、料理の材料を次々に入れていく…
あの告白から3ヶ月―
今日は初めて、梶井さんが俺のアパートに泊まりに来るのだ
【梶井】
「大体…こんなものでしょうか」
かごの中身を確認しながら、梶井さんがそう呟く
【宮沢】
「そうですね。サラダの材料もデザートの材料も揃いましたし…」
【梶井】
「ふふ…
本当のデザートは、貴方ですけどね」
【宮沢】
「!!
もう、またそんな……」
艶を帯びた瞳で微笑まれ、動揺で頬を赤く染める俺
【梶井】
「申し訳ありません」
【梶井】
「ですが、貴方が悪いのですよ。いつも可愛らしい反応ばかりするのですから…」
くすくすと笑いながら、梶井さんが俺の腰に手を回す
【宮沢】
「あ…っ!……駄目です。
またどこかの記者の人に撮られたりしたら、梶井さんが…」
………
―梶井さんから告白された、あの日…
そして、その数日前の…。俺が梶井さんの部屋を訪れるきっかけになった、大元の出来事を思い出す
いつもの梶井さんとの個人レッスン中、ゴシップ誌のカメラマンに写真を撮られてしまったのだ
でも人気の、有名フードコーディネーターである梶井さん
そんな梶井さんが、急にシンクロチームに所属したことは、ファンに相当な驚きを与えたらしく…
『かねてよりバイの噂もあった梶井基哉は、若い恋人がコーチをしているシンクロチームに入った』
なんていう…根も葉もない噂の、真相を求めての所業だったらしい
チームが順調に大会で勝ち進み、全国でもそこそこ名を知られるようになった為に…
本業のみならず、シンクロ選手としてもファンが増えて来ていた、直後の事件…
【宮沢】
(……でも、あの事件がきっかけで)
【宮沢】
(梶井さんが俺との個人レッスンの時間を、とても大切にしてくれてるって事が分かったんだっけ…)
【梶井】
「…さん?」
【梶井】
「宮沢さん?どうされたのですか、ぼんやりとして…」
【宮沢】
「は…っ!?」
気が付くと、梶井さんが心配そうに俺の顔を覗き込んでいる
【宮沢】
「す…すみません
ちょっと以前のことを思い出していて……」
【梶井】
「…………」
俺の言葉に、梶井さんの表情が翳る
【梶井】
「宮沢さん…
あの時のことを、気にされているのですね……」
【梶井】
「本当に申し訳ありません…
私の所為で、宮沢さんにまで嫌な思いをさせてしまって……」
【梶井】
「私とこんな関係になったこと……、後悔………されているのでしょうね」
梶井さんの顔色が、さらにワントーン深い影を帯びる
【宮沢】
「ち…違います!!
俺、梶井さんと一緒に居られるの、本当に嬉しいです!」
【宮沢】
「梶井さんは有名人で、すごく素敵な人だから…、これからも…噂をされる事もあるかもですけど…」
【宮沢】
「でも俺!できる限り梶井さんの負担にならないよう気を付けますから……」
………
―つ
梶井さんの人差し指が、早口で動く俺の唇を…優しく抑える
【梶井】
「…私も、貴方と共に居られて
とても嬉しいですよ」
ふわりとした柔らかな笑みは
夜の湖面に映る、月影ようで……
【梶井】
「それに…
恐らく当分の間は、マスコミに私達の事を詮索されたり、」
【梶井】
「記事になる事はないでしょう」
【宮沢】
「…そうなん……ですか?」
まるで確定事項のように告げる梶井さんの顔を、不思議そうに見上げる
【梶井】
「ええ。」
【梶井】
「…ああいう方たちは、『然るべきお願いの仕方』をすれば、案外聞き分けて下さるものですから」
【梶井】
「ふふ……
ただ今頃は…、ほんの少しだけ怖がりになっているかもしれませんね……」
【宮沢】
「………」
そう言って遠くを見つめる梶井さんの瞳が…
まるで、暗い穴を覗き込んだときのような…深い闇色を湛えていると感じたのは…
俺の気のせいだっただろうか…
【梶井】
「さあ、そろそろ行きましょうか」
【梶井】
「貴方の部屋へお邪魔させていただく事、本当に楽しみにしていたのですよ」
【宮沢】
「はい!俺もです
狭いワンルームなので、お恥ずかしいですけど…」
【梶井】
