井伏と交際一年目
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【宮沢】
「なんかって……俺自身は何も変わってないと思うけど」
【宮沢】
(そ、そんなに男らしくなくなってきてるのかな……?)
まさか誰かに指摘されるほどとは思っていなかった俺は、内心動揺を隠しながら否定をする
伊坂は自分でもなんて言ったらいいのか分からない様子で、頬をかきながら続けた
【伊坂】
「いや……妙にエロさが増したっつーか、色っぽくなったつーか」
【宮沢】
「なんだよソレ。男に言うセリフじゃないだろ」
自分で言った台詞に少し傷つきながら、俺はこれ以上聞きたくなくて視線を逸らした
思い込みではなく傍から見てもそう感じるなんて、恥ずかしすぎていたたまれない
【宮沢】
(……でも、どんなところがそうなのか分かれば、直せるかもしれない)
フとそう思った俺は、何気ない様子を装って伊坂に聞いてみた
【宮沢】
「じゃあさ、その……例えばどの辺が?」
【伊坂】
「どこがって言われてもなぁ……表情っていうか雰囲気っていうか……?」
伊坂はごにょごにょと言いながら、曖昧に返してくる
納得のいかなかった答えに、俺は少しだけガッカリしながら肩を落とした
【宮沢】
「そんなんじゃ全然わかんないよ」
【伊坂】
「っつってもなあ…」
伊坂は少し考え込むように首を捻った【伊坂】
「そういや、谷崎は?お前のことなら、谷崎が一番わかるんじゃね?」
「いつも一緒にいるだろ」と、伊坂は妙案を思いついたように手を打った
【宮沢】
(確かに潤司は幼馴染だし、いつも相談にのってもらってるし……)
【宮沢】
「そうだよな。ありがと、潤司に聞いてみる」
【伊坂】
「いや、俺の方こそ変なこと言って悪かったな」
【宮沢】
「別にいいって。それじゃあ、またな」
すまなそうにする伊坂に首を振って、俺は潤司の元へ行くために席を立った
【宮沢】
(昔から一緒だった潤司なら、俺の何処が変わったのか分かるかもしれない)
俺はそう思いながら、潤司がいるであろう図書館の方へとむかったのだった
―第2話―
『親友』
図書館でレポートを書いている潤司の姿を見つけ、俺は小声で話しかけた
【宮沢】
「潤司、今ちょっといいかな?」
【谷崎】
「宮沢、どうした?」
潤司はキーボードで文字を打ち込む手を止めて、俺の方へ振り返る
俺は少しだけ緊張しながら、潤司に相談を持ち掛けた
【宮沢】
「その、ここじゃ言いにくくて…。レポート中にごめんね」
【谷崎】
「いや構わない。俺も丁度きりが良いタイミングだ。一緒に帰りながら話を聞こう」
潤司は安心させるように優しく微笑むと、ノートパソコンを仕舞い始めた
【宮沢】
「ありがとう、潤司」
【谷崎】
「いや、1人にして悪かった。いこうか」
テキパキと荷物をまとめた潤司は、そういって俺を促した
【谷崎】
「そろそろ駅に着いてしまうぞ?」
並んで駅までの道を歩きながら、中々言い出さない俺に潤司が切り出した
【宮沢】
「……うん。最近の俺って、潤司からみて何か変わった?」
【谷崎】
「どうして、そんなことが気になったんだ?」
思い切って口にした俺に、潤司は優しい声音でそう訊ね返す
【宮沢】
「え、ええとね…。その……」
自分から相談を持ちかけたものの、
今さらながらに潤司に恋の相談をすることが躊躇われて、言葉を濁らせてしまう
―しかし
【谷崎】
「井伏さんとの交際で悩んでいるのか?」
【宮沢】
「えっ!?どうしてわかったの!?!?」
【谷崎】
「お前だって、誰も気付かない俺の変調に、いつだってすぐ気づくだろう」
【宮沢】
「確かに…」
【谷崎】
「俺も、それと同じだ
だてに12年も親友をしている
