梶井と交際一年目
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【井上】
「先輩、そこ蚊に刺されたんですか?」
更衣室で着替えていると、隣にいた井上が俺の首元を指さした
【宮沢】
「えっ……どこのことだ?」
【井上】
「首の後ろのトコです。すごい赤くなってますよ?かゆくないんですか?」
【宮沢】
「うーん、特になにも感じないし
、そんなトコ普段自分じゃ見ないか
らなあ」
【井上】
「あ!俺ちょうど薬持ってるから塗ってあげますよ」
そういった井上が、バッグの中からスティックタイプの軟膏を取り出した
【井上】
「しょっちゅう弟たちが藪とか潜って刺されて帰ってくるんで、持ち歩くの癖になってて」
【宮沢】
「ありがとう。それならお願いしようかな」
【宮沢】
「それにしても、ゆうべのいつ刺されたんだろう。全然気づかなかっ…………」
【宮沢】
「―あっ!」
―そこでようやく俺は、ソレの正体に気付いた
梶井さんの部屋に蚊が居たことなど、過去に一度もない
そして、昨晩首筋に唇を落とし、強く吸い上げたのは………
【宮沢】
「や、やっぱりいいよ!全然かゆくないし、赤みなんてすぐ治まるだろうから」
慌てて身をひるがえし、井上の視線から首筋を隠す
【井上】
「かゆくなくても、先輩のキレイな肌に痕が残ったら大変です!」
【宮沢】
「大丈夫だって!かゆくないから引っ掻かないし、痕なんて残らないよ」
【井上】
「いいえ念のため!
むしろ塗らせてください!!」
【宮沢】
「お前何か違う目的で塗りたがってるだろ!?」
―そんな馬鹿みたいな攻防をしばらく続けていたのだが
ポコッ!
【井上】
「って!」
【井上】
「あっ!なにすんだよ鮎次!!」
【井伏】
「遅いと思ったら、まーた寅雄ちゃんが暴走してたのか。練習時間終わっちまうぞ」
突如井上の背後から現れた井伏さんが、井上の頭を軽くはたいてから、そう言った
【宮沢】
「わ!井伏さん!ごめんなさい!
ほんとだ!もう5分も過ぎてますね!」
【宮沢】
「せっかく連携技の練習日なのにロスするなんて…」
最近仕事が忙しい井伏さんと、受験勉強が本格的に始まった井上は、スケジュールを重ねるのが難しい
今日はそんな井上と井伏さんで新技の実践練習が出来る、数少ないチャンスだったのだ
【井上】
「ごめんなさい先輩!
俺、お詫びに機材運んでいきますから!」
俺より先に着替えが終わった井上が、フォームチェック用のカメラなどを持ってバタバタと出て行った
【宮沢】
「本当にすみません井伏さん。
俺も準備できましたのですぐに……」
―ツン
【井伏】
「『ソレ』さ、けっこう目立つから、付けた相手に注意しといた方がいいぜ?」
【宮沢】
「!!」
不意打ちで耳元に囁かれ、心臓がビクリと飛び跳ねる
【井伏】
「寅雄ちゃんはともかく、オトナにとっては一目瞭然だからさ」
【井伏】
「お相手も分かってて『虫よけ』のつもりなんだろうけどな」
【宮沢】
「は、はい…申し訳ありません。
こんな…みっともないところお見せしちゃって」
【井伏】
「別に謝る必要ねーって。
まあ、普通に嫉妬はするけどな」
井伏さんはそう言って微苦笑すると、行こうぜ?と俺を促した
【宮沢】
(井上は気付かなかったし、井伏さんは大人で助かったけど、気が緩み過ぎてたな)
最近すっかり梶井さんとの行為に慣れすぎて、油断していた部分が多々ある
【宮沢】
(今夜、梶井さんに会った時に、痕を付けないようなプレイにしたいですって頼んでみよう)
―第2話―
『縛鎖』
【ディレクター】
「梶井さん!先週の番組も最高視聴率更新ですよ!スポンサーも大喜びで!」
仕事で訪れたテレビ局で、さっそく顔見知りのディレクターに声を掛けられた
【梶井】
「ふふ。私は貴方の構成と台本通りに進めさせていただいているだけですよ」
【ディレクター】
「またまた?。視聴者の皆さんは、梶井さんの美しい姿と包丁さばき目当てなんですから?」
詰まらないけれど社会人として必須の、お定まりのキャッチボール
―しかし
【ディレクター】
「それにしても、今日は珍しくお疲れの様子ですね。最近ひっぱりだこですもんね?」
その言葉が、私の心に小さな波紋を起こした
(―疲れて見える?