「ふふ…。そんなこと…。広さに関係なく、『貴方の部屋』だからこそ楽しみなのですから…」
そして俺たちはレジで会計を済ませ…
アパートまでの道のりを、2人並んで歩いたのだった
―これが、めくるめく刻(とき)への前奏曲(プレリュード)だと言うことを…
この時の俺はまだ
……知る由もなかった
……………
―初お泊り編・梶井第1話―
『目覚め』
【梶井】
(こんなにも朝日を嬉しく感じたのは、どれくらいぶりでしょう…)
寝室のカーテンを大きく開け放ち、朝の陽光を部屋いっぱいに差し込ませる
…宮沢さんと、恋人同士のお付き合いを始めてから
―約3ヶ月
今日は初めて、宮沢さんのアパートに泊めていただく約束をしているのだ
―3ヶ月前のあの日
宮沢さんとの平穏な日々が、壊されるかもしれないという恐怖から、酷く心を乱してしまった私に…
いつもと変わらぬ温かさで接して下さった、宮沢さん―
―通常であれば
2度と会いたくないと、拒絶されて然るべき所業をした私に対して…
それでも私が好きだと、全てを受け容れて下さった、宮沢さん―
【梶井】
(私には…
純粋なあなたを愛する資格など…、ないというのに……)
【梶井】
(こんな……
身も心も穢れきった私には………)
「梶井さん。この苺すごく瑞々しいですよ!」
【梶井】
「ああ、いいですね
苺はサラダに入れても美味しいのですよ」
【宮沢】
「わあ!苺のサラダですか
見た目も可愛くなりそうですね!」
人で1つの買い物かごに、料理の材料を次々に入れていく…
あの告白から3ヶ月―
今日は初めて、梶井さんが俺のアパートに泊まりに来るのだ
【梶井】
「大体…こんなものでしょうか」
かごの中身を確認しながら、梶井さんがそう呟く
【宮沢】
「そうですね。サラダの材料もデザートの材料も揃いましたし…」
【梶井】
「ふふ…
本当のデザートは、貴方ですけどね」
【宮沢】
「!!
もう、またそんな……」
艶を帯びた瞳で微笑まれ、動揺で頬を赤く染める俺
【梶井】
「申し訳ありません」
【梶井】
「ですが、貴方が悪いのですよ。いつも可愛らしい反応ばかりするのですから…」
くすくすと笑いながら、梶井さんが俺の腰に手を回す
【宮沢】
「あ…っ!……駄目です。
またどこかの記者の人に撮られたりしたら、梶井さんが…」
………
―梶井さんから告白された、あの日…
そして、その数日前の…。俺が梶井さんの部屋を訪れるきっかけになった、大元の出来事を思い出す
いつもの梶井さんとの個人レッスン中、ゴシップ誌のカメラマンに写真を撮られてしまったのだ
でも人気の、有名フードコーディネーターである梶井さん
そんな梶井さんが、急にシンクロチームに所属したことは、ファンに相当な驚きを与えたらしく…
『かねてよりバイの噂もあった梶井基哉は、若い恋人がコーチをしているシンクロチームに入った』
なんていう…根も葉もない噂の、真相を求めての所業だったらしい
チームが順調に大会で勝ち進み、全国でもそこそこ名を知られるようになった為に…
本業のみならず、シンクロ選手としてもファンが増えて来ていた、直後の事件…
【宮沢】
(……でも、あの事件がきっかけで)
【宮沢】
(梶井さんが俺との個人レッスンの時間を、とても大切にしてくれてるって事が分かったんだっけ…)
【梶井】
「…さん?」
【梶井】
「宮沢さん?どうされたのですか、ぼんやりとして…」
【宮沢】
「は…っ!?」
気が付くと、梶井さんが心配そうに俺の顔を覗き込んでいる
【宮沢】
「す…すみません
ちょっと以前のことを思い出していて……」
【梶井】
「…………」
俺の言葉に、梶井さんの表情が翳る
【梶井】
「宮沢さん…
あの時のことを、気にされているのですね……」
【梶井】
「本当に申し訳ありません…
私の所為で、宮沢さんにまで嫌な思いをさせてしまって……」
【梶井】
「私とこんな関係になったこと……、後悔………されているのでしょうね」
梶井さんの顔色が、さらにワントーン深い影を帯びる
【宮沢】
「ち…違います!!
