告白編 -井伏の場合-
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【宮沢】
「井伏さん!」
そう、彼に名を呼ばれ…他愛ない会話をする時間が―、何より楽しい時間になっていたこと……
【井伏】
(…当の本人は、出会った頃とまるで変わらず……だけどな)
【井伏】
「………」
【井伏】
(さて…と)
飲み終わった紙コップをゴミ箱に投げ入れると、
俺は帰り支度を整え、休日で人もまばらなオフィスを後にした
水着に着替えて室内プールへと足を踏み入れると
何やら宮沢くんが神妙な面持ちで壁際に佇んでいるのが見えた
近寄ってみると、壁の貼り紙とにらめっこしながら…何やらしきりにメモを取っている
【井伏】
(余程重要なことでも書かれてるのか……?
……どれどれ)
すぐ背後まで来ている俺の気配に、気付く様子もないので、宮沢くんの肩越しにソレを覗き見る
【井伏】
(ああ、シフト表ね……
……お?)
【井伏】
「なんだ、宮沢くん明日休みじゃん」
【宮沢】
「………!」
【宮沢】
「井伏さん!今日はお早いんですね」
声で判別がついたのだろう…
特に驚くでもなく、宮沢くんはこちらに笑顔で振り向いた
「休日出勤、お疲れ様です
これから泳ぐんでしょう?それ、預かっておきますよ」
今まで会社にいた旨を伝えると、笑顔で労いの言葉を掛けてくれた宮沢くん
―冗談めかした愛の言葉や誘いは、全て華麗にスル―するくせに……
【宮沢】
「井伏さん…本当にお疲れなんじゃないですか?」
【宮沢】
「………今日はもう休まれた方が…」
いつだって…
俺の体調や、小さな顔色の変化には敏感で、
どんなときも、ただ適当に会話を流しているのではなく、常に相手を思いやっていることが伺える
【井伏】
(宮沢くんのそういうところが…
なんつーか、堪んねぇよなあ…)
嫌われたくなくて媚を売る訳でもなく……
損得勘定で、見え透いた優しさを押し付ける訳でもなく…
【井伏】
「よし、明日デートしようぜ」
【宮沢】
「へ?」宮沢くんには、軽い誘いに聞こえたかもしれないが…
―あの時
俺の心臓は、早鐘のように鳴っていたのだ
―第2話―
『待ち合わせ』
次の日―
待ち合わせの場所へ着くと、そこには既に井伏さんの姿があった
【宮沢】
(まだ20分も前なのに…)
遅刻はしなさそうな井伏さんだけど、まさかこんなに早くに来ているなんて……
それに、入口近くの壁にもたれて…軽く腕を組み、遠くを見つめている姿は―
【宮沢】
(やっぱり…
井伏さんて恰好良いよなあ
おしゃれだし、スタイルいいし…)
女性グループはもちろん
カップルで来ている女性ですら、
彼氏の目を盗んで…井伏さんの方へ、チラチラと熱い視線を送っている
【宮沢】
(……あ)
…うっかり声を掛けるタイミングを失っていると、不意に…井伏さんの視線がこちらへ向いて…
【井伏】
「よう、宮沢くん早いな!」
目があった瞬間、井伏さんの目に柔らかな表情が宿る
その変化に気付いた瞬間…ドキリと、心臓が音を立てて跳ねた
【宮沢】
「乗り継ぎの関係で、次だと遅すぎるかなって思ったら、この時間になっちゃったんです」
【宮沢】
「井伏さんこそ、まさか俺より早く着いてるなんて思いませんでした」
【宮沢】
「すみません…。
お待たせ、しちゃいましたか……?」
【井伏】
「いや、割とさっき来たとこだし」
【井伏】
「それに、せっかくの宮沢くんとの初デートで、待たせちゃ悪ぃなと思ってさ」
【井伏】
「アンタ、メンバーで集まるときも、いつも誰よりも早く来て、部屋の温度調節とか…色々やってるだろ」
【井伏】
「こーゆーときも、絶対早く来ると思ったんだよな」
【宮沢】
「―えっ!?」
【宮沢】
(気付いてて……くれたんだ)
【井伏】
「ははっ!ナンバーワン営業マンの観察眼をなめんなよ?」
【井伏】
「ま、そうじゃなくてもアンタのことは、つい目で追っちゃうんだけどな」
意外そうな顔で見返す俺に、何でもないような口調で…笑って答える井伏さん
【宮沢】
(なんか…、今日はいつもと違うっていうか…、同じなのかもだけど……)
普段ならサラリと流せる軽口に…何故だか上手く反応できず、思わず赤面して…言葉を失ってしまう
【井伏】
「ん、どうした?