訳じゃないからな」
ほんの少し眉を下げて、潤司が笑った
【宮沢】
「俺……最近自分が男らしさを失っているように感じるんだ」
【谷崎】
「男らしさ?」
【宮沢】
「うん。女の人に間違われたり…。あと、男の人に痴漢される事も増えてきて…」
【宮沢】
「さっきも伊坂に……その、エロさが増したって言われて……」
自分でそんなことを言うのが恥ずかしくなって、段々と語尾が小さくなってしまう
すると、潤司はそんな俺を見て軽く笑った
【谷崎】
「お前、以前は自分の演出に艶が足りないかも……なんて逆に悩んでいた時期もあったのにな」
【宮沢】
「そ…そんなこともあったかもだけど…」
からかうような潤司の言葉に、思わず顔が赤くなる
【宮沢】
(あの時は、自分が精神的に幼すぎるせいで演技に色気が出ない…って落ち込んでたんだっけ)
【谷崎】
「その頃も今も、お前が目指す道も情熱も変わってはいないだろ?」
【宮沢】
「俺が目指す道……」
確かめるように聞いてきた潤司の言葉を反芻する
【宮沢】
(……選手としてじゃなくてもコーチとして、みんなのいるシンクロチームを世界一にする)
【宮沢】
(そのためには、どんなことだって出来る限りやるって、そう決めたんだ……!)
心の中の決意を再確認した俺は、勢いよく潤司に頷いた
【宮沢】
「うん。俺、その気持ちだけはあの頃から何も変わってない」
【谷崎】
「なら、何も問題はない」
潤司は俺の答えに満足そうに笑顔を見せ、しっかりと俺の目を見つめてくる
【谷崎】
「それに、おかしな奴に絡まれることがあっても、俺がお前を本当に危険な目に遭わせたことはないだろう?」
【谷崎】
「明日からは毎日一緒に大学に通おう。電車の中では、俺がお前をガー
ドする」
【宮沢】
「ありがとう潤司!
ふふ、悩んでたのが馬鹿みたい!
潤司が居て良かった!」
【宮沢】
「俺も潤司のピンチの時は何があっても絶対助けるからね!」
「なんかって……俺自身は何も変わってないと思うけど」
【宮沢】
(そ、そんなに男らしくなくなってきてるのかな……?)
まさか誰かに指摘されるほどとは思っていなかった俺は、内心動揺を隠しながら否定をする
伊坂は自分でもなんて言ったらいいのか分からない様子で、頬をかきながら続けた
【伊坂】
「いや……妙にエロさが増したっつーか、色っぽくなったつーか」
【宮沢】
「なんだよソレ。男に言うセリフじゃないだろ」
自分で言った台詞に少し傷つきながら、俺はこれ以上聞きたくなくて視線を逸らした
思い込みではなく傍から見てもそう感じるなんて、恥ずかしすぎていたたまれない
【宮沢】
(……でも、どんなところがそうなのか分かれば、直せるかもしれない)
フとそう思った俺は、何気ない様子を装って伊坂に聞いてみた
【宮沢】
「じゃあさ、その……例えばどの辺が?」
【伊坂】
「どこがって言われてもなぁ……表情っていうか雰囲気っていうか……?」
伊坂はごにょごにょと言いながら、曖昧に返してくる
納得のいかなかった答えに、俺は少しだけガッカリしながら肩を落とした
【宮沢】
「そんなんじゃ全然わかんないよ」
【伊坂】
「っつってもなあ…」
伊坂は少し考え込むように首を捻った【伊坂】
「そういや、谷崎は?お前のことなら、谷崎が一番わかるんじゃね?」
「いつも一緒にいるだろ」と、伊坂は妙案を思いついたように手を打った
【宮沢】
(確かに潤司は幼馴染だし、いつも相談にのってもらってるし……)
【宮沢】
「そうだよな。ありがと、潤司に聞いてみる」
【伊坂】
「いや、俺の方こそ変なこと言って悪かったな」
【宮沢】
「別にいいって。それじゃあ、またな」
すまなそうにする伊坂に首を振って、俺は潤司の元へ行くために席を立った