私が…?)
どんなことがあろうと、私はめったに他人に顔色を気取られることはない
もちろん宮沢さんは別だ。
彼は、私が心を曝け出せる唯一の
パートナーなのだから
……―しかし
その最愛の相手に、私は昨晩………
【梶井】
「―ああ。昨日、新作レシピの調整で少し夜更かししてしまっただけですよ」
【梶井】
「ですが不健康な栄養士なんて恰好がつきませんから、本日の収録中に居眠りさせていただきましょうか」
【ディレクター】
「ははは。勘弁して下さいよ?。
あとでレッドプル差し入れますから」
当たり障りなく会話を切り上げ、楽屋へ入る
―昨晩私がつけた、赤い刻印
私は昨晩、宮沢さんの首筋に、行為の証を刻んだのだ
今日が、井伏さん井上さんとの、合同レッスンの日だと知っていながら……
【梶井】
(恐らく、井伏さんには容易に気づかれる事でしょうね…)
そして宮沢さんは、焦って顔を赤くして謝るのだろう
…ひょっとしたら、痣の正体に気付けない井上さんに、苦しい言い訳をしているかもしれない
【梶井】
(貴方が困ると知っていて、私は貴方にキスマークをつけた)
―分別ある大人としては、最低の行為だ
【梶井】
(ですが、私は貴方が他の誰かに奪われるのが怖いのです)
【梶井】
(貴方が私のものである証を残して、他者の手を退けたかったのです…)
【梶井】
「ごめんなさい、宮沢さん…」
ちいさく呟き、私は瞳を閉じた
「先輩、そこ蚊に刺されたんですか?」
更衣室で着替えていると、隣にいた井上が俺の首元を指さした
【宮沢】
「えっ……どこのことだ?」
【井上】
「首の後ろのトコです。すごい赤くなってますよ?かゆくないんですか?」
【宮沢】
「うーん、特になにも感じないし
、そんなトコ普段自分じゃ見ないか
らなあ」
【井上】
「あ!俺ちょうど薬持ってるから塗ってあげますよ」
そういった井上が、バッグの中からスティックタイプの軟膏を取り出した
【井上】
「しょっちゅう弟たちが藪とか潜って刺されて帰ってくるんで、持ち歩くの癖になってて」
【宮沢】
「ありがとう。それならお願いしようかな」
【宮沢】
「それにしても、ゆうべのいつ刺されたんだろう。全然気づかなかっ…………」
【宮沢】
「―あっ!」
―そこでようやく俺は、ソレの正体に気付いた
梶井さんの部屋に蚊が居たことなど、過去に一度もない
そして、昨晩首筋に唇を落とし、強く吸い上げたのは………
【宮沢】
「や、やっぱりいいよ!全然かゆくないし、赤みなんてすぐ治まるだろうから」
慌てて身をひるがえし、井上の視線から首筋を隠す
【井上】
「かゆくなくても、先輩のキレイな肌に痕が残ったら大変です!」
【宮沢】
「大丈夫だって!かゆくないから引っ掻かないし、痕なんて残らないよ」
【井上】
「いいえ念のため!
むしろ塗らせてください!!」
【宮沢】
「お前何か違う目的で塗りたがってるだろ!?」
―そんな馬鹿みたいな攻防をしばらく続けていたのだが
ポコッ!
【井上】
「って!」
【井上】
「あっ!なにすんだよ鮎次!!」
【井伏】
「遅いと思ったら、まーた寅雄ちゃんが暴走してたのか。練習時間終わっちまうぞ」
突如井上の背後から現れた井伏さんが、井上の頭を軽くはたいてから、そう言った
【宮沢】
「わ!井伏さん!ごめんなさい!