今日はいつもとリアクションが違うな」
【井伏】
「ようやく俺の本気が伝わったって事なら、いつでも応えてくれていいんだぜ?」
【宮沢】
「もう!そういうのじゃありませんよ」
【井伏】
「ふーん……?」
井伏さんの視線が…、俺の胸の内を見透かすように細められる
【井伏】
「俺としては、そうやって可愛く赤面して貰える方が、普段より口説き甲斐があって嬉しいけどな」
【宮沢】
「井伏さんっ!」
【井伏】
「ははは、怒るなって。
じゃ、そろそろ中入ろうぜ?俺、絶叫系制覇したいんだよな♪」
【宮沢】
「あ、それは俺もしたいです」
【井伏】
「ぷ、その切り替え早えーとこ、マジ好きだわ。
ほら、チケットこれな」
人分のチケットを取り出すと、井伏さんは1枚を俺に手渡してくれた
【宮沢】
「買っておいて下さったんですね
いま代金を………、おいくらですか?」
そう言って財布を取り出そうとした俺の手を、井伏さんが押し留める
【井伏】
「んなモンいーって。
俺が誘ったんだから、来てくれたお礼ってことで。な?」
【宮沢】
「別にそんな……
でも、あ…ありがとうございます」
【井伏】
「ホントは身体でお礼をしたいトコなんだけどな♪」
「井伏さん!」
そう、彼に名を呼ばれ…他愛ない会話をする時間が―、何より楽しい時間になっていたこと……
【井伏】
(…当の本人は、出会った頃とまるで変わらず……だけどな)
【井伏】
「………」
【井伏】
(さて…と)
飲み終わった紙コップをゴミ箱に投げ入れると、
俺は帰り支度を整え、休日で人もまばらなオフィスを後にした
水着に着替えて室内プールへと足を踏み入れると
何やら宮沢くんが神妙な面持ちで壁際に佇んでいるのが見えた
近寄ってみると、壁の貼り紙とにらめっこしながら…何やらしきりにメモを取っている
【井伏】
(余程重要なことでも書かれてるのか……?
……どれどれ)
すぐ背後まで来ている俺の気配に、気付く様子もないので、宮沢くんの肩越しにソレを覗き見る
【井伏】
(ああ、シフト表ね……
……お?)
