梶井と交際一年目
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―その夜
【宮沢】
「梶井さん…。俺、梶井さんにお願いがあるんです…」
私の部屋へ訊ねてきた宮澤さんが、遠慮がちにそう切り出したとき
何の話かすっかり分かっていた私は、宮沢さんが口を開く前にその手を握りしめた
【梶井】
「宮沢さん、貴方は私の物ですよね」
【宮沢】
「はい、そうです。
ですけれど、その……」
【梶井】
「申し訳ありません。貴方を困らせるようなことをして…」
【宮沢】
「今日のレッスン、さぞ恥ずかしい思いをしたのでしょうね。すみません……」
震える手で、宮沢さんの身体をきつく抱きしめる
【宮沢】
「梶井さん…。どうして……」
【梶井】
「貴方を、失うのが怖くて……」
【宮沢】
「俺はどこにも行きません。そう、約束したじゃないですか」
宮沢さんの慈しむような瞳が、私を覗き込む
―だけど
【梶井】
「眩しく人を惹きつける貴方は、いつか別の誰かに奪われ、私の元から居なくなってしまうかもしれない」
【梶井】
「その想いがどうしても消えなくて…。貴方が私だけのものだと知らしめたくて…」
【梶井】
「どうしても、貴方を他の方に触れさせたくなくて」
【梶井】
「貴方の事を信じたいのに…。ごめんなさい、宮沢さん。ごめんなさい…」
涙を流して謝り続ける私にすがりつかれたまま
宮沢さんはただ、私を振り払うでもなく、黙ってその場に立ち竦んでいた
このままでは私は、無垢な宮沢さんを闇に引きずり込む……忌まわしいだけの存在になってしまう
だけど、それでも私は、宮沢さんを手放すことなどできない
【梶井】
「愛しています、宮沢さん」
【梶井】
「貴方が居なくては、私はもう…、人としての自我すら保てないのです」
―第3話―
『決意』
家を出てフィットネスクラブに向かう途中、俺は歩きながらため息を吐いた
キスマークの一件から3日が経過していた
―あの日の翌日には、梶井さんは普段の通りに戻っていて
【梶井】
「昨晩の件は取り乱してしまって申し訳ありません。忘れてください」
そう言って、少し困ったように眉を下げて微笑んでくれた
【宮沢】
(梶井さんが不安になるのは、俺が頼りないからだ)
俺は梶井さんと違って、恋愛経験が少ないし、おまけに社会人経験もない
そんな相手に「信じてください。一生一緒です」なんて言われても、何の説得力もないだろう
【宮沢】
(しかも俺は、キスマーク1つくらいで慌てて、梶井さんを責めようとした…)
同じ状況でも、井伏さんや夏目さんならスマートに追及をかわすだろうし
梶井さんや志賀助教なら、からかう隙すら与えないかもしれない…
【宮沢】
(つまり、取り乱した俺が未熟だってことだ)
【宮沢】
(このままじゃ駄目だ。梶井さんに俺の気持ちを信じてもらうためには、どうすれば…)
ちょうどこれから、梶井さんとの個人レッスンがあるのだ
【宮沢】
(よし!まずはレッスンを完璧にこなして、その後改めて謝ろう!)
【宮沢】
(それで、真っ直ぐ俺の気持ちを伝えるんだ…!)
気合を入れなおした俺は、背筋を伸ばして歩き出そうとしたのだが……
――ガツン!
【宮沢】
「うっ……あ?」
後頭部に強烈な痛みが走り、俺の意識は段々と途切れていった
【宮沢】
「んんっ……俺……っ」
目を開くと、薄暗い倉庫のようなところだった
【宮沢】
(あれ…俺?突然殴られて……)
状況を確認しようとするも、手足をロープで縛られていて身動きが取れない
【宮沢】
(―!梶井さんとのレッスンの時間…!!)