俺、梶井さんと一緒に居られるの、本当に嬉しいです!」
【宮沢】
「梶井さんは有名人で、すごく素敵な人だから…、これからも…噂をされる事もあるかもですけど…」
【宮沢】
「でも俺!できる限り梶井さんの負担にならないよう気を付けますから……」
………
―つ
梶井さんの人差し指が、早口で動く俺の唇を…優しく抑える
【梶井】
「…私も、貴方と共に居られて
とても嬉しいですよ」
ふわりとした柔らかな笑みは
夜の湖面に映る、月影ようで……
【梶井】
「それに…
恐らく当分の間は、マスコミに私達の事を詮索されたり、」
【梶井】
「記事になる事はないでしょう」
【宮沢】
「…そうなん……ですか?」
まるで確定事項のように告げる梶井さんの顔を、不思議そうに見上げる
【梶井】
「ええ。」
【梶井】
「…ああいう方たちは、『然るべきお願いの仕方』をすれば、案外聞き分けて下さるものですから」
【梶井】
「ふふ……
ただ今頃は…、ほんの少しだけ怖がりになっているかもしれませんね……」
【宮沢】
「………」
そう言って遠くを見つめる梶井さんの瞳が…
まるで、暗い穴を覗き込んだときのような…深い闇色を湛えていると感じたのは…
俺の気のせいだっただろうか…
【梶井】
「さあ、そろそろ行きましょうか」
【梶井】
「貴方の部屋へお邪魔させていただく事、本当に楽しみにしていたのですよ」
【宮沢】
「はい!俺もです
狭いワンルームなので、お恥ずかしいですけど…」
【梶井】
「ふふ…。そんなこと…。広さに関係なく、『貴方の部屋』だからこそ楽しみなのですから…」
そして俺たちはレジで会計を済ませ…
アパートまでの道のりを、2人並んで歩いたのだった
―これが、めくるめく刻(とき)への前奏曲(プレリュード)だと言うことを…
この時の俺はまだ
……知る由もなかった
……………
―初お泊り編・梶井第1話―
『目覚め』
【梶井】
(こんなにも朝日を嬉しく感じたのは、どれくらいぶりでしょう…)
寝室のカーテンを大きく開け放ち、朝の陽光を部屋いっぱいに差し込ませる
…宮沢さんと、恋人同士のお付き合いを始めてから
―約3ヶ月
今日は初めて、宮沢さんのアパートに泊めていただく約束をしているのだ
―3ヶ月前のあの日
宮沢さんとの平穏な日々が、壊されるかもしれないという恐怖から、酷く心を乱してしまった私に…
いつもと変わらぬ温かさで接して下さった、宮沢さん―
―通常であれば
2度と会いたくないと、拒絶されて然るべき所業をした私に対して…
それでも私が好きだと、全てを受け容れて下さった、宮沢さん―
【梶井】
(私には…
純粋なあなたを愛する資格など…、ないというのに……)
【梶井】
(こんな……
身も心も穢れきった私には………)