【宮沢】
(昔から一緒だった潤司なら、俺の何処が変わったのか分かるかもしれない)
俺はそう思いながら、潤司がいるであろう図書館の方へとむかったのだった
―第2話―
『親友』
図書館でレポートを書いている潤司の姿を見つけ、俺は小声で話しかけた
【宮沢】
「潤司、今ちょっといいかな?」
【谷崎】
「宮沢、どうした?」
潤司はキーボードで文字を打ち込む手を止めて、俺の方へ振り返る
俺は少しだけ緊張しながら、潤司に相談を持ち掛けた
【宮沢】
「その、ここじゃ言いにくくて…。レポート中にごめんね」
【谷崎】
「いや構わない。俺も丁度きりが良いタイミングだ。一緒に帰りながら話を聞こう」
潤司は安心させるように優しく微笑むと、ノートパソコンを仕舞い始めた
【宮沢】
「ありがとう、潤司」
【谷崎】
「いや、1人にして悪かった。いこうか」
テキパキと荷物をまとめた潤司は、そういって俺を促した
【谷崎】
「そろそろ駅に着いてしまうぞ?」
並んで駅までの道を歩きながら、中々言い出さない俺に潤司が切り出した
【宮沢】
「……うん。最近の俺って、潤司からみて何か変わった?」
【谷崎】
「どうして、そんなことが気になったんだ?」
思い切って口にした俺に、潤司は優しい声音でそう訊ね返す
【宮沢】
「え、ええとね…。その……」
自分から相談を持ちかけたものの、
今さらながらに潤司に恋の相談をすることが躊躇われて、言葉を濁らせてしまう
―しかし
【谷崎】
「井伏さんとの交際で悩んでいるのか?」
【宮沢】
「えっ!?どうしてわかったの!?!?」
【谷崎】
「お前だって、誰も気付かない俺の変調に、いつだってすぐ気づくだろう」
【宮沢】
「確かに…」
【谷崎】
「俺も、それと同じだ
だてに12年も親友をしている
訳じゃないからな」
ほんの少し眉を下げて、潤司が笑った
【宮沢】
「俺……最近自分が男らしさを失っているように感じるんだ」
【谷崎】
「男らしさ?」
【宮沢】
「うん。女の人に間違われたり…。あと、男の人に痴漢される事も増えてきて…」
【宮沢】
「さっきも伊坂に……その、エロさが増したって言われて……」
自分でそんなことを言うのが恥ずかしくなって、段々と語尾が小さくなってしまう
すると、潤司はそんな俺を見て軽く笑った
【谷崎】
「お前、以前は自分の演出に艶が足りないかも……なんて逆に悩んでいた時期もあったのにな」
【宮沢】
「そ…そんなこともあったかもだけど…」
からかうような潤司の言葉に、思わず顔が赤くなる
【宮沢】
(あの時は、自分が精神的に幼すぎるせいで演技に色気が出ない…って落ち込んでたんだっけ)
【谷崎】
「その頃も今も、お前が目指す道も情熱も変わってはいないだろ?」
【宮沢】
「俺が目指す道……」
確かめるように聞いてきた潤司の言葉を反芻する
【宮沢】
(……選手としてじゃなくてもコーチとして、みんなのいるシンクロチームを世界一にする)
【宮沢】
(そのためには、どんなことだって出来る限りやるって、そう決めたんだ……!)
心の中の決意を再確認した俺は、勢いよく潤司に頷いた
【宮沢】
「うん。俺、その気持ちだけはあの頃から何も変わってない」
【谷崎】
「なら、何も問題はない」
潤司は俺の答えに満足そうに笑顔を見せ、しっかりと俺の目を見つめてくる
【谷崎】
「それに、おかしな奴に絡まれることがあっても、俺がお前を本当に危険な目に遭わせたことはないだろう?」
【谷崎】
「明日からは毎日一緒に大学に通おう。電車の中では、俺がお前をガー
ドする」
【宮沢】
「ありがとう潤司!
ふふ、悩んでたのが馬鹿みたい!
潤司が居て良かった!」
【宮沢】
「俺も潤司のピンチの時は何があっても絶対助けるからね!」