【宮沢】
(駄目だ!こんなときにレッスンに遅れるなんて、ますます信じて貰えなくなっちゃう)
あの時の、梶井さんの悲しそうな笑顔が脳裏に浮かぶ
【宮沢】
(とにかく縄を解いて、フィットネスに向かおう)
何とかもがいて上体を起こし、周囲を見渡す
【???】
「ようやく目を覚ますとはな。貧弱な奴め」
薄暗い闇の中で、のそりと巨大な影が立ち上がった
はゆうにありそうな、レス
ラーのようなガタイの男だ
【宮沢】
「俺…、急いで行かないといけないところがあるんです。縄を解いてください!」
こみあげてくる恐怖で、食道がきゅっと押しつぶされる感覚と闘いながらも、そう口にした
俺は何をおいても、梶井さんの元へ急がなければいけない
【???】
「この状況も理解できないとは、愚かにも程があるな!」
巨体をゆすって笑いながら、男が嘲るような声を上げた
【見知らぬ男】
「こんな惰弱なガキが基哉様をたぶらかすなど、やはり見過ごす訳にはいかん」
【宮沢】
「基哉……って、あなた梶井さんに何を……!?」
【見知らぬ男】
「公開収録もサイン会も、全てに通い詰めた俺に、基哉様はいつも特別な微笑みを向けてくれた」
【見知らぬ男】
「あの方はお忙しくて俺たちの逢瀬はイベント会場でしか実現しない程なのに……」
【宮沢】
「お、逢瀬って…」
【見知らぬ男】
「なにもお前は!!俺に会えない寂しさで傷ついた基哉様の心につけ込んで!!!」
【宮沢】
(…!!この人、梶井さんのストーカーだ!)
男の眼は血走っている
こんな男を梶井さんに近付けては、何をするか分からない
【宮沢】
「梶井さんの事を本当に好きなら、梶井さんを困らせるような事はやめてください!」
【ストーカー】
「知った風な口を利くな尻軽が!」
【ストーカー】
「どうせそのいやらしい身体で基哉様に強引に迫ったんだろうが!」
バシンッ!
【宮沢】
「あう……っ!」
頬を叩かれ、床へ倒される
【ストーカー】
「基哉様の前に二度と姿を見せないと誓え。でないとこのまま犯す」
【宮沢】
「梶井さん…。俺、梶井さんにお願いがあるんです…」
私の部屋へ訊ねてきた宮澤さんが、遠慮がちにそう切り出したとき
何の話かすっかり分かっていた私は、宮沢さんが口を開く前にその手を握りしめた
【梶井】
「宮沢さん、貴方は私の物ですよね」
【宮沢】
「はい、そうです。
ですけれど、その……」
【梶井】
「申し訳ありません。貴方を困らせるようなことをして…」
【宮沢】
「今日のレッスン、さぞ恥ずかしい思いをしたのでしょうね。すみません……」
震える手で、宮沢さんの身体をきつく抱きしめる
【宮沢】
「梶井さん…。どうして……」
【梶井】
「貴方を、失うのが怖くて……」
【宮沢】
「俺はどこにも行きません。そう、約束したじゃないですか」
宮沢さんの慈しむような瞳が、私を覗き込む
―だけど
【梶井】
「眩しく人を惹きつける貴方は、いつか別の誰かに奪われ、私の元から居なくなってしまうかもしれない」
【梶井】
「その想いがどうしても消えなくて…。貴方が私だけのものだと知らしめたくて…」
【梶井】
「どうしても、貴方を他の方に触れさせたくなくて」
【梶井】
「貴方の事を信じたいのに…。ごめんなさい、宮沢さん。ごめんなさい…」
涙を流して謝り続ける私にすがりつかれたまま
宮沢さんはただ、私を振り払うでもなく、黙ってその場に立ち竦んでいた
このままでは私は、無垢な宮沢さんを闇に引きずり込む……忌まわしいだけの存在になってしまう
だけど、それでも私は、宮沢さんを手放すことなどできない
【梶井】
「愛しています、宮沢さん」
【梶井】
「貴方が居なくては、私はもう…、人としての自我すら保てないのです」
―第3話―
『決意』
家を出てフィットネスクラブに向かう途中、俺は歩きながらため息を吐いた
キスマークの一件から3日が経過していた
―あの日の翌日には、梶井さんは普段の通りに戻っていて
【梶井】
「昨晩の件は取り乱してしまって申し訳ありません。忘れてください」
そう言って、少し困ったように眉を下げて微笑んでくれた
【宮沢】
(梶井さんが不安になるのは、俺が頼りないからだ)
俺は梶井さんと違って、恋愛経験が少ないし、おまけに社会人経験もない
そんな相手に「信じてください。一生一緒です」なんて言われても、何の説得力もないだろう
【宮沢】
(しかも俺は、キスマーク1つくらいで慌てて、梶井さんを責めようとした…)
同じ状況でも、井伏さんや夏目さんならスマートに追及をかわすだろうし
梶井さんや志賀助教なら、からかう隙すら与えないかもしれない…
【宮沢】
(つまり、取り乱した俺が未熟だってことだ)
【宮沢】
(このままじゃ駄目だ。梶井さんに俺の気持ちを信じてもらうためには、どうすれば…)
ちょうどこれから、梶井さんとの個人レッスンがあるのだ
【宮沢】
(よし!まずはレッスンを完璧にこなして、その後改めて謝ろう!)