【井伏】
「なんだ、宮沢くん明日休みじゃん」
【宮沢】
「………!」
【宮沢】
「井伏さん!今日はお早いんですね」
声で判別がついたのだろう…
特に驚くでもなく、宮沢くんはこちらに笑顔で振り向いた
「休日出勤、お疲れ様です
これから泳ぐんでしょう?それ、預かっておきますよ」
今まで会社にいた旨を伝えると、笑顔で労いの言葉を掛けてくれた宮沢くん
―冗談めかした愛の言葉や誘いは、全て華麗にスル―するくせに……
【宮沢】
「井伏さん…本当にお疲れなんじゃないですか?」
【宮沢】
「………今日はもう休まれた方が…」
いつだって…
俺の体調や、小さな顔色の変化には敏感で、
どんなときも、ただ適当に会話を流しているのではなく、常に相手を思いやっていることが伺える
【井伏】
(宮沢くんのそういうところが…
なんつーか、堪んねぇよなあ…)
嫌われたくなくて媚を売る訳でもなく……
損得勘定で、見え透いた優しさを押し付ける訳でもなく…
【井伏】
「よし、明日デートしようぜ」
【宮沢】
「へ?」宮沢くんには、軽い誘いに聞こえたかもしれないが…
―あの時
俺の心臓は、早鐘のように鳴っていたのだ
―第2話―
『待ち合わせ』
次の日―
待ち合わせの場所へ着くと、そこには既に井伏さんの姿があった
【宮沢】
(まだ20分も前なのに…)
遅刻はしなさそうな井伏さんだけど、まさかこんなに早くに来ているなんて……
それに、入口近くの壁にもたれて…軽く腕を組み、遠くを見つめている姿は―
【宮沢】
(やっぱり…
井伏さんて恰好良いよなあ
おしゃれだし、スタイルいいし…)
女性グループはもちろん
カップルで来ている女性ですら、
彼氏の目を盗んで…井伏さんの方へ、チラチラと熱い視線を送っている
【宮沢】
(……あ)
…うっかり声を掛けるタイミングを失っていると、不意に…井伏さんの視線がこちらへ向いて…
【井伏】
「よう、宮沢くん早いな!」
目があった瞬間、井伏さんの目に柔らかな表情が宿る
その変化に気付いた瞬間…ドキリと、心臓が音を立てて跳ねた
【宮沢】
「乗り継ぎの関係で、次だと遅すぎるかなって思ったら、この時間になっちゃったんです」
【宮沢】
「井伏さんこそ、まさか俺より早く着いてるなんて思いませんでした」
【宮沢】
「すみません…。
お待たせ、しちゃいましたか……?」
【井伏】
「いや、割とさっき来たとこだし」
【井伏】
「それに、せっかくの宮沢くんとの初デートで、待たせちゃ悪ぃなと思ってさ」
【井伏】
「アンタ、メンバーで集まるときも、いつも誰よりも早く来て、部屋の温度調節とか…色々やってるだろ」
【井伏】
「こーゆーときも、絶対早く来ると思ったんだよな」
【宮沢】
「―えっ!?」
【宮沢】
(気付いてて……くれたんだ)
【井伏】
「ははっ!ナンバーワン営業マンの観察眼をなめんなよ?」
【井伏】
「ま、そうじゃなくてもアンタのことは、つい目で追っちゃうんだけどな」
意外そうな顔で見返す俺に、何でもないような口調で…笑って答える井伏さん
【宮沢】
(なんか…、今日はいつもと違うっていうか…、同じなのかもだけど……)
普段ならサラリと流せる軽口に…何故だか上手く反応できず、思わず赤面して…言葉を失ってしまう
【井伏】
「ん、どうした?
今日はいつもとリアクションが違うな」
【井伏】
「ようやく俺の本気が伝わったって事なら、いつでも応えてくれていいんだぜ?」
【宮沢】
「もう!そういうのじゃありませんよ」
【井伏】
「ふーん……?」
井伏さんの視線が…、俺の胸の内を見透かすように細められる
【井伏】
「俺としては、そうやって可愛く赤面して貰える方が、普段より口説き甲斐があって嬉しいけどな」
【宮沢】
「井伏さんっ!」
【井伏】
「ははは、怒るなって。
じゃ、そろそろ中入ろうぜ?俺、絶叫系制覇したいんだよな♪」
【宮沢】
「あ、それは俺もしたいです」
【井伏】
「ぷ、その切り替え早えーとこ、マジ好きだわ。
ほら、チケットこれな」
人分のチケットを取り出すと、井伏さんは1枚を俺に手渡してくれた
【宮沢】
「買っておいて下さったんですね
いま代金を………、おいくらですか?」
そう言って財布を取り出そうとした俺の手を、井伏さんが押し留める
【井伏】
「んなモンいーって。
俺が誘ったんだから、来てくれたお礼ってことで。な?」
【宮沢】
「別にそんな……
でも、あ…ありがとうございます」
【井伏】
「ホントは身体でお礼をしたいトコなんだけどな♪」