ほんとだ!もう5分も過ぎてますね!」
【宮沢】
「せっかく連携技の練習日なのにロスするなんて…」
最近仕事が忙しい井伏さんと、受験勉強が本格的に始まった井上は、スケジュールを重ねるのが難しい
今日はそんな井上と井伏さんで新技の実践練習が出来る、数少ないチャンスだったのだ
【井上】
「ごめんなさい先輩!
俺、お詫びに機材運んでいきますから!」
俺より先に着替えが終わった井上が、フォームチェック用のカメラなどを持ってバタバタと出て行った
【宮沢】
「本当にすみません井伏さん。
俺も準備できましたのですぐに……」
―ツン
【井伏】
「『ソレ』さ、けっこう目立つから、付けた相手に注意しといた方がいいぜ?」
【宮沢】
「!!」
不意打ちで耳元に囁かれ、心臓がビクリと飛び跳ねる
【井伏】
「寅雄ちゃんはともかく、オトナにとっては一目瞭然だからさ」
【井伏】
「お相手も分かってて『虫よけ』のつもりなんだろうけどな」
【宮沢】
「は、はい…申し訳ありません。
こんな…みっともないところお見せしちゃって」
【井伏】
「別に謝る必要ねーって。
まあ、普通に嫉妬はするけどな」
井伏さんはそう言って微苦笑すると、行こうぜ?と俺を促した
【宮沢】
(井上は気付かなかったし、井伏さんは大人で助かったけど、気が緩み過ぎてたな)
最近すっかり梶井さんとの行為に慣れすぎて、油断していた部分が多々ある
【宮沢】
(今夜、梶井さんに会った時に、痕を付けないようなプレイにしたいですって頼んでみよう)
―第2話―
『縛鎖』
【ディレクター】
「梶井さん!先週の番組も最高視聴率更新ですよ!スポンサーも大喜びで!」
仕事で訪れたテレビ局で、さっそく顔見知りのディレクターに声を掛けられた
【梶井】
「ふふ。私は貴方の構成と台本通りに進めさせていただいているだけですよ」
【ディレクター】
「またまた?。視聴者の皆さんは、梶井さんの美しい姿と包丁さばき目当てなんですから?」
詰まらないけれど社会人として必須の、お定まりのキャッチボール
―しかし
【ディレクター】
「それにしても、今日は珍しくお疲れの様子ですね。最近ひっぱりだこですもんね?」
その言葉が、私の心に小さな波紋を起こした
(―疲れて見える?
私が…?)
どんなことがあろうと、私はめったに他人に顔色を気取られることはない
もちろん宮沢さんは別だ。
彼は、私が心を曝け出せる唯一の
パートナーなのだから
……―しかし
その最愛の相手に、私は昨晩………
【梶井】
「―ああ。昨日、新作レシピの調整で少し夜更かししてしまっただけですよ」
【梶井】
「ですが不健康な栄養士なんて恰好がつきませんから、本日の収録中に居眠りさせていただきましょうか」
【ディレクター】
「ははは。勘弁して下さいよ?。
あとでレッドプル差し入れますから」
当たり障りなく会話を切り上げ、楽屋へ入る
―昨晩私がつけた、赤い刻印
私は昨晩、宮沢さんの首筋に、行為の証を刻んだのだ
今日が、井伏さん井上さんとの、合同レッスンの日だと知っていながら……
【梶井】
(恐らく、井伏さんには容易に気づかれる事でしょうね…)
そして宮沢さんは、焦って顔を赤くして謝るのだろう
…ひょっとしたら、痣の正体に気付けない井上さんに、苦しい言い訳をしているかもしれない
【梶井】
(貴方が困ると知っていて、私は貴方にキスマークをつけた)
―分別ある大人としては、最低の行為だ
【梶井】
(ですが、私は貴方が他の誰かに奪われるのが怖いのです)
【梶井】
(貴方が私のものである証を残して、他者の手を退けたかったのです…)
【梶井】
「ごめんなさい、宮沢さん…」
ちいさく呟き、私は瞳を閉じた