【宮沢】
(それで、真っ直ぐ俺の気持ちを伝えるんだ…!)
気合を入れなおした俺は、背筋を伸ばして歩き出そうとしたのだが……
――ガツン!
【宮沢】
「うっ……あ?」
後頭部に強烈な痛みが走り、俺の意識は段々と途切れていった
【宮沢】
「んんっ……俺……っ」
目を開くと、薄暗い倉庫のようなところだった
【宮沢】
(あれ…俺?突然殴られて……)
状況を確認しようとするも、手足をロープで縛られていて身動きが取れない
【宮沢】
(―!梶井さんとのレッスンの時間…!!)
【宮沢】
(駄目だ!こんなときにレッスンに遅れるなんて、ますます信じて貰えなくなっちゃう)
あの時の、梶井さんの悲しそうな笑顔が脳裏に浮かぶ
【宮沢】
(とにかく縄を解いて、フィットネスに向かおう)
何とかもがいて上体を起こし、周囲を見渡す
【???】
「ようやく目を覚ますとはな。貧弱な奴め」
薄暗い闇の中で、のそりと巨大な影が立ち上がった
はゆうにありそうな、レス
ラーのようなガタイの男だ
【宮沢】
「俺…、急いで行かないといけないところがあるんです。縄を解いてください!」
こみあげてくる恐怖で、食道がきゅっと押しつぶされる感覚と闘いながらも、そう口にした
俺は何をおいても、梶井さんの元へ急がなければいけない
【???】
「この状況も理解できないとは、愚かにも程があるな!」
巨体をゆすって笑いながら、男が嘲るような声を上げた
【見知らぬ男】
「こんな惰弱なガキが基哉様をたぶらかすなど、やはり見過ごす訳にはいかん」
【宮沢】
「基哉……って、あなた梶井さんに何を……!?」
【見知らぬ男】
「公開収録もサイン会も、全てに通い詰めた俺に、基哉様はいつも特別な微笑みを向けてくれた」
【見知らぬ男】
「あの方はお忙しくて俺たちの逢瀬はイベント会場でしか実現しない程なのに……」
【宮沢】
「お、逢瀬って…」
【見知らぬ男】
「なにもお前は!!俺に会えない寂しさで傷ついた基哉様の心につけ込んで!!!」
【宮沢】
(…!!この人、梶井さんのストーカーだ!)
男の眼は血走っている
こんな男を梶井さんに近付けては、何をするか分からない
【宮沢】
「梶井さんの事を本当に好きなら、梶井さんを困らせるような事はやめてください!」
【ストーカー】
「知った風な口を利くな尻軽が!」
【ストーカー】
「どうせそのいやらしい身体で基哉様に強引に迫ったんだろうが!」
バシンッ!
【宮沢】
「あう……っ!」
頬を叩かれ、床へ倒される
【ストーカー】
「基哉様の前に二度と姿を見せないと誓え。でないとこのまま犯す」